2014年06月

2014年06月19日

薬価をめぐる業界団体や族議員の不可解な動き

 一昨日「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」及びいわゆる成長戦略についての自民党政策調査会の全体会議が開かれました。そしてそれを受けた再びの全体会議が今日の午後開かれます。

 法人税の実効税率引き下げについては、政府側から示された原案において来年度からの引き下げを明示的に記述されており、更には数年で20%台という幅にまで踏み込んでの記述がなされました。安倍総理、内閣の強い意志の現れでもあり、この実現に向けてしっかり頑張っていきたいと思います。

 さて、一昨日の会議においては、この様な事情もあり、私からは他の二点についての発言をさせていただきました。一つは運用をはじめとした年金資金改革の問題(いわゆるGPIF問題)、そしてもう一つは社会保障予算をめぐる不適切な部分の改革についてです。

 実はここの部分、医師会などの医療業界団体及び厚労族といわれる議員の抵抗が極めて強い部分でもあります。そのためいつものパターンで、既得権に切り込む安倍政権の改革姿勢を支持する政治家は極めて少なく、多勢に無勢、一人だけ孤立無援の中で主張する展開となりました。

 GPIFについては、運用面での大きな変更が明示されているのは非常に大きな前進ではあるものの、抜本的には今の厚生労働省の関与が色濃い本法人のガバナンスの問題を解決せねばならず、そのためには有識者会議で以前指摘されたような法改正が早急に検討される必要があります。厚生労働省からの反発が強い問題ですが、日本経済を活性化し景気回復・デフレ脱却を確実なものとするためには、GPIFの改革を端緒に日本のカネの活性化が不可欠です。この点についての主張をさせていただきました。

 もう一点は、これこそ本当の意味で孤立無援だったわけですが、診療報酬の薬価部分に関するものです。これまで薬価の改定は二年に一回のペースでしか行われておらず、実際には安くなっている薬の実勢価格と二年間固定される診療報酬における薬価の差が益金、要は正当性の無い旨味として事実上医療機関等の収入となっていました。この問題は端的に言えば、国民の税金が原資となっている医療関係予算の一部が実質的な水増しをされて医療機関等に入っているということでもあり、本来その水増し分を是正して国民に還元されねばなりません。

 その観点から、薬価をなるべく実勢価格に近づけて根拠無き益金が患者ではなく医療機関に回されている現状を適正化するべきであるという点と、間違っても薬価の適正化によって生じた財源が診療報酬本体など医療関係者の懐にただただ回るような仕組みを作るべきではなく国民負担の軽減につなげるべきである点の二点を発言させていただきました。

 特にこの厳しい財政の折り、国民一人ひとりの負担を考えればそのような措置は早急に講じられねばなりません。本来であれば、なるべく実勢価格に薬価を近づけるために毎年の改定を行うなどして適正化が行われねばならないわけですが、そこへの業界団体からの反発が極めて強いのが今の実態なのです。

 医師会はじめ医療関係団体のまさに既得権でもあるために、政治家にも相当の圧力がかかっている模様で、自民党の厚生労働部会では、この様な適正化を行わないように、そしてこの様な薬価の適正化によって生じた財源、つまり実勢価格の低下分の金額は診療報酬本体、つまり国民に還元するのではなく国民負担を軽くせずにその分を医療機関への税金の投入に当てるようにとの決議すら行われているようです。

 政治の本来のあるべき姿は、政治に近い一部の業界団体の既得権を守るために策を弄することではないはずです。たとえ選挙でマイナスとなろうとも、真に汗を流しまじめに暮らしている国民一人ひとりの5年後、10年後の暮らしを守るために必要な改革を進めることこそが政治の本来の使命です。極めて厳しい状況ですが、安倍政権の様々な改革をしっかりと支え、政治を本来のその方向に進めることができるよう、あきらめることなく全力で頑張ってまいります。

suzuki_keisuke at 11:31トラックバック(0) 

