2013年10月

2013年10月29日

党での役職の異動のご報告など

 先日の党の人事で私も若干の異動をしております。まだ決まっていない人事もありますが、今時点のものについてこの場を借りてご報告させていただければと思います。

 これまで環境部会長代理、財務金融副部会長、外交副部会長、経済産業副部会長を務めていた政務調査会(自民党の政策を決める会議)の仕事については、財務金融部会と外交部会で部会長代理という立場で、そして環境部会については副部会長として引き続き関わることになりました。

 財務金融部会については、最近はみずほ銀行の問題がホットですが、日本の長期的な債務問題、民間金融機関の貸し出しの活性化、東京市場の活性化等取り組むべき問題が多々ありますし、外交部会についてもここで書くまでもなく日米関係や価値観外交、アジア諸国との関係など多くの取り組むべき課題を抱えています。環境部会も個人的にこれまで取り組みを続けてきた温暖化・気候変動問題がCOP19をはじめとする大事な局面に直面しますし、多くの課題が山積しています。こうした点について、少なくとも取りまとめに関わることが出来るわけで、一生懸命務めていきたいと思います。

 また、今回役員となっていない分野でも、エネルギーやイノベーションの問題、労働市場の課題、航空や海運の問題など私自身問題意識を持っている分野が多くありますので、引き続き日本の未来を見つめて政治がベストな結論を出せるよう、出来る限りの貢献をしていきたいと考えています。

 他にも、行政改革実行本部のなかの無駄撲滅PTに於いても引き続き主査を務めることになりましたので、予算の優先順位、メリハリというものをなるべく明らかにできるよう頑張っていきたいと思います。

 他の党務としては、総務会という党の常設の機関では最高の意思決定機関のメンバーの総務に加えていただきました。ここを通った案件は党の正式決定として党議拘束がかかるということですので、あらゆる案件についての責任も出てきます。「胸を張って主張できる結論を出す為に頑張る」ということを一つの自分の中の指標としてきちんと主張すべきは主張していきたいと考えています。

 そして、今回は青年局においても国際部長として関わることになりました。小泉進次郎青年局長のあとの松本洋平青年局長をもり立てて、若い世代から「将来の責任を果たせる政治」の発信の一翼を担っていければと思います。

 というように多くの分野で仕事をさせてもらえる状況となりましたので、これまで以上に日本のこれからのために頑張っていきたいと思います。

DSC01375a


 P1050312aこの様な状況ですので、なるべく多くの方々の声を聴き、あるいはこちらの思いを発信したいということで、先週末も地域の様々な催しの合間を縫って、街まちでの国政報告会・タウンミーティングを開催させていただきました(写真(@菊名(上)、@箕輪(右:写真右に着席しているのは酒井誠市会議員))。政治の基本は声なき声を聞き取るということだと思います。うちでもタウンミーティングをやりたいという方は是非鈴木けいすけ事務所までご連絡いただければと思います。5人以上の方にお集まりいただければ、可能な限りお伺いさせていただきます。




suzuki_keisuke at 22:44トラックバック(0) 

2013年10月22日

Visit Japan

「インバウンド」。耳にされたことがある方もいらっしゃると思います。今後の日本の成長や可能性を探る上でも非常に重要な視点です。

 一般的に日本への来日外国人のことを指して使われることが多いようです。我が国としても今年はインバウンド1000万人を目指して様々な政策を打っているところです。2003年にVisit Japanキャンペーンが始まってから、基本的には右肩上がりとなっているこの来日者数も、世界的に見ると若干見劣りするというのは否めない事実です。

 ちなみに今年、伊勢神宮の遷宮の年でもありますが、伊勢神宮への来訪者数が今年1000万人と言われています。それと同じくらいの方が日本を訪れている。これを多いと見るか少ないと見るか。

 あるいは、2012年のインバウンドで見ると、日本は世界で33位。日本が約835万人である一方で、トップのフランスは約10倍の8300万人、ドイツやイギリスは3000万人前後、香港が2377万人、意外なところではウクライナが2300万人、お隣の韓国が1114万人です。

 確かに、ブランド力調査の観光部門でフランスを押さえてイタリアに次ぐ2位(Future Brand社)、観光競争力ランキング第14位(世界経済フォーラム)というように、様々な調査では、行ってみたい国の上位にある日本への高い評価を考えれば、若干不満が残る数字かも知れません。

