2013年05月

2013年05月31日

アジア政党会議に見る中国のしたたかさ

 P10106495月29日の午後から、中国の西安で開催されたアジア政党会議(ICAPP)に自民党より派遣され出席し先ほど帰国しました。またその場で、共産党の外交担当部局である中共対外連絡部の高官とも日中関係等につき会談も行いました。会談や経済発展と環境問題をテーマとした会議の中身はさておき、今回目にしたものは、ある意味中国を考える上でとても考えさせられるものだったので、今日はその点についてここに書かせていただきたいと思います。

 まず一点目。「アジア」政党会議にも関わらず、アフリカやラテンアメリカの国々からも出席があったこと。そして、二点目。迎賓館での宿泊を提供し、非常に立派な大会堂で李源潮国家副主席との会議をセットし、かつ出席した政治家全員に李副主席と握手させ写真を撮影する機会を設定していたこと。三点目として、会議の裏番組として、中共中央対外連絡部幹部との個別のミーティングをセットしていたこと。そしてセットされていた視察では中国の経済発展のモデルハウスのような村の視察がされていたらしいこと(私は会議にしか参加していないので行った参加者から聞いた話ですが)。

 おそらくこれらがアジアやアフリカの国々の政治家に与えるインパクトはそれなりのものがあろうと思われます。かつての冊封体制を彷彿とさせるまさに中国の伝統的なお家芸と言ってもいいテクニックではないでしょうか。

 確かに会議の運営自体は厳重な警戒態勢で行われていながらも、ロジ・段取り的には、日本などの先進国の目から見ればまだまだ粗いところも多かったものの、しかし、中国外交のしたたかさを垣間みる気分になったのも事実です。

 様々な場面で途上国グループを作りその盟主として行動する、あるいは上海協力機構やアフリカへのコミットメントのように様々なチャンネルを活用して国際的な政治力発信力を高めるやり方が目立つ最近の中国。今回の会議もかつては小規模な地味だった会議が中国主催で非常に大規模なものとなっていた裏には、こうしたグループ形成の中で首脳レベルだけではなく、一般の政治家レベルの取り込みを図るフォローアップをしてがっちりとその国をつかむ、という思惑が透けて見えるような気がします。

 そしてその成果か、中国と関係が深い国からは元首クラスも参加していて、いつの間にか会議自体が中国の主導のもとの会議とのムードとなっていたのも印象的でした。

 日本がこの政治力に対抗しながら、国際社会で中国に法の支配や国際法の尊重を求めていくには相当の戦略と連携が必要だと改めて痛感した次第です。外交は国政が担う最重要テーマの一つです。今後ともしっかりと頑張っていきたいと思います。


suzuki_keisuke at 21:51トラックバック(0) 

2013年05月21日

大きく変わった国土強靭化法案

 防災・減災に資する国土強靭化基本法案(国土強靭化法案)が衆議院に提出されました。

 私は従来から、今後の公共事業においては、学校の耐震化やトンネルや橋の補強など、必要性の高いものについては一刻も早く行い、必要性の低い道路の新設など、必要性の低いものについてはやらないという勇気ある決断をこれからの政治は下していかねばならない、とこのブログでも主張し、また衆議院選挙の前から申し上げてきました。そして、昨年衆議院に提出された法案の中の問題点についても、減災・防災に名を借りた旧来型のバラマキ的な公共事業の復活は断じてしてはならないとこのブログでもたびたび指摘してきたところです。

 その私の目から見て、今回の提出法案、新しい「国土強靭化基本法案」は、一言でいえば、私が懸念を指摘していた点については、大幅な修正がなされ、ほぼ懸念材料がない「きれいな」法案に生まれ変わったという印象を受けています。

 バラマキにつながるような、あるいはその根拠となりうるような条文、例えば、以前指摘していた昨年提出法案の

第18条 国は、(中略)高速自動車国道、新幹線鉄道等の全国的な高速交通網の構築その他の地域間の交流及び連携を促進し、日本海国土軸、太平洋国土軸その他の複数の国土軸が相互に連携することによる多軸型の国土の形成を図るために必要な施策を講ずるものとする。

第20条 国は、国土の保全を図るため、国土の大半を占める農山漁村及び当該地域の基幹的な産業である農林水産業を振興するために必要な施策を講ずるものとする。

は丸々無くなっていますし、他の部分についても必要性の比較衡量なく事業が進められる根拠となりそうな部分は無くなっています。

また従来にはなかった規定として、施策の策定に当たっては「既存の社会資本の有効活用等により、施策の実施に要する費用の縮減を図ること。(第9条第1号)」と明確にするなど、バラマキはしないという強い意志が明示された法案となっています。

 まさに政権および自民党・公明党の良識が示された今回の国土強靭化法案といえるのではないでしょうか。この様な法案であれば、まさに防災のための法案そのものであって、成立が望まれます。

