2017年10月15日

2017年9月28日の衆議院解散、そして総選挙に向けて(その4:財政政策について)

 私の税への考え方は、「税負担、すなわち国民負担は軽ければ軽いほどいい」というものです。そして私は次世代の政治家として、現在もそうですが、それ以上に「将来の国民負担」を最小限にせねばならないと考えています。そのために出来るあらゆる措置を講じなければならない、というのが私の考えです。

 日本の財政の持続可能性を考えたとき、大きなリスクが二つあります。一つは高齢化に伴う、というよりも、高齢化のペースを遥かに上回るペースで増大する医療費、そしてもう一つは、金利が上昇した場合の利払いの増加リスクです。

 医療費に関しては、まず、現在の診療報酬の体系の中では、診療報酬改定により定められた様々な技術や薬についての点数(1点=10円)に基づいて様々な診療行為が行われる結果、診療報酬改定における予算の上限が実際の決算上は意味が無いものとなってしまっているという問題があります。加えて薬については、新薬の保険収載時の値決めをはじめとして不透明な部分が極めて多いという実態もあります。またそもそも、保険の対象となる薬であったり、疾病が増えつづけており、また高額部分については自己負担が事実上無くなる高額療養費制度の存在が、医療提供者の側においても、患者サイドにおいても、経済コストによる抑制が効きづらい状況をつくってしまっているという制度的な問題もあります。オプジーボの問題でも明らかになったように、高額薬をどこまで保険の対象にするのか、そしてそもそもその値段が適正なのか、きちんとしたevidence basedの議論が必要です。

 詳細な説明は今回は割愛しますが、どこかで、何を保険の対象にして何をしないのか、という判断をせねば、国民皆保険の仕組み自体が崩壊しかねません。原資がみなさまにご負担いただいている税金や保険料であることを考えれば、どこまでを税(公助)で賄うべきで、どこから自助、あるいは共助の対象とするのかの議論を真剣にせねばなりません。税金で賄う対象にならない部分については民間保険で対応するということになろうと思いますが、いずれにしても、こうした医療や社会保障の改革は避けて通れません。国民皆保険の仕組みは、国民の健康の観点から世界的に見ても優れた仕組みだと思いますので、それをしっかりと維持するためにも、ある程度の痛みを伴う改革は避けて通れません。

 また、利息の払いの問題も深刻です。今、足元の長期金利(10年物国債の金利)が0.06%前後で推移していることもあって、国の1000兆円の借金の平均の借り入れコストが1.2%程度で済んでいます。結果として借金の利息の払いが毎年10兆円強で済んでいます。確かに最近は世界的な金融緩和の中で、日本のように中央銀行や年金基金が国債を大量に購入しているといった状況もあっていわば「人工的に」金利が低く抑えられています。当面借金のレベルが増えても破たんのリスクが少ないというのは事実です。

 しかし、我が国の歴史を振り返っても、あるいは主要各国のこの10年の金利の推移を見ても、いつ長期金利が3%、4%という時代になっても不思議ではありません。とくに長期金利は市場で流通している国債のマーケットの需給で決定されますが、限られた量のセカンダリーマーケットの動向というのは急に変化する可能性を排除できません。ひとたび金利が上昇、つまり価格が下落し始めれば、長期保有している金融機関や年金などもそれを投げ売りする可能性は捨てきれません。

 要すれば、金利が少なくとも数パーセント上昇する可能性は、この10年程度を考えたとき、それなりに高いということです。

 金利が1%上がると、その状況が10年間続けば、1000兆円の借金なら10兆円、1500兆円の借金なら15兆円、利息の払いが毎年増えます。消費税1%あたり2兆円前後の税収ということを考えれば、2%の金利上昇で、消費税10%〜15%分の税収が何も生み出さない借金の利息の払いに消えてしまうということです。

 このような状況は何としても避けていかねばなりません。そのためには、必要最低限の範囲で、消費税率の引き上げを適切なタイミングで行うなど、歳入面での対策も打っていかねばなりません。もちろん、消費税率を引き上げた結果、全体として減収となってしまっては意味がありませんから、タイミングについては適切に見極める必要があります。

 また消費税をめぐる議論は、本来、税の構造改革という文脈の中で考える必要もあります。基幹税である消費税、法人税、所得税の組み合わせをどのようにするべきなのか。なるべく経済成長を邪魔しない税の構造とするためには、頑張った人の給料や、頑張った企業の利益に課税する所得税や法人税に偏った税の構造を変えていく必要があります。その場合、例えば、所得税を減税して消費税を増やすという事も考えねばなりません。しかし同時に、日本においては諸外国と異なり消費税率引き上げへの抵抗感が他のあらゆる増税に比べて異常に強いという心理的なファクターがありますので、このことも考慮する必要があります。

 いずれにせよ、我々は、どのようにして将来の国民の税負担を最小限に抑えられるのか、真剣に議論し、正面から国民の皆さまのご理解を得ながら進めていく必要があります。2019年の消費税率が8%なのか10%なのかの議論は極めて重要ですが、そのことがツケを先送りすることになって、結果として将来の大増税につながるのであれば本末転倒です。再来年の2%もそうですが、将来の10%、20%の税負担をどうやって軽くすることができるのか、真剣に具体的な戦略と工程を考えなければ、政治家が本来果たすべき使命を果たしたとは言えないと私は考えます。

suzuki_keisuke at 22:58 
Profile
Archives
QRコード
QRコード
  • ライブドアブログ