2019年12月

2019年12月24日

グローバル難民フォーラム閣僚会合への出席及びイスラエル・レバノン・パレスチナ・ヨルダンへの公式訪問

 グローバル難民フォーラムの閣僚会合への出席及び、イスラエル、レバノン、パレスチナ、ヨルダンへの公式訪問のため18日から23日までの日程で出張しました。

 特に中東地域においては中東和平、安全保障や二国間関係に加えて、パレスチナ難民及びシリア難民の問題が受け入れ国(特にヨルダン、レバノン)経済にも大きな影響を与えている状況の中にあって大変有意義な訪問となりました。

 難民をはじめとした多くのグローバルな社会課題の解決にあたって私が常に強調しているのは、「インパクトを最大化し、最大限の効率性を追求し、コストを最小限に抑える」ことの重要性です。もちろんこれはグローバルな課題だけではなく、日本国内の様々な課題解決にも直結することであって、公的資金だけではなく民間資金やノウハウ、プレーヤーの関与を強めること、多くのステークホルダーの集団的(コレクティブ)な連携を強めることが非常に重要です。また、難民の問題に関しては、社会の受容のキャパシティ実際の受入数のギャップ、財政的なギャップについてマクロ的な分析をもとに国際社会が解決策を見出すことが極めて重要です。担当の外務副大臣として、日本政府としてもきちんと取り組みを進めていきたいと思います。

 今回は、他にも、中身の詳細には触れませんが、政情が不安定なレバノンにおいてアウン大統領、ハリーリ首相、やベッリ国会議長、バシール外相と会談し、パレスチナにおいてもアッバース大統領、シュタイエ首相、マーリキー外務庁長官や投資担当大臣と会談したほか、ヨルダンのサファディ外相、国際協力相、イスラエルの副外相等と会談し、中東和平や二国間関係、IMFとの関係、香港や北朝鮮、東シナ海、南シナ海、台湾海峡、一帯一路等の中国問題に関しても我が国の立場を伝え、相当程度突っ込んだ有意義な意見交換を行うことができました。

 様々な国際会議や従来の人脈の中で率直な意見交換ができる要人のネットワークが各国に拡がり、結果として、様々な情報交換や交渉を有意義に行うことができることが非常に重要であると体感しているところでもあります。また小泉総理、麻生外相の時にスタートしたヨルダン川西岸、ジェリコの「平和と繁栄の回廊」やパレスチナ難民のキャンプ、イスラエルのベンチャー企業等を視察し、多様化する現状を具に見ることができました。

 非常に課題が山積している国際情勢の中で、日本が国際社会の中でのプレゼンスを強化し、長期的な国益を最大化できるよう、引き続き全力で職責を果たしてまいります。


suzuki_keisuke at 19:06 

2019年12月15日

日本は冷静に戦略的に脱石炭の舵を切らねばならない

今行われている気候変動に関するCOPにおいて、あるいはそれを契機として、石炭に関する議論が注目されています。

この問題に関しては党内においても長く取り組んできた者の一人として、いくつかの点を指摘したいと思います。

まず一つ目。日本の高効率の石炭発電であれば、CO2排出を大きく減らせるという主張。これは正しくありません。SOx、NOx、すなわち硫化化合物や窒化化合物などの大気汚染物質は大きく削減されますが、CO2に関しては従来型の天然ガスを大幅に上回る排出がなされます。

CCS、CCU等の導入をすればという話もありますが、CCSは様々な指摘もされていますし、価格、技術面で乗り越えねばならないハードルがかなり高い現状があります。石炭に関する技術は高額でも構わないが、天然ガスや再エネになると価格の問題を指摘するというのは冷静な議論ではありません。

二点目として、原発や再エネをめぐる現実を考えれば、石炭を続けなければ日本の経済成長を維持できないという点、これも論点のすり替えといわざるを得ません。

化石燃料の発電が当面必要。これは正しい。しかし、化石燃料のなかでも最も環境負荷の高い石炭を維持する理由にはなりません。価格面を言う方もいますが、今石炭が安いのは石油石炭税など税体系が石炭に寛容な結果とも言え、またむしろ、私も散々党内で主張してきましたが、価格面を言うなら、なぜその予測ができた2011年以降、パイプラインやハブの議論をきちんと進められなかったのか、ということを申し上げたい。

またパイプラインの議論をすると必ず安保の観点からの反対論が出ますが、供給源を多様化して、LNGしか無いがゆえに諸外国の倍近い天然ガス価格となっている日本の状況を抜本的に変えることが脆弱性を高めるというのは若干詭弁のきらいがあると言わざるを得ません。

まさにメディア等において、あるいは経済界の一部においても、こうした情緒的でファクトに基づかない石炭維持論があまりに多すぎるということは大きな問題です。むしろ石炭に固執するあまり真の戦略的な政策立案が出来ていないと言わざるを得ません。

今、世界的な潮流の中で、石炭発電には融資も投資もされない流れが不可逆的に起こっています。金融市場からすると、石炭発電はもはやリスクでしかない。そのリスクを日本だけが負うというのは全く合理的な判断ではありません。

今の時点で論理的に考えねばならないのは、鉄鋼業界のコークスのように代替性がないものを除外すること、そして当面化石燃料の中では最も環境負荷が低い天然ガス発電を維持をするということに尽きます。今安易な石炭固執論を日本が展開し続ければ、こうした冷静な論理的な議論も相手にされないことになりかねません。

ここに指摘したのは、主に国内の石炭発電のことですが、輸出についても大きな問題になっています。情緒的な環境保護も情緒的な石炭維持もどちらも、我が国の国益を損なうものです。

エネルギー基本計画において2030年の電源構成について石炭26%(1990年代には10%台半ば)という国際的には非現実的な数値を政府が変えてこなかったこともこの大きな原因ですので、次回の見直しも見据えつつ、冷静な外交戦略、成長戦略を実現すべく、仲間と共に引き続き努力してまいります。

suzuki_keisuke at 13:43 
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