2012年11月

2012年11月17日

衆議院選挙の争点についての私見

 昨日衆議院が解散されました。12月16日の総選挙に向けて、様々な政策論争が繰り広げられていくと思われます。

 今回、選挙において選択すべきは何なのか?私はそれは、一つにはこれからの日本の進むべき道筋、そして二つ目にはそれを実現するための必要最低限の要素として、それを実現するための政権担当能力だろうと思います。

 政権担当能力については、少なくとも過去3年3ヶ月の民主党政権にあったとは思えませんし、第三極にも未知な部分が大きい。おそらくその部分での信頼は自民党が最も高いのだろうと思います。

 しかし、一つ目の日本の進むべき道筋。ここを考えたとき、有権者の多くの方は(民主党や第三極に不安を感じている方でも)、自民党の最近の議論を見て、はたしてグローバル化の進んだ世界において人口が減少に転じる日本が競争力を持って生き残っていかねばならない今の時代に適合した戦略を立てることが出来るのか、本当にしがらみを断ち切ることが出来るのか、その疑問を拭いきれないでいるのではないでしょうか。

 外交や安全保障については、中国や北朝鮮の問題にしても、その一番の基盤となるのはアメリカとの安定した同盟関係です。アジアの他の国々も日米の安定した同盟関係をのぞんでいる。それをある程度実現してきた実績を考えれば、自民党に対して、その分野での安心感は一定程度あろうと思います。

 しかし、例えば、日米関係や知財の問題、日本の相対的な経済力や人口動向など、現実を踏まえれば早期に参加を表明し日本の国益を守る交渉を一刻も早くはじめるべきTPP参加交渉についてその決断を出来ないでいる、あるいは、人口減少局面においては抜本的なデフレ対策とはなり得ない額ありきの公共事業中心のバラマキ政策を柱に据える、など、明らかに経済政策的に誤った打ち出しをしてしまっていることへの不安は正直存在すると思います。これでは福祉で大きな政府に偏りすぎた民主党と、細かな政策こそ違え、理念としては、社会主義・大きな政府路線、という点で同じです。

 ここ数年間で自民党の議員の構成は、大幅に地方に偏り、また若手の落選により高齢化してしまいました。結果として、いわゆる業界重視・利益誘導型の政治、そしてリアリストでない感情的右翼的な主張が多くなってきたように私自身感じています。

 自民党は本来、特定の業界のための政党ではなく、無党派も含めた日本の将来のための政党だったはずです。1960年代の自民党、国鉄民営化をした中曽根自体の自民党、小泉改革時代の自民党など、自民党はそもそも特定の一部の人のためではない改革政党であったはずです。わたしは自民党をもう一度そうした原点に戻さねばならないと考えています。

 今回の選挙においては、自民党、民主党、第三極、という争点もそうですが、同時に自民党の候補者のうちこうした改革指向の政治家をどのくらい国会に送り込むことが出来るのかも非常に大きなポイントだと思います。

 日本の将来のためには、自民党が国民政党、改革政党の原点に立ち返り、国益を守りながら内向きになることなく、グローバルに日本の底力を発揮出来るような戦略を実行していく。それが最善の選択なのではないでしょうか。

 

 



suzuki_keisuke at 21:10トラックバック(0) 

2012年11月07日

アメリカ大統領選のインパクト

 オバマ大統領が再選されました。

 経済状況の影響もあるのでしょうか、あるいはネットの普及によりより急進化しやすい社会となりつつあるせいでしょうか、今回の大統領選においては過去の大統領選と比較しても、両候補ともメッセージが国内問題、経済問題中心となっている印象を受けたのは私だけではないと思います。

 アメリカの大統領の多くはこれまで、外交、あるいはアメリカの対外戦略に割く時間が多かった。しかしオバマ大統領はその一期目を見ても、相対的にその時間が少ないような気がします。

 そんな中、日本の政治に携わる者として関心を払わざるを得ないのは、今後、5年、10年、20年で見たとき、西太平洋の地域におけるアメリカのプレゼンスがどうなるかというポイントです。(もちろん”Fiscal Cliff”の問題など、経済政策も注視する必要がありますが・・・)

 おそらく当面は、中国の東シナ海、南シナ海に措ける強硬策、朝鮮半島情勢、などアメリカの国益にもマイナスの影響を与えかねない不安定な状況に東アジアがあるためアメリカの政策はそれほど大きくは変化しない可能性が高い。しかし、歴史を振り返れば、アメリカの対外政策は国内の状況によってもかなり影響されてきました。アメリカの世界の中での国力が相対的に落ちつつある中で、おそらく今後はアメリカの国益への影響とのバランスで、部分的に世界展開を縮小する可能性はかなりあると思われます。

 そのような環境下においては、アメリカの外交戦略における東アジアの優先順位を高く維持出来るか否かが、中国の脅威にされされる日本の国益にとっては極めて重要です。

 アメリカの立ち位置も、日本の立ち位置も、かつてのように黙っていても日米同盟が機能するような時代とは異なってきています。そのことを認識し、今後はアメリカに対して誤ったメッセージを送らないような、そして相互のコミュニケーションを密にしていくことが日本外交にとってはこれまで以上に重要になってくると思われます。

suzuki_keisuke at 18:40トラックバック(0) 

2012年11月04日

大学新設不認可問題についての雑感

 田中文部科学大臣の3大学の新設認可取り消しが波紋を呼んでいます。

 この問題は二つの点に分けて考えねばならないと私は思います。

 一つは行政プロセスとして大臣の諮問機関である大学設置・学校法人審議会の答申を大臣が覆したという点をどう説明するのかという点、そしてもう一つは、そもそも今のタイミングで新設を行っていくのが果たして妥当かという問題です。

 (前者は野党が国会で追及するようですのでここでは特に触れませんが、)とくに後者の問題は、政治・行政が真剣に取り組んでいくべき議論ですので、今回のプロセス論でうやむやにされるべき問題ではありません。大臣の資質云々とは別に議論されねばなりません。

 最近、大学生の年齢に相当する人口が減少しているにもかかわらず、大学生の数、そして大学の数は増加トレンドが続いています。明らかに、大学の数が多すぎる。本来であれば、すでにある大学の統合や廃止も含めた抜本改革に取り組まねばならない状況にあります。

 このようないびつな運営が行われてきた結果何が起こるか。それはとりもなおさず大学の質、大学生のレベルの低下です。そして、大学が多すぎるがゆえに定員割れの大学が事実上続出しており、それを留学生で補おうとするものの、定員割れするような大学に海外から優秀な学生が来るはずもなく、事実上税金から補助をして全く優秀でない外国人を入学させて大学の体面を取り繕っている、というケースがかなり多くあるのが実情です。

 大学教育は競争力がある人材を輩出するためのものです。選択と集中をきちんと行っていかなければこの厳しいグローバル競争において日本が今後伍していくことはできなくなってしまいます。

 少なくとも義務教育ではない教育機関については、需給のバランス、自由競争のルールをベースにしていかなければならないはずです。アメリカのように大学院までいって初めて一人前の高等教育を受けたと思われるシステムとは異なり、日本はイギリスと並んで大学を卒業すれば高等教育は済んで、大学院は研究を中心に実学以上のものを極めるというシステムだったはずです。そしてそれがわが国のこれまでの競争力を支えてきたわけです。

 国力の根幹は人材であり、人材育成における教育の役割は極めて大きいものです。

 しがらみや利権、固定概念ではなく、真に日本の競争力に役立つ教育システムを再構築していかねばなりません。残された時間は限られています。

suzuki_keisuke at 16:37トラックバック(0) 
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