2013年06月

2013年06月22日

我が国の気候変動対策

 国会も今年は参議院選挙のために延長はなしとのことで、いよいよ残りわずか、最終盤に差しかかってきました。

 昨年末に国政に復帰させていただいて以降、財政や金融、外交、環境、エネルギー、TPP等々、様々な政策の党内での決定過程にある程度責任ある立場で関わることが出来てきましたが、その多くも一定の結論が出つつあります。

 そんな中、ここしばらく私の中で中心的に取り組んでいるのが、温室効果ガス削減の問題です。

 温暖化、というよりも正確には気候変動ですが、このままの生産活動を続けた場合に地球の持続可能性に大きな影響が出るということで、世界全体の温室効果ガス排出量を削減することが必要とされています。

 今世界では京都議定書の枠組みの期限が到来し、次の枠組みを巡る議論がここ数年来されています。総論賛成、各論反対の中でなかなか進まないこの枠組みづくりですが、次の議論をリードし日本の国益に資する枠組みをつくるためにも、我が国としても目標を秋までに明確に示していく必要があります。

 野心的でありかつ現実的に達成可能であること。この要件を満たすような数値をどう練り上げることが出来るか。また温室効果ガスの排出と原発はトレードオフなので、今見通しが立たない状況でどのように取り扱うか、更には日本だけが削減しても地球規模の気候変動に寄与するのはわずかなものなので、世界全体をどう巻き込むかといったポイントがきわめて重要になってきます。

 まず基本的な方向性としては、.茵璽蹈奪僂里澆僕利となっている削減目標の基準年を変更すること、∋唆肇札ターについては現時点でのBAT(Best Available Technology)の積み上げでどの程度の削減が可能なのかを確定させ、イノベーションによるそこからの頑張りをどの程度算入するか、8業については政策判断としてニュートラルでいられるようにいくつかのケースを想定して数値を出すこと、ぬ雲犬砲弔い討麓発的な手法に頼らざるを得ないながらLED化のように出来ることをある程度強制力を持って進めた場合や他のインセンティブ付けの手法の活用による伸び代を考慮すること、ゼ動車等の移動部門についてもBATの普及を仮定としておいて算出すること、等は考えねばなりません。

 加えて2020年までの目標は現状の延長で考えざるを得ませんが、2050年までの長期目標においてはどのようなパラダイムシフトが可能かを前向きに考えることが必要ですし、また世界全体での削減がなければ全く意味がないことを考えれば、地球規模の削減への日本の技術的寄与や世界全体の枠組みをどうすべきかを考えることが必要です。

 少なくとも日本の状況は正直に言えば、原発の稼動の見通しが立たない点や震災以降温暖化問題への国民的関心が低下しているというネガティブな点はあるものの、依然として環境・エネルギー効率の最先進国である「事実」、それを表現する「評価軸」をめぐる国際的争いで主導権を取れていない「現実」という複雑な側面があります。

 与党として、あるいは政府として打ち出す目標はこうした観点を考慮したものとならねばなりません。残された時間も余りありませんが、しっかりとした検討を進めていきたいと思います。

 

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2013年06月14日

米中新時代?

 先週カリフォルニアで米中首脳会談が行われました。長時間にわたり行われた点、かつリラックスした雰囲気で行われた点に注目し、米中関係の深化の象徴的な会談との評価がある一方で、米中で非常に隔たりが大きい分野が大きく、それぞれについて一致を見ていないことから、表面的な親密さとは異なり実態としては非常に冷たい関係が続いているのだとの評価もあるようです。評価が世界的にも混乱している状況ですが、過大評価も過小評価もどちらもするべきではありませんが、一体我が国としてはどこに注目すべきなのか。

 一言で言えば、それはアメリカの中国観がどこにあるのかという点に尽きると思われます。

 一昔前に盛んだったG2の議論。即ち中国がアメリカと並ぶ大国となるのではないかという議論、さらには中国がやがてアメリカを超えるような存在となるのではないかという議論、こうした受け止めがアメリカの側にあるのかないのか、それが大きな問題です。

 中国としてはこのG2のような印象を世界に対して与えたい、またあわよくば西太平洋・アジア地域に於けるアメリカの影響力を低下させ、中国が軍事的政治的経済的にアメリカに取って代わりたい、という意図で動いているのは明らかです。

