久しぶりの妄想(!!)シリーズです。

※妄想シリーズとは?
変わったギターなどが入荷した時、
“このギターはココに来るまでに、どのような楽器人生(?)を歩んで来たのだろう?”
そんな事を考えてしまう事が良くあります。

そんな妄想を記事にしてしまうのが、妄想シリーズなのです!!
妄想だけに、基本はフィクションです。


〜ここから、妄想〜

マサジ君は、いわゆる“歌手の卵”でした。

学校を卒業、上京して有名な作曲家先生の家に下宿しながら歌の勉強に励んでいる毎日です。

時は1966年。
世間では、ビートルズやらグループサウンドが大ブーム・・・でもマサジ君はそんな風潮にも流されず、本格的(?)な歌手を目指していたのでした。

そんなある日、先生に呼ばれました。
『お前、ウチ来て何年になる?』
『はい、ちょうど5年です。』
『そろそろ独り立ちしても良い頃か・・・』


そんな訳で、マサジ君は新たな一歩を踏み出すことになりました。

とは言っても、まだレコードも出していないかけ出しの身、これからはキャバレーや飲み屋を回る毎日が待っています。
バンドが入っているような高級店で歌えることは少なく、今のようにカラオケも普及していません。

売れていない歌手は、ギター一本抱えて“流し”をするのが当たり前だったのです。
当然マサジ君も、先生のもとで歌と一緒にギターを学んでいました。

『よし、これからギターを買いに行こう』
『え?』
『今まで頑張って来たお前にご褒美だよ!!』


先生に付いていくと、そこは楽器屋ではなく工房でした。
いかにも職人といった風情の男を先生は紹介した・・・
『こちらの先代に作って頂いたギターで俺は作曲の勉強をしたんだよ、今はこの二代目がこの工房でギターを作られているんだ』

先生は、『気に入ったのを買ってやる』と言った。

マサジ君は知っていた・・・これらのギターは、自分がどれだけ働いても中々手が届かない代物なのだと。


数年後。
マサジ君は歌手として大成はしなかったが、レコード会社に就職して若手の歌手を育てる仕事で多くの業績を残した。
先生に買ってもらったギターはずっと大事にしてきましたが、
いつだったか、
誰だったか、
貸したまま何処かへ無くなってしまっていた・・・


=閑話休題=
そして時は流れて、2015年。
ウチにやってきたのが、このギターです(笑)
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MASAJI NOBE
1967年、名工野辺正二氏のガットギターです。

野辺正二氏については説明不要でしょう〜
1967年は、自身の工房を開いた翌年です。
野辺ギター工房のHP

そんな名器ですが、
やってきた時には、ブリッジは剥がれて無くなり、トップは割れ・・・

何とか弾ける状態に修理し弦を張ってみると。
流石っ!!
腐っても鯛(失礼!!)
軽く爪弾いても、ズシーンと来る低音。


このギターを引き継ぐのは、アナタかも?