 特に今後、国全体として少子化高齢化が進むことを考えれば、日本としても海外とのヒト・モノ・カネの交流を増やすことが、今後の生き残りのためには死活的に重要です。

 しかし、実はこうした議論で見落とされがちな点ですが、実は、オーストラリアやニュージーランドも日本と同くらい観光や魅力という観点では高く評価されている割に、インバウンドの数は日本よりも遥かに少ないという事実があります。やはり地理的な問題はインバウンドの数だけに注目していると大きな制約要因と言えるようです。

 インバウンドの数が大きい国は周辺に大きな国がたくさんあったり、陸続きだったりします。日本はそのような条件には恵まれていません。日本がオーストラリアやニュージーランドよりもインバウンドの数が多いのは、台湾や韓国、中国といった周辺国から多くの方が来日しているからという要因も大きいようです。

 そして、この事実から考えねばならないことは、とにかく数を追うということは日本の地理的条件からすると現実的ではない、ということかもしれません。もちろん今の1000万人に満たないという状況は変えていく必要はありますが、それを2000万人、3000万人にしていくことが果たして現実的なのか。むしろ1300万人程度でも優良な観光客・ビジネス客、あるいは富裕層の定住、といったことを目指す方が現実的かつ建設的かもしれません。

 よく旅館の方などがおっしゃいますが、「マナーの悪い中国人観光客が増えると他のいい客が逃げてしまう」という実態もあります。

 そんな中で、やはり日本としては観光にしてもビジネスにしても、誰でもいいというのではなく、良質な外国人を主なターゲットにした観光・ビジネス戦略を組んでいくべきかもしれません。ある意味での選択と集中が、インバウンドにも求められる時代になっているのかもしれません。

 たまたま先日聞いた話。インバウンドの数で2012年日本とほぼ同じだったのはフランス(1位)、イタリア(5位)、ドイツ(7位)に囲まれたスイス(32位)だったりします。観光大国のイメージが強いスイスですが、実際の来訪者数は意外に少ないというのが正直な実感です。

 一人ひとりの付加価値ということも、今後の日本の生きる道の中では模索する必要があるかもしれません。

suzuki_keisuke at 15:39トラックバック(0) 

2013年10月14日

体育の日の雑感

 今日は体育の日。もともとは10月10日だったものが月曜日に移ってきて今日になりました。

 ということで、先週今週と、私の選挙区でも幼稚園だったり地域だったり運動会が目白押しでした。20か所近くまわりましたが、それぞれの地域地域、そして幼稚園ごとに特色のある運動会で、ゆったりと楽しませていただくことができました。有難うございました。

 そんな運動会の一つで応援に頑張っていたのがこの人(?)。
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 DSC_0096高田地区の運動会で遭遇した「たかたん」です。最近はやりのゆるキャラですが、数年前から頑張っているわりとベテランとのことでした。。港北区の高田町は川崎市との境にある横浜の最北部で、昔ながらの景色が広がる地域です。ちなみに前回の選挙では私の選挙事務所を置かせていただいていたのがこの高田。そして、余談ですが、先クールのドラマ『半沢直樹』のロケで使われていた剣道場(自彊館)があったりもします。高田に限らず、ゆるキャラ君たちが地域のPRに一役買ってくれればいいですね。

 さて、体育の日といえば、もともとは東京オリンピックの開会式が行われた日です。当時は秋にオリンピックが行われていたということです。ということでちょっと気になるのが2020年のオリンピック・パラリンピックの東京大会。夏の蒸し暑い日本での開催は過去にありません。

 特に、今週も接近が予想されていますが最近は、風水害をもたらす台風などの数も急激に増えていたり、なによりもここ100年で気温が平均で三度近く上がっているという現実もあって、地球温暖化・気候変動の影響が無視できない変化を地球にもたらしています。平均で3度というのは夏の日中の変化はそれ以上ということであってバカにならない変化です。特に最近そのペースも早く、実際甲子園における熱中症のリスクも盛んに指摘されるようになってきました。

