第三回 「京都より、お菓子とワインの世界」を終えて
【講師】京菓匠 笹屋伊織 田丸みゆき
【日時】2016年10月23日
【場所】ちおん舎
【お菓子とワイン】
①
お菓子:イチジクのお干菓子
ワイン:VIOGNIER ラ・テラス ヴィオニエ
②
お菓子:一子相伝 笹屋伊織 代表銘菓 どら焼
ワイン:Gnarly Head Old Vine Zinfandel ナーリーヘッド・オールドヴァイン・ジンファンデル
10月23日に第三回「京都より、お菓子とワインの世界」を無事に終えることができました。これもご参加頂いたお客様、田丸先生、ちおん舎さん、尾張屋さん、いつもお手伝いしてくださる長尾さんのおかげです。
本当にありがとうございました。
私がこの会をしたいな、と考えるようになってから、頭のどこかにいつも田丸先生の存在があったと思います。それほど、私がはじめて田丸先生のお話しを聞いたときは衝撃的でした。
きっと、田丸先生のお話しはこの「京都より、お菓子とワインの世界」のお客様を満足させてくれるに違いない、とずっと確信していました。
第二回が迫る中、「ここは思い切って聞くだけ聞いてみよう」と考え、まずは大丸のイオリ・カフェさんで定期開催されている「京菓子の美しい頂き方と和の美人度アップ講座」に申し込みの電話をいたしました。」
すると…「キャンセル8人待ちです」とのこと。
「うわ~…」と、それほどの人気に衝撃を受け、そんな大人気先生に受けて頂けるか、不安な気持ちになりました。
そんなウジウジした気持ちの中、なんとその講座の開催日2日前に笹屋伊織さんから「参加頂けます」との電話を頂きました。「これはチャンスだ!」と手紙をしたため、講座に参加させて頂きました。
そこでまた衝撃的な事実が。
なんと「本を出される」とのこと。「本を出すほどのお忙しい方がこの会の講師を引き受けてくださるのか…」「ここは当たり障りのないごあいさつだけして、帰ろうかな」と思ってしまいました。
しかし、第一回・第二回とご参加頂いたお客様の存在が私の頭の中にありました。
「『京都より、お菓子とワインの世界』のお客様をもっと喜ばせることができるのは、今の私が知る限り、田丸先生しかいない!」と決心し、思い切って田丸先生に手紙をお渡しいたしました。 あの時のドキドキは今も忘れられません。
すると直ぐ、大変有難いことに、「ワイン好きなので良いですよ」とのお返事を頂くことができました。
本当にありがとうございます。
当日
当初25名の定員に対して30名のお客様にお越し頂きました。
ありがとうございます!!
今回は、はじめて私がこの会を「はじめよう!」と思ったきっかけをお客様に聞いて頂きました。やはり緊張しまして、たどたどしいお話しになってしまいましたが、お客様はしっかりと私の話を聞いてくださりました。ありがとうございました。
そして田丸先生のお話に。
「京菓子」のお話しや「老舗」のお店が守ってきたもの、などなど、普段は「格式高いお菓子なのかな…」くらいの認識だった「京菓子」をぐっと身近なものにして頂きました。
また、この情報に溢れた目まぐるしい世の中で、「変わらないこと」も実は「変わること」と同じくらい大変だといくことを感じました。
前半のお菓子とワインは「イチジクのお干菓子とフランス・ラングドック地方のヴィオニエ」です。
いちじくのお菓子にはラ テラス ヴィオニエというワインを選ばせて頂きました。
このお菓子へのワインはすごく迷いました。
そして、今回はせっかくなので、お客様に別に試飲もして頂き、私がワイン屋さんと迷ったもう一種類の同じ産地・年代のヴィオニエもお試し頂きました。
私は個人的にこの試飲の方が好きでして、普段でもよく飲んでいます。
ワインだけでしたら、試飲の方が存在感があり、香も芳醇でした。女性でいうと、華やか、グラマー、といったところでしょうか。
ただ、イチジクのお干菓子に合わせるとなると、やっぱりお出しした方でした。
お出しした方は試飲と比べて「繊細」。
