DTMのための電子工作 部品調達をどうするか

2017年10月18日

YAMAHA AN1xを2017年に入手した結果(修理画像あり)

YAMAHA AN1x(中古で購入~修理)

AN1xについて

包括的な説明は他サイト様に譲るとして、個人的なメモ。このシンセ、登場から随分時間が経ってるが、出音は未だに通用するポテンシャルを秘めている。中古市場での相場は2017時点で4万円~8万円前後。
修理については下の方へ。

概要

  • 地味な見た目故に人気が出なかったが海外では人気。そのため海外での情報が豊富。Youtubeにも動画が沢山!
  • アナログモデリングシンセであり、同時発音数が10。
  • 2VCOであるが、シーン1・2同時に鳴らす(DUAL)と同時に4発音か。
  • MONOなら図太いSuperSawを作れそうだ。
  • プリセットがしょぼい、むしろテンプレート(後術)の音色のほうが使えるレベル。EDMな人はJayB氏によるプリセットを入れよう。
  • 通常アナログ(ライク)なシンセはイニシャライズしてから音色作りをするが、AN1xのイニシャライズにはテンプレートが8つ用意されている。
  • 2シーンをモーフィングできるので、相当ヘンな音色変化も狙える。当時は使い道のなかった音もDubstepでなら輝けるかも。
  • 各シーン16のマトリクスによるコントロールのルーティングにより、複雑な音色変化も。
  • ホイールタイプのピッチベンドだから激しいベンディングが出来ない・・・わけではなく、リボンにピッチベンドをアサインすればスティックタイプよりも激しいベンディングが可能。

イニシャライズとその種類

ある程度音作りできる人なら「余計なテンプレいらねぇ」となりそうだけど、2~8のテンプレートは最低限の特徴を抑えてあり、ここから作るには十分な余地も残してある感じがよい。
イニシャライズは本体テンキーの130とEnterを押す。マニュアル見ないと絶対にわからない。
以下はマニュアルからの引用。
イニシャライズのタイプ
1:Normal(ごく普通のInit Voice)
2:Bass(ベース系のテンプレート)
3:Brass(ブラス系のテンプレート)
4:Strings(ストリングス系のテンプレート)
5:E. Piano(エレピ系のテンプレート)
6:Organ(オルガン系のテンプレート)
7:Sync. mono(リード系のテンプレート)
8:PWM(PWMを使用したいパッド系のテンプレート)
1は初期化されたパラメータで、ゼロから音色を作っていくのに適した状態となる。
2のベースは、ごく普通なアナログシンセベース。だがシンプルなリードとしても作り込んでいけそう。
3のシンセブラスは80年代風なシンセブラス。
4はストリングス、ここを見ている人なら「シンセ」ストリングスと察してくれると思う。Padの下地としてももちろんいけそう。
5はエレピ、わざわざこの機種で本格的なエレピを期待する人は居ないと思うが、例えばクセのあるベース、細かなシーケンスフレーズなどに利用できそう。
6のオルガンが地味に優秀で、モジュレーションホイールを上げていくとレズリースピーカーの「雰囲気」がそれなりに再現された音となっている。他とちょっと違う音を使いたいときに役立ちそう。

それぞれがちょっと手をいれるだけ、例えばユニゾンさせたりEQで整えたり、コーラスをかけるなどで、すぐにも「一般的な」使える音になりそうなテンプレートとなっている。

PCの画面で音色の編集と管理

AN1xはとても小さなLCDディスプレイで、情報量がとても少ない。PCの広い画面で音色の管理とエディットができるソフトがあれば音作りも随分ラクになるが、そのソフトは過去に無償で公開されていたようだ。現在は公式で配布していないものの、WebArciveから2017/10/07時点のものがダウンロードできた。AN1xを手に入れる予定の人は落とせるうちに落としたほうが良いかもしれない。
Windows版のみ動作確認できたが、Mac版は確認できていない。XPの時代のソフトなので、かなり低スペックな古いPCをタダ同然~数千円で準備すれば・・・、そこまでする人はいないだろうが・・。

an1xeditor
PCとAN1xをMIDIで接続して使う。音色の作成と管理が可能。

AN1xEditor 1.021(自己責任で )
Windows版
https://web.archive.org/web/20090330070625/http://www.yamahasynth.com/download/an1x/an1xedit.exe

Mac版
https://web.archive.org/web/20080509130708/http://www.yamahasynth.com/download/an1x/an1xedit.hqx

