だんだんマンの「シドニーこあらら版」

オーストラリアン・ツーリズム+ビジネス・外交・安全保障ニュース

2015年06月

年間訪問者数640万人 − だんだんマンの「シドニーこあらら版」 0626

おはようございます。
2011年国勢調査によると、宗教別学歴(大卒及びそれ以上)比率をみると、回教23.9%、仏教27.2%、カトリック17.9%、アングリカン14.3%、ユナイティング・チャーチ16.8%、ヒンズー教54.5%と非キリスト系が圧倒しているにもかかわらず、収入が週1〜399ドルの比率はそれぞれ36%、30.2%、28.7%、30.8%、31.5%、18.5%で、同1500ドル以上の比率は、6.4%、8.6%、13.4%、11.3%、12.3%、16.2%と回教徒の経済的社会的格差は明白でそれがオーストラリア社会への不満につながりっていると思われます。


年間訪問者数640万人
ツーリズムに関する研究情報を提供するオーストラリア政観内の事業体「ツーリズム・リサーチ・オーストラリア(TRA)」の海外旅行者調査によると、2014年の海外からの訪問者数は対前年比8%増の640万人で、その支出額は中国人旅行者の急増と好調な米国人旅行者に支えられ同比7%増の3110億ドルに達しました。 旅行の内訳をみると、友人、知人訪問が同10%、観光が同8%、ビジネス法人マーケットが同3%それぞれ増加し、国別では最多のNZ(ニュージーランド)に次ぎ中国が同18%増の84万人、その支出額も同19%増の57億ドルと全体の18%を占め、最も収益性の高いマーケットである事を再確認させ、オーストラリアにとって4番目に大きなマーケットである米国からの訪問者は同11%増の52万3000人で、その支出額は同9%増の28億ドルで、主要マーケットで唯一訪問者が減少した英国は同1%減でしたが、2013年にはオーストラリアでクリケットの大きな試合が開催されその反動によるもので、TRAは、豪ドル安、近隣アジア・マーケットの成長、継続する西欧マーケットの景気回復により、今年の海外からの訪問者見通しはポジティブだと判断しています。
地区的に特筆すべきは、サンシャイン・コーストで訪問者数は同15.7%増で、キャンペーン効果でドイツ人旅行者は同45.3%増加し、直行便運航によりNZから同18.6%増加しました。

QF NZ国内線でもNZに対抗
QF(カンタス航空)は、同航空子会社で低コスト、格安航空のJQ(ジェットスター航空)でニュージーランド国内線を運航し、高運賃旅客に対しQFF(同航空マイレージ・システム)のポイントを提供していますが、12月より同国の地方路線用をターボプロップ機5機で運航を開始する事を発表後、ライバルNZ(ニュージーランド航空)への対抗策として、同国内線で全ての運賃クラスの旅客にQFFポイントを提供し、また同メンバーへの入会金(50NZドル)も無料とする事を発表しました。 オーストラリア以外ではニュージーランドの同航空FFPメンバー数は数十万人と予想され、同国国内線でのJQシェアーは20%でそれなりの効果が期待されます。 また、QFとパートナーのAA(アメリカン航空)はNZの独占路線で比較的高運賃となっている同国発太平洋路線のAKL(オークランド)/LAX(ロスアンジェルス)で将来的に運航を目指す事を示唆し、QFは9月16日から10月11までシーズン的需要増大に対応すべくANZ(オーストラリア、ニュージーランド)路線で44便増便します。

FC 利益下方修正で株価急落
火曜日、オーストラリア最大の航空券販売旅行代理店「フライト・センター」は、オーストラリアのレジャー・マーケットの軟化による航空券販売やホテル予約のマーケット・シェアー低下を警告し、2014年度の税引き前利益が昨年12月時点の3億6000万ドルから3億9000万ドルから、3億55000万ドルから3億6500万ドルに下方修正し、同日の同社株価は14%下落し、水曜日は更に7.6%も値下がり、昨日も値下がりし結局火曜日以来21%も値下がりしています。 一昨年の国内レジャー市場は3%成長していますが、同社株価は2.7%しか上昇していません。

ホリデー・イン・ケアンズ・ハーバーサイドで再オープン
日本のメディアによると、インターコンチネンタル・ホテル・グループ(IHG)/ANAホテルズは、大成観光オーストラリア社とホテル運営受託契約し、QLD(クイーンズランド州)CNS(ケアンズ)のマキュアー・ケアンズ・ハーバーサイドを改装し、「ホリデー・イン・ケアンズ・ハーバーサイド(客室数173室)」に名称変更し今年後半に再オープンする事を発表しました。