 そして、我々が知っておかなければいけない事実として、今から世界で対策が取られたとしても、2020年までに今の地球の流れを止めることはできない、もっと深刻化している可能性が高いという点があります。対策が効果を上げるにはもっと長い時間が必要ですし、少なくとも日本においては火力発電の割合が増えていて、そのような状況下では温暖化の流れを止めることはまず不可能です。

 私がこれまでも指摘し続けているように、このタイムラグこそが温暖化の最大のリスクなのですが、そのことを考慮しても、そろそろオリンピックの夏季大会については開催時期の変更(秋に戻す等)も真剣に考えてもいい時期なのかもしれません。どのような事情で夏になったのかの舞台裏を調べないと何とも言えませんが。。


 

suzuki_keisuke at 19:30トラックバック(0) 

2013年10月07日

30年後、アメリカの東アジアへの関与はどうなっているのか?

 先週、いわゆる「2+2」、日米の外相防衛相会談である日米安全保障協議委員会が東京で開催されました。アメリカ側の国務長官、国防長官が日本で開催される「2+2」に揃って出席するのは初めてとのことで、アメリカの東アジア重視の姿勢がこのようなところにも現れたといったところでしょうか。

 さて、実は私は9月半ばにアメリカの東海岸(ニューヨーク、コネティカット、ワシントン)に出張(もちろん(というのもよく考えると変ですが、、)私費の出張です)し、経済・金融及び外交・安全保障の分野で多くのミーティングを行ってきました。日本の経済政策・消費税に関しての米国投資家の動向調査ということで訪米した8月に続いてのアメリカで、8月より若干長い滞在とはいえ、東海岸にいたのは合計3日半ほどでその間にパネルも含めて上下両院議員等とのミーティングが20少しというタイトな日程でしたが、後半のワシントンでの日程は河野太郎さん、木原誠二さん、民主党の長島昭久さんと一緒ということもあり、経済のみならず安全保障や外交についてもいろいろと有意義な意見交換が出来たのではないかと思っています。

 ちょうどワシントンに着いた日がオバマ大統領のシリアに関する演説が行われた日でした。そして、今に至る債務の上限を巡るやり取りも行われている中でもありました。そのような状況であったことを差し引いても、やや気にかかる点がありましたので、ここに書かせていただきたいと思います。

 「我が国の安全」を考えたとき、中国や北朝鮮の現実的な脅威がそこにある状況ですので、アメリカの軍事的な東アジアに対するコミットメントというのは死活的に重要です。もちろん、同盟国とはいっても異なる国ですから、摩擦はいろいろとおきるのはやむを得ませんし、事実おきていますが、大きな流れとしては、我が国として、東アジアの安定や平和のためにアメリカの軍事的プレゼンスの維持が極めて重要ということに異論はないと思います。

 日米同盟はややもすると空気と同じように、あって当然のものというくらい日本人にとっては当たり前のものとなってしまっているわけでありますが、ここは気をつけねばならないポイントです。

 たしかに、オバマ政権になってから、rebalance, pivotというように、東アジアを重視するという方向にアメリカの政策はシフトしてきていると特に我が国に於いては捉えられています。

 一面これは正しい。しかし、より大きな流れを見たとき、シリアへの軍事攻撃に関するアメリカ国内の様々な動きを見ても、あるいは、債務問題が極めて厳しい中で軍事費もその例外ではないという議論がされる中で、アメリカが世界に対して軍事的なコミットメントをこれまで通り続けていくことが、これまでほど当たり前ではなくなってきている、という点には注目しておく必要があると思われます。

 5年10年ということではなく、数十年スパンで考えたとき、東アジアが優先順位の最上位に仮にあったとしても、東アジアでの軍事的プレゼンスを維持することすら困難となる事態も起こらないとは限らない、ということを我々は知っておく必要があります。事実、今回の訪米でも、予算の問題は、安全保障や世界との関わりといった従来のアメリカの根本的な政策に関しても、かなり深刻な影響を与えかねない問題との印象を受ける場面が何度もありました。

 その意味で、当面必要になってくるのは、日米同盟をより機動的に効果的なものとしてく努力です。日米が一体となった運用が出来るように、東アジアにおける安全保障に必要な範囲に関しては、我が国も法的にも装備的にも環境整備を行う必要があります。また、万一米国の軍事的プレゼンスが低下していった場合にしっかりとした備えが出来るように準備をしておくことは必要です。

