二〇一九年長月十日

皆さま、こんばんは。


昨日9日(月)の南関東地方では・・・

台風15号の影響により、大混乱の一日となりました。


首都圏にお住まいになったことのない方には信じられないことかもしれませんが、電車が動くかもしれない予想時刻の朝8時に自宅を出て、結局は電車が復旧できなくて駅についてから電車に乗れるまでに2時間並んで、電車の乗り継ぎでまた並んで、午後(おやつの時間)にやっと職場へ到着できた、みたいな方も多いです。

しかも気温は35℃超、その間、トイレにも行けませんし水も買えません。

もし各所の列を離脱したら、また最後尾から並び直しですし。


なお、車は車で大渋滞であります。

鉄道沿線では送迎や仕事の車で大混雑、幹線道路では大渋滞、裏道には倒木・・・


首都圏の通勤環境、終わってますな。

 「なにやってんだろうな、俺たち・・・」

みたいな空気でございます。


え?

私?


そりゃ、50km以内の距離なら自転車で移動ですよ。


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えー・・・っと。

今日は「台風」について詳述したいわけでもなく、「大混乱」をご紹介したわけでもないです。


この、

 「台風15号の影響により、大混乱の一日となりました。」

という、わずか24文字の文章を題材として、読解力(「どっかいりょく」と読む)について考えてみたいと思います。

皆さんは、どのようなレベルの読解力をお持ちですか?


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 「どのようなレベルだと?」

とのことでございます。


私は、世の中のコミュニケーションにおきまして、

 「読解力のレベル差に起因する壁」

というものを強く認識するようになりました。


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先ほどの、

 「台風15号の影響により、大混乱の一日となりました。」

について一言で申しますと、ほとんどの方が同じように読解できるはずです。

しかし本来、この文章は少し論理上のギャップを抱えており、一義的に読解できる構成とはなっていないんですね。


なぜスッと腑落ちしてしまうかといえば、日頃から世の中に流れているフレーズであることと、実体験としての経験値をお持ちの方が多いからです。


もしも・・・

 「夜霧の影響により、大混乱の一日となりました。」

だとしたら、皆さんは100%の確率で書き手の意図を読解できますか?


たぶん、ほとんどの方には無理ですよね?

それは、日頃から世の中に流れているフレーズでもなく、実体験もない場合が多いからです。


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先般、一冊の本を興味深く読みました。




えー・・・

私は、皆さんがこの本を買うことについて特にお勧めはしません(一定水準の内容はキープしているので、AIや読解力について興味がある方は、お買いになっても損はしないと思います)。

最初、私が「AIの可能性」について勉強していてたまたま買った本なのですが、実は本書の内容が「読解力」をメインテーマとしている本であることに、読み進めてから気づきました。


本書の内容を私が要約すると、

 ・私はAIを研究する数学者であり、開発したAIによる東大合格を目指している
 ・巷で使用されるAIという単語は、実は誤用されている
 ・私たちの作ったAIは、MARCHクラスの大学(明治・青山学院・立教・中央・法政)に合格できる
 ・でも、東大合格は永遠に無理である
 ・その理由は、読解力で考えることができる
 ・東大に合格するような学生は、幼少期から上位数%程度の読解力で教科書を理解できる
 ・残念ながら、AIは計算機なので、東大合格レベルの読解力を数式で真似するのは永遠に無理

といった内容になると思います。


ただ、そのぅ・・・

優秀な数学者に対して私のような下々の平民が申し上げるのは僭越・恐悦至極なのですが・・・


ちょっと、論理構成が破綻している記述が多くあります。

なので、論理構成を重視する私は、皆さまには本書をお勧めしません。


でも、まあ、皆さんがお読みになれば、皆さんそれぞれの知見は増えて素晴らしいことだと思います。

お時間のあるかたは、読んでみるのもよろしいでしょう。


私の読解力だと、だいたい「8時間くらい」で書き手の意図を一冊理解できたと思います。

日頃から多くの活字を読む習慣のある皆さまなら、もっと速く読解できるんじゃないでしょうか。


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冒頭からの一文ですが、もしも

 「台風15号の影響により、交通機関の乱れ・異常高温が発生し、大混乱の一日となりました。」

だと、どうですか?