2014年06月10日

地球環境問題の国際会議への出席と会議での発言

 金曜の夕方から昨日までメキシコに出張し、メキシコシティで開催された地球温暖化対策議員連盟の世界議員サミット(GLOBE International, World Summit of Legislators)に出席してきました。会議自体は三日間にわたるものでしたが、私は二日目の会合に出席し、その全体会合で日本の議員団を代表して以下のようなスピーチをさせていただきました。

P1030125 「気候変動の問題を考えるにあたって最も重要な点は、気候変動の対策において勝者も敗者も存在しない、全員で取り組んでいかねばならないということです。そしてその観点から、2015年に向けての最も重要なフレーズは、「共通だが差異のある責任(common but differentiated responsibility)」です。それは国際社会にあっては、途上国も新興国も先進国も全ての国が責任を果たすということであり、国内にあってはそれぞれの国においてどのように民間、つまり個人や企業に枠組みに参加してもらえるかということです。

 それを考えるとき、最重要のテーマは「エネルギー効率」です。「成長と環境」のジレンマを解決する唯一の方法がエネルギー効率を軸とした気候変動対策の推進なのです。

世界で最もエネルギー効率の高い社会の一つである我が国においては、規制とインセンティブの組み合わせでエネルギー効率を高めてきました。規制とは、国や地方政府、民間の主体に至るまで様々な義務化を行うことであり、インセンティブとは、トップランナー方式や税制、価格への反映メカニズムなどにより個人や企業にインセンティブを与えることです。

P1030119 そして国際的な枠組みを考えるとき、我々は次のことに留意しなくてはなりません。それは気候変動対策がその実施においてなかなか進まない理由は何なのかということです。ボトルネックが技術にあるのか資金にあるのかあるいは意志にあるのか。技術が無ければ先進国は途上国に技術の移転を行う必要があります。ただしそれはビジネスベースで行われねばなりません。資金に問題があるのであれば、先進国は途上国が環境技術を導入しやすくなるような融資を出来る基金を国際機関と連携してつくる必要があるかもしれません。そして意志、やる気に問題があったらどうするか、それが一番難しい問題だということはここに出席している政治家であれば理解していることではないかと思います。

繰り返しますが温暖化・気候変動対策には勝者も敗者もいません。困難が山積している状況でぜひともに闘っていこうではありませんか。」

 その後いくつかの国の代表にも好意的に声をかけられ、現地メキシコのメディアも取材に来たところをみると、各国の代表が言いたいことを一方的に主張することに終始する中で、自国のアピールに偏りすぎない発言かつ世界全体の枠組みに向けた建設的なアプローチと受け取られたのかとも思います。

 気候変動の問題は我が国の国益と地球全体の利益が合致する、ある意味で我が国が大義を背負いやすい、そして世界に日本の価値を発信しやすい課題です。様々なチャンネルを通じて世界に発信をし、日本の国益にもプラスとなるような環境づくりに努めたいと思います。


suzuki_keisuke at 11:59トラックバック(0) 

2014年06月05日

「法人税改革に当たっての基本認識と論点」最終文書について

 昨日書かせていただいた「法人税改革に当たっての基本認識と論点」、今日自民党税制調査会と公明党税制調査会のクレジットでの最終文書が示されました。

 昨日ここで指摘させていただいた点については、結果的に最終文書に至る過程で修正が行われ、デフレ脱却・経済成長の観点からも問題の無いものとなりました。取りまとめにご努力された多くの方々に敬意を評させていただきますとともに、これが議論の出発点であって、財源についても詳細な制度設計についても今後様々な観点からの議論が必要なことを忘れるわけにはいきません。しっかりとよい法人税改革が実現できるよう頑張ってまいります。