女性でいうと「上品、奥ゆかしい」と表現でき、またアルコール度数も試飲のワインが15%未満、お干菓子と合わせたワインが13%ですので、試飲の方はその存在感が強いばかりにお菓子の良さを圧倒してしまうと考えました。
お菓子を立てるなら、「こちら」だと最終的にこの「ラ テラス ヴィオニエに」に決定いたしました。
お出ししたワインの方が奥ゆかしい「京都美人」を表現できるかと思いましたが…
いかがでしたでしょうか。
後半は田丸先生のお仕事での結構大変だったお話しへ。
私が「女性のお客様・時に美意識が高く、いろんな事に前向きで頑張っておられる方が多いので、その方々に喜ばれるようなお話しをお願いします」というリクエストに応えて頂きました。
そこでは…
「老舗」さんでしたら、もしかすると公にはしたくないことも包みかくさずお話しされ、はじめは「大丈夫なのかな…」と思っていましたが、そんな困難にあっても、「老舗の女将」という立場から一番相応しい対応をされたことに、私はもちろん、お客様皆様も感激されていました。
「そんなお話しが聞きたかった!!」の一言です。
2つ目のお菓子とワインは「笹屋伊織さん代表銘菓子・どら焼きとアメリカ・カリフォルニアのジンファンデル」です。
歴史ある老舗のお菓子で、またその代表銘菓ということで、はじめは慎重になり、自分でも神経質になりすぎていましたが、田丸先生のあたたかく、そして安心させるお人柄に触れるうちに、「自由になってみよう!!」という気持ちでワインを考えることができました。
ワイン名は「ナーリーヘッド オールドヴァイン ジンファンデル」
笹屋伊織さんのどら焼の大きな特徴として「竹」に包まれていることがあると思いますが、その竹の香とこのジンファンデルの優しいスパイス感が合うと思いました。
お客様、いかがでしたでしょうか??
そして、第三回も「ちおん舎」さんで行うことができました。
いつも「そこまでして頂けるなんて!」というサポートをしてもらい、本当に感謝です。ちおん舎さんが京都になければ、この会は成立していませんでした。
あの京町家の空間で「お菓子とワイン」を素敵なお話しと共に楽しむことにこの会の大きな意味があると思っております。
本当にいつもありがとうございます。
また、今回は「ゴ・バーン」さんにこの会を掲載して頂きました。
ダメ元で「載せてもらえませんか?」とメールをしたところ、大人気の枠にも関わらず、載せてもらい、本当に感謝です。
担当のM様も素敵な方で、お会いした時もじっくりと私の話を聞いてくださいました。
ありがとうございました。これからもゴ・バーンさんは必ずチェックいたします!!
そして、田丸みゆき先生
「京都より、お菓子とワインの世界」を引き受けてくださり、本当にありがとうございました。前述の大丸さんでのセミナーで目が合った時に「ニコッ」としてくださったこと、本当に嬉しかったです。その後も私の注文にも応えてくださり、また、お話しは期待以上で…やっぱり「さすがだなあ!!」と感動いたしました。
私も田丸先生を見習い、人に求められた時はそれ以上のものを返せる人間になっていきたいと思います。
あれから、もう2週間も経ちましたが、私の中ではまだ余韻が残っております。
いつも開始前は全力投球しているつもりなのに…終われば「あれもすれば良かった」「ここはもっとこういうふうに…」といろいろ反省点が出てきます。
そんな反省点の中でも、第三回まで行い感じたことは、
「私はお客様に会うためにやっているのだ」
ということです。
お客様の中にはもちろん親しくさせて頂いている方もいますが、その日限りの出会いの方もいらっしゃいます。
それでも楽しい時間を「お菓子とワイン」を通じて共有できたこと。ここに意味があるのだ、と。
これからもお客様に鍛えられながら日々、勉強していこうと思います。
第三回にご参加頂いたお客様、本当にありがとうございました!!
京都より、お菓子とワインの世界
林 典子
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