2012年05月

2012年05月25日

「国土強靭化」の名の下に

 あまりなじみのない言葉と思いますが、「国土強靭化」という言葉が自民党の一部でキーワードになりつつあります。

 昨年の10月、国土強靭化総合調査会(二階俊博会長)が立ち上げられ、気がつけばこの「国土強靭化」自民党のマニフェスト原案の大きな項目になっていました。

 で、その「国土強靭化」とは一体何なのか。調査会の取りまとめた報告書等によれば、10年間で200兆円の公共事業を行う、そしてその財源は特別国債とのこと。そして大きな項目としては、道路のミッシングリンク(つながっていない道路)の解消や港湾整備等を含む一般社会資本整備も挙げられています。そうやって雇用創出とデフレ解消を行うということのようです。

 確かに東日本大震災や予想される様々な大地震に備えるために、例えば通信インフラやある程度のバックアップサイトを整備することは「安全」への備えとして、国がやるべきです。また必要な耐震化なども進めねばなりません。その範囲の「国土強靭化」であれば問題はありませんし、むしろ積極的に進めるべきものと私も思います。

 しかし、そのような備えについても、どこまでやるか、については冷静な議論が必要です。現実問題として、震災への対応を堤防などのハードだけでやろうとすれば、無限に近い費用負担が生じるわけで、実際には避難に関するソフト面の支援とのバランスをとることが必要になってきます。大自然の脅威を完全に封じ込めることなど財政的にも技術的にも現実的ではありません。

 ましてや、「必要性の低い道路も、震災時には活用できるかもしれないのだからどんどん整備しよう」「200兆でも300兆でも公共事業をバーンとやるべきだ」というのは明らかに不自然な議論といわざるを得ません。

 ただでさえ、かつて整備されてきた道路や様々な社会資本が老朽化の時期を迎え、今後はメンテナンス・補修だけで今の規模の公共事業予算は枯渇してしまうような状況です。そこに新規の道路を次々に作ってしまえば、それを維持するだけで、将来的に大変な額の負担が生じることになってしまいます。

 また雇用創出・デフレ解消あるいは経済成長という観点から考えても、時代にあった業態への転換や生産性の向上の必要性といった、かつての失われた10年の苦い失敗から得た教訓と全く逆の、同じ失敗を繰り返すことにもなりかねません。

 様々な改革を断行し、「小さな政府」「民間のダイナミズムによる経済成長」を軸に、将来にわたる消費税の上げ幅を最小限に抑えるというのが、自助自立を党是とする自民党の目指す姿だと私は考えていますが、それと全く逆の動きが党内の一部で進みつつある今の状況に非常に強い危機感を抱かざるを得ません。

 自民党が森政権以前の自民党の体質に戻るようなことがあっては断じてならない。民主党は社会保障でバラマキ、自民党は公共事業でバラマキ、ということであっては断じてなりません。真の責任政党として、一部の業界の方ばかりを向いた政治に突き進むわけにはいきません。

 そんな危機感から、今日、党本部で、神奈川県と埼玉県の衆議院支部長の同志9名で谷垣総裁と会合を持ち、我々が様々な機会に体感している都市部有権者の声、そして自民党が目指すべき方向性についての議論をさせていただきました。P1130384

 この「国土強靭化」、党内でも人により解釈がいろいろとズレてもいるようですが、旧い自民党に回帰させるような政策が自民党の看板の政策であっていいはずがありません。少なくとも常に都市部の有権者に接している我々が、改革政党としての自民党の火を絶やさないようにせねば、わが国の政治は更なる迷走を続けることにもなりかねません。政治を、日本を変えるために我々も覚悟を持って自民党の体質を変えていきたいと思います。

suzuki_keisuke at 17:48トラックバック(0) 

2012年05月21日

金環日食の朝に鶴見川にて

 今朝の金環日食、ご覧になった方も多かったのではないでしょうか。今朝の横浜は一時雨もぱらついて心配されましたが、私も街頭活動の最中に雲の間から覗く金環日食を見ることが出来ました。太陽や月を感じることができたとても感動的な光景でした。

DSC_0025 今朝の街頭活動は鴨居駅前にかかる鴨池橋。実は川の周りはさえぎるものがないためでしょうか、隠れた観賞スポットとなっていたようで、多くの方が通勤途中の足を止め、あるいは地元にお住まいの方がちょっと出てきて、という感じで、多くの方が橋の上からご覧になっていました。実際に見ることが出来たのはわずかな時間でしたが、その際には思わず歓声が、と普段の朝とは違った雰囲気が印象的でした。

 私も、そんな雰囲気を壊してはなんですので、今朝はまったくマイクを使わず、静かに政策のパンフレットの配布に専念していた次第です。。

 さて、そんな名所のひとつの鶴見川、春先には桜もきれいなスポットです。そんな反面、この川は昔から暴れ川としても有名で、多くの水害を引き起こしてきた川でもあります。だからこそその対策をしっかりととることも政治の大きな課題です。

 ただ、そんな中で考えねばならないのは、果たして誰がこの川を管理するべきかという問題。

 今はこのような一級河川は、国の国土交通省がその管理を行なっています。確かに多くの自治体をまたがって流れている以上は一つの自治体に任せるわけにはいかないという理屈はそのとおりです。しかし、果たして、国がそこに関与すべきなのか?