 残念ながら世界の他の地域と比較して東アジアにおいては中国、北朝鮮という軍備拡張に突き進んでいる国が存在し、かつその国々が実際の軍事的プレッシャーを高め緊張を誘発している状況にあります。この現実のもとでは我が国も日米同盟の更なる深化と充実に動かざるを得ませんし、それに加えて将来的なアメリカのこの地域へのコミットが充分担保できない可能性を考えれば、先入観を排して様々な検討をすることが必要です。

 安全保障環境はいったん崩れてしまえば、経済や暮らしに極めて大きな影響をもたらします。そのようなことにならないよう万全を尽くす上でも、アメリカの将来的な動向については引き続き慎重に見極めることが重要ですし、日本も直接の働きかけが出来るプレーヤーとして、アメリカの東アジアへの関与をより維持できる方向に動く必要があります。また、日本一国だけではなくオーストラリアや台湾、ニュージーランドのような価値を共有する国々との連携を深めることも重要です。ガイドラインの見直しにおいても、この様な点を頭の片隅に置きながら作業を進めていくことが必要です。

 

suzuki_keisuke at 20:17トラックバック(0) 

2013年10月02日

「国益」の観点から疑問が残る今回の羽田空港国際線発着枠の配分

 羽田空港の昼間国際線発着枠の配分が決定しました。全日空が11便、日本航空が5便、そして多くの国との間の便で日本枠については全日空の独占となる可能性が高いとの報道もあります。今回の配分、それぞれの言い分は言い分として、果たして日本の国益のために正しい判断だったのか、正直疑問を感じざるを得ません。「ゆがみ」を是正するためにもっと深刻な「ゆがみ」を生み出したということにならないように今後の政策判断を求めたいと思います。

 そもそも、島国である日本にとって、国際航空は、国際金融、国際物流同様、経済活動の基盤であるヒト・モノ・カネの移動の自由を保障する分野であり、その分野での日本資本二社以上による競争が公共の利益のためには不可欠です。実際国際航空についていえば、東日本大震災の後、日本と欧州の主要都市をつなぐ航空便は、直行便に限っていえば日本航空、全日空のもの以外は数か月の間ストップしてしまっていました。そのような状況下で日本の国において国際ビジネスを支障なく行うことができたのは一社独占ではなく二社による競争状態がそのような状況下でも維持されていたからです。

 日本航空救済に公的資金を投入した理由の最大のものであった公共の利益、それは通常言われている「国内の生活の足」という点はもちろんですが、それと同じように重要なのが、島国日本とグローバル経済をつなぐ動脈を維持する、という意味合いです。特に今後中国経済の成長が予想される中、欧米をはじめとする海外資本の航空会社の航空便はアジアの拠点を東京から他に移す可能性も中長期的には否定できません。そうしたとき、国際航空を多少無理してでも担える航空会社が日本に二社以上存在し競争が維持されることはまさに国益そのものであり、国が関与してでも維持すべきもの、それはほとんど異論がない点だろうと思います。

 その意味で、今回の決定は極めて問題が大きいと言わざるを得ません。現在本邦の二社が運航している欧米路線の合計が一日約20便で、今回の羽田国際線の割当枠の20枠は大体この規模に匹敵します。この配分はその意味で本邦の航空会社二社の健全な競争の維持に与える影響が極めて大きいものでありました。

 今回の配分の背景には、日本航空による公的支援が競争環境をゆがめたという点があったといわれています。確かに資本が厚くなったことでの有利性は存在していますが、それは企業再生の過程でよくあるケースであり、ある意味やむを得ないとの見方もあります。問題はダンピングや競合他社の吸収といったようにそれを濫用するかどうかという点で、資本があること自体が問題なのではありません。

 そうはいっても競合他社からすれば厳しい面もあるため政治判断として仮に資本上の有利性が業績に影響を与えるから是正する必要があるとの議論がありうるとしても、その是正策は実際の正確な是正すべき額を埋める以上のものであってはならないし、手法も企業の活動基盤に与える影響が最小限のものから行っていかねばなりません。

