2013年12月

2013年12月22日

DF41の発射実験と日本の安全保障

 12月13日に中国で新型大陸間弾道ミサイルDF-41の発射実験が行われた、との報道が一部でありました。昨年8月の前回の実験(http://blog.livedoor.jp/suzuki_keisuke/archives/2012-08-28.html)に続く二回目の実験とのことです。

 日本のメディアはほとんど注目していませんが、これは我が国の安全保障において極めて死活的(vital)と言ってもいい重要なニュースです。

 実際の配備の時期やどの程度の性能を持つものかにより、西太平洋・アジアにおけるアメリカの軍事的プレゼンスと中国の軍事力とのバランスにも大きな影響を与える可能性がある極めて重要な注目すべきトピックです。

 また、最近の防空識別圏(ADIZ)の設定や東シナ海のガス田や尖閣を巡る中国人民解放軍の様々な動きを注視すれば、これらが、宮古海峡等に焦点を当てた潜水艦部隊の太平洋へのアクセスを柱とした中国軍の海洋戦略の一つのステップである可能性が極めて高いという点も、もう一つの注目せねばならない事実です。

 我が国への深刻な脅威となる軍事的能力を持ち、かつその意図が不透明な軍事大国が、ミサイルで数分、戦闘機で一時間以内の位置に存在しているという、そして、在日米軍との相互連携で初めてその脅威を抑止できるというのが、我が国の地政学的な環境です。そしてその環境下で国民の生命財産を守り抜くためには、この隣国を支配している、中国共産党の意図(何を考えているか)と人民解放軍の能力を、いかに正確に分析し把握するかという点が極めて重要になってきます。そしてアメリカによる我が国やアジア太平洋地域の安全保障へのコミットメントも同様に不可欠な要素です。

 我が国の備えとともに情報がどれだけ我が国の安全に重要なのか。今回の特定秘密保護法案をめぐる一連の一部の野党やメディアを中心とした騒動(情報公開の公益の確保という問題意識であれば正当な懸念であるが、問題視するポイントが事実誤認による見当はずれのものが大半であったという点)を見たとき、その重要性への見識が依然として欠如している勢力が相当大きいという現実を我々は目の当たりにしたところでもあります。

 情報能力が欠如している場合、相手の能力や意図を、過小評価もしくは過大評価することとなり、その前提で行う政策決定もおかしくなってしまいます。先の大戦(日本のケースも欧州のケースも)も含め、歴史的に国が戦争に突入し、あるいは巻き込まれる場合には適切な情報能力の欠如があることが多いのは史実が明らかにしている通りです。国の政策判断において情報がいかに重要か、敗戦と多くの犠牲から我が国が得た教訓の最大のものはそれであったはずです。

 今現在の我が国の安全保障にとって最も大事なこと。それは中国人民解放軍の軍事能力と中国共産党の意図を正確に把握すること。さらには中国の国内情勢により「意図」は変化するので、社会経済情勢も正確にとらえること。そしてアメリカのコミットメントもアメリカの国内事情、具体的には世論と財政状況の影響を受ける可能性があるので、その点を踏まえ緊密なコミュニケーションを常に維持すること。外的リスクという点ではこの3つが最重要課題です。

 世界的にも最も深刻な脅威である二つの国(中国、北朝鮮)に隣接する我が国の安全を護る。人口減少と国際競争という大きな困難に立ち向かうべく、経済政策・構造改革を内政では断行せねばなりませんが、ここに書かせていただいた点も今の政治に課された、もう一つの大きな挑戦です。

 特に来年以降安全保障環境が不安定化する可能性もささやかれていますので、しっかり取り組んでまいる所存です。

suzuki_keisuke at 20:52トラックバック(0) 

2013年12月19日

アメリカの量的緩和縮小を受けて

 アメリカのFRBが量的緩和の縮小を決めました。日銀は少なくとも当分の間は「(アメリカよりも)長く、強く」というシンプルな方針を堅持すると思われます。

 そして、来年度予算の議論の中で今注目が集まっている診療報酬の改定において、安倍内閣が財政規律をしっかりと守る方向の結論を出すことが出来れば、すなわち、少なくとも全体で見たときのマイナス改定を医師会等の圧力に屈せずにきちんとすることが出来れば、来年度におけるプライマリーバランスの赤字幅のマイナスと相まって、安倍政権の財政再建への姿勢への信任を得ることが出来る。そうなれば、日本とアメリカの金利の状況から、結果として為替の状況なども日本経済にとっていい方向に進む可能性が出てくると思われます。

