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12弦ギターですね〜
モラレスという全音のブランドです、80年代前半のモデルのようです。
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モラレスと言うと、“モーリスの偽物”みたいな扱いをされていましたが・・・その歴史は、モーリスより古いのです。
(モラレスの名でアコギを作り始めたのは70年代に入ってから)
マック保田氏監修の“BIG MACシリーズ!!”(ハンバーガーでは無い)等、良いギターを作っていました。

で、このギターですが・・・
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おなかが“ぷっくり”と膨らんで、ブリッジが浮いてしまってます。

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ブリッジは、簡単に外れてしまいました・・・

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横から見ると・・・かなりのメタボっぷりですね〜(笑)

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まずは、湿り気を与えてから修正に入ります。

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じんわりと締め付けながら、おなかを引っ込めていきます。

何故、このギターはこんな事になったのでしょうか?
正解は・・・“12本も弦を張ったからだ”
それはそうなんでしょうが・・・それでは解決にはなりません。
内側に手を入れて確認すると、ブリッジプレートが薄いのが解ります。
ブリッジプレートとは、ブリッジの裏に付く補強板です。
この補強板を補強しましょう(何だかややこしい)

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段ボールを押し付けて、型紙を作ります。

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エボニーのプレートに形を写し取り・・・

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切り取ります。

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形を微調整した後、接着していきます。

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だいぶ、平らなお腹になりました。

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では、ブリッジを接着しましょう〜

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接着剤が固まるまで十分時間をおいてから、弦を張ります。

ブリッジプレートを補強した事で、鳴りは悪くなったかも知れません・・
元の音を聞いた事がないので何とも言えませんが。

でも、なかなかきれいな音で鳴ってくれています。
メタボの再発も、大丈夫のようです。

このギター年代の割にはきれいなので、
購入してから割と早いうちに、このような状態になってしまったのでしょう〜
修理される事無く、どこかの押し入れの片隅で眠っていたのでしょうか?
楽器は、やはり弾いてあげなきゃかわいそうですね〜

後は、次の持ち主を待つばかりです!!