2007年01月

2007年01月27日

釉薬と岩絵の具

10年ほど前のことですが、粘土について知りたいと思い、
宮崎市の陶芸家、沼口一夫氏を訪ね、いろいろと教えていただいた。
代々使われてきたレンガ造りの登り窯から焼き物を取り出しながら、
沼口氏は焼き物の奥の深さを語った。

土練り3年、ロクロ10年、窯焚き一生」と言われるが、
なんと言っても、土が良くなければ良い作品は生まれない。
土は種類が多く、自分に合った土を探すことは陶芸家にとって一生つきまとう。
と素材の大切さを強調した。

素焼きの焼き物に釉薬(うわぐすり)をかけて、
もう一度焼くと表面をガラス質が覆い耐水性が増す。
そして金属成分が化学変化して色や光沢が出るのだ。

はたして釉薬の原料とはどんな物なのか伺うと、
なんと、長石、カオリン、タルク、酸化チタン、亜鉛華、雲母など
私共がパウダー(粉化粧)の色目として使ってる無機顔料と同じものなのだ。


千住 博一昨年、日本画家の千住 博氏の展覧会と講演が福岡市でありました。
千住氏は、世界中からやってくる岩石の粉と鹿のコラーゲンをお湯でとかして作る岩絵の具」を使う。
岩絵の具を紙の上にのせると、まるで地球と交信してるような気持になりますと言ってました。


天然鉱物の粉末(無機顔料)と絹(タンパク質)を使うパウダーのお化粧は
日本画の手法と通じるものがあると思いましたね。
日本画というとその色彩は淡いものを想像してましたが、千住氏の迫力ある作品には圧倒されました。

若冲今、九州国立博物館で「若冲と江戸絵画展」が開催されている。
1700年代西洋を見たこともなかった若冲(じゃくちゅう)という絵師が、
どうしてサルバドール・ダリピカソに通じるような
大胆な構図、精密にして鮮やかな色彩を描けたのだろうか?

異端というか異才というのだろう。

200年以上経過しても、鮮やかな色が保存されてるのは、
絵の具の質が相当上質であったと思われる。


無機顔料は耐光性があり、変質しにくいという利点があるのです。

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syobu828 at 22:05|PermalinkComments(15) 絵画 スケッチ 

2007年01月21日

外来種

なんの気なしにNHKの英語教室を見てたら、
教材に取り上げられてるほどだから、
今、外来種のブルーギルは問題になってる。
外来種 ブルーギルブラックバスやブルーギルという外来の淡水魚が各地の池や湖で繁殖して、固有魚の稚魚や卵を食べ、琵琶湖などでも固有魚が激減してるのだから。

普通、外来種は導入されても、なかなか風土に合わなくて滅んでしまうものだけど、ブルーギルの大増殖は日本の湖沼にそれをゆるす余地があつたからだ。

ある本に、外来種との競争に負けない日本蜜蜂の例がでていた。
西洋蜜蜂はスズメ蜂と戦う術を知らないので、日本の野外では繁殖できない。
一方、日本蜜蜂はスズメ蜂を集団で取り囲み熱死させるという防衛力を持っている。
集団の力とは日本企業みたいだ。在来種もしたたかではある。

しかし、も小麦もトウモロコシも薩摩のサツマイモなんかも元は外来種だから、
外来種は良くないというのも何か変である。
現在の生態系は在来種と外来種の共存や競争でできあがったものなのだ。

人間の世界のことを考えると、
この100年、科学技術と民主主義という自由経済システムが外来種として、
世界中の国々に押し寄せ、それぞれの国の在来種である文化や習慣との葛藤があった。
日本のように、和洋折衷というかうまく共存し、特技を伸ばしてる国もあるが、
イラクのようなイスラムの文化はなかなか変わらない。

