2014年04月

2014年04月26日

大きかったオバマ大統領訪日の成果

 今週の水曜日から金曜日にかけてアメリカのオバマ大統領が国賓として来日されました。さまざまな評価がされているようですが、敢えてアラを探すような斜めからの見方をせず、客観的に大局的に見れば、私は個人的には今回の訪日は極めて大きな意義があったものと考えています。

 今の日米関係の中で最も大事なのは、中国が軍事的に急速に台頭し、アジアからアメリカの影響力を排除し覇権を目指そうとする中で、アメリカの軍事的、政治的なアジア地域への強いコミットメントを確認し、さらに軍事的な具体的なプレゼンスが強化されるような環境を作ることです。

 もちろん、TPPをはじめとして、同盟国といえども厳しい交渉が必要なものも平時の経済活動の中ではたくさんあります。英米でもそうですし、歴史的なルーツを共有しているわけでもない日米においてはなおさらです。

 しかし、今の国際政治環境の中でもっとも重要なことは何かと言えば、財政問題を抱え、国内においても孤立主義的な世論が高まっているアメリカが、特にシリアやクリミアでアメリカの「強さ」に疑問を持たれている状況下だからこそ、中国という国際社会への最大の脅威が存在している東アジアに対して強い関与を明確にすること、これを置いて他ありません。

 その意味で、尖閣に関して日米同盟の適用対象となる、力による変更を認めない、こうしたことをオバマ大統領がメディアの前で明言し、共同声明に明記されたことは極めて大きな成果です。中国の反発もある意味それを裏付けています。

 日本、韓国、マレーシア、フィリピンを訪問し、その最初に日本に二泊の日程で滞在する。さらにはTPPの問題と安全保障を明確に切り離し尖閣防衛義務を明確にしたことは、国際政治的にも日本の国益という意味でも大きな成果ですし、アメリカの意思を確認できたという意味で予想以上のものだったと思われます。

 日本の政治としても、今後さらに、構造改革・経済成長を進めることで国際社会の中での日本のプレゼンスを高めること、日米同盟を強化・深化させ、中国や北朝鮮といった安全保障上の脅威に対抗できるような環境づくりをすること、この二点が極めて重要と思われます。

 この大局的な流れを見誤らないよう、政権与党の一政治家として今後とも全力で頑張って参ります。

suzuki_keisuke at 20:47トラックバック(0) 

2014年04月23日

「次世代の税制を考える会」の設立

 今日の昼、党本部において法人税の実行税率引き下げを推し進める議員勉強会、「次世代の税制を考える会」の設立総会を行いました。若手中堅の議員を中心に本人出席87名、代理出席75名という非常に多くの出席をいただくことが出来、党内の多くの仲間が法人税の実行税率の引き下げに強い思いと危機感を持っていることを改めて確認した次第です。

 この会においては私が幹事世話人を務めている関係で、最初に次の趣旨の挨拶をさせていただきました。

,△襪戮税制とは、税収を確保すると同時に経済成長を阻害せず改革を阻害しないものでなければならず、頑張っている個人や企業に負担が大きい今の構造を変える必要がある。その観点からも日本の景気回復のためには法人税の実行税率引き下げが不可避であること。
△修亮饂櫃念打楞輙も海外で法人税減税を進めることをを表明しており自民党の公約でもあること。
税収中立や財源の議論を行うことは当然であるが、あくまで法人税率引き下げを進める前提で財源の議論をするべきであり、財源の議論をもって法人税率引き下げをやらない理由にしてはならない。

 明日自民党では法人税率引き下げに関する税制調査会の小委員会(全議員が参加できる会)が行われます。ここでの議論の方向性が今後の法人税論議の大きなヤマとなることが予想されますので、しっかりと発言し、よりフェアな税、景気回復を阻害しない税への「税の構造改革」の第一歩としての法人税率引き下げを進められるよう頑張っていきたいと思います。

suzuki_keisuke at 17:33トラックバック(0) 

2014年04月14日

忘れられてしまった「気候変動・温暖化」

 国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書が公表されました。

 私もここのところ、IPCCの会議が横浜で行われていたこともあり、ヨーロッパ諸国やイギリスの外交担当者と意見交換する機会がちょくちょくあるのですが、決まって指摘されることが、日本における気候変動問題への関心の低さです。

 昨年私も環境部会長代理を自民党で務めさせていただいておりましたが、そのときもこのことは痛感した次第です。特に福島第一原発事故以降、温暖化の問題が完全に忘れ去られてしまった感があり、非常に由々しき事態と危機感を募らせていたところでもありました。