本来は広域自治体がそのような広域の問題には対処すべきではないのか。そもそも広域の問題の受け皿になるべき、道州の様な広域自治体を中央集権のもとで創ってこなかったことが、今必要とされている地方自治の要請とのズレを生じさせてしまっているのではないか、そんな思いを抱かざるを得ません。

 問題は河川だけではありません。道路やあるいは国の出先機関が関与する多くの課題において同様の問題が存在しています。そして、このようなズレが、結果として二重行政、三重行政といった問題を生み出し、官の非効率、「大きな政府」につながってしまっています。

 財政の問題、機能の問題、その両方の観点から、抜本的な統治機構・行政組織改革を一刻も早く進めていかねばなりません。こうした「大きな政府」から「小さな政府」の流れの中での地方分権、道州制を進めていくことが今後数年の政治の大きな課題なのではないでしょうか。

suzuki_keisuke at 14:49トラックバック(0) 

2012年05月18日

H2A

 今朝未明、種子島から、韓国より受注した衛星を搭載したH2Aロケットが打上げられ、成功裏に終わったとのことです。我が国の宇宙開発にとって大きな成功と言えそうです。関係者の方々のハードワークに心より敬意を表したいと思います。

 そもそも、国際宇宙ステーション(ISS)への物資運搬を無人で行うHTVのように、我が国の宇宙技術はかなり高いレベルにあります。しかし、軍事的なバックアップが大きい、あるいは商業ベースでの打ち上げを盛んに行い打ち上げ回数が多い他国のロケットと比較すると、我が国の宇宙技術は大きなハンディを負っていると言っていい状況です。

 宇宙開発は、かねてより私も主張していますが、産業への応用などの裾野が広く、また国のプロジェクトとしての発展余地の大きさを考えれば、長期的な国力にも大きく関わってくるものです。また将来的に有人プロジェクトが現実化すれば、近年叫ばれている有為な人材の「理系離れ」といった長期的な問題の解決につながる等の数値化出来ない効果も考えられます。

 こうした環境の中で、今回の打ち上げの成功は、海外からの商業的な受注を加速させるきっかけともなるもので、宇宙開発を我が国の基幹プロジェクトの一つとして位置づけていく大きな一歩です。この流れをさらに加速させていけるよう、政治的にも環境整備を進めていくことが必要です。



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2012年05月15日

中国の友人として日本が伝えるべきこと

 週末に北京で日中韓の首脳会談が行われました。その際、中国が野田総理と胡錦濤主席の会談を拒否した、あるいは尖閣諸島を巡って核心的利益に含められるような表現をした、等様々なことがあったようです。中国がそのような強硬な態度に出た一番の背景は「世界ウイグル会議」が東京で開催されたためである云々と言った憶測もなされています。

 この機会に一点はっきりさせておきたいのは、中国のこうした態度や行動そのものが、世界の中国に対する不信感を強める原因となっているという点です。中国共産党の執行部はそろそろこの事実を認識した方がいい。

 事実関係はともかくとして、中国が内政問題と主張している新疆ウイグル、あるいはチベットの問題について、少なくとも外形的には内政問題といえなくもない問題であるにも関わらず、中国の主張が世界的に信用されていないのは、中国が国際法や良識を完全に無視した態度・行動を各所でとっており、ウイグルの問題もチベットの問題もその延長で推し量られてしまうからです。

 実際、スプラトリー諸島、尖閣諸島、東シナ海ガス田と、中国が平和友好と言いながら、まさに唯我独尊で屁理屈をこねくり回して中国の正統性を主張している。また北朝鮮問題にしても、明らかに国際社会の合意を無視して支援をし続けている。さらに自衛のためといいながら明らかに過剰な軍備を進めている。こうした行動をとる国について、国際社会が「言っていること」を信用するはずがありません。「やっていること」から判断するだけです。

 駄々っ子のように自らの一方的な論理を国際社会でごり押しすることは、長期的に見て中国自身の国益にも大きなダメージを与える可能性が高い。

 好むと好まざるとに関わらず、日本が未来永劫中国の隣国である事実は変わることはありません。である以上は、互いに影響力を与えあうことは避けられないのですから、隣人として日本も、中国に対して妙な譲歩をするのではなく、こうした現実を率直に中国の指導層に伝えるべきであり、そうすることこそが真に成熟した二国間関係を創るのではないでしょうか。

suzuki_keisuke at 19:31トラックバック(0) 

2012年05月08日

コンバージョンEV

 コンバージョンEV、ご存知ですか?
 
