2012年01月

2012年01月29日

わが国の安全保障への不安

 ダボス会議のセッションでもとりあげられた対イラン制裁問題。
 
 これまで、国内での圧制や人権問題、大量破壊兵器開発などの問題を抱えた国に対して、アメリカを中心に制裁を始めとして強い圧力をかけるということが、この10数年行われてきています。あるものはその後軍事行動につながり体制転換にもつながりました。

 しかし、様々な国への様々な行動を分析してみれば、アメリカの「本気度」に濃淡があるのも事実です。ほぼ核兵器の保有をしている(しかも宣言している)北朝鮮と、大量破壊兵器については発見できなかったイラク、明確ではないイランそれぞれへの対応を見てもそれは明らかです。

 そして、わが国の国益を考えたとき、そして長期的な地域の安定を考えたとき、上記の問題を抱える北朝鮮や中国に対してどのような政策をわが国として採っていくべきなのか、そしてそのために同盟国であるアメリカ、あるいは台湾韓国などとどのような連携が必要なのか、基本のラインをクリアにしておく必要があります。

 中国や北朝鮮で平和裏に民主主義政権が誕生し、大量破壊兵器を放棄するといった事態が起こる確率が低いとすれば、崩壊した際の周辺国へのダメージを最小限にすることができるシナリオをきちんと詰めておくことが非常に重要です。

 かつて対北朝鮮制裁の一環で、大量破壊兵器に関する臨検が行われた際、北朝鮮に入るものに対しての臨検を考えていたのは日本だけで、他の当事国は北朝鮮から第三者への輸出に対する臨検しか考えていなかった、という過去の事実もあります。つまりは、イラクやイランと異なり、北朝鮮については第三者への流出さえしなければ核の保有やむなしという考えがアメリカにもあったということです。そしてこのことがさらに状況を悪くしてしまった。

 こうしたことからも、わが国として最も重要な国益にかかわる部分において、同盟国のアメリカとすら十分なコミュニケーションをとれていないことは明らかです。自民党政権時代ですら十分にはできていなかったことが、政権交代以降さらにコミュニケーションがとれていないという現実もあります。

 今後不安定化する可能性もある北朝鮮や中国の状況を考えれば、さらにわが国として単独で対処することが出来ない現実を考えれば、日本としての対処方針を明確にし同盟関係を含めた安全保障体制を今から堅固にしておくことが急務です。

suzuki_keisuke at 17:19トラックバック(0) 

2012年01月23日

「中国の核心的利益」とされた尖閣諸島

 今日は自民党の党大会もあり、選挙区の日程も多く、地元と東京とを行き来する日でした。

 党大会では、報道もされていますが、来賓として米倉経団連会長がスピーチをしている最中に、TPPについての必要性を述べたくだりで、反対派の数名がヤジを飛ばすということがありました。

 賛成、反対はさておき、来賓として党の招待に応じて出席した人に対してヤジを飛ばすというのは、礼節としていかがなものかと違和感を覚えた人が私の周りの出席者でも多かったようです。仮にも「保守」という自覚があるのであれば最低限の礼儀をわきまえねばならないのは当然であり、こうした行状は恥ずべきものといわざるを得ません。もちろんこうした時の常で、そのような者に追随する人が党内にいるはずもなく、大多数は一瞬の出来事に違和感を覚えながら粛々と進んでいたのが実態ではありますが・・・

 さて、それはさておき、中国の「人民日報」において、尖閣諸島に関し、「中国の核心的利益」との記述があった(http://j.people.com.cn/94474/7707296.html)ということがここ数日話題となっています。人民日報も共産党の事実上の広報誌ですから、特に論評は共産党のメッセージであり、注視が必要です。

 核心的利益という表現は台湾やチベットと同等ということであり、今後このようなスタンスが固定化されれば非常に厄介なことともなりかねません。中国の指導部の交代、わが国の政局の不安定さをにらんでの牽制球の可能性が高いわけで、わが国としては尖閣諸島近海の実効支配をさらに強化するような布石を打ち、断固としたメッセージを打ち出さねばなりません。

 特に今回の核心的利益(core interest)という言葉については、人民日報の論説の3日後にCCTVの英語版の中でもわざわざこの言葉を取り出して言及されており、中国共産党として日本・アメリカの両国に対して確信犯的に発したメッセージと受け止めるべきです。CCTVの中では国際関係学院の教授に「両国の今後の交渉の中でスタンスをクリアにしたもの」と発言させており、わが国としてもきちんとした対応をしていく必要がありそうです。

 中国共産党はここのところ、日本が無人島の名称確定をさせるという方針に反発を強めており、それを日本がEEZ(排他的経済水域)を拡張させようとしている企みだとの評価をしています。逆を言えば、中国はそのようなやり口をこれまでしてきたあるいは今後していくということでもあり、わが国としてはこれを契機に中国との境界の問題で断固とした姿勢を具体的にとっていく必要があります。

