2014年08月

2014年08月21日

経済成長と財政再建を両立する唯一の道

 「この法律の公布後、消費税率の引上げに当たっての経済状況の判断を行うとともに、経済財政状況の激変にも柔軟に対応する観点から、第二条及び第三条に規定する消費税率の引上げに係る改正規定のそれぞれの施行前に、経済状況の好転について、名目及び実質の経済成長率、物価動向等、種々の経済指標を確認し、前二項の措置を踏まえつつ、経済状況等を総合的に勘案した上で、その施行の停止を含め所要の措置を講ずる。」

 ちょうど二年前の8月22日に公布された「社会保障の安定財源の確保等を図る税制の抜本的な改革を行うための消費税法の一部を改正する等の法律」、民主党と自民党、公明党の三党で合意した消費税の税率引き上げを決めた法律の附則第18条第3項の文言です。この中で「第二条」とあるのは平成26年4月1日に消費税の税率を5%から8%に引き上げるというもの、そして「第三条」とあるのは平成27年10月1日に消費税の税率を8%から10%に引き上げるというものです。

 先日発表された今年の4月から6月の第二四半期の経済成長率の数値は、消費税の引き上げによる駆け込み需要の反動減もあって、市場の予測よりは若干良かったものの、6%を超えるマイナスとなりました。7月から9月の第三四半期の経済成長率がどうなるか、大きく注目されるのは、この条文の中にある施行前の判断の材料の大きなものが、11月に速報値、12月に確定値が公表されるこのGDP成長率だからです。

 もちろん消費税の税率引き上げによって、経済全体の勢い自体が失われるようなことがあっては元も子もありません。しかし、同時に現在の財政状況が史上まれに見る低金利という、極めて危うい幸運の上での綱渡りによって辛うじて保たれているということを考えれば、消費税の税率引き上げを永遠にしないという選択肢がないのも事実です。

 いつか決断せねばならないもの、それも今回限りですむ話ではない以上、今後数十年の国家経営という価値判断も含めた価値基準で判断せねばならない問題です。

 不要不急の歳出を抑制し、かつ法人税収が15兆円前後となるような経済環境を継続することができたとしても、消費税については引き上げが将来的に不可避です。むしろ、先送りすることで財政不安から長期金利が高騰するようなことがあれば、むしろ将来の大増税を引き寄せることにもなりかねません。

 我々としては、構造改革をしっかりと進めて経済成長・景気拡大が進む環境整備をしながら、経済が成長して消費税率引き上げが可能な経済環境をしっかり作って、経済成長と財政再建が両立するというナローパスをきちんと進んでいくよりほかに選択肢はありません。この二つは決して二択ではなく両立が可能な選択です。我々自民党が、規制改革や税の構造改革、TPPによる商圏拡大などを着実に進め、なおかつ財政においてもバラマキ的な財政拡大路線に流れてしまうことを阻止することができれば。

 いわゆるアベノミクスの「三本目の矢」を着実に進めること、そして、経済状況についても、表面的な指標の良しあしだけではなく、経済成長・景気拡大のモメンタム、流れが底流としてしっかりと着実に進んでいるのかを見極めて、消費税についての判断を適切に行うこと、この二つが今後の経済財政運営における最重要課題です。

 これからが、安倍政権、というよりも日本のこれからにとっての正念場です。微力ではありますが、党内においてもこうした流れをしっかりと創っていくことができるよう全力で頑張ってまいります。

suzuki_keisuke at 16:52トラックバック(0) 

2014年08月12日

韓国は日米から中国へ舵を切ったのか?

 訪米して何人かのアメリカの政治家と意見交換しました。議論の中心は日本の経済の動向やTPPもそうですが、やはりアジアにおける特に軍事面での中国の台頭への懸念が大きい印象を受けています。

 そんな中、東アジアにおいては韓国の動向を注視する必要があるように思われます。

 私は基本的に日米同盟を基軸に、台湾や韓国、オーストラリア等の法の支配や自由、民主、人権といった価値を共有する国々との連携を深めることが、東アジアにおける中国の無法な台頭による脅威を減らし、地域の安定に不可欠と考えています。

 そして、韓国の知人と話していても、メディアや政治以外の世界においては日韓関係はそれなりに草の根で安定していると感じてきています。韓国は基本的には日本やアメリカに取っての東アジアにおけるパートナーとして極めて重要な国であるとも考えています。

 しかし、その私ですら、最近の韓国の日本と中国、あるいはアメリカに対する動きには疑念を抱かざるを得ない。朴大統領が国内政治的な事情で「反日」スタンスをあえて強調する必要がある、というにしては中国への傾斜がやや度が過ぎるし、反日キャンペーンもしつこすぎるといわざるを得ません。

 このところの政治的な動きを見ていると、韓国が日米の側に立つのではなく、中国の側といかないまでも中立的な立場に立とうとしているのではないか、との印象を持たざるを得ません。

