インド大使館内にあるインド文化センター(ICC)ギャラリーにて、
ミティラー美術館、コレクション展があるから、行かない?と主人に誘われました。

主人は、日印(日本とインド)協会のメンバーでもあるので、
こういうイベントや、展示会などの案内をいただくのです。

インド大使館は、東京都千代田区の九段下にあって美しい桜が有名な千鳥が淵のほとりにあります。
http://www.embassyofindiajapan.org/new/src_JP/home/index.htm


大使館に入り、地下に降りて行くと、ギャラリーがあって、入ると素敵な空間がありました。
展示2

展示


ミティラー美術館は、実は新潟県にあって、廃校になった小学校を使って美術館を作りました。
ここの館長が多くのミティラー画や、ワールリー画をコレクションしてこられました。
館長は、自然との深いコミュニケーションを持つ、これらの絵に興味を持ち、
多くの描き手をインドから招き、徐々にコラボレーションしながら、
新しい創造的な大作を生んでこられたそうです。
この度の展示会では、ミティラー画、ワルリー画などの、
29年の美術館活動によって生まれた創造的な作品が展示されていました。
http://www.mithila-museum.com/


下の地図にあるように、インド・ビハール州北部の ガンジス川とヒマラヤ山脈にはさまれた
広い平原地帯は、古来ミティラー王国として知られてきました。

また、仏陀や、ジャイナ教の始祖マハービーラなどの革命的宗教家を
生んだ地でもあるのです。
この地において、女性たちは三千年にわたり、母から娘へと壁画を伝承してきました。

太陽、月の運行に合わせた素朴な宗教的生活から生み出された壁画は、
米をすり潰した白い汁液で、牛糞と粘土で清楚に塗られた大地に描かれています。

それが、1967年に当時の全インド手工芸局長によって、
現地の女性たちの自立と独立のため伝統壁画を民族画として蘇生させられました。
その後欧米諸国で、その芸術性を高く評価されるようになるのです。

また、ワルリー画は、インド・マハラシュトラ州ターネー県に在住する先住民族
ワルリーによって描かれる結婚式や、祭りの祈りに男も女も参加して描く壁画のことです。

インド地図

下の二つは、ミティラー画の新しい絵です。

インド画2

インド画1

これらは、何度も日本に足を運び描き、完成させたものだそうです。
 
1インドが

近くで見るとこんな感じです。すごく精密で美しいです。
インド画                                                       

下の大きな絵は、伝統的なワルリー画です。
約40万人と言われるワルリー族は、農耕で生計を立てていますが、
季節的に漁労に関わる人たちもいます。

彼らは、万物を育む女神、祖先、精霊、自然神を崇拝しています。
素朴な生活と精神は、ロックペインティングのような原初的な絵画を創り上げました。
一つ一つの絵はもっとも単純な手法によってシンボル化され、 
その豊かな表現力によってワールリーの奥深い精神世界を垣間見せています。

ワールリー


実は、私たちがムンバイにいた時に、バスをチャーターし、
有志で、ワールーリー村を訪れたことがあります。
質素な暮らしでしたが、どの家も小奇麗に清潔にしていて、
とても素朴な村人たちが 私たちを迎え入れてくれました。

その時に村で買ってきた、ワールーリー画がこれです。
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パーツで見ると こんな感じです。
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生活の様子がよくわかって面白いです。

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この度、展示会に合わせ、インド先住民ワルリー族のゴルナカ氏が、
今冬、来日し、豪雪の中で共に雪掘りをしながらミティラー美術館の二階の制作室で、
畳四畳ほどの大作 「汽車」 を描きあげました。
本来のワルリー画とは、違う新たな感性を持った作品への挑戦です。

この写真では、よくわかりませんが、汽車の上には、たくさんの人が描かれていて、
それぞれ色々な行動や表情が違っていて、窓からもいろんな人たちの表情が描かれ、
見ていても、本当に飽きないのです。
この汽車の周りの霧のように見える部分は、小さい粒が細かく書かれていて、
この汽車を浮き上がらせています。

ワルリー画


下の描いているのが、ゴルカナ氏。
東日本大震災の余震の中、描き続け、この4月に完成しました。
彼は、帰国されましたが、
下の写真は、製作過程の写真です。

インド画


これも、現代的ワルリー画です。
これは、米粒を一個ずつ描き上げたものです。

ワールリー画

ミティラーコレクションとだけ聞き、あまり聞きなれない言葉であったこと、
主人に誘われて行っただけでしたが、私の大好きなワルリー画に出会えるとは
思ってもみなかったので、とても感激しました。
インドのムンバイで、たまたま見つけたワルリー画を見た時、
なんて素朴で可愛くて楽しい絵なんだろうって見入ってしまいました。

一つ一つのパーツに分かれ、一つ一つに人間の働きと動きがある。
新しいワルリー画にも、パーツには分かれてはいないけれど、
個々の人達の営みがあって、働く姿があって、喜びがある・・・
そんな、ワルリー画をワクワクした子供のような心を持った作者たちの存在を
いつまでも大切にしてあげられたらなあと思いました。