2013年11月

2013年11月24日

中国による防空識別圏設定は過去数十年で最大の危機

 中国が尖閣上空を含む空域に防空識別圏を設定したということです。この件、極めて深刻な問題と言わざるを得ません。ある意味で、今後の東アジアにおける国際政治の分岐点ともなりかねない問題です。これまでの中国の様々なアクションとは比較にならないくらい深刻な事態だということを我々は認識せねばなりません。

 今回の行動、中国は決して脅しや見せ掛けでこのような行動に出たと考えるべきではありません。東アジアにおけるアメリカのプレゼンスを低減させ、自らの覇権をこの地域に築き上げるという戦略に即したステップとして周到に打ってきた手だと考えるべきだと私は考えます。

 この問題、我が国として具体的なアクションをアメリカとともに中国に対してとることに失敗すれば、ナチスドイツの台頭を許し、結果的に世界大戦に巻き込まれた1930年代のヨーロッパの二の舞ともなりかねません。我々は歴史に学ばねばならない。

 今回の中国の行動は中国の次のような長期戦略のワンステップであるということを肝に銘じて誤りなきよう対応することが求められます。

 (1)中国はアメリカの軍事的プレゼンスを西太平洋において低減させることを最大の目的とし、(2)そのためにアメリカとの交渉に持ち込むため現在の米国圧倒的優位の核のバランスの是正を戦略目標として設定。(3)車載式固体燃料のICBMの射程がアメリカ本土全てをおさめられていない現状にあっては唯一の方法は戦略核や戦術核を搭載した潜水艦の東太平洋へのフリーアクセスであり、その最大の障害となっているのが日本列島から西南諸島にかけての一連の地理的な存在と日本の自衛隊による対中国海軍・潜水艦の哨戒能力というのが今の実態。(4)従って中国の戦術的ターゲットの第一として、この日本の哨戒能力の低減のために、実効支配できる海域空域をできる限り現在の日中中間線から沖縄の近くに押し上げるということが設定されている、という可能性が高い。

 これはあくまで一つの仮説といえば仮説ですが、中国共産党の内外の動き、中国軍の動向、ガス田等における中国の行動をつぶさに検証すれば、この仮説の信ぴょう性が極めて高いことは明らかです。おそらく90%の確率で中国は国としてこのシナリオに沿って動いていると考えたほうがいいと思われます。

 その観点からすると、(4)の段階の具体的な軍事・政治アクションとして、中国がついに具体的に「今回の防空識別圏の設定と中国海空軍による行動により、中国は明確にこの海域の制空権・制海権を取りに来た」と考えるのが合理的です。

 であれば、我が国としては、今の段階で力づくでもこの中国の動きに対抗し変えさせねば取り返しがつかないことになりかねません。(4)を固められ(1)の中国の戦略目標に向けての歩みを進めさせることになりかねないのです。

 国際社会は国際法等と言いながらその実態は軍事力を持ったものが作った既成事実をひっくり返す力はありません。我が国としてもここが正念場です。今回の中国の行動はただの脅しやブラフではないと考えたほうがいい。リスク、危険をきちんと認識し、アメリカときちんと連携して高度に真剣な対応策を検討せねばならない時期に我が国は追い込まれたといっても過言ではありません。

 我々政治家は将来、国民の命を危険にさらすような事態を招かないように全力を尽くすのがその使命です。この点、全力で取り組んでまいります。

suzuki_keisuke at 23:55トラックバック(0) 

2013年11月23日

消費税の「軽減」税率への違和感。

 昨年八月の法改正により、来年4月に5%から8%、再来年10月に8%から10%の消費税率の引き上げが決まりました。経済状況を踏まえて停止等を行うことができる、との条項もあるものの、基本的には法律が成立している以上は粛々とこの引き上げを行っていくより他ありません。