 まさに日本の常識が世界の非常識となりつつある、気候変動の問題です。そして、この気候変動・温暖化の問題は、エネルギー政策とコインの裏表の関係にもあります。

 実は先日永田町でも注目されたエネルギー基本計画の議論、私は他の会議でこの議論に出ることが出来なかったのですが、正直議論があまりにも原子力発電のリスクの問題に集中しすぎた感があります。もちろん、福島第一原発の事故の影響は依然として各所に見られるわけであり、また避難等の政府の事後対応の悪さの結果として生活で苦労されている多くの方々がおられるわけで、原子力発電の今後を考える上で適切なリスク評価をせねばならないのは当然の前提です。しかし、それは決して温暖化・気候変動の問題を後回しにしていいということではないはずです。

 諸外国の観点、国際政治の現実にあっては、人類の生活に深刻な影響を与える、そして、気がついたときには手遅れということになりかねない気候変動の問題は、我々の時代が抱える最も深刻な最重要課題の一つと相当の危機感を持って語られることが多いわけです。そして本来、エネルギーの効率化をはじめとする温暖化技術などは日本のお家芸でもあり、新興国も含めた世界全体で気候変動・温暖化対策を強制力を持って進めていくことは日本の国益とも合致する大方針でもあったはずなのです。少なくとも5年くらい前までは。

 その観点からすると、私が違和感を持ったのは、石炭発電を新規を含めて進めるという記述があったこと。国内外の旧来型の石炭発電所を新型のもに置き換えるのはともかくとして、新規に石炭発電所をつくっていくというのは基本的にはあってはならないことです。100%安全とは言い切れない原子力発電、コストの問題を抱える天然ガスの発電のかわりに、最新式でも天然ガスの1.5倍のCO2排出をする石炭発電を進めるというのは明らかに世界の流れに逆行する政策です。

 今回のエネルギー基本計画は、政府の説明によれば法的拘束力はないということでもあり、説明に来た担当官が石炭について具体的に新規のものを次の見直しの三年後までに増やすことは無い、と私に明言したので、総務会でも反対しませんでしたが、少なくともこうした問題がマスコミを含め政治の場で議論とならなかった点は、世界的に見れば極めて異常な状況です。

 今回の件については個人的には会議が重なって出られなかったというやむを得ない事情があったわけですが、この基本計画が世に出てしまった以上は、実質のところで世界の気候変動への対応の流れと逆行する政策を日本が進め、世界の中で孤立するようなことがないようきちんとウォッチしていきたいと思います。

suzuki_keisuke at 17:14トラックバック(0) 

2014年04月04日

クリミア情勢:「法の支配」の死守こそが日本の国益

 ロシアのクリミアにおける軍事行動は、非常に深刻な問題を我々に突きつけています。20世紀の最後からごく当たり前の感覚となったかに思える国際政治における「法の支配」の原則。国際社会の秩序を維持することが出来るかどうかの分水嶺に差しかかっているといっても過言ではありません。

 クリミアの現状から明らかとなったのは、国際政治における「法の支配」はあくまでそれに挑戦する行動があったときに力で対応するという軍事力の裏打ちがあって初めて成り立っていたということ。特にこの数十年で考えれば、具体的には、アメリカの巨大な軍事力と、いろいろ批判はあっても国際秩序への挑戦があったときに実際に行動を起こしてきたというアメリカの決断に裏付けられていたという現実が明らかになったのではないかと思われます。

 国際社会における「法の支配」は言ってみれば公共財でもあります。不必要な軍拡競争に陥ることは誰をも幸せにしない。いわばホッブスのリヴァイアサンの自然状態を国際政治の国家と国家の場において現出させてしまうことは、人類社会の発展にマイナスです。我々は叡智を結集して一定程度の秩序と「法の支配」の原則が実際に運用できる状態をつくらねばなりません。その点で今回のウクライナの問題は極めて深刻な問題を我々に提示しています。

 特にいわばGame Changerとして中国が急速に軍事力を増強している現状です。よく中国共産党は「新たな大国間の関係=G2論」を主張していますが、この文脈での大国とは本来、自国の利益の追求をするだけではなく、公共財としての国際社会の秩序の保証も担うものでなければなりません。中国自体が今のルールに挑戦し、地域の安定ではなく自国の国益のみの追求に終始している以上、残念ながら中国はいくら強大になっても、法の支配といった国際秩序、公共財の提供者とはなり得ず、むしろそのような国際秩序を維持できなくする要因となりかねません。法の支配といった国際秩序はあくまでその中の圧倒的な強者がその運用、実態を保証せねば実現しないのです。