 特にアメリカが防衛面でのアジアシフトを明確にしたところでもあり、中国はこれまでのように傍若無人に拡張の一途というわけにはいかないとの焦りを感じているようにも見えます。まさにわが国にとっても正念場ですので、アメリカとの連携を密にして、アジア太平洋地域の安全保障体制の構築を日米を軸に進めていくべく腹をくくらねばなりません。

suzuki_keisuke at 00:25トラックバック(0) 

2012年01月16日

危機をマーケットのせいにしてはならない

 ヨーロッパ諸国で債務危機の先行きが依然として見えない状況が続いています。格付け機関によるフランスやオーストリアの国債格下げもあり、関係者の間で非常にフラストレーションがたまっているようにも見えます。

 ここでどのような対応がされるか。一つ間違えればユーロ圏の崩壊や世界経済への大きなダメージともなりかねないだけに注目したいと思います。

 一点注意していかねばならないのは、この状況をマーケットのせいにしたところで、全く問題は解決しないという点です。そしてそのような反応が実際に出てきているという点が若干気がかりです。

 フランスの閣僚が欧州独自の格付け機関を設立する(「アメリカの格付け機関がおかしいのだ」と考えていると捉えられかねない)ということを表明したり、通貨取引に課税するトービン税(「市場参加者の反応がおかしいのだ」と考えていると捉えられかねない)を欧州首脳がぶち上げたりと、「悪者は市場」的な反応がこのところ見られています。日本においても何か問題があると、政治家や政府関係者の間ではそのような議論が起こりがちです。

 しかし、今回の債務危機にしても、サブプライムローン問題にしても、なぜ危機的な状況に陥ったかといえば、それは「市場の失敗」ではなく「政府の失敗」が根本にあったからです。

 たしかにマーケットが短期的にオーバーシュートすることがあったのは事実ですし、この点は大きな課題です。しかし、根本的な原因は、これではない。むしろ、本来存在したリスクを政治的な思惑で過小評価してきたという事実が「実態と評価のゆがみ」ととらえられ、歪んだ状況を正しい状況に回復する動きが投機的な動きにより加速された、という点にあることを忘れるわけにはきません。まさに「ユーロ」「GSE」といったものがモラルハザードを生み、それを放置することで、ゆがみをさらに大きくしてきたというのが危機が深刻化した大きな要因でした。

 であるとすれば、本来政治指導者がとるべき危機対応を考えれば、正すべきは「市場の反応」ではなく「歪んでいた制度、あるいは政治構造」でなければならないはずです。そこを誤って市場の反応に責任転嫁すれば、それは政治の危機対応能力が欠けているという証左と見られかねません。

 たしかに市場が短期的な視野で振れすぎるという問題を抱えているのは事実ですが、しかし、少なくとも「ものの価値」を巡る評価における透明性や公平性という意味では市場が最もベストなものであるのも事実です。そして長期のトレンドという意味では比較的正しい方向に進んでいることが多いのも事実です。それに反旗を翻せば、マネー自体がそこに流れてこなくなり、経済自体が回らなくなってしまう。そして、そのことは確実に危機を悪化させます。というより短期的な混乱を本物の深刻な状況に変えてしまいます。

 だからこそ、市場を自分たちの思いのままにするとか、市場を過度に規制するということを政治がするべきでは決してありません。実は政治家という意味でいえば、この「市場」を「世論」に置き換えて考えると非常に示唆に富んでいるのかもしれません。『「マーケット」「世論」には振り回されるべきではないが、謙虚でなければならない』、私はそう信じています。

suzuki_keisuke at 14:38トラックバック(0) 

2012年01月14日

週末のとある光景@港北・都筑

 内閣改造もありましたが、今日は「たまには」ということで、地元での活動の写真をいくつかご紹介させていただきたいと思います。

 今週末は季節的に伝統的な行事が続いています。

 まずは、何箇所かで行われた「どんと焼き」。今年は行政からの指示で始める前と終わった後に放射性物質の有無の検査もせねばならなくなったとのことで、関係者の方々のご苦労もまた増えたことかと思います。しかし、餅を片手にした子供たちの笑顔を見て「みんな楽しみにしているからね」とおっしゃる方も多く、改めて普段からのご尽力に感謝する次第です。

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 そして、次にご紹介するのは、大倉山にある師岡熊野神社で行われた「筒粥神事」です。私はここ何年か参加させていただいていますが、この神社では今回でなんと1063回目。1063年間続いている行事です。

 筒の中の粥の入り具合を見て、その年の農作物や天候、世の中を占う、というもので、昔はこれで作付けを決める材料にしていたりもしたようです。今年は、いくつかピックアップすると、「わせ」が半分、「な」が七分、「芋」が七分、「日」が半分、「風」が七分で、「雨」と「世の中」が八分だそうです。良い一年になることを祈りたいと思います。