美容や化粧品の分野でも、
戦後のアメリカ製品の影響は強かった。
その影響が今行き過ぎて、化学合成品の氾濫になってることを危惧する。

  「私が好きなスキンケア製品は9割以上は、ヨーロッパ発ということになって・・
  コンセプト、セオリーがしっかりしていて、やっぱり、ヨーロッパですね。
  伝統がなせる業なのかな」
というコメントをサンフランシスコの寿さんから頂いた・・・・

セオリー、コンセプトのしっかりした、
日本の伝統や気候風土、日本人の肌に合ったものを創らねばと思う。

私達の日々の生活を見渡して、護るものは護り、取り入れるものは取り入れ、
捨てるものは捨てて、しっかり選択していかなくては・・・

グローバリゼーションなどという掛け声に踊らされると、
均一な味気ないものになってしまうよね。

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syobu828 at 01:11|PermalinkComments(20) エコロジー生物学 

2007年01月14日

40億年の寿命

団塊の世代がいよいよ60歳の定年を迎える歳になったということで、
企業の戦力の低下が懸念されたり、
定年後の生きがい論やら、いろいろと話題になってる。
たしかにひと昔の60歳とこの頃の60歳では
10年ぐらい体力も気力も若いと思うし、定年といって引退するのは早過ぎるような気もする。
しかし、彼らがいつまでも頑張ってると、若い人に役が回ってこない。
60歳以降もなんとか社会で活動することを見つけ、
納得のいく定年後をおくりたいものである。

テロメアの帽子いままで、一番長生きしたのはフランスの女性で122歳という記録がある。
人の体細胞の分裂回数は決まっていて、50回分裂すると死んでしまう。
体細胞の染色体の末端にテロメアという部分があって、それが細胞分裂のたびに少しずつ切れて無くなり細胞も死んでしまうからだ。
だから、人の個体としての最大寿命は120歳ぐらいと決められてる。
それでも定年はまだ半分なんだから、先は長いですね・・・

ところが、テロメアーゼという酵素によつて短くなったテロメアを
元に伸ばすことができる細胞がある。
それが生殖細胞とガン細胞なんです。
だから、生殖細胞とガン細胞は死なないのです。不老不死なんだ。

生物が生まれたのは40億年位前といわれてますが、
一番最初に生物ができたときの細胞が分裂を繰り返し、
それがつながって現在まできてる。
だから私達の細胞年齢は40億年。
人間の寿命が120歳というのは生まれてからの個体の寿命であって、
細胞は生まれる前から、卵細胞としてすでに生きてるわけ。
僕らは、40億年前に生まれ、子孫から子孫へと生命のバトンをリレーして生き続けてるんだ。
個体としては死んでしまうけど、細胞の命は生き続けて、
今40億年の歴史を背負ってここに立ってる。
「お歳は?」と聞かれたら、「40億年です」と答えてもよいのでしょうね。

細胞のことを考えると、60歳定年なんて細かいこと気にすることなく、
好きなことやって、人に喜ばれ(迷惑をかけないこと)、
あるときコロリというのが最高です。
これを、PPK(pin pin korori)と言うそうですよ。

昨日、三河安城のいそべクリニックの磯辺先生ご夫妻を訪ね、
来月の講習会の打ち合わせをし、
先生の診察室で沢山の資料や写真を見せていただいた。

ちょうどドイツから帰国中のお嬢さん(ハイデルベルグ在住の外科医)にもお会いすることができ、
あちらの医療事情のお話をお伺いすることができた。
皮膚の話になり、ドイツでは日本のような入浴習慣がないので、石鹸や洗剤をこれほどたくさん使わないそうです。
だから、アトピー性皮膚炎も少ないということ。
「アトピー性皮膚炎はアメリカと日本に多いんじゃありませんか」ということでした。

ミセスHOMERさんは28歳、とても美しく、さわやかな女性でした。

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syobu828 at 22:51|PermalinkComments(20) エコロジー生物学 

2007年01月08日

進化と進歩

この年頭に、「少子高齢化の時代、新たな技術開発が日本の繁栄をさらに創造するだろう」という期待を込めて発言した政治家がいた。

果たしてそうだろうか?

