2018年01月

2018年01月21日

将来を見据えベトナムとの関係構築を〜ベトナム出張報告〜

IMG_5048 先週、青年局の4名の同僚議員(佐々木紀衆議院議員、滝波宏文参議院議員、小林鷹之衆議院議員、吉川ゆうみ参議院議員)とともにベトナムに出張し、1月18日終日ハノイでベトナムの指導部と会談しました。一泊三日という強行日程でしたが、非常に有意義な意見交換をすることができました。

 5年前に自分が青年局国際部長だった時に青年局としてのベトナムとの関係構築を始め、以来、2013年、14年、16年、17年、18年と青年局全体研修や幹部訪問で関係強化を行ってきたところです。

 ベトナムは今年ASEANの対日窓口の国であることに加え、昨年は天皇皇后両陛下の訪問、二回の安倍総理の訪問、ベトナムのフック首相の来日と、近年日本外交の中でも非常に重要な国になりつつあります。チャイナ+1ということで、ベトナムに進出する日本企業も急増しており、経済・外交・安全保障いずれの意味でも極めて重要な国になっています。IMG_5080

 特に南シナ海の問題に関しては中国の攻勢に対して毅然とした態度で臨んでおり、日本やアメリカが提唱する航行の自由や開かれた海というコンセプトを共有していて、日本からも海上保安庁の巡視船を供与するなど関係を強化しています。昨年訪問した際にも、ビンズン省というホーチミン市から数十キロ離れた地方の政府の軍関係者も「尖閣」の問題を認識していたことなどから考えても、中国軍の東アジアにおける動きへの警戒感が極めて高く、東シナ海、北朝鮮についてもポイントとなる国の一つです。

 近年では、アメリカとの関係も非常に強化されており、アメリカからの武器の購入がオバマ政権下で決定され、今年アメリカの航空母艦がベトナムに寄港する予定もあります。ワシントンでも日本・台湾・韓国・オーストラリア以外のアジア諸国の中で、ベトナムはインドとともに地政学的に非常に重視されている国です。IMG_5095

 加えて対日感情が極めて良いということもありますし、今後の経済成長を考える中で、国内の改革が必要だと考えている政治勢力も強いようです。TPPについても戦略的な観点と同時に、国内の改革を進める観点からも非常に前向きな姿勢が目立っていました。

 今国際政治の観点からトランプ大統領の下でのアメリカが、どの程度アジアの安定にコミットするのか、TPPからの離脱を含め懸念が強まっています。中国の軍事的経済的圧力が極めて高い中で、日本としても、きちんとアジアの安定のためにアメリカとともに積極的に関与する姿勢を丁寧に示して、アジア諸国の不安の解消を図る必要があります。

 今回の出張においては、APPFのハノイ会合の初日という多忙な状況の中で、ヒエン国会副議長、クアン党中央対外委員長、フォン・ホーチミン共産青年団第一書記、トゥオン党中央宣教委員長、チン党中央組織委員長と、最高幹部である政治局員二名を含む多くの政権幹部との会談を行うことができました。IMG_5107


 やり取りの詳細は機微なものも含まれますので、ここに書くことは控えたいと思いますが、私からは、(1)日本として中国の圧力がASEAN諸国に対して強まる中でベトナムとの関係を非常に重視していること、(2)東シナ海・南シナ海においてCOCを含め共通の価値・利益を守るべく連携を深める必要性、(3)TPPを日本が重視していること、(4)ベトナムが国交を有する北朝鮮問題への協力、(5)ベトナムのビジネス環境改善が更なる日本からの投資につながること、(6)次世代のリーダー同士の信頼関係構築の重要性、等をベトナム側に伝えたところです。

 そして、ベトナム側からは、対日関係を極めて重視していることはもちろん、TPP11、南シナ海・東シナ海・北朝鮮に関して非常に積極的な反応、感触があったことはここに述べさせていただきたいと思います。

 実は今回面会した中でも、先日ベトナムトップのチョン書記長の名代として習近平国家主席と会談した党外交トップのクアン党中央対外委員長、40代半ばで政治局員に抜擢され将来を嘱望されているトゥオン党中央宣教委員長はともに、我々自民党青年局のカウンターパートであるホーチミン共産青年団のトップである第一書記経験者(2代前と4代前)であり、非常に率直な意見交換を行うことができました。IMG_5124