 国会の残りの会期も1か月あまりとなっていて、まさに終盤に差しかかろうとしていますが、我が国のこれからのために様々な施策を前に進めるべく全力で取り組んでいきたいと思います。

suzuki_keisuke at 18:14トラックバック(0) 

2013年05月16日

今後の政権運営の課題

 日経平均株価もついに15000円台を回復しました。今後各企業の設備投資や個人の消費の伸びなど、実体経済にいい影響が出てくるような好循環をつくることが出来るか、様々な改革メニューをはじめとする「三本目の矢」の中身が注目されるところです。

 さて、その一方で、若干気がかりな点が出てきているのも事実です。その最大のものは長期金利の動向。もちろん将来的なインフレ期待が高まれば長期金利は上昇します。しかし今回の長期金利の動きはかなりの乱高下を見せています。この動きがこのような良性の長期金利上昇なのか、あるいは財政バランスへの不安などが反映されたいわば悪性の長期金利の上昇なのか、注視していくことが必要です。

 実際安倍政権においても頻繁に総理自身や麻生副総理から財政再建の長期目標を遵守するとの発言がなされていますし、実際今年の国債発行額は当初の44兆円以下から税収以下というより厳格な数字に政権のリーダーシップで抑え込まれました。この様な長期的な財政再建への取り組みへのコミットメントが非常に重要です。

 また、再三ここでも指摘していますが、他の大きな、そして忘れられがちなリスクとして、温暖化の問題、これは極めて重要なリスクです。きちんとした対策が行われなければ将来非常に大きなツケを払わされることにもなりかねません。京都議定書以降の世界的な削減枠組みへのコミットメントとともに我が国としても出来る限りの削減をどうやって達成するのか。

 原子力のリスクと温暖化のリスクはトレードオフとの見方が諸外国では一般的です。実際我が国に於いてもセクター別に見ると、電力以外の部門においては削減努力がかなり限界近くまでされている実態もあります。国内の目標、世界全体での目標ともに設定にあたっては「科学」の観点から議論を冷静に詰めていくことが必要です。

 国会もあと一月半ほど、そして参議院選も控えていますが、まさに我が国のこれからにとっても、後がない状況であることを肝に銘じて、全力で政策の企画・決定、国づくりに頑張っていきたいと思います。


suzuki_keisuke at 18:30トラックバック(0) 

2013年05月03日

外国人投資家の視線

 大型連休に入った日本ですが、いかがお過ごしでしょうか?飛び石なので、カレンダー通りに仕事をされている方、カレンダーと関係なく仕事をされている方、普段の仕事のリフレッシュをされている方、いろいろおられるのだろうと思いながら今回のブログを書いています。

 実は私は今週、ロンドンと中東に出張中。今はリヤドの空港の待ち時間を利用してパソコンのキーを叩いているところです。

 安倍政権が発足してから4ヶ月が経ち、株価の動きや景気動向、様々な数字の動きを見る限り、新政権の経済政策はそれなりの効果を上げているといった評価も多くなっています。もちろんまだまだ暮らしや仕事の現場にはその恩恵が届いていない面も否定は出来ません。その意味でも、あるいは他の意味でも「これから」がとても重要です。

 そんな状況の中で、今回の出張では、中央銀行、外国の銀行やファンドなどの投資家をはじめとした金融市場関係者や石油・天然ガス関係のエネルギー関係者と、主に日本の状況について議論させていただいています。機微に触れることもありますので、詳細を開陳することは差し控えたいと思いますが、総じて感じるのは日本への関心の高さ。私が個人として金融市場に関わるようになった2001年以降で振り返ってみても、日本にここまでポジティブな関心が集まるのはかなり久々のことです。

 一方で、今我が国が措かれている状況、少子高齢化や国際競争の激化などを考えれば、今回失敗するわけには絶対にいかないのも事実です。まさに日本にとっての背水の陣です。であるからには、可能な限りの手段を投入し、さらには適切なリスクコントロールをしていくことが不可欠です。

 いろいろなミーティングを通じて感じるのは、日本への高い関心と、そして同時に、しかしまだ日本への信頼が完全に回復しているわけではないという事実。関心が高まっているということは、金融政策だけでなく、財政の問題、TPP、農業や医療、雇用の改革など、幅広い分野に外国人投資家の具体的な関心がかなり寄せられているということを意味します。今後の日本の潜在成長力を引き上げ、中期的にもアウトプットがきちんと出る、政策パッケージをきちんと適切なタイミングで示すことが求められています。

 日本にとってラストチャンスであり、かつ使えるアセットも限られていることを考えれば、市場との対話もしながら最大限政策の効果を出せるような発信が今後ますます重要になってきます。今回のこうした情勢についても然るべきところにきちんと情報提供し、今後の政策運営に少しでも寄与していきたいと思います。

 さて、連休の終盤は地元でいろいろな行事に顔を出す機会もありますので、横浜北部のみなさまにおかれましては、何かの機会に見かけられたらお声がけいただければ幸いです。


suzuki_keisuke at 05:38トラックバック(0) 
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