古いギターがやってくると、
その楽器が、これまでに、どのような、楽器人生(??)を送って来たのか気になります。

さて、久しぶりに“妄想シリーズ”です(笑)

とある、古い、喫茶店にて。
ママ、前から気になってたんだけど・・・あの端っこにあるギターケースって誰のなの?

あ、あれね〜古い話なんだけど・・・

1960年位かなぁ〜
歌声喫茶ってのが流行っててね・・・
ウチは、そんなのじゃ無かったんだけど、
お客さんが勝手に歌い出しちゃったりしてたのよね〜
その中の常連の子が、ギターを持って来てたんだけど・・・
『毎日持って来るのが大変だから置かしておいて〜』って言って。

で、いつかそんな流行も廃れて・・・
それ以来、ずっと置きっぱなしなのよ。


え〜それ以来開けてないの?


ううん、たまにお客さんが開けていじってたりした事も有ったけど・・・
もう20年くらいは、ほったらかしかな〜

開けてみていい?

ああ良いよ〜ホコリだらけだから・・・はい、雑巾


中から出て来たのは、かなり年季が入ったガットギター。

古くて切れそうな弦を何とかチューニングして、弾いてみたら・・・
あれ、良い音じゃんこれ

サウンドホールを覗いてみると・・・全音謹製 中出ギター
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このラベルに書いて有る名前、有名な人だよ、良いギターなんじゃない?
持ち主って、今どうしてるの?

さぁ、もう何十年も来てないから解らないわ


じゃあ、俺にちょうだいよ


うん、邪魔だから持ってって〜


そんな経緯でやって来たのが・・・ウソですよ(笑)
このギターです。
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中出阪蔵さんと言えば、言わずと知れた名工ですね。
このギターは、全音製で、中出さんの監修で造られた物のようです。
中出さんの手に依る物では有りませんが、ヘッドのデザイン等は、中出ギターと共通です。

長年、放っておかれたせいか、塗装面に白濁等有りますが、
トップの割れ等は無くネックもしっかりしています。

このギターが入っていたケースに“灯火歌集”が入っていたので、こんなストーリーを考えてしまいました(笑)
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歌集が昭和43年の物だったので、このギターもその頃の物なのかな?

甘〜いサウンドの一本です。