 にもかかわらず、今回の議論では全日空と日本航空の利益の差がすべて公的支援によるものであるかのような流れの中で、公的支援の直接の結果生じた不公正な差がいったい累計で何億円の規模で、どのくらいの是正が必要なのか、その数値が全く明らかにならないまま議論が進んできてしまいました。これまでの自民党内の議論でもその数値が明確に示され、どうすればその是正が済むのかという議論は私が知る限りされたことがありません。

 昨年の国内線発着枠、そして今回の国際線発着枠における一連の流れの議論は、まさに両社の最終利益が同じになるまで是正を続けなければならないという「結果の平等」の観点からの議論になってしまっている。今の流れのままだと、公的支援と関係がない人件費等のコストや経営戦略によるコストの差などについても、再生企業は体質改善の出遅れている競合他社との間で「是正」を求められることになりかねません。

 それは少なくとも「今頑張っているのもの」の頑張りが報われる自由な経済社会の議論ではない。結果的に、厳しい中現場で頑張っている両社の社員の方々の頑張りを無にすることにもなってしまいます。そして競合他社との最終利益が一緒になるまで是正が行われるのだとすれば、「誰も(全日空も日本航空も)頑張る気がなくなってしまう」上に予見性という意味でこれは経済政策上も大きな問題です。

 さらに、是正すべき規模が明らかになったとして、その分の差を、両者の健全な競争に最も致命的な影響を恒久的に与えかねない羽田の国際線市場の独占的状況につながる国際線の発着枠でなぜそれを埋めねばならなかったのか、税制や他の資金的な手法、国内線の枠、等々他の手法がいくらでもあるにもかかわらずなぜあえて、そのもっとも根幹に恒久的にかかわる手段でその是正を行わねばならないのか、国際線発着枠を選択をした根拠があまりにもないと言わざるを得ない。

 また、そもそも税金を使った国の関与によるゆがみの是正を行うのであれば、本来的には競合他社の利益にしかならないやり方ではなく国庫に対して「過剰だった分」を返納するというのがあるべき姿です。企業の倒産により競争が失われてしまう等の緊急事態でない限り、国の政策が一企業のみの利益の押し上げに使われるべきではありません。

 こうしたことを考えれば、競合他社の「不公平感」という抽象論を解消するために正統性を持たない逆のゆがみを作ってしまえば、かえって長く禍根を残すことになりかねない。

 全日空、日本航空両者の「民間企業としての主張」はどちらもわかりますが、少なくとも政治、行政に携わる者は、個々の企業の論理とは距離を置いて、それとは異なる観点で、まさに日本の国益のために長期的に見てベストな判断を下さねばならないはずです。にもかかわらず、国益を損なう可能性の高い判断を下したように見えることには違和感を感じざるを得ません。全日空、日本航空ではなくA社、B社というニュートラルな目で今回の動きを見てみれば極めて不自然な決定がなされたといわざるを得ないのではないでしょうか。

 少なくとも国土交通省には日本航空への支援の結果、本当に問題といえる是正すべき額は正確にいくらで、これまでの国内線や国際線の枠等々の数次の是正策でそのうちのいくらが埋められたのか、根拠とともに明示することが求められます。そして、発着枠の差は恒久的ですから、何年か経て是正が終わった場合には常識的には枠の再調整を行う必要が出てくるわけで、その点も明確にする必要があります。

 またなぜあえて極めて限定的で独占に近い状態となる国際線の発着枠で是正をせねばならなかったのか、国内線の枠の再調整や資金を税金やほかのさまざまな方法で国庫納付させる手法を選択しなかったのはなぜなのかも明確にする必要があります。国庫納付すれば、国民に還元されたはずの資金が、結果的に一民間企業である全日空の利益に供せられたわけで、この点は国益に明確に反していないということを厳密に立証する必要があるのではないでしょうか。

 航空産業に限らず、今後様々な産業で公的関与がある企業再生のケースが出てくる可能性は高いわけで、実際に走り初めて成功した再生企業がどこまで競合他社との間で利益の是正が必要なのか、下手をすれば再生企業は頑張っても競合他社に是正を求められるから頑張らないほうがいい、という風潮ともなりかねませんので、今回の日本航空のケースにおいて、明確な基準を設けることが必要です。

 

suzuki_keisuke at 19:55トラックバック(0) 
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