2014年09月

2014年09月22日

スコットランドの独立をめぐる一連の動き、その日本への意味

 スコットランドにおける独立に関する国民投票が否決されました。事前の予想よりも大きな差での否決となりました。直前で賛成派の優勢が伝えられて、実際に独立する可能性が高まったところで、現実的な反応が急速に広がった面もあるのではないかと思われます。

 さて、今回の行方を見ていて、私が感じたこと。それは3年前にEUの招聘で欧州議会やEUの幹部との意見交換で出張したときに感じたことにも重なるのですが、まさにこの一言に尽きます。

 それは「イギリスですらこうなのか」というものです。

 当時もあるいはそれ以降も、ヨーロッパの人と話をするときに感じる違和感、それは安全保障環境に対する認識の違いです。違和感といってもどちらが正しいということではなく、むしろ、置かれている環境の違いの再認識といった方が正しいかもしれません。

 再三ここでも指摘させていただいている対中国の武器禁輸の議論をする際にも痛切に感じることですが、欧州諸国の基本認識は、もはや現代において国と国との間の戦争や紛争は起こらない、というものです。現実に北朝鮮や中国の脅威にさらされている我が国とは基本的に認識が異なる。

 ウクライナでの紛争が起こって、欧州でも若干考え方が変わっている可能性もあるかと思っていましたが、やはりそこまでの大きな変化は無かったようです。

 イギリスはそのような欧州諸国と比べれば、アメリカとの伝統的な関係もあって、まだ安全保障に関する意識は高く、対中武器禁輸などにおいても日本の立場を理解し行動してくれている面が多いのですが、それでも例えばフランスと航空母艦の共同運用を検討するなど、東アジアでは想像できないような動きを一部で行っているのも事実です。

 今回、スコットランドの独立の議論においては、経済や福祉といった問題は俎上に上がっていましたが、国防や安全保障、外交といった側面が真剣に議論されての独立の議論だったとは、少なくともイギリスのメディアもチェックしていましたが感じられませんでした。

 今回のスコットランドの独立の一連の動き。東アジアの現在の中国や北朝鮮の軍事的な動き等に鑑みた現実を考えたとき、あのイギリス(の一部のスコットランド)ですら安全保障のプライオリティー、一般の認識がここまで低下しているということは、極めて重要な事実です。同時に、日本としては、自国の安全や東アジアの安定を考えれば、当面アメリカとの関係を最優先で考えていかざるを得ない、その現実を改めて認識する機会でもあるのではないでしょうか。

suzuki_keisuke at 19:09トラックバック(0) 

2014年09月16日

長期の火災保険の廃止〜深刻化する気候変動のリスク〜

 先日、10年を超える火災保険を各損害保険会社が廃止するとのニュースがありました。大規模な自然災害の増加により将来のリスクの予測が困難になったから、というのがその背景のようです。

 豪雨にしても、かなり大規模な保険金の支払いに繋がる台風などの自然災害にしても、この数十年間、その件数などのデータが明確に右肩上がりとなっています。

 以前から指摘させていただいているように、温室効果ガスによる気候変動は、単なる温暖化にとどまらず、気候のボラティリティーが増す、つまり気候の変化が激化するということに繋がる可能性が極めて高いと考えられます。

 気候が激しくなり、更にはその地域の気候そのものが変化するとするならば、一番深刻な影響を受けるのは食糧と水に他なりません。

 現在の耕作適地が気候の面から耕作不適地になる、それと同時に気候の面から耕作適地となるはずの土地は、これまでの植生の分布から即座に耕作適地となることは土壌面から難しい、そして、集中豪雨や干ばつにより肥沃な土壌そのものが失われてしまう。

 気候変動の対策を何ら打つことが出来なければ、この様なことが地球上のあちらこちらで今後起こる可能性が極めて高いわけです。毎年同じような気候であって、かつ土壌も保たれる前提で行われるのが従来の農業であることを考えれば、食糧供給に重大な問題を引き起こしかねないのが今の状況です。

 また、地球全体の気温上昇にともなう水蒸気量の増加は低気圧の巨大化を招くなど、自然災害も加速度的に増えていく可能性が高いともいわれています。

 今回の火災保険のニュースは、まさにそうしたリスクの数値かのプロである損害保険会社をもってしても10年以上先のリスクの予測が困難という、まさに極めて深刻な状況が明確となったことを意味するのではないでしょうか。我々としても深刻に受け止める必要があります。

 気候変動対策、地球環境問題。以前から指摘しているように、「もしかしたら温室効果ガスと地球の気候の変化は相関関係がない、温暖化・気候変動などは無い」とする科学的な根拠に乏しいほんのわずかな可能性に賭けて、対策をまともにやらないというのは、我々人類社会にとってあまりにも危険な賭けでは無いでしょうか。