 そして、今、10%に引き上げを行うタイミングでの複数税率の導入という議論が行われています。私は個人的には10%までは単一税率で、それを超える場合には複数税率でというのが妥当なところかと考えていますが、それはそれとして、若干気になる点がありますので、ここに書かせていただきます。

 昨年の消費税の引き上げの議論、あるいは昨年に限らず今まで行われてきている消費税の議論は、私の理解では次の問題意識で行われてきたと受け止めています。一つには、今後少子高齢化が加速する中で、社会保障費の増加が不可避であって、それに対応するため。もう一つには今のままの財政状況が続き悪化のペースが改善しなければ、長期金利の上昇等により、借金の利払いの負担が加速度的に大きくなり、財政の余地を大きく削いでしまう、あるいは将来大増税をせねばならなくなる可能性が高く、それを避けるため。

 もちろん、私が主張してきているように、人口減少や国際競争力の激化という環境の中で、これまでのように頑張って働いている個人と頑張って稼いでいる企業にばかり税の負担を求めてきたやり方を続けることは我が国の将来のためにマイナスの面が大きく、より経済にフレンドリーな課税体系に是正するという直間比率改善の議論も重要な論点としてありますが、少なくとも各党でのコンセンサスがある点に絞っても、上の二つの点は挙げられるわけです。

 そして、そのような背景を考えれば、10%への引き上げは、その分だけの安定財源、税収が我が国の将来的な大増税を避けるためには必要不可欠ということで決定されたはずです。

 とうことであれば、仮に複数税率を導入するとした場合、それは10%と「軽減」税率という議論とはならないはずです。筋としては、10%の税収を確保するということは、将来世代への我々の世代の責任を考えたとき社会の要請として動かすことはできないわけですから、10%以下の税率を一部商品に対して導入した場合には当然その他の商品への消費税の課税は10%で収まるはずはない。低い税率の対象商品の範囲が広ければその他の一般の商品の税率は上がり、その対象が狭ければその他の商品の税率はそれほど上げなくて済むというトレードオフが当然そこにはなければおかしな話となってしまいます。

 簡単に言えば、例として申し上げれば、10%と8%というような話しではなく、12%と8%、低い方の税率の対象範囲が広ければ、8%と15%というように、平均でならせば10%ということになるということです。

 実際将来に責任を持つべき政治家の視点からすれば、10%の税率と「軽減」税率という議論は、単なるポピュリズムであり、「対象範囲がなるべく広い方が今の有権者の反発も少なく選挙へのマイナスが少ない」というある意味でのバラマキ、いわば形を変えた単なる負担の先送りに過ぎない、と言わざるを得ません。

 私は個人の思いは別として、政策的に複数税率を導入するという政策的判断を否定するものではありませんが、それでもその議論が10%と「軽減」税率という議論になるのだとしたらそもそもの筋が違うと言わざるを得ないと思います。

 ならしたときの平均が10%になる、という前提で範囲を決め、税率を決めねば、将来への責任そっちのけの無責任な「政治屋」の議論になりかねない。

 最近の議論を見て、気になった点ですのでここに書かせていただきました。党内でもこの点を含め、今後もしっかりと発信していきたいと思います。

suzuki_keisuke at 11:53トラックバック(0) 

2013年11月14日

年末にかけての予算編成のあるべき軸

 国会も会期の残り一ヶ月を切り終盤に差し掛かってきています。その一方で、党本部では来年度の税制や予算の策定プロセスが本格的にスタートしつつあります。

 アベノミクス、三本の矢ということがよく言われますが、この二本目、三本目に密接に関係するのが予算であり税制です。とはいっても、我が国の財政の状況を考えれば、バラマキをするわけにはいかずメリハリをどうきちんとつけることが出来るかが極めて重要です。

 税制については時間軸、誘導効果が認められないものについては原則どおりとすること、予算においては優先順位を明確にして、優先順位が高いものについては最優先で行い、優先順位が低いものについてはやらないという決断をすること。こうした原則を貫くことが必要です。