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 最後に、これは先週のショットですが、地元の港北区で行われた港北駅伝に出走した際の写真です。連合町内会の部に加えて、一般参加の部でも70チームものエントリーがあって、今や風物詩ともなりつつある大きなイベントです。順位は・・・・

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 ここにご紹介したものは、毎年開催されている行事で、もちろん広く一般にオープンにされているものですので、ご興味をお持ちの方はぜひ来年ご参加いただければと思います。


suzuki_keisuke at 16:47トラックバック(0) 

2012年01月10日

台湾の総統選挙を控えて

 今週末に台湾の総統選挙があります。民進党の候補か国民党の候補か、依然として予断を許さない状況のようです。

 しかし、考えてみれば、我が国のシーレーン上非常に重要な場所に民主主義国家があり、かつ親日的な国民感情が強い国があるという事実は、我が国の国益を考えれば非常に重要です。私も台湾に友人がいて何回も訪れていますが、他の国では考えにくいくらい日本という国を評価してくれている人が多いことにいつも驚かされます。

 そして地政学的には、台湾が今も中国大陸のすぐ横の金門・馬祖の両島を支配していることのメリットは極めて大きいという事実を忘れるわけにいきません。

 もちろん我が国以上に経済的に中国大陸との関係が深まっているのは事実です。そして相互依存の状況は年々深まっています。そんな中で台湾人の中でも以前にも増してより現実的な意識が強くなっているように感じます。もはや台湾から大陸に攻めていこうということを真剣に考えている場面はほとんどないと言っていいと思います。

 しかしその一方で、逆に中国共産党は依然として台湾の併合をその意識の中に持っているのは事実です。また、対アメリカ、対日本という意味でも台湾海峡および台湾を戦略的に欲しがっている側面も否定できません。

 我が国としては、台湾海峡の安全と、民主主義、自由主義に立脚した台湾の安定が、我が国の国益としても非常に重要ですし、また自由な台湾の人々が、望まないにも関わらず独裁国家の影響下に置かれるという事態は、人道的な観点からも断固として避けねばなりません。台湾が中国に侵略される様なことがあれば、それはまさに我が国の自衛に関わる問題です。

 そのことを考えれば、選挙後どのような政権となろうとも、中国の意向云々ということではなく、アメリカも含めて、台湾と「価値の共有」をベースとした友好関係を維持強化していくことが極めて重要です。

 自由で民主的かつ親日的な台湾という存在が我が国にとっていかに重要かということは、ある意味当たり前すぎて忘れられがちです。しかし、一つ間違えればそれも様々なリスクにさらされています。総統選を契機に改めて考える必要があるかもしれません。
 


suzuki_keisuke at 18:20トラックバック(0) 

2012年01月01日

平成24年年頭所感

 忘れられない2011年が終わり、新しい年を迎えました。
 
 今年は、アメリカや中国、台湾、韓国をはじめロシアやフランスなど多くの国で国のトップをめぐる選挙が行われます。また、そのような政治的な先行きが見通せない状況にあって、経済的にもユーロの構造的危機も依然として解決のめどが立たず、また中国やアメリカでも当面の景気が危ぶまれるなど、非常に不安定な状況が続いています。安全保障という点でも、朝鮮半島において政治的に大きな変化があり、一方で地域の大国である中国が海軍力をはじめとして軍事的な能力の強化や行動の積極化を見せている中で、東アジアの安全保障環境は依然として非常に不安定な状況が続きます。

 またわが国にあっても、3.11の震災以降の動きは当然のこととして、それ以前の3月10日以前にわが国が抱えていた問題点は全く解決できないままです。産業の空洞化、少子化高齢化、様々な点でわが国の国際競争力が徐々に弱体化してきているという事実は何も変えることができていません。

 政治は当然のことながら、実際にビジネスをして国の富を創ることはできません。しかし、その大前提となる安全保障の問題や地球の持続可能性の問題はもちろんのこと、ビジネスをやりやすい環境、日本という国にヒト・モノ・カネを集まりやすくする仕組みづくり、国づくりはまさに政治がやらねばならない使命です。

 今年あるいは来年には衆議院の総選挙、わが国の政権をかけた選挙がおこなわれるわけですが、今のわが国の状況をしっかりと見据えて、政局ではなく、わが国の進むべき道をよりよいものとするための議論と決断こそが今の政治には求められていると私は思います。

 無断の削減も含め、やって当然のことをきちんとやるGovernanceと、かつてのやり方にとらわれずに今の国際情勢に合った戦略をしっかり打ち出せるCreativityの両方を備えた政治を我々の世代から創っていくことを改めてお誓いをし、平成24年、2012年の年頭に当たっての所感といたしたいと思います。

*なお、毎年年初に記載させていただいておりますが、「公職の候補者となろうとするもの」は、公職選挙法第147条の2の規定により、年賀状を含むあいさつ状を出すことを禁止されておりますので、ご理解いただけますようお願い申し上げます。

suzuki_keisuke at 00:06トラックバック(0) 
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