2010年11月13日

海上保安官、帰宅を拒否し弁護士を解任「過熱報道控えて」…尖閣ビデオ問題

海上保安官が“釈放”を拒否した。尖閣諸島付近の中国漁船衝突を巡る映像流出事件で関与を認め、事情聴取を受けている神戸海上保安部の海上保安官(43)が13、14両日も同保安部の入る合同庁舎内にとどまる意向を12日深夜、明らかにした。警視庁は同日、同庁舎で寝泊まりしていた保安官を帰宅させる方向で検討に入ったが、保安官はこれを拒否。担当弁護士も“解任”した。警視庁は任意で保安官の聴取を継続し、週明けにも逮捕するか書類送検かを判断する方針だ。

 海上保安官が「自分が映像を流出させた」と船長に名乗り出てから、警視庁の事情聴取は3日が経過…。12日夜にも保安官を自宅に帰す方向で検討していた警視庁だったが、本人の答えは「NO」だった。

 海上保安官は13、14日の週末も神戸市の第5管区海上保安本部(神戸市)の入る庁舎内にとどまる意向を明かし、5管を通じてコメントした。「世間をお騒がせしたこと、多くの人びとに多大なる迷惑をおかけしたことを心からおわび申し上げます」と謝罪した上で、とどまる理由としては「マスコミのおかげ」。「わたしがこの建物を出るならばさらに多大な迷惑を多くの人びとにかけてしまうからです。本日ここに泊まるのはわたしの意志に基づくものです。過熱した報道を少しは控えて下さい」と訴えた。それだけではない。

 担当した高木甫弁護士をも解任したことが、日付が変わった13日に明らかになった。映像流出の動機について「国民に知らせたかった」と明かしたように、1人で国と戦う姿勢を見せたのか。

 捜査関係者によると、海上保安官はこの日までの警視庁の調べに対し、問題の映像を入手した時期について「9月中旬から10月上旬の間に入手した」と説明。当初は「映像は庁舎で見た」とも語っていたが、その後は「巡視艇(うらなみ)内で見て入手した」と話している。うらなみのパソコンからは、映像を記録媒体「USBメモリー」に取り込んだ形跡が見つかった。

 保安官は「艇内のパソコンから公用のUSBメモリーで映像を取り込み、個人用パソコンにデータを移動、そこから私物のUSBメモリーに取り込んだ」と説明。映像を持ち出した後は「別の映像を使い、自宅パソコンで投稿の練習をした」と話している。11月4日午後、神戸市内のインターネットカフェで衝突映像を投稿。「USBメモリーは帰宅途中に壊して捨てた」とし、5日朝には自宅のパソコンから映像を削除したという。

 保安官は、うらなみのパソコンを使い「海上保安大学校(広島県呉市)の共有フォルダーから映像を入手した」と話しており、海保内のネット経由で一時的に映像が入手可能な状態だったことが判明。流出した映像は研修用に編集され、第11管区海上保安部(那覇)から海上保安大学校を通じて拡散したとみられる。

参照元:スポーツ報知

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