2009年04月23日

2014年

 2014年4月。金正日総書記の後継問題を巡って混乱していた北朝鮮にクーデターが発生し軍事政権が誕生した。軍事政権は民心掌握のため、対外強硬路線を突っ走った。

 国際社会の緊張が高まる中、軍事政権は、ソウル、東京、サンフランシスコを火の海にすると宣言。ソウルへは大砲による砲撃の後特殊部隊と陸軍による侵攻、東京へは数年前に実験に成功して小型化に成功した核弾頭や化学兵器を搭載したノドンミサイルを50発撃ち込む、サンフランシスコにはその年ついにトレーラー式、固体燃料式となり捕捉が困難となったテポドン3ミサイルに通常兵器でない弾頭を搭載し10発で攻撃するとの情報がCIAからは寄せられた。

 日本国内は大混乱し、連日テレビのニュースやワイドショーでも激論が交わされた。思えば2009年4月に北朝鮮がミサイルの発射実験をしたが、あのころはまだまだ今に比べれば日本の安全は完全に守られていたのだと今にして思い知らされる。

 日本側でも、日米共同で改良に成功し、高々度まで射程にとらえられるミサイルディフェンス(MD)システムが一年前から導入されていたが、日本国内の政界混乱の結果、今政権の座にあるのはかつての民主党、自民党のリベラル勢力と社民党の元メンバーからなる平和党だ。与党内の議論の結果、アメリカに向かうミサイルは日本の憲法の精神から見て適当でないとの結論が出て、総理大臣が記者会見で「日本は憲法の趣旨に則りアメリカ向けのミサイルは迎撃せず」と発表。その映像は全世界に流れた。

 思わぬ反応がやってきた。中国からは「日本が平和国家であることを確認した」と満足げな声明が寄せられたが、アメリカの世論が激怒しているというのだ。怒りに顔を赤くした主婦がテレビのインタビューにまくしたてている。「なぜ我々の息子たちは、アメリカ向けの核ミサイルを迎撃できるのにわざわざ撃ち落とさないような国のために命を賭けなくてはならないのか」

 世論を受け議会も一気に硬化。「日本はアメリカの核の傘のおかげで経済成長したのに自分のことしか考えていないじゃないか」、親日派として有名な大物上院議員もついにキレてしまった。そしてJAPANは「わがままな自己中心的な」という形容詞となってしまった。

 ほかの西側の各国からも日本に対する同情は全くなかった。PKOでも武器を持ちながら行使できないという不思議な論理の日本部隊に兵士を見殺しにされた記憶が各国の人々によみがえっていたのだ。

 それに応えるかたちで米国大統領は最後の決断を下した。「日本はアメリカのパートナーではない。日米同盟は終わりだ」

 数年前に北朝鮮がミサイルの発射をしたとき、日本国内でも、北朝鮮のミサイルの発射地を攻撃する策源地攻撃能力を持つべきだという議論が台頭した。しかし、北のミサイル発射のショックは一月あまりで消え去り、その議論の提言は活かされることはなかった。F22、空対地ミサイル、トマホーク、今更議論しても遅いが、こうした装備の導入を見送った日本は、北朝鮮の核ミサイルの前では、何もすることができない。日本列島から逃げることができない一億人の日本人。

 第二次世界大戦で日本海軍の士官として戦ったという一人の老人がつぶやいた。「あの戦争以降、日本人は政治家も含めて誰一人「現実」を見ていなかった。いや目を背けていたのだ。リーダーすらもが、見たくない現実を見なければ、民族は滅ぶ。それが歴史の教訓だったのに」

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 ここに書いた話はもちろんフィクションです。しかしこうした現実に我々が数年後に直面する可能性は決して低くはありません。これを現実にしてしまうか避けることができるか、その決断を迫られているのは、平成21年に生きている我々なのです。我が国の進路を変えることができるのは、「政治家」ではなく、職業に関係ない「危機意識を持った「行動家」」です。社会を突き動かすのはなにも「議員」という肩書きではないのです。危機意識を持った一人ひとりこそが動かす原動力なのです。

 たとえばここに書かせていただいた、安全保障、我が国の安全という意味においては、今この機会に集団的自衛権の行使や策源地攻撃能力を含む実効的な抑止力を持つかという議論を我々はしていかねばならないのではないでしょうか。もちろん我が国が直面している危機は様々な分野に広がっています。

 そんな思いもあって、集団的自衛権の問題など当面の安全保障の方向性についての考えを日本国際フォーラムの政策掲示板に寄稿しましたので、ご興味のある方はご覧ください。http://www.gfj.jp/cgi/m-bbs/index.php?title=&form[no]=1011

suzuki_keisuke at 17:33コメント(5)トラックバック(0) 

