2017年11月

2017年11月23日

日本もそろそろ脱石炭に舵を切るべきではないのか

 先日までドイツのボンでCOP23が開催されていましたが、その場において、カナダやイギリスが主導し、効率の悪い石炭火力発電所を将来的に全廃する国の連合が発足しました。いつも言っていることやっていることが異なる中国はもちろん加わっていませんが、日本も、ドイツやアメリカと並んで態度を保留にしています。

 私は従来から党内の様々な会議で、日本のエネルギー基本計画等の議論において石炭にあまりにも重点が置かれてきたことに異を唱えてきました。実際、多くの国が2030年までに石炭発電の比率を0%に、アメリカですら2030年に7%にするといっている中で、日本の計画では2030年時点で26%が石炭火力からのエネルギーということになってます。

 このエネルギー基本計画を実現することが不可能なことは、国際社会の潮流を見ればほぼ明らかです。むしろ、日本政府が石炭発電に関する態度を経済界への配慮で先に延ばせば延ばすほど、実際に石炭火力発電に投資を考えている電力会社の判断を誤らせることになりかねません。また政府の姿勢がはっきりしなければ必要な再生可能エネルギー関連のイノベーションに資金が十分に向かわないことになりかねず、そうなってしまえば、日本は大きな成長が見込まれる再生可能エネルギー分野での国際競争力を失うことになりかねません。

 時代を先取りした正しい規制が正しいマーケットを作り出し、そのことが、技術や標準化、規格の面での国際的ルール作りでのリーダーシップに繋がり、結果的に日本の国際競争力強化につながる。このダイナミズムを政治は軽視すべきではありません。

 ESG投資といった用語が一般化する中で、先日はノルウェーの国のファンドが石炭はもちろんのこと、石油や天然ガスに関連する企業への投資を順次やめていくという発表もありました。化石燃料に関連する企業は、将来のビジネスリスクが非常に大きいため投資先としてふさわしくないという判断があったようです。

 日本においても、公的年金の運用をするGPIFがESG投資をリードし、年金基金や保険会社などの機関投資家において長期リスクとしての環境リスクへの認識が高まっています。

 ビジネスにおいて、政策の方向も含めた予見可能性は極めて重要です。政策決定の中で、石炭にこだわることで、あるいは判断・決断を先送りにすることで、日本の企業が本来作れたはずの様々なアドバンテージをみすみす失う事態を招くことは将来に責任を持つ政治家としてしてはならないことだと私は考えます。

 なかなか動きが遅い日本、とりわけ永田町や霞が関がそうですが、今後エネルギー基本計画の見直しに向けた議論が本格化してくタイミングでもありますので、世界の潮流の中で再び日本が気候変動の分野はもちろん、様々なイノベーションにおいても世界をリードできるような環境づくりに向け、しっかりと頑張ってまいりたいと思います。

suzuki_keisuke at 22:17 

2017年11月08日

全世代型社会保障への転換:「ツケの先送り」でなく「未来に向けた社会保障の優先順位の組み替え」が必要

 今日、自民党本部で第一回の人生100年時代戦略本部の会合が開かれました。全世代型社会保障への転換という公約の実現に向けた検討の会議です。多くの議員出席の中で活発な議論が交わされました。

 以前から党内で続けられてきた議論の中で、私の立場は、一貫して、「子育てや教育といった次世代への投資が、他の社会保障と比べて明らかに優先順位が低かったこれまでの日本の社会保障のあり方を変えることは政治の責任で一刻も早く進めねばならない。すなわち子育て、教育への投資を拡充することは絶対に必要だという大前提の上で、その財源は、ツケを次の世代に先送りすることがないよう、医療分野の改革などにより、既存の社会保障の見直しにより相当程度を充てるべきだ。」というものです。
 
 特に今年診療報酬改定のタイミングを迎え、さらに今後医療を中心に社会保障改革の抜本改革を行うということが言われている中だからこそ、この点を明確にすべきというのが従来からの私の立場です。

