2005年03月06日

書評「リアル鬼ご

今日は予告どおり、「リアル鬼ごっこ」の書評です。


リアル鬼ごっこ



著者の山田悠介1981年生まれ、この本の初版が2001年ですから、出版当時は二十歳だったことになります。

「文を書いたことも読んだ事も無い」若干二十歳の青年が世に送り出したものは・・・文学史上最低最悪のレッテルを貼ることに何のためらいも要らない駄作であるのです。

というかぶっちゃけた話、
文章能力が小学生並み
ストーリーが安易で隙だらけ
そもそも設定に無理が有り過ぎ


・・・時代は西暦3000年のとある王国(というか日本)、その王様の姓は「佐藤」といい、その「佐藤」姓は人口一億人の王国のうち五百万人が名乗っている。
しかし王様は自分以外に佐藤姓が居ることが気に食わず、自分以外の佐藤姓をみんな殺してしまおうと画策し、その為に「リアル鬼ごっこ」というゲームを発案する。

「リアル鬼ごっこ」とは一週間の間、王国が定めた百万人の鬼が一日一時間だけ佐藤姓の人を追いかけて、捕まったら処刑されてしまうというもの。
その定められた一時間はありとあらゆる交通機関はストップし、仮に自転車に乗っていても処刑対象にされてしまう。
逆に残りの時間は普段どおりで、佐藤姓の人も何してても構わない。
鬼は「佐藤探知機ゴーグル」を使って佐藤姓の人間を探す事になる。


・・・ここまで読めば地雷臭ぷんぷんなのがわかってくれるでしょうか。

王様は敬称も何も無くただ「王様」と呼ばれ、子供の絵本かよ!
鬼ごっこの設定も穴だらけで、余ってる23時間の間に国外脱出や山奥に逃げ込む佐藤さんは居りません。
また同じ姓が嫌なら全国の佐藤姓を改名させればいいのに・・・

主人公の大学生、翼は短距離走の選手。
鬼ごっこによって父を失い、その父に手がかりを教えられて離縁によって分かれた妹を探しに大阪までやってくるのです(妹も佐藤姓)。
そこでかつての親友と出会い、一緒に(そう、手分けせず一緒に!)妹を探し出すのだった・・・

大まかなストーリーはこんな感じ、これだけ見たら普通だなあ。

けど全く普通じゃないのがこの作者の文章能力。
「頭が頭痛」みたいな文章が1ページのうちに何箇所も見つかるよ!
例えば

その走りは凄まじく、読んで字の如く、背中からは白い翼が生えているかの様な走りだった。そんな翼に目をとられているうちに翼はあっという間に一位でゴール、会場からは大きな拍手とあまりの速さにため息が交差していた。

意味わかんねえよ!
主人公の名前が翼と背中から生えた翼がごっちゃになってしまってる、後半部分もひどい。

また、やたらと感嘆符が多く、地の文で場面の視点になってる人が突然入れ替わったりと非常に読み辛い。
他にも列記してみると


宮殿では朝食の時間を迎えており、メイド達が次々と豪華な料理を運び出していた。
それは朝食とは思えないほどの豪華さで、一般市民がこの料理を見たらこれが本当に
朝食か?と目を仰天させるに違いない。これだけで一般市民との差は歴然と離れており、
王様が毎日どのようにして暮らしているかはこの朝食だけでも想像がついてしまう。
なおも料理は運び込まれていく。
王様の目の前に全ての料理が出そろった。豪華で目を見張るほどの大きなテーブル。
目の前には全てが金で作られているナイフやフォーク。
そして、背もたれが必要以上に天井へと伸びている豪華なイス。
全てが”豪華”これ以上の単語が見当たらない程、豪華であった。
目の前に並べられた料理を王様はじっと見つめている。コック達にとったら緊張の一瞬だ。
この時点で食べるか捨てるか決めるのだが、
この日は機嫌も良かったのか右手でナイフを、そして左手にはフォークを手にした。
すると、無言のままステーキにナイフを通した(ステーキもナイフがいらない程、軟らかい)。
それを一口サイズに切り刻みフォークと共に口の中へと持っていった。


永遠と続く赤いじゅうたん(延々と続く、と書きたかったらしい)、そのじゅうたんを歩き、階段を上がっていくと豪華な壇上が。そこで王様は翼に何らかのセリフを述べるのであろう。


翼は心の中で反省した、翼は思う。


良かった。翼はひとまず安心だ、と翼の緊張は心身共に和らいだ。しかし、一つ気がついた。そうである。この日が終わりではないのだ。


新幹線の車内アナウンスで
もうじき新大阪に到着します」


_| ̄|○

この素晴らしい文章の数々、こんなのが毎ページごとに用意されているのです。

どうしてこんなのが出版されたかというと、どうやら文芸出版ってのは自費出版を行ってるとこみたいです。自費出版なんでノーチェックで世に出てしまったんですね。

そして何より信じ難いのはこの本が売れまくっているという事実。
shinの持ってる昨年11月版で26版、既に10万本以上の売れ行きだとか。
確かにタイトルにインパクトあるし、装丁もいいので手に取りやすい。
けど中身がコレなのになんで売れるんだ!?この世の不可解がここにある・・・

アマゾンのレビューでもありえない低評価食らってるこの作品、著者はゾクゾクとホラーの新作出版してるようですけど、果たしてそれはどうなんだろうか?

トラックバックURL

この記事へのコメント

1. Posted by dorirumen   2005年03月06日 23:06
なぜそんなクソと言われてる本を買ったのかが解らないんだが・・・
リアル鬼ごっこのウワサだけは聞いたことはあったが、なるほどそんな内容なのか。
ようはバトルロワイヤルの劣化版なワケね。
まぁ読むことはないだろうなぁ・・・
2. Posted by shin   2005年03月07日 01:31
文庫版が出てる>試しに買う>絶句>けど文庫じゃなくオリジナル版はもっと凄い>買う
トンデモ本を買うのに理由は要らぬ、笑って楽しむのさ。
種デスを突っ込みながら見て楽しむようなものだ。

バトロワを全国規模でやったら、って発想がネタ元だとは思う。
3. Posted by むろや   2005年03月10日 01:29
Shin様が書評を書くって予告してたからね。
ものすごく面白いんだろうと思って買ったわけ。だいぶ前だけど。
そしたら……。読んでみたら。なんていうか、その……。酷くて……。
Shin様ってこういう本が好きなんだ。フーン。って思ってた。
そうじゃなかったのね。
早く言ってよ。もうもーう。

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