とりあえずWindows10でもインストール、起動することは確認できた。Windows8.1ではMIDI入出力を設定してのエディット、音色管理ができている。インストール画面は懐かしのInstallShield。
AN1xのMIDI IN・OUTと、PC側のMIDI IN・OUTを接続し、エディタのPrefarenceでAN1xを接続したデバイスを指定してやればよい。AN1x本体のLocaleはONのままで支障無いようだ。

レイヤー

ちょっと混乱しやすいので整理してみる。DAW全盛の今となってはわざわざ外部からMIDIで2chのコントロールする意義は見出せないが、当時としては高度なコントロールをさせる余地があったほうがマーケティング上有利だったのかもしれない。

レイヤーモード
同時発音数
詳細
外部MIDI入力から別Chで独立して発音
SINGLE
10
そのままシンプルに鳴らす

UNISON
5
POLY時2音重なる
MONO・LEGATO時異なるピッチで5音で発音

DUAL
シーン1・2それぞれ5
シーン1・2の同時発音
DUAL UNISON
シーン1・2それぞれ5
MONO・LEGATO時にピッチが微妙に違う5音同時発音
POLYであればDUALと同じ
SPLIT
シーン1・2それぞれ5
スプリットポイントを境に下をシーン1、上をシーン2が担当
SPLIT UNISON
シーン1・2それぞれ5
スプリットポイントを境に下をシーン1、上をシーン2が担当
POLY時上記のSPLITと同じ動作
MONO・LEGATO時5音で発音

VCOのWave(波形)について

基本はノコギリ波とパルス波しかなくて寂しい感じがあるが、sawにもパルスウィズがかけられる上、シンクさせたときのバリエーションもある。三角波こそないものの、バリエーションは豊富。

シンク機能がOFFの時: saw、pulse、saw2、mix
シンク機能がONの時: saw、pulse、innr1(inner1)、innr2(inner2)、innr3(inner3)

また、エッジ(Edge)というパラメータで、ある程度倍音を削る方向で変化も付けられる。

FMについて

ぶっちゃけ分かりづらい。しかし、FMがあるということは、今風のDubstepなGrowlも作れるかもしれない。

フィルタ

LPF24、LPF18、LPF12、BPF、HPF12、BEFの6つ。当時としては多めのバリエーションかもしれない。

サウンドセット

JayB氏によるプリセット。上記エディタで読み書き可能。MIDファイルはシーケンスソフトで再生させるだけでプリセットを転送できるものだと思うが試していない。工場出荷時とは違い、EDM向け中心な音色。デュアル、ユニゾンを使わずに太さを追求したコダワリ感がある。
JayB - Sound Sets & Sample Packs
http://www.jaybmusic.net/sounds.php

デモ曲
https://www.youtube.com/watch?v=I47WLuCdUS4

その他リンク

YAMAHAのサイト マニュアルとデータリストPDF
http://download.yamaha.com/search/product/?language=ja&site=jp.yamaha.com&category_id=16244&product_id=623411

YAMAHA AN1x - wiki@nothing
http://wiki.nothing.sh/page/YAMAHA%20AN1x

修理について

リサイクルショップでYAMAHAのAN1xを相場より安く入手することが出来た。楽器専門店でないところだとチェックが甘いらしく、一部の鍵盤の音が出ないという不具合を店頭て指摘し、値引きに成功した。症状は鍵盤の一部が打鍵に反応しない。センサーの掃除が必用かなとも思ったが、鍵盤からの信号線のプラグが刺さりきってなかっただけだった。

まずは裏側パネルをビスを外してあける。安いのでいいので電動ドライバがあるとよい。赤と白のケーブルが鍵盤からの信号線。
tr_P1120563

で、コネクタが刺さりきってないところ。これを刺し直して症状は改善。
tr_P1120564

余談

昔の電子楽器のマニュアルは、一部自由奔放な部分もあったが、AN1xについてはYAMAHAだけあって真面目である。しかし、AN1xのマニュアルは懇切丁寧に、しかしクドくならないよう、アナログシンセ初心者にも慣れてもらうような親切さがある。後半にはシンセベース、エレピ、ストリングス、オルガン、シンセリード、シンセブラスの作り方の例が載っている。ある程度音作りを知っていても、こういうのをなぞっていくだけで、そのシンセ固有の操作に慣れる助けにもなると思う。

イニシャライズ直後の音色とプリセットでは聴覚上の音量差があるが、多くのプリセットはEQ部で音量を稼いでるようだ。


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synthsoundmake at 14:34│Comments(0)

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