 アジアの新興国市場もそれほど大きな反応は見せていないようですし、当面の下方リスクはコントロールできる範囲で収まる可能性が高くなります。

 来年の4月に消費税の税率を5%から8%に引き上げる我が国としては、外的なリスク要因がなるべく少ないことが何よりも経済を上向かせるには重要ですから、その意味においては基本的にいい流れが続きつつあるともいえます。

 あとは、この今の追い風に安住せずに、来る逆風の環境下でもきちんと耐えられるだけの経済の足腰の強さを作り上げることが必要です。そのためにも、農業分野や労働分野(女性)、TPPなど各部分部分で着実に進んではいる日本の改革の道筋をさらに一歩前に進めていくことが重要です。医療やコーポレートガバナンス、GPIF等々、課題は山積しています。

 今週を終われば、年内は国会の周辺での動きは一段落しますが、来年一年がまさにその意味では正念場ですので、私も微力ながら頑張っていきたいと思います。

suzuki_keisuke at 16:01トラックバック(0) 

2013年12月11日

予算編成における反バラマキは少数派

 今年も残すところわずかとなってきました。国会も閉会し、前回も書きましたが党では予算や税制の議論がヤマ場を迎えています。そんな中、自分自身、最近何となくアウェイな場面が多いような印象を受けています。

 この前の土曜日は、夜のBS朝日の番組での特定秘密保護法案に関する討論に出させていただきましたが、野党の方々やコメンテーターの方々の中で与党からは私だけという構成で、かなり多勢に無勢といった展開の中で、日本の安全保障上いかに今回の法案が必要なのか、そしてどのようにして政府が恣意的に情報を秘匿することがないように担保できるかといった話をさせていただいたところです。

 まあ、それは与党対野党という中なので自然といえば自然な話なのですが、今の予算編成の中では、不本意ながら、与党の中で多勢に無勢という場面が会議の中でも続いています。

 先日は国土強靭化・公共事業の問題、今日は診療報酬の問題、いずれも私自身必要なものについてはその必要性は充分理解するものの、メリハリ等を考えた上で全体の規模については、将来への負担の先送りとならないよう抑制的にしていかねばならないという観点、財政再建を唱えながら各論ではじゃぶじゃぶ歳出を拡大するというような辻褄が合わないことを平気でやるようでは、自民党が民主党のように信用を失いかねないという観点から、会議の場で発言させていただいたところです。残念ながら会議の場は診療報酬増大、公共事業増大の大合唱でそんな中での一人の発言で、まさに蟷螂の斧といったところかもしれませんが。。

 そもそも、2008年から2009年にかけてのリーマンショックの時を思い出してみれば、国の財政を健全化できるのは景気の先高感が強いときしかないことは明らかです。それは個人消費がある程度堅調で、企業の設備投資も加速し始め、さらに税制面での後押しを消費税対策ということで目一杯行っている、そして株価の推移も先高感が強い「今」をおいて財政再建を出来る時はないということです。

 景気の強いときに財政を健全化させることで、不況に陥ったときの緊急避難的な需要創出を公的資本形成で行うことが出来るような機動性を確保する、というのが本来の財政戦略のあるべき姿です。決して常に緊縮でも常にバラマキでもなく、メリハリを経済状況に応じてつけること、それこそが国家経営の基本になくてはなりません。

 その観点からすると、今果たして補修・メンテナンスといった命に直接関わるようなもの以外の新規のハコや道路を造ることが正しいのか、あるいは、診療報酬の問題にしても、これから高齢化がどんどん加速していく中で、毎年毎年業界団体の圧力のもとで増加を叫び続けることが本当に正しいことなのか、私には正直そうは思えないのです。

 今歳出を一時の税収増やデフレ対策という名目のもとで増加させてしまえば、債務レベルはさらに増加し、長期金利の高騰リスクが高まり、利払い費がどんどん増して、将来機動的な財政運営を本当に必要なタイミングで出来なくなる、さらには必要な社会保障を提供できなくなるということにもなりかねません。私はそれは政治家の選ぶべき日本の未来ではないと思います。