 10年後、20年後の日本を考えたとき、国の内外で将来を見据えた人間関係構築、信頼関係を築くことは非常に重要です。微力ではありますが次世代に責任を持つ政治家として引き続き頑張ってまいりたいと思います。

suzuki_keisuke at 16:11 

2018年01月13日

東アジア情勢を見誤ってはならない〜中国こそが地域の安定への最大の脅威〜

 案の定というべきか、1月10日から11日にかけて、尖閣諸島の接続水域に中国軍の潜水艦が潜航したまま侵入するという前代未聞の挑発行動に出ました。このような中国共産党の対外政策のエスカレーションが、国際政治的には当然に予測し得たものだということは、私のこれまでの文章を読まれてきた皆さまにはご理解いただけると思います。

 昨年10月に行われた5年に一度の中国共産党大会で、党内の政治的基盤固めを行った習近平国家主席ですが、そもそも共産党の一党独裁体制に加え、習近平氏自身の強権的な手法もあって、中国共産党というよりも習近平氏という個人の独裁の色合いが増してきています。

 そもそも、共産党一党独裁の中国にあってはリーダーが選挙で選ばれているわけではありませんから、民意により選ばれたという正統性を持ちえないのが中国のリーダーです。それゆえに、これまで中国共産党の行動原理の根底には、権力の維持の正統性のために、(1)国民に経済的な富を与える、(2)偉大な中国を実現できるリーダーというイメージを与える、この2通りの動機があったわけです。ましてやそれが個人の独裁ということであれば、これらの正統性を守ることが出来るかが、習近平氏個人の政治生命はおろか生命を守れるかという観点で死活的に重要、というのが現在の状況だと思われます。

 「一帯一路」という構想を見るまでもなく、中国の経済は今後の発展は望めません。一つには一人っ子政策という人工的な少子高齢化を作り出した結果、世界で初めて「豊かになる前に高齢化してしまう」国になるということ。そして特に、発展する沿岸部でその傾向が顕著であるということ。そして国内の経済の構造改革、近代化に失敗し、旧来の重厚長大産業と非効率な国営系の企業を多く抱える構造を脱却するチャンスを逃したということ。

 これらを考えれば、上に挙げた(1)の経済的な富を国民に与えるという正統性は、もはや習近平氏には与えられません。そうなると、(2)の「偉大な中国」という正統性を意地でも追及せざるを得ない、というのが今の実情です。

 最近見られている、台湾に対する異常なまでの軍事的、政治的な圧力、アメリカを東アジア・西太平洋から追い出すための政治的・軍事的布石、その一環としての東シナ海のガス田や尖閣諸島における実質的な制海権・制空権の強引な追及、南シナ海、インド洋における同様の軍事的な挑発行動、これらはまさに習近平氏の生命がかかっているといっていい正統性を確保するために、習近平氏が極めて合理的に行動している証左です。

 今般の尖閣における行動も、中国にとって何よりも大事なアメリカのアジア・西太平洋における影響力を低下させるという目的、そのために戦略的に必要なA2ADのための布石、あるいはもっと大胆なアメリカのアジアにおける拡大核抑止(核の傘)を骨抜きにすることを狙った戦略としての、戦略核・戦術核を搭載可能な潜水艦の太平洋への安全かつ探知不能な進出への大事な一歩であると考えれば、中国にとっては何が何でも進めておきたいステップであることに疑いの余地はありません。

 そのような大戦略の前に日中関係改善など、習近平氏にとってはどうでもいい話のはずで、逆に日本の姿勢を見極めようとしているといえます。ここでさらに日中融和と日本が思うのであれば、中国は一気に尖閣や東シナ海、台湾に対する攻勢を強めてくるはずです。

 その観点から、朝鮮半島においても、もっとも彼や中国にとって合理的な結論、つまりは金正恩というリーダーを取り除き、中国の影響力を行使しやすい政権のもとでの北朝鮮の存続、というシナリオを追及すると思われます。

 中国共産党、あるいは習近平氏としては、トランプ大統領への信任の揺らぎや、パリ協定、TPPからの離脱という動きの中で、多くのアジア諸国において、アメリカの東アジアへのコミットメントという観点での対米不安が高まりつつある中で、これを好機とみて攻勢を強めているわけです。

 日本はまさにこうした認識に基づいて、誤ることなく外交・安全保障戦略を進めていかねばなりません。

 その観点からすれば、日本が一帯一路構想への積極的あるいは好意的なコメントを出したり、対中友好をアピールするということは、なんら中国の行動を融和的にする効果は持ちえず、逆に、「日本も中国に近づくという方向に舵を切ったのだな」との誤ったメッセージを発信してしまうことで、日米をどのくらい信頼できるかによって、中国との距離感を慎重に図っているアジアの国々を、好むと好まざるとにかかわらず中国のほうに近付けてしまうことになりかねません。このことは日本の国益どころか地域の安定を損なう行為です。

