2006年04月16日
ひと呼んでミツコ
姫野カオルコ『ひと呼んでミツコ』(講談社 1993)
評価:★★★★★
愉快痛快な小説でした。
なんかおちゃらけてるんですけど、テーマはしっかりと見えていて、読者からも分かりやすく、さらにユーモアたっぷりなのでとても楽しめました。
ミツコは私立薔薇十字女子大の平凡な大学生。
だけど人とは一つ違うところがあって、それは盲腸の術痕から繰り出される超能力。
世の中の理不尽の数々に怒りを抱くとそのパワーは発揮されるのです。
ミツコは社会の小さくて大きな悪になかなか言い出せない、行動ができない庶民の代表なのです。
裁いておくれ、ミツコ!僕らのかわりに悪い奴らを(しかも自覚もなしに悪い奴らを)やっつけて!
社会の小さな悪、例えば混んでいる駅の構内の喫煙・痰吐き(今は喫煙はできませんけど)、自己中心的な教育ママ、社員に平気で傷つく言葉を言う課長、生徒の内面を見ない教師、職務怠慢な公務員などなど…。
世間にはびこる無意識的悪をディフォルメして表現し、これらをミツコが気持ちよくばっさりと切ってくれます。
読んでいる方も、あ〜すっきりしたわん。なんて思うんじゃないでしょうか。
僕も結構スッキリしましたねぇ。
作者自身もあとがきのところに書いています。
「世間に堂々とまかりとおっている微妙な悪と戦う律儀。殺したり頭蓋骨をぶっ壊したりはせず、あくまでも、目には目を歯には歯を、のやり方でこらしめている律儀の味方、それがミツコです」
微妙な悪と戦う人って結構いると思います。しかし、誰も彼もが声高らかに反論できるものでもなく、結局言えず終いで苦しみを継続せねばならないのです。
人生をうまく生きたかったら政治家みたいに軽薄にならなければならないのか?宿題を全て写して、先生に媚売って良い成績もらう憎たらしい奴みたいにならなければならないのか?
僕って実はかなぁ〜〜〜り真面目な人間だから軽薄になれず、人生において損ばかりしてる気がします。
大学の授業には真面目に出るし、約束は守るし(なるべく)、ゴミは持ち帰るし、宿題は自分でやるし、でもこれらってやったからやらない奴よりも何か得するかって、別に得はしないんですよね。ただただ煩わしいだけ。
ゴミ捨てたってバレないし、宿題写したってバレないし。バレない上に自分にとってはとても楽だし。
でもそれが素直に僕はできないのです。なんか嫌だ!
この小説はそんな僕みたいな正直者(別にアピールじゃないから)にとってスッキリすること間違いなしなのです。
なんか社会の微妙な悪に不満を感じている方は、これを読めば多少なりともスッキリするはず。
そしてミツコのようなまともな人間が世の中にももっと増えてほしいと切に願います。
評価:★★★★★
愉快痛快な小説でした。
なんかおちゃらけてるんですけど、テーマはしっかりと見えていて、読者からも分かりやすく、さらにユーモアたっぷりなのでとても楽しめました。
ミツコは私立薔薇十字女子大の平凡な大学生。
だけど人とは一つ違うところがあって、それは盲腸の術痕から繰り出される超能力。
世の中の理不尽の数々に怒りを抱くとそのパワーは発揮されるのです。
ミツコは社会の小さくて大きな悪になかなか言い出せない、行動ができない庶民の代表なのです。
裁いておくれ、ミツコ!僕らのかわりに悪い奴らを(しかも自覚もなしに悪い奴らを)やっつけて!
社会の小さな悪、例えば混んでいる駅の構内の喫煙・痰吐き(今は喫煙はできませんけど)、自己中心的な教育ママ、社員に平気で傷つく言葉を言う課長、生徒の内面を見ない教師、職務怠慢な公務員などなど…。
世間にはびこる無意識的悪をディフォルメして表現し、これらをミツコが気持ちよくばっさりと切ってくれます。
読んでいる方も、あ〜すっきりしたわん。なんて思うんじゃないでしょうか。
僕も結構スッキリしましたねぇ。
作者自身もあとがきのところに書いています。
「世間に堂々とまかりとおっている微妙な悪と戦う律儀。殺したり頭蓋骨をぶっ壊したりはせず、あくまでも、目には目を歯には歯を、のやり方でこらしめている律儀の味方、それがミツコです」
微妙な悪と戦う人って結構いると思います。しかし、誰も彼もが声高らかに反論できるものでもなく、結局言えず終いで苦しみを継続せねばならないのです。
人生をうまく生きたかったら政治家みたいに軽薄にならなければならないのか?宿題を全て写して、先生に媚売って良い成績もらう憎たらしい奴みたいにならなければならないのか?
僕って実はかなぁ〜〜〜り真面目な人間だから軽薄になれず、人生において損ばかりしてる気がします。
大学の授業には真面目に出るし、約束は守るし(なるべく)、ゴミは持ち帰るし、宿題は自分でやるし、でもこれらってやったからやらない奴よりも何か得するかって、別に得はしないんですよね。ただただ煩わしいだけ。
ゴミ捨てたってバレないし、宿題写したってバレないし。バレない上に自分にとってはとても楽だし。
でもそれが素直に僕はできないのです。なんか嫌だ!
この小説はそんな僕みたいな正直者(別にアピールじゃないから)にとってスッキリすること間違いなしなのです。
なんか社会の微妙な悪に不満を感じている方は、これを読めば多少なりともスッキリするはず。
そしてミツコのようなまともな人間が世の中にももっと増えてほしいと切に願います。
姫野 カオルコ / 講談社(1993/04)
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姫野カオルコに恋したきっかけ。
いやー楽しい!
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1. 『ブスのくせに!』 [ 喜八ログ ] 2006年04月17日 20:16
最初にお断りしておきます。
『ブスのくせに!』というのは私(喜八)の言葉ではありません。
これは小説家姫野カオルコさんのエッセイ集のタイトルであります。
姫野カオルコさんは1958年滋賀県生まれ。青山学院大学文学部(昼間部)在学中に団鬼六賞を受賞して著述業を開...