 我々の一つの使命は、必要なサービスを持続的に提供することであり、最終的な(例えば40年後の)国民負担を最小限(正直なところ消費税20%が負担の限界だと私は思います)に抑えることのはずです。政治家が業界団体の要望に全部応えて、その分の負担を国民に増税や借金という形でツケをまわし続けるということではないはずです。そもそも、医療の問題で申し上げれば政治家が気にすべきは患者の利益であって、さらにはそのために日々努力している最前線の医師の環境であって、診療報酬のように国民の税金からどのくらいカネを引っ張ってくるかという話の後押しをすることではないはずです。

 これまで業界団体の圧力のもと、経済的に合理的でない、あるいは効率的でない減税要求や歳出増の要求を政治家がしてきた結果が今の惨憺たる国の財政状況であり、結果平等に基づく過度の規制を行った結果民間活力を抑制してしまうという結果を生んでしまった、という議論はまさに真実をついています。我々は反省せねばなりません。

 我々は今後の日本を担う世代の政治家として、その繰り返しをしてはならないのであって、国のためにたとえ業界団体の反発を招き選挙にマイナスになろうとも主張すべきは主張するべきなのではないでしょうか。

 少数派であるということを恐れることなく、こうした主張を党内外できちんと国のためにしていくことを宣言するとともに、声を出している人間が少数であっても、やはりそこは自民党の底力で、実は声なき多数派が結局は国のためにベストな判断を下すということを信じたいと思います。

suzuki_keisuke at 18:27トラックバック(0) 

2013年12月04日

12月の党内風景〜予算と税制〜

 国会も最終版に差しかかっています。党内でも来年度に向けて税制改正や予算編成の関係の会議が目白押しです。そんな中、私自身は役員を務めている各部会の立場から、あるいは無駄撲滅PTや行革推進本部の役員の立場等々、様々な立場から議論に参加しています。また中国の防空識別圏設定以来、外交案件も数多くあり日々そうした業務で忙殺されている状況です。

 さて、税制改正や予算の各論についてはそれぞれに主張があり、またいろいろな見方がある問題ですので、一つ一つ触れることはしませんが、大きな流れとして、私自身の見方をここに書かせていただきたいと思います。

 基本的には、その分野だけを見れば、予算がなるべく増え、減税がなるべく行われた方がいいに決まっています。関係業界も役所もそれぞれの理屈で「お願い」に各議員を訪問しています。その一方で、政治は、全体の中での優先順位、そして、将来まで見渡した上で収支をどこで合わせるのかという点にも目を配らねばなりません。その意味で、費用対効果と必要性を見極め、優先順位と全体の規模を適正にマネージすることが政治の役割だと私は考えています。

 現在の我が国は長期的に見れば少子化高齢化の流れ、そして国際競争が激化するという流れの中にあります。その一方で国の債務も今は長期金利が低いためにどうにかなっていますが危機的な水準にあるという現実があります。その意味では、民間企業主体にフロンティアを技術的にもマーケット的にも切り拓き、イノベーションと生産性向上につながるチャレンジを各々がしやすい環境を作るというのが国の政策のあり方のベースとなります。その上で必要最小限の範囲で、「最初の一押し」の需要創出もするべきケースがあり、また外的要因・リスクに備える対策を打つことも必要です。

 そんな中、ともすると必要性を否定しにくい「震災対応」「デフレ対策」「オリンピック」等は予算獲得等の理屈として利用されがちな面が否定できません。もちろんこの三つはきちんと政治が責任を持ってやらねばならないものです。しかしそこに無駄やそれと直接関係ないものが潜り込みやすいというのも一面事実です。だからこそ我々は予算編成や税制改正の作業において、上に書かせていただいた大方針を忘れずに精査をし続けねばならないのだと私は考えています。

 とかく党内では少数派になりがちな意見であっても、国のために主張すべきは主張し、貫き通さねばなりません。税制や予算については勝負は残り二週間ほどですが、しっかりと頑張っていきたいと思います。

suzuki_keisuke at 17:10トラックバック(0) 
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