2006年12月07日

12月3日◆いちごつみ

わたしにはできないことが物陰でわたしをみているわたしもみている  苑三(できない)

物陰にひそむあなたのくるぶしを薄桃色の風がくるむ日  羽美(物陰)

沢山の人が歩きます沢山のくるぶし人を歩かせてます  苑三(くるぶし)

あかねさす昼にうごめく山林に文字や数字を埋める獣は  羽美(山)

ミルキーの包みのようにくもりなく幸福であるわたしは獣  苑三(獣)

時刻表、燃えさかるときミルキーのまろい匂いで縮みゆくから  羽美(ミルキー)

燃えるごみ燃えないごみと燃やしてもかまわないごみ 燃えないごみ  苑三(燃)

ごみ箱に食わせておりぬびるびると剥がしそこねたシールばかりを  羽美(ごみ)

それならばわたしがあなたをみつけだすことも食物連鎖の一種  苑三(食)

どこからも冬はめくれてくれなくてそれならばきみ、輝いてはだめ  羽美(それならば)

はかせからもらったくすりでせかいじゅう冬眠をしたあとこのせかいはせいけつ   苑三(冬)

日だまりをズボンの裾に染みこませ眠れる森の豊かなこども  羽美(眠)


sweetholic at 22:22|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 

2006年08月30日

8月28日◆いちごつみ

海水をコップに注ぎ一滴もこぼれぬように、寝室で飼う 羽美(海)

飼い猫とその飼い猫に飼われてるような心地の私と君と 苑三(飼)

灰猫を抱えたままでブランコに揺られたままで、歌いませんか 羽美(猫)

さようなら チワワ一匹分ほどの動揺を分けてくれた男の子 苑三(揺)

あちこちの部屋に手足をつっこんで夜の気配を君と分けあう 羽美(分け)

ちっぽけなソファーを分けあい(泣かないで)猫と眠ろう今日が終わるまで 苑三(分けあう)

「私ってうさぎなんです」馬鹿という名前の乙女に泣かされている みにごん(泣)

真夏日に観音像が地下鉄の座席に各々名前を記す 羽美(名前)

真夏でもあなたの猫はここにいてちゃんとふかふかしているのです 苑三(真夏)

散らかった部屋は淋しいふかふかの蝋燭に火を点せないまま みにごん(ふかふか)

蝋燭に息吹きかけてゆらめいた炎の影に君を見ている 夏己はづき(蝋燭)

百点の解答があり僕たちはいつもみんなで影踏みをする 羽美(影)

不幸せぶってうつむいてるときに猫踏んじゃったりするんだよなぁ 苑三(踏)

太陽に見放されたのうつむいてスキップしたら笑って欲しい みにごん(うつむいて)

発電はできないけれど太陽にいつもまっすぐ向かっていたい 夏己はづき(太陽)
続きを読む

sweetholic at 23:30|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 

2006年08月02日

7月30日◆いちごつみ

月曜のあなたの不在は定番で慣用句さえつくれてしまう 苑三(慣)

熱帯夜 みんなの知らない語句ばかりシーツの上にきみは広げる 羽美(句)

ワッフル地シーツの上に零しても大丈夫すぐ吸われる 恋は 郁乃(シーツ)

空にさえ負けないくらいたくましい丈夫な心を持っていたのに 苑三(丈夫)

星空をバックパックで持ちよって新大阪でお会いしましょう 羽美(空)

約束の季節へ戻ってもよくてシフトレバーをバックに入れる 郁乃(バック)

約束の場所へ行ってもひとりきり煙草を吸って吐いてさよなら みにごん(約束)

世の中のどの言語にも「さよなら」はもれなく存在するのでしょうか 苑三(さよな
ら)

八月のきみの部屋には(みっちりと)きっと鯨が存在したね 羽美(存在)

八月の陽射しをあげる 赤道をななめに越えてゆけair mail いくの(八月)

サボテンの花が咲くまで歩こうか赤い明日をばらまきながら みにごん(赤)

咲き誇る時を知っているだけでひまわりにさえ負けたと思う 苑三(咲)

パスワード書き殴る時まっくろな手の平となる 愛してください 羽美(時)

伸べた手は持て余されて スプーンで掬えるだけのあなたがほしい いくの(手)

スプーンに映した海が悔しくて深くかぶった麦藁帽子 みにごん(スプーン)
続きを読む

sweetholic at 23:10|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 

2006年07月30日

今夜、いちごは甘く

本日22:00よりチャットルーム『ミックスジュース』で
たのしい短歌のあそび「いちごつみ」開催です。

ぜひ遊びに来てくださいませ。
観戦のみでももちろんOKです。

sweetholic at 19:16|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 | おしらせ

2006年07月21日

7月21日にできた歌

放課後の始まりとするならば今吹奏楽部のロングトーンを 

気になる木くらい誰かが気になってくれたりすればよかったんだが 

そのままでいられるっていうことをありがたがらずに笑っていよう 

逆立ちでごまかしきれない今日があり砂糖多めのコーヒーを飲む 続きを読む

sweetholic at 21:00|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!自作短歌 

2006年06月25日

6月23日◆いちごつみ

なにごともおわりがあります 漂白をしたときみたいに真っ白なんです 苑三(漂)

コンセントだらけの部屋の真ん中でおわりの朝の挨拶をする 羽美(おわり)

