の雑誌が催す3回目の授賞企画ですね。
受賞の顔ぶれに塩田千春さんがいました。
森美術館の個展に延べ66万人が足を運んだのだそうです。
複数回繰り返し来館する人が目立った展覧会だったようです。
塩田さんの作品の何がそうさせたのでしょうか?

世相が不安に満ちると、人はどうやら「もと」を探すみたいです。
「もと」探しは、眼に見えない「不在」なものの在り処を探すことに似ています。
それは、ある人にとって祖先のような命の系譜かもしれません。
また、ある人にとっては、故郷探しかもしれません。
またまたある人にとっては、自分の存在感の証明なのかもしれません。
そういうものを確認せずには、人は、生きている実感をもてない生きものなのかもしれません。
塩田さんの作品には、そういう人間の「もと」を手繰りたくなるような誘惑が確かにあります。
怖いけれど、無我夢中になって全身で踏み込んでみようと決意させる引力があります。