2015年12月

2015年12月17日

パリ協定の採択と今後の展開の重要性

 先週末パリ協定を採択して地球の気候変動に関わるCOP21は閉幕しました。

 当初の見込みを超える成果を残したと言える部分もかなりあった内容で、協定の採択自体は前向きな評価をされるべきものだと思います。関係者の努力に心より敬意を表したいと思います。追いかけるべき目標として2℃を上回る1.5℃ということが書き込まれ、また検証についても先進国、新興国、途上国がほぼ共通のプロセスを踏むということは大きな前進といえると思います。

 しかし、当然のことながら、これからどのようにして細目を詰めていくことが出来るか、それに今後の気候変動対策がきちんと進むかはかかっていると思われます。

 各国が登録をした目標についての評価を誰がどのように行うのか、さらにはその妥当性を誰がどのような尺度で検証するのか、さらには資金についても、緩和と適応の双方に配分されることとなろうかと思われますが、例えば技術とその移転について、どのようなものを対象とするかなどの詳細な制度設計が非常に大事になってきます。

 少なくとも途上国、新興国においては、現在ある最も優れた技術(Best Available Technology)をどのように普及させられるか、どのように置き換えのペースを上げていくことが出来るかが最重要課題です。同時に全世界がBATを導入したとしても、必要な削減幅には追いつきませんから、それを超える技術的なイノベーション・ブレークスルーが必要です。その主体は主には先進国の企業・民間セクターにならざるを得ず、彼らがそのR&Dコストをどのようにして既存の技術の普及から賄うことが出来るかも極めて重要な課題です。

 先進国が拠出する資金のフレームも、この様なポジティブなサイクルを加速させるもので無くてはなりません。

 この様な詳細にわたる仕組みづくりが今後行われていくわけですが、まさに今回の枠組みの成否を握っているのはこのような細部ですので、今後もきちんとウォッチしていかねばなりません。

 パリ協定の採択は大きな一歩であったことは事実ですが、ここで一息つくことなく、意義のある仕組みを叡智を結集してつくりあげていくプロセスを加速させられるよう私自身も微力ですが力を尽くして行きたいと思います。

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2015年12月08日

日中与党協議会@北京と気候変動関連会議@パリへの出席

 先週後半、谷垣幹事長に同行し北京で開催された公明党を含む日中の与党協議会に3日、4日と出席し、その後、パリで開催されているCOP21と同時並行で行われた各国議員によるGLOBE(地球環境国際議員連盟)の会議(5日)に出席しました。1泊4日の短い日程ではありましたが、どちらも有意義な会議となりました。

 私からは、日中の与党協議会においては、知的財産権の保護について中国側に法制度の強化を求め、またSDRに人民元が加わったタイミングでもありましたので、中国に進出している企業が苦労している資本取引、金融規制についての改善を求める発言を行いました。

 またパリにおいては、新たな環境経済への移行について議論するセッションで、日本における経験からbest available technology やイノベーションに着目した規制を各国が厳格に行うことで、新たなマーケットが誕生し、各企業にもイノベーションを喚起し、結果として経済成長と環境の両立を果たすことが可能となる旨の発言をしたところです。

 パリでの会議は、もともとアル・ゴア米副大統領と小杉隆元文部科学大臣が立ち上げた枠組みで今年が25周年になる会議ですが、常に国際政治的な色合いを帯びる気候変動対策の交渉において、少なくとも各国で環境政策に前向きな議員が国際会議を持つことで、この極めて深刻な問題の対策の前進をはかることが出来ないかというのがその最大の意義となっています。

  気候変動対策の枠組みは、各国の中でも経済部局が環境部局よりも政治力がある現実の中で必要以上にこじれてしまっている面が否定できません。地球環境の科学の議論となる前に政治の議論となってしまっている背景もその辺りにあります。その意味では今後も一定の意義が確実にある会議ですので私も一政治家として関わっていく所存です。

 日中関係については、両国間に多くの摩擦があり、かつ共産党による一党独裁の中国が中華思想と相まってどのような問題に関しても歩み寄る意志がないという現実の中で、日本として一方的に妥協することは許されませんし、すべきではない、これは大前提です。

 しかし、日中両国が引っ越すことが出来ない隣国でもあることを考えれば、危機が意図せず発生しないための対話のチャンネルは必要ですし、様々な共通の問題について共同で取り組むことで、関係性を改善することは出来ないことではなく、むしろ難しい二国間だからこそ、有効なアプローチともいえます。その観点から今回の発言に至った次第です。

 やり取りを通じて、全体として関係を改善したいという気持ちが中国側にも無いわけではないということはわずかに感じ取れましたが、その一方で、台湾問題について非常に強硬な姿勢を垣間見せるなど、日本に対して優位に立つために、様々な材料を利用してゴールポストが今後永遠に動きつづけることを予感させるやり取りもあり、依然として中国が日本にとって最大の潜在的脅威・戦略的脅威であることを痛感させられる一連の会議でもありました。

 与党間の協議ということで、中国共産党と公明党、自民党が出席しての会議となり、今回は軽減税率の議論もあって内政の関心から注目されましたが、本来的な意義も極めて大きな会議と私も思います。自民党の副幹事長として今後もしっかりと関与していきたいと思います。

 一政治家として、政府とのあるべき役割分担も考えながら、今後も国益を最大化することに資するような動きを今後とも進めてまいります。


suzuki_keisuke at 12:05トラックバック(0) 
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