 先日のエネルギー基本計画を巡る議論にしても、ポスト京都の枠組みを巡る議論に対する我が国のスタンスにしても、いわば環境関係の議員の一人として個々数年の議論に関わってきましたが、諸外国と比べても、正直、危機意識に若干欠けている面は否定できません。党内においても、世論に対しても、まだ微力ではありますが、出来る限りの働きかけを行ってまいりたいと思います。

suzuki_keisuke at 16:48トラックバック(0) 

2014年09月09日

アベノミクス、三本目の矢の成果。忘れてはならない視点。

 「アベノミクス」、「三本の矢」。よく三本目の矢のスピードが遅い、効果が出ていないといった指摘をされることがあります。実際のところは果たしてどうなのでしょうか?

 そもそも、政府の経済政策で景気が良くなるという考え方自体が、若干の誤解を含んでいるのではないか、と私には思えてなりません。

 3本の矢といわれる3つの政策の組み合わせ、大胆な金融緩和、機動的な財政政策、構造改革・成長戦略。実はこのうち1つ目と2つ目、そして3つ目の間には大きな違いが存在しています。

 一本目の矢と二本目の矢は、直接的な効果をもたらすダイレクトな政策です。日銀がその金融政策でマネタリーベースに直接の効果をもたらし、政府が予算によって公共投資により経済そのものに直接的な資金投入を行う。これが一本目の矢と二本目の矢の実態です。

 一方で三本目の矢は直接的な効果をもたらすものなのかといえば答えは否です。

 政府や政治が出来ることは、規制改革をし、税制の改革を行い、TPPを通じて市場・マーケットの拡大を図る、等々の環境整備にすぎません。本当にこうした政策が効果を上げる為には、このような環境を活かしきることが出来るような、民間企業のリスクを取った積極的なビジネス活動が絶対的に必要です。正直いくら政治や政府が必要な改革を行っても、民間セクターがそれに呼応しなければ何も生まれることはありません。

 3本目の矢は決して、我が国に成長を自動的にもたらしてくれる万能の魔法ではありません。いかにして企業や個人の方々に、その能力を存分に発揮していただくことが出来るか、いかにして改革の結果ビジネスをしやすくなった環境を存分に活かして個々の企業が成長戦略を実行していってもらえるか、その一点にこそ今後の日本の経済成長はかかっているといっても過言ではありません。

 我々も、それを後押しする為に、今後コーポレートガバナンス改革を行い、独立取締役により取締役会から、そして中期的には株の持ち合い解消や新たなインデックスの導入を通じてマーケットから、それぞれ企業の経営陣に適切なリスクテイクを促すようなプレッシャーをかけられる仕組みを前に進めていくことを本年度の「骨太の方針」で明確にしたところです。

 経済政策、アベノミクスを語る大前提として、政治や政府、中央銀行が実態の経済の中で実際の生産力として担うことが出来るものは極めて限定的だということを忘れてはなりません。あくまで経済を成長させ、力強く日本を前に動かしていくのは「民間の活力」でしかないという点、この点は強調して強調しすぎることはないと思います。

 それを誤ると、前時代的な公共事業、補助金、規制中心の、民間セクターの生産性には全く寄与しない景気対策が再び行われ、結局効果も上げられない上に財政に負の遺産だけを残していくということになりかねません。それは今の日本のおかれた状況の中で許されない過ちです。

 党の中でこの大きな方向性から議論が外れることが無いよう、微力ですが全力で頑張って行きたいと思います。

suzuki_keisuke at 17:48トラックバック(0) 

2014年09月01日

内閣改造について

 内閣改造を今週に控え、様々な報道が続いています。

 しかし、日本の政治の今後、景気・経済という意味において、最も重要なことは、この20か月の安倍政権の政策の大きな流れは変わることはない、という点です。

 政界にあって、様々な政策決定にある意味ではかかわり、いろいろな現場を見てきたものとして、私の目から確実に言えることは、この20か月間の政策決定過程において、そして特に経済政策や安倍政権の政策の全体的な方向性の決定において重要なキーとなる政治家については、その役割においても影響力においても今回の内閣改造、党役員人事を経てもほとんど変わることはない、ということです。

 それはこの安倍政権の経済優先、改革志向の政策が力強く継続されていくということに他ならず、これは日本にとっては極めて重要なことです。

 人事については、とかくいろいろな思惑が面白おかしく報道されることもありますが、最も重要なことは、これまでの20か月間の流れというものをきちんと継承していく、あるいはさらに加速させていくことができる体制であるかどうかという点であり、その意味においては今回の内閣改造等においては全く心配がない。ここが最も重要なポイントといっていいのではないでしょうか。

suzuki_keisuke at 13:33トラックバック(0) 
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