2025年05月06日

キルギス・ウズベキスタン両国への公式訪問

 4月29日に出発し5月3日朝に帰国の日程で、キルギス・ウズベキスタン両国を日本の法務大臣として公式訪問しました。日本からの閣僚級以上の公式訪問は、キルギスが2015年の安倍総理訪問以来10年ぶり、ウズベキスタンはこの10年で2015年の安倍総理、2022年の林外相に次いで3人目となります。

3F770F8D-998A-4E68-BA6B-2D682292D389 最近では国際政治的に中央アジアが注目度を高めており、中国とロシアが勢力圏拡大を狙う一方で日本や欧米、韓国が関与を強めつつある状況にあります。実際、中国は後述する2023年に続いて2025年後半にも第二回「中央アジア+中国」首脳会合を予定し、私の訪問直前の4月26日に「中央アジア+中国」外相会合を昨年12月に引き続き開催するなど野心的に動いています。

 一方、同じく訪問直前の4月27日には「中央アジア+イタリア」首脳会合が予定され(ローマ教皇死去により延期)、4月4日には「中央アジア+EU」首脳級サミットが開催、昨年4月にはイギリスのキャメロン元首相・外相(当時)が中央アジア歴訪を行い、またドイツは2023年9月の第一回「中央アジア+ドイツ」首脳会合に続き第二回を2024年10月に、アメリカもバイデン大統領(当時)が2023年9月に「中央アジア+米国」首脳会合を行ったのに続き、トランプ政権においてもルビオ国務長官が2月にC5+USの枠組みへのコミットを表明するなど、国際政治の中で中央アジアは近年極めて大きな注目を集めています。もともと、中央アジア諸国はロシアや中国とはCIS関連や上海協力機構など長期にわたり対話の枠組みを有しており、さらに中国については冒頭にも少し触れましたが、2023年の広島でのG7首脳会合にぶつける形で、同じ日程で西安に中央アジア5か国首脳を招き第一回「中央アジア+中国」首脳会合を行ったことをご記憶の方も多いかと思いますが急速に影響力を拡大しようとする動きが顕著です。
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 歴史的にも中央アジアは、ロシア、中国、トルコ、イラン(ペルシャ)、インドなど、様々なパワー(大国)に挟まれた地域で、ユーラシア大陸における地政学的な要衝として、着目されてきた地域です。

 特に、ここ最近の状況で言えば、我が国から地政学的・地経学的な視点でユーラシア大陸を見た場合に、強権的なロシアと中国を除いてみると、ASEANと中央アジアが日本の安全保障戦略上も戦略的に非常に重要な地域になることは明白です。中国の軍事的脅威に晒される最前線に位置している日本にとって、中央アジア諸国が、経済的にも政治的にも中露どちらにも過度に依存せず、地域全体として強く自立した地域となることの意義は、東アジアの安定という意味においても極めて大きく、自国の長期的安全保障の観点からも重視されるべき地域と言えます。

3D3778DE-60D4-4AFF-88B4-AB2926E9797B こうした観点から、旧ソ連崩壊と各国の独立以降、日本は2004年から「中央アジア+日本」の外務大臣会合の枠組みを諸外国に先んじて立ち上げ、また強権的ではないパートナーとして産官学で様々な枠組みでの支援を行ってきました。そして、ロシアによるウクライナ侵攻や中国による周辺地域での軍事的な挑発行為の激化といった国際情勢の変化に伴う中央アジア地域の地政学的な重要性の高まり、さらには中央アジアの各国間の対立が緩和され、中央アジア各国間相互で一体感が醸成されてきていることなどを踏まえ、昨年日本としても「中央アジア+日本」の枠組みを従来の外務大臣会合に加えそれをレベルアップさせる意味で首脳会合を創設することで各国と合意し、2024年8月にカザフスタンで第一回首脳会合を開催する予定としていました。
 この会合については、昨年8月8日に南海トラフ地震の臨時情報が発せられたことに伴い、当時の岸田総理大臣が長崎原爆犠牲者慰霊平和祈念式典ののちにカザフスタンに直行する予定を断念し、第一回「中央アジア+日本」首脳会合が直前に延期となってしまった経緯があります。

 このような状況下にあって、今回の日本の閣僚としての、また法務大臣としてのウズベキスタン、キルギス二か国への公式訪問は、「中央アジア+日本」首脳会合の再調整(本件では2月に長島昭久総理補佐官も5か国を訪問)をはじめ、日本として中央アジア諸国へのコミットメントを示し、それぞれとの二国間関係、中央アジア諸国との連携を強化する上で極めて有意義なものとなりました。
 残念ながら両国の大統領は出張で不在との状況で面会は出来ませんでしたが、名代として両国で大統領に次ぐNo2である首相(キルギス)、上院議長(ウズベキスタン)、カウンターパートである両国の法務大臣、ウズベクでは加えて外務大臣や旧知の元副首相などとそれぞれ会談を行い、今後の関係強化や現在の国際情勢に関して限られた日程の中で長時間にわたりかなり突っ込んだやり取りをすることが出来ました。
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 特に二国間協力において、様々なプロジェクトや投資に加え、法務省は、経済発展の基礎となる、民間の商取引の予見可能性を高める、民事法や行政手続法など法整備や司法プロセス、人材育成についての協力をウズベキスタンとは長期にわたって、キルギスとは昨年から本格的に行っているところです。こうした各国国内における法的予見可能性、「法の支配」の強化は、社会の根幹にかかわる長期的視点からの支援として、日本が他国に比して強みを持つとともに、日本への期待が極めて高い分野でもあります。
 また、当然のことながら国際社会における「法の支配」の原則の強化についても、ロシアや中国の現状に鑑みて、日本が中央アジアを含むアジア地域で「法の支配」をはじめとする「共通の価値」の旗振り役となることへの期待が非常に高いことも確認しました。B3CA3A88-200A-4769-A56D-F104BB4B7BE7

 今の国際情勢において、こうした司法外交の意義は極めて高く、またアジア・太平洋地域における日本の果たすべき役割として外交戦略上も非常に大きなものがあることをしっかりと認識し、今後も日本の国益のため、法務大臣として全力で尽力してまいります。


suzuki_keisuke at 21:41 
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