 今回のロシアのクリミアにおける行動はまさにパンドラの箱を空けるということになりかねない。周辺国と領土紛争を抱え、しかも非常に攻撃的な行動をとる傾向のある中国が今の状況を注視していることを考えれば、国際社会としても、今回の件への対応の行方は極めて重要です。

 国連の常任理事国のうちの2カ国が動く見込みが無い状況では、国連を旗印にすることは困難と思われますが、何らかの形で国際社会が連合して軍事的な行動をとる可能性を明確にしない限り、取り返しがつかないことにもなりかねない。一回国際秩序が崩れ、「法の支配」が力によって変更されることが起こってしまえば、非常に不毛な軍事競争ともなりかねないし、核兵器その他の技術が進んでいる現代においては、それは人類社会の終焉につながりかねません。

 今回のクリミア危機、世界の指導者がそのような危機感を持って対応することが必要です。我が国も現実的には憲法の制約がありますが、アメリカへの働きかけ、議論をリードするということも含め、可能な範囲で国際社会において積極的な役割を果たしていく必要があります。


suzuki_keisuke at 18:09トラックバック(0) 

2014年04月02日

EU各国との首脳会談で浮き彫りとなった課題

 先月、オランダのハーグで開催された核セキュリティーサミット。日本のメディアの関心は日米韓首脳会談に集まったかと思われますが、実は他にも多くの首脳会談が安倍総理と各国首脳の間でなされており、先日その一連の首脳会談に関しての会議が党内で開催されました。私も今外交部会長代理を務めていますので、そこに出席させていただいたところです。

 その場の質疑でもいろいろな点の指摘をさせていただきましたが、その中で外務省の姿勢に関して一つ疑問を感じざるを得ない点がありました。それは一連のヨーロッパ諸国との二国間会談についての対応です。

 現在日本と欧州諸国との間での大きな課題の一つが、EUによる対中武器禁輸措置の問題です。それを解除すること無くきちんと継続してもらうことが出来るか否か。特に中国は当然のことながら解除に向けて働きかけを行っていますし、少し前にヘリコプターの着艦装置が軍事用ではないとして中国に輸出されたということもありました。また事実上の武器輸出が中国に対して行われている実態も明らかになりつつあります。というようにこの問題、かなり切迫した状況にあります。

 中国が急速に軍事費を増大させ、軍の近代化を図っている状況下にあって、最新の技術が欧州から中国に流出することは我が国の安全保障に極めて大きな影響をもたらします。

 その観点からまさに我が国にとって、EUとの間の諸課題の中でも最優先のものの一つが対中武器禁輸措置の継続であることは明らかです。

 そして私もEUを以前訪れた際に感じたところですが、冷戦後の状況にある欧州諸国には日本の危機感はなかなか伝わりづらい状況でもあります。唯一常に問題提起をし、それぞれのレベルでリマインドし続けることではじめてこの禁輸措置の継続が可能になります。逆にこちらから「あえて」言及することをしなくなってしまえば、欧州諸国に、対中武器禁輸は日本にとって大きな問題では無くなったのだという誤解を与えかねません。
 
 この様なギリギリの状況にあるにもかかわらず、今回、それも安全保障がテーマとなっている会議の場で行われた欧州各国との間での首脳会談、先方からはもちろん日本側からもその話は出さなかったという説明が私の問いかけに対して外務省の担当部局からありました。そして、時間が短かったためにその話はしなかったとも。

 しかし、長短はあっても大体20分から40分程度の会談時間の中で、概要の報告から判断する限り、対中武器禁輸よりも我が国の国益にとって重要な話をしているようには見えず、これは明らかに外務省の危機感、認識が不足している結果としか言いようがありません。

 今自民党の外交部会等の外交関係会議は、首脳会談や外相会談については事後的に報告を受けるだけになってしまっていますが、今回の事例でも明らかなように、国益の観点から日本として世界にすべき主張の優先順位付けが客観的に見て誤っているのではないかと思わせるケースが散見されます。外交が内閣の専権事項であるのは事実ですが、少なくとも、事前に党側からも問題提起できるような体制に改めることが日本の外交力を真に強化し、問題なからしめるためには必要だと思われます。仕組みという意味でもきちんとした外交が出来るような体制に変えられるよう頑張っていきたいと思います。


suzuki_keisuke at 17:21トラックバック(0) 
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