 コンバージョンEVとは、エンジンで走る普通の乗用車からエンジンなどを外し、その代わりにモーターなどを載せて制作する電気自動車のことです。日本ではまだあまり一般的ではありませんが、車を改造する文化が定着しているアメリカでは割と普及しているジャンルのようです。

P1130245 今日は私の選挙区である都筑区で、このコンバージョンEVの制作をされているオズ・コーポレーションさんを訪問して、実際にその試乗をさせていただきました。もともとは、電気自動車の普及などに熱心に取り組まれている、私のボート部の先輩である村沢元東大教授に、以前この会社の古川社長をご紹介いただいたのがご縁で、今回の訪問が実現しました。(写真はオズ・コーポレーション古川社長とコンバージョンEV(青い色の二台)と)


 我が国のエネルギー・環境政策の関心は、昨年の三月以降、急に原子力にばかり向かう事になってしまいましたが、世界では今でも、地球温暖化の問題が人類が直面する最大のチャレンジの一つとして注目されています。今年は温暖化対策枠組みの京都議定書が失効する年で、ポスト京都議定書をどのような枠組みにするかにも大きな注目が集まっていますが、我が国としても、一層の温暖化対策を実施していくことが国際的には依然として求められています。

 どのような枠組みがいいのかは、これまでのブログでも、そして私の著書でも提案させていただいていますので、ここで改めては触れませんが、従来の検証では、我が国で温暖化対策が進んでいない部門として、transportation、運輸部門が指摘されてきました。

 そんな中、温暖化対策と利便性を両立させる為には、一台一台の自動車の温室効果ガス排出を抑制するより他ありません。エコカー補助金やエコカー減税など、そのための様々な政策が、昨今のエコカーブームの後押しをしてきたわけですが、エコカーの新車に買い換えるだけではなく、もともとガソリン車だったものを電気自動車にする、というのも非常に大きな意味がある転換です。

 今回試乗してみて感じたのは、加速もスムーズで、高速も走れるというその性能。予想をいい意味で裏切ってくれる体験でした。オズコーポレーションさんでは、従来このようなコンバージョンEVが一つ一つオーダーメードで非常に高価になっていた問題を解決すべく、モーターのキット化もされています。

 確かに今の日本では、こうしたベンチャーは、ベンチャーキャピタルのような資金面の後押しがアメリカなどと比べ弱いですし、またエコカー補助金も中古ということで対象となっていないなどの制度・政策的な後押しも充分ではない状況です。

 しかしそんな中でも、このようにポテンシャルのあるベンチャー企業も多くあります。今後のニッポンの業態転換を考える上でも、そして国際競争の厳しい時代をどうやって生き残っていくかを考える上でも、こうしたアイデアがきちんとビジネスになり、さらに前に進んで行けるような支援を政治もしていかねばなりません。

 そんなことを非常に静かな走行音の中で考えた一日でありました。。

suzuki_keisuke at 17:19トラックバック(0) 

2012年05月02日

野田総理訪米に見る日本の国際的地位の低下

 GWも明日から後半です。地元での様々な会合に出席したりしながらも、普段よりは若干時間の余裕があるので、こうした時こそ勉強の時間をきちんと取りたいものであります。

 さて、野田総理がアメリカ訪問を終えて帰国されました。民主党政権が始まって以来、初めてアメリカがまともに話をできると判断したのかどうかはわかりませんが、日米首脳会談も無事に終えたようです。

 そのようなニュースを見ながら、どうしても感じてしまうのは、「日本の地盤沈下」です。総理訪米中のアメリカの新聞やテレビの報道もアジアでは中国関連のものが多かったようですし、会談の中の日米関係と世界情勢の割合を見ても、かつてのような経済大国としての位置づけはかなり薄れてきているとの印象を持たざるを得ません。

 今政治家にとって必要なことは、そうした現実を正確に認識したうえで、舵取りを間違えずに国益を護ることにほかなりません。もちろん、個別事案について、たとえばTPPで自動車部分の自由化を捻じ曲げるような要求がアメリカから出てくればそれを拒否するといった対応は国益を護るうえで必要ですが、それに加えてプラスアルファの力がこれからは必要になって来るのではないでしょうか。

 かつてのように日米両国が大国同士であれば、アメリカの関心もある程度は日本そのものに向かっていたわけで、首脳間の信頼関係の醸成をしっかりしていればよかったわけですが、今やその環境が全く変わってきてしまっています。アメリカの日本への関心は、あくまで「東アジアの中の最大の自由主義国」という文脈の中でしかありません。そうした意味で、アメリカの対アジア戦略、世界戦略の中で、我が国がどのような戦略的な役割を果たすべきなのか、我が国としても戦略的に動かなければ、国際政治上の影響力はますます低下していく一方です。

 世界の中での軍事的・経済的影響力よりも大きな政治力を保持しているいい例はイギリスで、それよりも小さな政治力しか持てていないのが日本と言われてきましたが、今後もそのような拙い外交を続けていけば、これまで以上に多くのものが失われてしまう可能性が高いと言わざるを得ません。

 こうした転機だからこそ、「世界の中で日本がどう生き残っていくのか」について真剣に考え、行動できる能力が、これからの日本の政治家には必要とされているのではないでしょうか。

suzuki_keisuke at 18:28トラックバック(0) 
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