 今日の会合においても、私からは以下の趣旨の発言をしました。

「「全世代型社会保障への転換」には殆どの方が異論は無いと思う。しかし、この全世代型とは一体何なのかが重要だ。これが従来の社会保障に新たに介護子育てのパッケージを加えるものなのか、あるいは従来の社会保障と次世代への投資の優先順位の付け替えをするのかで、意味合いが全く異なる。もしも前者だとするならば、財政赤字の極めて大きな今の状況では、消費税の2%分は新たに使える「新規財源」では決してないわけで、であるならば、財源をどうするのかの議論を一からせねばならない。増加するこの二兆円分の財源を消費税2%分以外に完全に新たに手当てしなければ、全世代型社会保障への転換と言いながら結果的に将来にツケを先送りするというだけの結果となってしまう。だからこそ、全世代型への転換とは、従来のものに新たなパッケージを加えるだけなのか、あるいは次世代の投資という新しいパッケージと従来の社会保障の優先順位の付け替えを行って従来の社会保障については今の改革以上の切り込みを行うということなのか、そのどちらの路線なのか、こうした根本的な議論をしっかりとまず行わなければ無責任といわざるを得ない。」

 20年後、30年後、未来の日本のために、そして未来の国民負担をなるべく減らすために、引き続き全力で頑張ってまいります。

suzuki_keisuke at 23:46 

2017年11月02日

気候変動対策に果たす機関投資家の役割(PRI/GLOBE Japan共催シンポジウム)

 今日の午前、PRIジャパンネットワークと地球環境国際議員連盟(GLOBE Japan)との共催で「機関投資家による企業の気候変動リスク開示情報の活用」に関するシンポジウムを開催しました。私もGLOBE Japanの事務総長として、パネリストとして同僚議員や機関投資家の方々とともに議論させていただきました。DSCF3287

 この度、G20からの要請で金融安定化理事会にて議論されていたTCFD(Task Force on Climate -related Financial Disclosures)による提言がなされたことを受けて、機関投資家と国会議員との意見交換の場として設けたものです。

 気候変動の問題が極めて深刻ななか、今後様々な点で気候変動への対応で政策が変更される可能性が高い状況です。例えば、世界的に脱石炭発電という流れが明確になっている中で、日本においてだけ石炭発電を今後30年間維持できるかといえば、そこには疑問を持たざるを得ません。その場合、将来的に税制や規制の面で、石炭に対して厳しいものが導入される可能性は否定できません。

 今明らかになっていないこうした政策が変更されるリスクを、企業の側が長期リスクとして織り込んで経営する必要があります。また当然投資家に対しても、こうした情報が開示されている必要があります。特にスチュワードシップという言葉に代表されるように、投資家が投資家としての責任を果たすという中に、企業の長期リスクを最小にできるよう投資を通じて行動するというESG投資という流れも最近強くなってきています。

 投資家が、横串で投資先の企業の環境リスクへの対応などを比較して評価できる環境をつくることが重要です。それを法律で細かく規制するべきなのか、原則を示してソフトローで対応するべきなのか、またどのような項目が必要なのか、等々の議論がこれから進められていく段階にあります。

 今日のシンポジウムは、そのような状況の中で、投資家と政治家が意識を共有し知見を交換することを目的として開催されました。

 そして、本日は特別講演としてノーベル賞受賞者でもあるアル・ゴア元アメリカ副大統領にお越しいただきました。今の地球の置かれている危機的な状況、そして具体的対応の重要性と緊急性について、非常に印象深い講演をしていただきました。

DSCF3367 気候変動への対応が進むかどうかは、政治のリーダーシップはもちろんのこと、それ以上に個人や各企業の行動に大きく依存しています。だからこそ、政府の直接の規制も必要ですが、むしろ企業の自主的な取り組みを促進させるようなプレッシャーを資本の力でかけるということもとても重要です。

 今後とも日本経済と地球環境にベストな政策を打ち出していけるように全力で頑張ってまいります。

suzuki_keisuke at 17:06 
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