ACCOR MCYで傘下ホテル増強
オーストラリアで最大のホテル・グループ「ACCOR」は、サンシャイン・コーストの「ペリカン・ウオーターズ・ゴルフ・リゾーツ&スパ」のホテル運営権を取得し、「シーベル・ウオーターズ・ゴルフ・リゾーツ&スパ」(客室数76室 - スパ・スイート、1&2ベッドルーム・コンドミニアム)に名称変更し7月後半より営業を開始します。 この新しいホテルが、同地区の「シーベル・ヌーサ」、「シーベル・マルチドー」、「グランド・マキュアー・アパートメンツ・ツイン・ウオーターズ」、「ノボテル・ツイン・ウオーター・リゾート」に加わる事でACCORの存在感か一層増強されます。

Bシュミット教授 ANU副総長に
アメリカ生まれで、27歳でオーストラリアに移住し、オーストラリアで最も名声の高い科学研究者の一人で、ANU(オーストラリア国立大学)で20年天文学研究者として勤務し、同大の名誉教授で、2011年ノーベル物理学賞を受賞したブライアン・シュミット教授が、今年末退官するヤング教授の後任として同大学の次期副総長(事実上の総長)に選出されました。

創設メンバーでAIIBに参加
オーストラリアは米国やアボット首相の反対を押し切り、5年間に9億3000万ドルを出資し、6番目の出資国として、中国が主導する国際金融機関「アジアインフラ投資銀行(AIIB)」の創設メンバーとして参加する事を決定しました。




DanDan Man

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VA トール・カーゴ失う − だんだんマンの「シドニーこあらら版」 0624

VA トール・カーゴ失う
月曜日、QF(カンタス航空)は2007年以来VA(バージン・オーストラリア航空)航空貨物部門が契約していたオーストラリア最大手の運輸、物流会社「トール・ホールディングス」傘下のトール・カーゴとのビジネスを奪取し、また政府が完全保有し、郵便事業をほぼ独占し、アジア太平洋で最も包括的な小包、物流サービスを提供する「オーストラリア郵公社」との契約も5年間延長に合意し、両社のビジネスで年間1億ドルの売上を確保しました。 QFはオランダの国際物流企業で、国際宅配事業展開する「TNTエクスプレス」傘下の「TNTエクスプレス・オーストラリア」とも契約しており、前述3社で国内航空貨物量の80%を占めており、VAは2017年までにオーストラリア国内航空貨物部門での年間1億500万ドルから2億ドルの売上ターゲット達成に大きくつまずいた事になります。

輸送力増強戦争パートIIへ
オーストラリア最大の航空券販売旅行代理店「フライト・センター」のビジネス・コンサルタント部門による「オーストラリアの航空、運賃分析リポート」によると、QFとVAの輸送力増強競争が終了し、2014年のビジネス法人旅客が利用するSYD(シドニー)/CBR(キャンベラ)運賃は対前年比13%上昇し、SYD(シドニー)/BNE(ブリスベン)で5%上昇し、レジャー旅客が利用するSYD(シドニー)/MEL(メルボルン)、SYD(シドニー)/PER(パース)ではそれぞれ同7%、6.3%上昇し、実際今年には旅航空とも機材受領は少なく、QFは退役機材との座席数の隔たりは埋められておらず、輸送力は限られていますが、航空会社は空港での駐機時間を減らし、効率的な機材繰りによる運航頻度の強化や輸送力と機材の統合化による新たな輸送力増強戦争に突入すると予想されています。

9W PER/インド RT600ドル+諸税
QFと提携しているインドの民間最大手航空会社9W(ジェットエアウェイズ)は、QFが運航しているPER(パース)/SIN(シンガポール)をコードシェアーし、同路線を利用してインドまでをRT(往復)600ドル+諸税、またヨーロッパまでを同800ドル+諸税で、来る7月31日まで販売しています。


ALP 与党に協力
現与党自由国民連合政権が2015年度予算案に盛り込んだ自動車燃料税(いわゆるガソリン税)をインフレ率にリンクさせ年2回改定する法案は、2007年までの11年間続いたハワード自由国民連合政権以降ALP(労働党)政権で廃止されていましたが、今回も現野党ALPが反対していましたが、数週間の協議を経て一転賛成に回り、8月から税額が引き上げられ、道路政インフラ投資に充てられる事になりました。 これにより年間ほぼ36億ドル(10年で約230億ドル)の税収を確保した事になる等、現在与野党間での合意や議会を通過した増収、削減による予算確保額は、グリーン党との合意による富裕層への年金の一部削減による24億ドル等合計で約110億ドルに達しましたが、依然2014年予算案に盛り込まれた福祉、保健医療、高等教育費用削減、計130億ドルが未成立となっています。





DanDan Man

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