 政府・与党が一枚岩となって、いまアジアにおける、この非常に重要な国際政治の底流を見誤ることなく行動、発信をしていかねばなりません。私も微力ながら世界の政治リーダーに対してこうしたメッセージを正確に発してまいりたいと思います。

suzuki_keisuke at 16:19 

2018年01月02日

平成30年の年頭にあたって

 平成30年の新春を迎えるにあたり、年頭の所感をここに書かせていただきたいと思います。

 今年は明治維新から150年の節目の年です。そして当時に勝るとも劣らない危機に我が国は直面しているといわざるを得ません。

 外交安全保障の観点から東アジア情勢は極めて緊迫しています。北朝鮮、中国という軍事大国、独裁国家を二つも近隣に抱える我が国としては綱渡りの外交を強いられる状況に変わりはありません。

 アメリカの東アジア・西太平洋への関与をしっかりと維持すること、TPPやパリ協定を契機にアメリカの不透明感により高まっているアジア諸国の不安を払拭することは、地域の安定、ひいては我が国の安全保障に直結します。アメリカ、台湾、ベトナム、オーストラリア、インド、イギリス等の国々との連携強化が死活的に重要です。

 その観点から、日本が一帯一路構想やRCEPなどで誤った判断をすれば、日本すら中国に近づこうとしていると誤ったメッセージを送ることになってしまいます。それは、国際的なルールに基づく開かれたアジア・太平洋・インド洋という構想自体を頓挫させ、アジアの安定・発展や我が国の国益を大きく損なうことにもつながりかねません。誤解を与えかねない安易な対中協調、対北朝鮮対話などは断固として排していかねばなりません。

 経済政策においても、国際競争の激化と少子化高齢化に直面する中で、今我が国は大きな岐路に立たされています。安定と緩やかな衰退という選択をとるのか、よりオープンで変化の激しい成長に舵を切るのか。

 デフレといわれる状況は、様々な経済学的な分析はさておき、その根底には将来への期待、経済活動におけるリスクテイクの停滞があります。この状況を打破するためには、一人ひとりのマインドに働きかける、より自由でオープンな競争、チャンスが何回でもあるダイナミックな社会、真に頑張ったものが報われる社会への構造改革が必要です。

 ベンチャーの起業・スタートアップ、企業の新陳代謝、一度失敗すると岩盤規制にはじかれ再チャレンジが出来ない終身雇用の転換、バラマキによる持続可能でない需要創出主体の景気対策の転換、民間主導の経済成長の徹底、こうした視点からの経済・金融・税財政に関する政策の方向性、さらには霞ヶ関・永田町のあり方そのもの自体の大転換を図る必要があります。

 規制や税制、サービスにおいて、政府があちこちに口を出すような、政府が「指導」するような「大きな政府」「優しすぎる政府」は決して民間活力を生み出すことはない、このことを我々は過去数十年の失敗から学んできたはずです。過ちを繰り返すべきではない。安倍政権の経済政策ももう一度2013年頃の原点に回帰する必要があります。

 社会保障についても、負担と給付の観点から国民皆保険を維持し国民の将来不安を減らすためには、目先のごまかしではなく、超高額のものも含めほぼすべてを税金や保険料で賄っている今の共産主義的な医療制度を抜本的に改革する必要があります。特に今後、子育てや教育という次世代への投資を強化し社会保障を全世代型に転換する以上は、従来の社会保障の効率化と抜本改革は避けて通るわけにはいかず、改革は遅くなればなるほど無意味に痛みを大きくするだけになりかねません。

 持続可能性ということでいえば、エネルギーについても、石炭発電のように現実的ではないエネルギー源に依存して日本経済全体を長期リスクにさらすような愚は終わりにせねばなりません。スチュワードシップやESG等の資本市場・投資家の資本の影響力で、経済成長・気候変動リスクをはじめとする社会・経済のリスクの最適化を行う流れを加速する枠組みの構築が急務です。

 これまでも、微力ながら私なりに、党において、政調での会議、役員会にあたる総務会等々、様々な場でこうした点の議論をしてまいりましたが、基本的に多勢に無勢というところもあって、この国に必要なスピードで政策の転換、改革の実行を実現できていません。特に野党の大半が完全に左傾化、共産主義化してしまっている以上、現実問題、我々がこの国に必要な改革を進めるより他、選択はありません。

 今年一年、引き続き全力で頑張ってまいることをここにお誓いして、平成30年の年頭にあたっての所感とさせていただきます。

※なお、公職選挙法第147条の2の規定により、政治家(およびその候補者となろうとするもの)が年賀状を含むあいさつ状を出すことは禁止されております。ご理解いただけますようお願い申し上げます。

suzuki_keisuke at 17:28 
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