20世紀の科学文明によって、私達の生活は、便利に簡単に物が豊富に手に入るようになり、高速で移動でき、快適に暮らせるようになりました。

しかし、生き物としての人間は、科学文明の進歩に合わせるように進化してきたでしょうか?
たぶん、私達は1000年前の平安時代やそれ以前とほとんど変わらない肉体と精神を持ち続けてると思う。
生物の進化は何万年、何百万年というスケールで少しづつ進化してきたものだから。

核兵器や核開発、公害と環境、薬害や文明病、ストレス等、進歩という名の陰に隠れた暗い現実を見ると、これは果たして人類を幸せにする進歩だったのだろうかと疑うことも多い。

レコードプレイヤー私達が毎日使う車やパソコンにしても、その使い方は知っていても、どうして動くのかその仕組みを理解することは一部の専門家しか知らない。
私の友人が飛行機に乗って、「こんな大きな物がどうして空を飛ぶなんて考えたら、乗ってられないよなぁ〜」と言ってたけど、私共の理解できない、手の届かないところまでいってるのだ。

確かに技術は専門化し、分化し、方向と全体像が見えにくくなってると思う

ドライバーやペンチを使って歯車やプロペラの具合を調整していた昔を忘れられなくて、
LPや真空管アンプのアナログの音を楽しんだり、
フィルムカメラにこだわる同輩たちの気持ちがよくわかる。
使い方だけでなく、仕組みも知ってテクノロジーの楽しみというのはあるんだけど、デジタルになってはもうかなわぬことなんですよね。

でもここらで、何が本当に人を幸せに、快適に、健康にするのか?
原点に戻って皆で考えてみる必要があるんじゃないの・・・

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syobu828 at 01:04|PermalinkComments(22) エコロジー生物学 

2007年01月01日

底流

今年もなんとか年を越して、新しい年を迎えることができた。
暮れの30日、福岡の繁華街、天神を歩いてると、デパートは買い物客で大混雑。
周りの洋服屋さんや食べ物屋さんも人が入ってる。
この10年間の不況は克服され、徐々に好景気へと向かってるように思われる。
深刻な企業倒産のニュースも少なくなった。

しかし、1970〜80年代の経済成長下のように手放しで喜べないのはなぜだろう?
それは20世紀に発達した科学文明がよい事ばかりでなく、公害や癌、アトピーなどの文明病を増やし、便利とは裏腹に健康が失われているからだと思う。
エネルギーは無限のものではなく、科学物質は環境問題を起こしてるからです。
現在私達は、なにか新製品が出ると、果たして人体に有害ではないだろうか?環境を汚すのでは?ということを考えるような習慣になってきている。

これからの時代、地球環境と人体の環境問題は底流として、
常に心の底を流れ続け、科学文明による進歩と発展に疑問を持ち、
より自然な人間らしい生活と社会の機構を目指すことになると思う。

年末のテレビ討論を聴いていると、
北朝鮮問題や知事の汚職、いじめという教育問題が論じられていたが、
環境問題が底流としてもっとクローズアップされてほしかった。
底流は時として暗流として目立たないが、人々の心に徐々に根ざしあるとき本流になると確信する。

2007 年賀状というわけで、年の初めにまじめに考えてしまったのですが、
実はタネ明かしをすると、

Undercurrent(底流)というビル・エバンス(ピアノ)とジム・ホール(ギター)のデュエットを聴いてからのことです。


エバンスはピアノとギターを対等なものとして考え、相手の演奏に刺激されて、
自己のプレイを発展させるというインタープレイという手法を
1950年代末に創りだし、Jazz界の新たな底流となったのです。

彼らの変幻自在なアドリブと繊細な音色を聴きながら、年越しの鐘が鳴る。

本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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syobu828 at 00:19|PermalinkComments(29) エコロジー生物学