眩しさは朝のせいではないのです白い車を目で追いかけて みにごん(朝)

突然の白薔薇だった 朝食を食べずに離れようとしたとき 知昭(白)

なにもないところでこけたと思ったら私のこころの突起がひとつ 苑三(突)

真夜中の街路に雨は散らばってなにもかもなにもかもごめんなさい 羽美(なに)

一人だと思い込んでた真夜中に本田美奈子.が歌っています みにごん(真夜中)

シオカラトンボだった昨日を思い出す雨の国立美術館にて 知昭(美)

前髪をギザギザにして思い出にあとどれくらい立ってられるの 苑三(思い出)

首筋に絡まる蔦をはらえずに夏の夕べのベランダに立つ 羽美(立つ)

カルピスが分離してゆく 一言も喋れないけど夕焼けが好き みにごん(夕)

分数のできないぼくへ繁殖のできないコウノトリから手紙 知昭(分)

数学に罪はないです 罪はないけれど僕らは嫌われるのです 苑三(数)

どうしたら静かに嫌悪できますかするする剥けるマルメロの皮 羽美(嫌)

悪いとか悪くないとか言う前に右手をさらってしまえばいいよ みにごん(悪)

薔薇園に朝が訪れ 目の前にあなたがいないのには慣れている 知昭(前)続きを読む

sweetholic at 09:08|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 

2006年06月11日

6月10日◆いちごつみ

渾身の力をこめて黄昏を蹴飛ばせ紺色ハイソックスたち 苑三(渾身)

青春を蹴飛ばすための(虹色の)タイムマシンとしてのブランコ 羽美(蹴飛ばす)

病名はたぶん欲張りなんだから人生の色は虹色にする 苑三(虹色)

曖昧な病ひとつを得てからは待つことだけが得意になった いくの(病)

病院の待合室で虎になる 剥がれかかった壁を見ていて 羽美(待)

フリーマーケットで買ったベルリンの壁の破片を握るゆうぐれ 知昭(壁)

深爪の指の先っちょをスースーとさせる感覚だけがフリーダム 苑三(フリー)

美しい革靴みたいなひとと居る 爪先だけはときどき痛む いくの(爪)

天井に吊り下げているまっくろの革靴 君は優しくはない 羽美(革靴)

天丼を食べたくなってスコールの街をヒナギクみたいに歩く 知昭(天)

忘れゆくことが許せず今日もまたナースコールに怯えるナース 苑三(スコール)

真夜中のロッカー室に咲いて散る極彩色のナースの懺悔 いくの(ナース)

水無月にハンカチ落としを繰り返す気象学部の深夜の儀式 羽美(夜)

考えておいてください六月の海を漂うサッカーボール 知昭(月)
続きを読む

sweetholic at 23:01|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 

2006年06月04日

6月といちごについての考察

ヤプログが落ちちゃって、全くつながらないのでとりあえずこちらに。

6月のいちごつみ
 6月10日(土) 22:00〜
 6月23日(金) 22:00〜

よろしくお願いします。ぺこりん。

sweetholic at 23:59|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 

2006年05月29日

5月27日◆いちごつみ

空き缶をさみしく蹴っているうちに北海道のあなたに逢った  知昭(道)

待ちわびたことばを催促するようにドロップ缶を振っているから  苑三(缶)

いつだって待ってるよって振られた手わたしをほんのすこしはずれて  いくの(振)

待ち人はついに来なくてゆうぐれの蜜柑畑のどこで眠ろう  知昭(待)

今顔を上げるわけにはいかなくて蜜柑をいくつも剥いてしまうの  苑三(蜜柑)

剥きかけた林檎が乾く できるなら忘れてくれとあなたは言うが  いくの(剥)

言い訳はたちまち七つほど浮かび真っ赤な自転車がやって来る  知昭(言)

笑ったら真っ赤な舌がバレるからその嘘さえも幸福なのだ  苑三(真っ赤)

渾身のやさしさ籠めた嘘だってわかってるから頷いておく  いくの(嘘)
続きを読む

sweetholic at 15:36|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15 

2006年05月16日

5月15日◆いちごつみ

おそろいの色つきリップで女子たちがホームルームに満たす宗教 苑三(ホームルーム)

素っ気無い三色ボールペンだから気付けなかった愛があること みにごん(色)

その愛をヘレン・ケラーは隠しけりお池のそばの百葉箱に 羽美(愛)

池だった穴を見ているあの人の鱗でクラシックギターを弾いた せいじ(池)

陸(おか)に立ち、やがて鱗は退化するくちびるという繁殖器官。 イチコ(鱗)

ペディキュアの青はすっかり剥がれ落ち どうやったって陸の生物 苑三(陸)

生物が何だってんだ次の世はあなたに似合う香水になる みにごん(生物)

新幹線こまちにそっとキスをする青い香水逆流させて 羽美(香水)

千代紙の雪がやまない鉄橋で17歳のキスはむらさき せいじ(キス)

覚えてる。恋から愛へ変わる夜むらさき色の気持ちがしたわ。 イチコ(むらさき)

歳月が押し流せないものとして知覚過敏の永久歯を持つ 苑三(覚)

心からもてないことを知りました歯医者を辞めて鳥になります みにごん(歯)

ウェディングベールで鳥をつかまえるために駆け出す夜の坂道 羽美(鳥)
続きを読む

sweetholic at 01:42|PermalinkComments(0)TrackBack(0)clip!15