2018年07月

2018年07月27日

航空会社の台湾表記問題に関して

 昨日若干報道されましたので、ご記憶の方も多いかと思いますが、中国政府が、各国航空会社にそれぞれのホームページなどでの台湾の表記に関して、「中国台湾」とするように強要するという事案が今年初めにありました。その中国側が設定した期限が一昨日(7月25日)でした。

 この問題は極めて深刻な問題であって、それは一言でいえば、「巨大な人口(市場)を擁する「共産主義独裁国家」に対し自由主義経済は脆弱である」ということの典型例になってしまったということです。
 
 まさに、独裁国家が、自らの巨大な市場における経営権を人質に、民間企業という自由主義国家の一番弱い環に政治的信条の受容を求めたという典型事例が今回のケースでした。実際多くの国の航空会社がこの要求に従ってしまったのはまさにその証左です。

 今後、こうした事例が増えることが予想される中で、我々としてどう対応すべきか、本腰を入れた議論が求められます。

 私も台湾関係について自民党を代表する自民党青年局長として、政府ともこのような問題意識の下、調整を続けてきました。

 今回の論点を整理すれば、

(1)まず、今回の案件は、中国が、圧倒的に大きな国内マーケットを人質に、民主主義・自由主義国家の一番の弱い部分である民間企業(国は原則介入しない)を狙ってきた案件と認識すべき。
(2)今後、価値観外交の試練(国家対国家の外交でなく、国家対民間企業で攻略)が始まると考えた方がいい状況で、早いうちに食い止めねば今後エスカレートするリスクが高い。
(3)今後同様のケースにおいては、中国対民間企業、中国対一国の構図に絶対にすべきではない。今後中国が実効措置に出たら政府が前面に出て日米で一致して対応するべき。
(4)今回の件を契機に、強権的国家による外国民間企業活動への政治的介入に対抗する抜本的対応を、日米、あるいはG7で早急に検討すべき。G7が始まった理由である旧ソ連の脅威以上に、中国の自由主義への脅威は深刻。

ということであろうと思います。

 各国の会社が次々と中国の要求に一方的に従う中で、最終的に日本の航空会社が、中国台湾という表記をしないという決断を下したことは高く評価されるべきです。そして、日本政府として、このことによって各社にビジネスリスクを負わせるべきではありません。今後、中国で活動する日本の民間企業がこうした理不尽な状況に直面しないように、中国政府からの圧力に関しては、日本政府がすぐに前面に出る体制を徹底しなければなりません。加えてアメリカとの緊密な連携、G7における自由主義陣営の結束が今後ますます大事になってきます。

 引き続き政府とも連携しながら「中国問題」にきちんと対処してまいります。


suzuki_keisuke at 16:17 

2018年07月03日

エネルギー基本計画2018における石炭の位置づけの真実

 今日、エネルギー基本計画が閣議決定されました。

 今回のエネルギー基本計画の党内議論で、私の方から石炭発電の位置づけに関しての懸念を申し上げたのは先日ここに書かせていただいた通りです。その中で、今回の計画に関しては、2030年26%の数値目標自体は、全体の見直しを行わない中で維持となりましたが、一方で、私の党の会議での指摘を含む最終版の調整で、かなりの修正が行われたことは、日本の長期的なエネルギー戦略の観点から、非常に有意義だったと思います。

 資源に恵まれない日本が、世界の中で勝ち残っていくためには、エネルギー戦略は極めて重要です。その中で気候変動問題、経済性、安全保障、安全性などを考慮する中で、3E+Sというのが日本のエネルギー戦略の基本戦略となっています。その中で、将来的には可能な限り早期に洋上風力や地熱といった再生可能エネルギーを柱にする一方で、過渡的に、温室効果ガスの排出削減の意味から安全性に最大限の対策をしたうえでの原子力エネルギー、そして、変動する再生可能エネルギーの性質から電源調整を考えて化石エネルギーをある程度の期間はやむを得ず柱に位置付けるというのが、大きな方向性です。

 その中で、化石燃料、特に石炭については、パリ協定、あるいは金融面からのESGやTCFD、座礁資産の議論が直接金融、間接金融問わずイギリスやヨーロッパ、最近ではアメリカを中心に急速に焦点化しています。世界的なトレンドとして将来の法的措置を見据え、石炭発電そのものを経済的なリスクと捉える流れが固まりつつあります。それを受けて、国内でも石炭発電の計画が撤回されたり、金融機関もSMBCのように融資を禁止するなど、民間中心に動きがみられてきています。

 本来、民間の投資リスクを過度に負わせないために、外部リスクの先の変化を見据えた計画を示すのが政府の役割であるというのが、私の一貫した主張で、そのために、今回の党内議論においても石炭発電の位置づけの見直しに関して一人で論陣を張ったところです。結果として、党の会議の場でもその意見を踏まえて議論するようにとの流れに最終的になったために、今回の最終案においては当初案よりも石炭発電の今後の見直しに向け踏み込んだ内容となったことは率直に評価したいと思います。

 石炭が経済性に優れているとの評価を、あくまで「現状において」と明記することで今後変化しうるとの認識を明確にしたこと、今後、「再生可能エネルギーの導入拡大に伴い、適切に出力調整を行う必要が高まると見込まれる」「よりクリーンなガス利用へのシフトと非効率石炭のフェードアウトに取り組む」と明記することで、化石燃料の中で最も環境負荷の高い石炭に偏った現状の是正や非効率石炭を順次廃止していく方針を明確にしたこと、は前回のエネルギー基本計画と比べれば非常に大きな進歩です。

 今後、世界の動向を注視しつつ、日本のエネルギー戦略が世界の流れに取り残され、高いリスクを日本と日本の民間企業が背負い込まないよう、しっかりと注視していきたいと思いますし、次回のエネルギー基本計画策定時には、より具体的な将来の姿を明示できるよう引き続き努力していきたいと思います。

suzuki_keisuke at 11:47 
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