 デフレ対策、景気対策、震災対応等々、対策が必要な難題が多くあるときだからこそ、本当に必要な支出に必要性の低いものが混ざり込む可能性があるということを我々は認識しておかねばなりません。今の我が国の置かれた現実、少子高齢化や国際競争の激化、巨額の債務という実態を考えれば、提案された歳出を基本的には何らかの形で「やる」という政治の行動パターンからの大転換は避けられません。

 よく縮小均衡、拡大均衡という議論がされますが、拡大均衡すべきはあくまでも民需であり、国全体の経済であって、公需や政府の規模ではないはずです。政府の役割はあくまで民間投資の換気や民需の後押し、最初の一押しに基本的には限られるべきです。

 特に今年は予算に関してシーリングを事実上撤廃した結果、確証の予算の積み上げを抑え込む作業が年末に事実上の先送りされました。本来であれば、税収の増減に関わらず予算の上限については明確にするべきだったと思われますが、今言っても遅い。

 幸い安倍内閣の支持率が依然高く、党の歳出圧力を押さえることも可能な状況なのが不幸中の幸いです。多くの反発もあるでしょうし、政治的にハードルは高いわけですが、これから年末にかけて、我が国のこれからを考えれば決して負けるわけにはいかない闘いが本格化します。日本の将来のために全力で頑張ってまいります。

suzuki_keisuke at 18:49トラックバック(0) 

2013年11月06日

特定秘密保護法案

 ここ数週間で、アメリカやオーストラリアといった同盟国の大使や政府の高官と意見交換を非公式の場でする機会が何度かありました。

 日本と価値を共有するいわば同盟国の間で強い関心がもたれているのが、実はこれから国会で審議されようとしている特定秘密保護法案です。なぜ関心が高いのか。それは間違いなく、この法案がきちんと成立し執行されれば日本との間でざまざまな情報交換が初めて可能となるからに他なりません。

 特定秘密保護法案がない状況では、日本に対して軍事的なあるいは外交上の機密情報を提供し、共有することは事実上不可能と言っても過言ではありません。情報の共有が出来ないということは、軍事的な意味合いにおいても外交的な意味合いにおいても、日本は真の同盟国としては取り扱われないということを意味します。

 中国や北朝鮮といった、日本を攻撃する意図を否定できずしかもその能力を保有している隣国に囲まれている我が国の環境下にあって、特にアメリカの日本の安全保障へのコミットメントが充分でないとすれば、それは極めて致命的です。

 今回の特定秘密保護法案、その意味でその必要性に疑問を持つ人は正当な国際感覚を持っていればまずいないであろうと思われます。

 しかしその一方で、その必要性は十分に認識しつつも、その時の政府の都合で、政府に都合の悪いだけの情報が意図的に隠されてしまうようなことがあればそれはまた大きな問題であって、そのような事態は断固避けねばなりません。

 きわめて単純化していえば、この両方、つまり我が国の安全保障上不可欠な同盟国との連携を一層深化させるために不可欠なツールという側面と、秘密にする正当性がない情報まで恣意的に秘密にされてしまうという危険性、これをどう両立させるかというのが、今回の法案審議の唯一の軸ではないかと思われます。

 色々な議論が拡散する中で、本質が見失われることは往々にしてありますので、この基本的な問題認識を根底にもちつつ、私もNSC特別委員会の委員の一人として審議に臨んでいきたいと思います。

 これまで当委員会で審議してきたNSC法案の審議もようやく大詰めを迎えています。ここ数週間が色々な意味でのヤマ場ですし、それは何も今国会ということではなく、安倍政権さらには日本の今後にとって極めて重要な時期を迎えるといっていいのではないでしょうか。外交・安全保障の問題だけでなく、特区や産業競争力強化への法案など経済関係の審議も極めて重要です。

suzuki_keisuke at 00:36トラックバック(0) 
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