 たしかに韓国は中国とは陸続きで、中国の唯一の同盟国である北朝鮮と国境を接しています。日本とは比べ物にならないくらい中国の脅威も影響も受ける地政学的な環境にあるのは事実です。それ故に、中国との距離で曖昧さを残したいという事情がある可能性も理解は出来るところです。

 しかし、今の国際環境のもとで日米の側に明確に立ってきたこれまでの数十年間の立ち位置を中立といえども中国寄りに移すとなれば、それは東アジアのバランスを大きく変えるのみならず、韓国自身にとっても歴史上長くそうであったような中国の影響下の格下の衛星国に戻ってしまう可能性すらはらむ極めて危険な選択といわざるを得ません。

 地政学的にいえば、アメリカや日本は韓国との関係をあくまで対等な同盟国とする以上のインセンティブも無ければ能力もない一方で、中国にとっての朝鮮半島は意味合いが歴史的にも全く異なるという点を韓国自身も冷静に判断する必要があるのではないか。もちろん日本としてどうこう言う筋合いのことではありませんが、アメリカの政治家との議論の中でも若干出てきたテーマでもあり、ここに書かせていただいたところです。

 

suzuki_keisuke at 23:50トラックバック(0) 

2014年08月06日

「競争政策と公的再生支援のあり方に関する検討会」について

 暑い日が続いてますが、いかがお過ごしでしょうか?国会は休会中といっても、来年度の予算の概算要求であったり、来年度の地方選挙の選挙公約に関する会議だったりと、国会周辺での所用もあって、相変わらず地元の選挙区と東京を行き来する日々が続いています。

 さて、そんな中で、昨日公正取引委員会から発表があった案件、「競争政策と公的再生支援のあり方に関する検討会」の立ち上げについて、自民党の競争政策調査会事務局長を務めておりますので私の見解を若干書かせていただきたいと思います。自民党から提出されている競争条件確保法案と同じような論点になろうかと思いますが。

 これまでも日本においては必要と認められる場合においては、公的再生支援のスキームが様々な業界において活用されてきました。公的再生支援については、同じ業を営む他の企業の活動にも影響を与えるものであり、その決断においてはその必要性に関して最大限慎重な判断が必要なことは言うまでもありません。公益に照らしてどうしても必要な場合に限ってその決定はされるべき、というのが大原則です。

 その一方で、今後の国際的な競争環境の激化などに鑑みて、公的再生の求められるケースは今後も出てくることは間違いありません。今回の検討会はそのような場合に備えての議論を行う場という位置づけです。

 公的再生を行うと判断された場合には、健全な競争が確保されること、対象企業が二次破綻に追い込まれることが無いように万全を期すこと、などが求められます。

 そして、再生プロセスから民間企業として再び市場に参入するにあたっては、公的資金だけではなく民間の資金をいかに集めることが出来るかが死活的であり、再生の成否を決めるのはその一点に依るといっても過言ではない、という点もきちんと考慮せねばなりません。

 これらを考えた場合に、政府の関与という観点からは、以下の点については厳に守られる必要があると思われます。

 まず第一に、どのような法制度であっても遡及することがあってはならないという点です。ある時点での法制度のもとで合法的に行われた事案について、事後的に法律を作って過去にさかのぼって拘束しうることがあってはならない、ということです。この点が守られなければ、日本におけるビジネスの予見可能生は著しく低下し、ことが自由主義社会の大原則である「法の支配」に関することである以上、極端な話中国のような当局のさじ加減一つで企業の活動が制約される国と同じような見られ方を国際社会からもされかねません。

 そして第二に、さまざまな行政行為による是正措置なども、あくまで再生プロセスにおいて民間資金が入る前の時点、再生過程がスタートするまでに行われるべきで、いったん再生がスタートして以降に行政が関与する余地を残すことは、投資家の予見可能生を阻害しまうため断固として避けねばなりません。再生プロセスが上手くいったらペナルティーをかけて、上手くいかなかったらかけない、あるいは再生が上手くいったら行政がその是正に動くといったことは基本的に排除されねばなりません。万一このようなことが起これば、再生過程に死活的に重要な民間資金が入ってくるインセンティブが失われてしまい、リスク・リターンの経済原則に大きく反することになりかねません。

 もちろん、スタート時の再生計画の策定プロセスにおいては競合他社も含めて意見を求めるなど、厳に公正を期すことは必要ですが、実際の再生プロセスが回り始めた後の段階で行政が介入することは、まさに機会の平等、自由競争基盤の保障ではなく、行政の裁量による結果の平等へのシフトに他ならず、自由競争社会をその基本におく日本にあって、あってはならないことです。

 真の意味での競争環境を守り、国民の利益が阻害されることが無いよう、今回の検討についてもしっかりとその推移を見ていきたいと思います。

suzuki_keisuke at 16:48トラックバック(0) 
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