 しかしアメリカが一体どうだったのか。その点の分析が極めて重要です。

 中国との間で、東シナ海の境界問題を抱え、かつ尖閣諸島への中国の挑発行動が続いている状況下で、また知的財産権や環境問題、人権問題など多くの問題を抱えた中国が永遠に隣国として存在している状況下で、我が国として価値観を共有するアメリカをどこまで信用して大丈夫なのか。

 アメリカとして今後もアジアでのプレゼンスを維持する意思が変わらないのであれば、アメリカが同盟国日本の不利益となることを許容する可能性は低いと思われます。この地域にコミットし続ける以上は安定的な同盟国でありかつ地域大国である日本の国益は基本的にはアメリカの国益と重なるからです。特に領域の問題、共通の価値の問題はそうです。であるとすれば、日本は無意味にトラブルメーカーとなることさえしなければ、アメリカと一枚岩で中国に圧力を加えていくことが出来ます。

 しかしもしもアメリカが、長期的には中国の覇権を許容するようなことを考慮している場合には、この前提は完全に崩れてしまい、その場合には我が国の安全保障・外交戦略は根底から崩れてしまうことになってしまいます。

 少なくとも現時点でこの後者の可能性はないと思われますが、中国の今後の動向とともにアメリカの動きにも留意することが必要です。そして、中国に関する様々な問題課題についても、地政学的にその影響を直接受ける我が国からアメリカに情報提供等を通じて認識を共有することが極めて重要です。


suzuki_keisuke at 14:56トラックバック(0) 

2013年06月05日

日本の金融政策に対する中国や韓国の的外れな批判

 中国や韓国が、日本の金融政策を為替誘導として批判するネガティブキャンペーンを欧米メディアに対して展開しています。全く根拠のない批判を誤った認識と事実誤認をもとに韓国の財務大臣をはじめとしたかなりの高官が発言を繰り返しています。「嘘であっても100万回繰り返せば本当だと信じ込ませることが出来る」、そんなヒトラーのような手法を試しているのが今の中国や韓国の政府です。事実をねじ曲げるようなこうした手法を自国の利益のみのために行う、まさに品位に欠けた行動であり警戒しておく必要があります。

 外交や政治の判断を下すとき、感情的あるいは情緒的な「けしからん」という気持ちを持ち込むことは現に慎まなくてはなりませんし、私はそのような動きには組しませんが、今回の我が国の政策への批判は明らかな誹謗中傷ですので反論する必要がありますのでここに書かせていただきました。

 まず第一に、日本の現状は「円安」では決してないという点。相場観から言っても、現状は、数ヶ月前の投機的な動きの結果つくられた異常な円高局面が是正されている過程にすぎません。過去の長期トレンドから見れば、未だに適正な水準に円が戻ったとは到底言えないことは明らかです。

 そして第二に、日本の金融政策の変化を受けて市場参加者の期待・行動が変化し、結果として為替市場にも影響しているのは事実ですが、それはあくまで日本の金融政策という国内の経済政策の変化を受けた市場の自由な動きであり、為替誘導という非難は全くの事実誤認である点です。言うまでもなく我が国や他の先進国において市場参加者の行動は自由です。市場参加者の行動を予見して市場全体に一切の影響が出ないように政府が自らの政策を制約せねばならないのであればそれこそ今の市場経済の前提が変わってしまいます。どこの国も金融政策のみならずあらゆる政策を機動的に打てなくなってしまいます。こんな珍妙な議論はありません。

 これまで国際社会の共通認識としてあった世界的に非難されるべき禁じ手は、中国や韓国のように市場に直接介入して通貨の動きのトレンドをコントロールすることです。実際、なぜ過去数年間の推移において、人民元や韓国ウォンが日本円と比較したとき、対ドルで異常なまでの安値にとどまってきたのか。政府の為替市場への直接介入が行われた影響が少なからずあったのは明らかです。

 こうした禁じ手を打ち続けている中国や韓国が、自国のエゴのために日本の金融政策の結果の市場参加者の自由な動きを批判することは明らかに的外れであり、無責任かつ根拠のないアジテーション、誹謗中傷と言わざるを得ません。もし日本の今回の金融政策が非難されるとすれば、あらゆる中央銀行の金融緩和が批判の対象となってしまいます。こんなバカな話はない。

 今後中国や韓国はしつこくこうした中傷キャンペーンを世界中で繰り広げる可能性が高く、他の国々も嘘を信じ込む可能性もなくはありません。こうした点をふまえ、政府にはきちんと対外的に真実の発信を続けていただきたいと思います。

suzuki_keisuke at 11:56トラックバック(0) 
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