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コメント一覧

1. Posted by ナナシ=ロボ   2009年04月23日 20:03
この記事に付いて、拙blogでご意見を書かせて戴きました。トラックバックが機能していないようなので、コメント欄にて失礼します。
2. Posted by 細田   2009年04月24日 22:27
鈴木先生、はじめまして。こんばんは。
戸井田先生のブログより飛んできました。

私達国民の大多数は憲法9条関連についての真剣な議論を望んでいます。

集団的自衛権もそうですが、先日の北朝鮮ミサイルでなんだか目が覚めてしまいました。

自分の国の安全を他国に委ねるってどうなんだろう。果たして独立国家といえるのでしょうか・・・。

うーん。考えるととても嫌な気分になってしまいます。。。

3. Posted by orthodoxy   2009年04月28日 00:04
鈴木先生

はじめまして。
先生の主張される政策には賛同するところが多く、いつも真っ直ぐで真摯な姿勢に刺激されるとともに、同世代として頼もしく感じておりました。

しかし、今回のエントリーは少し誇張が過ぎるというかテレビ的な煽り表現が過ぎて、せっかくの主張を台無しにしていると思います。また、数日前の世襲問題に関するエントリーも、失礼ながら、先生にしてはやけに僻みっぽく、美しく無い文章であったように思います。

相手(野党および偏向報道を続けるマスメディア)がいかに下劣な手を使って来ようとも、政治家は国民に対して誠実に真摯に粘り強く正論を説き続けるほかに取る道は無いのではありませんか。

常に応援しておりますので、義理と人情とやせ我慢を大切に、王道を進んで頂けますようお願い申し上げます。
4. Posted by yuk   2009年04月29日 10:53
 有楽町での若手議員、豪華メンバーによる演説。皆さん、迫力がある。一太さん率いる『憂国の士たちの夕刻の演説』ですね。粋です。途中からは寒かったですが、聴きに行って良かったです。「政治を政治家だけに任せっ放しにする時代はもう終わった」というメッセージが、政治家自身(=鈴木さん)の言葉として発信されるというのは、一見当然のことのようであり、実はとても斬新!だと思いました。若手ならでは、鈴木さんならではの、実感のこもった言葉だと思います。
 「2014年」。起こり得ない話ではないと思います。「政治家には、いくつもシナリオを想定して事にあたる『作家的センス』が必要」と石原都知事が以前仰っていましたが、本当にそうではないかと思います。数年先、数十年先から遡って現在の状況を見る態度、必要だと思います。
 
 それから、先のブログにありましたが、事務所のほうにいろいろと妙なことが続いているとのお話。数々の嫌がらせ?は、それだけ馨祐さんに関心があることの裏返しだと思います、きっと。でも、もちろん、それ以上エスカレートしてほしくない。何か言いたいことがあるなら、正面から言えばいいのに。それが耳を傾けるに値する主張であるなら、鈴木さんはいくらでも受けて立つ方だと思います。
 春から初夏へと、いよいよ活動的な季節の到来。連休とはいえ、私も休んでいるわけにはいきません。妨害にもめげず、鈴木議員と事務所の皆様の日々のご活動がますます充実したものとなりますよう、パワー全快でお祈りしています。
5. Posted by 奥野彰彦   2009年05月17日 18:36
2025年4月。日本国は時の平和党政権のもとでの憲法改正によって、平和的な手段によって亜細亜連邦(大中華帝国の正式名称)に併合され、通貨単位をRMBとする亜細亜連邦(大中華帝国)小日本省自治政府となった・・・。

こちらの方があり得そうな気がします。
こうなると、どんなことが予想できるのでしょうか?

1、民主主義の制限
選挙は行われても、「反中」の人は首相になれません。
日本の首相は中共政府の代理人となり、日本ではなく中国の利益のために働くことになります。たまに反中首相が誕生すると、金・女がらみのスキャンダルがでて失脚する。
金・女がらみの問題がない反中首相は、心臓麻痺で死にます。

2、言論の制限
基本的に何を書いてもいい。テレビをつければ、お笑いも歌番組もドラマも今までどおり。でも、キャスター・記者たちは唯一のタブーがあることを知っています。それは、「反中」「反中国共産党」の情報は一切出してはならない。
なぜ彼らはそのことを悟ったのでしょうか?反中の記者が何人も失職したり、死んだからです。

3、思想の制限
宗教はこれまでどおり存在しています。しかし、二つだけしてはならないことがあります。1、チベット仏教を擁護する運動はしないこと。2、無神論中国共産党の批判はしないこと。これをすると、宗教法人格がはく奪されてしまいます。

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