 来週半ばには「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」の原案が示され、それに関する議論が予定されています。実際の減税幅等については、様々な流動的な面が大きいので明示することは難しいと思われますが、同時に法人税減税を断行しデフレ脱却・景気回復を通じて財政再建を進めるためには法人税実効税率引き下げが不可逆的に明示されることが極めて重要です。その意味において来年度から法人税実効税率の引き下げを開始する旨、明確に記述することが出来るかがポイントとなろうかと思われます。

 実現に向けて引き続き全力で頑張ってまいります。

suzuki_keisuke at 16:29トラックバック(0) 

2014年06月04日

法人税に関する党税調の議論(6月3日)

 昨日夕刻、自民党の税制調査会の小委員会が開かれました。私からはその場で法人税の実行税率引き下げについて以下のような発言をしました。極めて重要なポイントですので、発言の全文をここに書かせていただきます。

「まず、我々が財政の面から考えなくてはならないのは、2020年度のプライマリーバランスの達成のために税収を最大化することである。そしてここが重要な点なのだが、税収という観点からすると、消費税は税率で税収が決まる一方、法人税は税率と税収の相関関係はあまりなく、むしろ景気動向との相関関係が強い。つまり、我々が今しなくてはならないことは、税収が上振れしている現在の景気状況をどう継続するか、デフレ脱却、景気回復、海外から資金をどう日本に呼び込むことが出来るかである。そして、恒久財源の確保はもちろん重要だが、同時に我々が厳に慎まねばならないのは、単年度の税収中立に硬直的にこだわるあまり景気回復に水を差し結果的に税収が減少してしまうという事態である。」

「その観点から、取りまとめる予定の『法人税改革に当たっての基本認識と論点(案)』について以下の修正をお願いしたい。まず、「将来の不確実な税収増や、恒久的に続くかどうか定かではない単年度の税収の上振れを財源とすることは厳に慎むべき」という部分を、「将来の不確実な税収増や、恒久的に続くかどうか定かではない単年度の税収の上振れのみを財源とすることは厳に慎むべき」と変更すること。そして「法人税改革は、2020年度のPB黒字化目標との整合性を確保するため、足下の税収増や将来の不確かな税収増に頼ることなく、恒久減税には恒久財源を確保するとの方針で臨む。」という部分を「法人税改革は、2020年度のPB黒字化目標との整合性を確保するため、足下の税収増を継続すると同時に必要な恒久財源を確保するとの方針で臨む。」と変更すること。この二点の変更をお願いしたい。」

 会議全体を通じて参加議員からいくつかあった法人税改革そのものへの異論は、その多くが代替財源についての各論からの反対、あるいは法人税収が税率と相関しているとの誤った認識によるもの、そして消費税などの負担が増えているのに法人税減税はけしからんという左翼的なもの、に大体集約されていた気がします。

 将来的な国民負担を最小化するには経済成長による(一般的な)課税ベース拡大が不可欠であり、法人課税はそれ自体が経済活動そのものに大きな影響を与える性質の税目である、という税の基本を理解すれば、まさに将来の消費税負担を軽くするために法人税率の引き下げによる成長の好循環が必要ということこそ論理的にも経済の実態においても正しいことを考えれば、我々がおかしてはならない誤りは明らかではないかと思われます。

 今必要なのは法人税の構造改革、そして税体系の構造改革であり、その観点からも硬直的すぎる単年度の税収中立論は、この法人税改革の意義を損ねかねないと思われます。

 私は昨年の歳出の議論でも、公共投資、医療費それぞれの歯止めなき増大に会議の場で異論を唱え、財政、長期金利への懸念を最も深刻に考えている政治家の一人と自負していますが、その観点からしても、あまりにも硬直的な財源論に終始している一部の議論には違和感を覚えざるを得ません。

 昨日の税調の会議において私のような指摘が多数あったことを考えれば、この「基本認識」の取り扱いが税調幹部に一任されたとはいえ、こうした点の修正がきちんとされることと思いますが、今後の「骨太の方針」の議論に向けきちんとこの点を見ていきたいと思います。

 

suzuki_keisuke at 13:49トラックバック(0) 
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