少し読解しやすくなりますでしょうか。

さらに肉付けをしていきます。


 「大風15号の影響により、夜間の大雨・暴風となったので、夜が明けてから倒木や冠水などの災害が表面化したため、その対処や収束・復旧に時間を要してしまい、各地の交通機関が非常態勢をとって乱れていたところ、台風一過による南風の吹き返しで異常高温が発生し、移動手段を奪われた通勤客などが駅などのインフラに殺到したことと併せて大混雑が発生したので、大混乱の一日となりました。」


とまあ、これくらい書きますとね、読解力の差がある程度まで埋まってくると思います。


つまり、読解力というのは、

 「書き手が伝えようとしていた意図をある程度推定しつつ、その本質を明らかにしていく能力」

ではないかと私は考えています。

ですから、書き手の「作文能力」と表裏一体でもあるんでしょうな。


なお、

 goo辞書 読解力

 文章を読んで、その内容を理解する能力。「読解力を養う」


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上記「AI vs. ・・・」の書籍では、読解力の高低について、

 ・こどもの頃からの「読書量」

には、起因しないようだと記述されています。


この点では私も同様の考えでしてね、読解力というのは単に「本をたくさん読め」とか「国語の成績で決まる」とかの意見には同調できません。


ただ、失礼ながら「読解力の弱い親」のお子さんは、「読解力が弱い」ように感じることがございます。

すなわち、お子さんの読解力を上げたいと親が考えているのならば、

 まずは、親(自分)の読解力を上げるべきなんだろう

ということです。


なお、単なる私の意見です。


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ブログを15年も続けていますとね、様々な反響をいただくようになります。


そのうち、約10%くらいは、

 「あー・・・そういう意図で書いたんじゃないんだけどなぁ」

ということに直面します。


先ほども書きましたが、これは書き手の作文能力と表裏一体です。

つまり、書き手は一様でない読み手の読解力を想定しないとダメなんです。


私は、常々このような悩みを持ちながら記事を連ねております。


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 「おいおい、それじゃ親はどうやって読解力を鍛えるんだよ?」

という疑問が生じます。


これに真正面から取り組む答えを私は持ち合わせておりません。

ただ、書き手の能力も様々であって、読み手は書き手の能力を選べませんからね、読解力は高ければ高いほどよろしいような気がします。


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 「本をたくさん読めば読解力がつく」

とまあ、そのように考える親御さんが多いのは事実です。


しかし、

 「そもそも、読解力がなければ、本を読んでも理解できないはずだよね」

というようなジレンマは発生しませんか?


私は過去に数百冊以上の本を購入して目を通しましたが、きちんと読解できた書籍のほうが少なかったように思います。

それは、私の読解力が高くないからです。


で、読解力というものを分解していくと、やはり

 ・相手の意図を汲む能力
 ・書かれていないことまで想像して、自分の世界観として具現化していく能力
 ・書き手の作文能力不足を補う能力
 ・謙虚に自分の固定観念を溶かして書き手の意図を浸透させる能力

などが含まれてくるんじゃないかと思います。


先ほどの「AI vs. ・・・」の書籍では、このような読解力の定義・解釈がなされていないんですね。

だから読みにくい本になってしまっているんだと思います。


著者が言いたいことは、おそらく

 ・相手の意図を汲む能力
 ・書かれていないことまで想像して、自分の世界観として具現化していく能力
 ・書き手の作文能力不足を補う能力
 ・謙虚に自分の固定観念を溶かして書き手の意図を浸透させる能力

をAIで実現することは不可能、ということなんじゃないかと思います。


これが、私なりの読解力で「AI vs. ・・・」著者の意図を具現化した結果であります。


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で、やっぱり

 「おいおい、それじゃ親はどうやって読解力を鍛えるんだよ?」

に戻っちゃうんですなぁ。


とりあえず・・・



とまあ、このあたりにヒントがあるような気がします。


でも、私には

 「読解力を効率的に高めていく方法」

が未だにわかりません。


なにしろ三流大学しか入れませんでしたし(泣)。


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