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【2017年12月のお買い物 120417】03717【新品・UK盤・2枚組】
The Wildheartsが最も商業的に成功した2nd『P.H.U.Q.』(全英最高6位)がリリースから2015年で20周年ということで、2015年9月から本国英国ではアルバム完全再現ツアーを行われた。Wildheartsと言えば、名盤1st『Earth vs. The Wildhearts』のリリース15周年と20周年を記念して過去にもアルバム完全再現ツアーを行った。僕は15周年のときに来日ツアーがあり赤坂ブリッツでライブを見た。

時代は1995年。僕は22歳か。まだまだリスナーとしては多感な時期で大学4年生であり、メタル系を中心に渋谷系やYMO周辺のアーティスト、ブリットポップなどを聴いていた。このWildheartsに関してはBURRN!の記事では元Quireboysのジンジャーが新バンド結成ということで、カラーで取り上げられ「ビートルズ・ミーツ・メタリカ」と言われ注目されていた。

日本のデビュー盤となった93年1月にリリースされたEP『Don't Be Happy...Just Worry』は、Metallica好きの友人がインタビューだかアルバムレビューを見てすぐに買っていて、彼の家で初めて聴かせてもらったときの印象は確かに1曲目の「Turning American」は印象的なリフにメタリカのジェイムス・ヘットフィールドを思わせる歌い回しであったが、他の曲はヘンテコなリフの繰り返しに時にはポップすぎるメロディに違和感を思わせる程度であったと記憶する。

その後、忘れた頃に渋谷陽一がNHKのBSでVJをしていた音楽番組で、彼らの代表曲でありおそらく誰が聴いてもキャッチーで心を鷲掴みされてしまうであろう超名曲『I Wanna Go Where The People Go』がアルバムの先行シングルとして、UKのシングルチャートでTOP20に2週に渡りチャートインしており、そのPVを見て釘付けに。Green Dayなんかが大ヒットを飛ばしていた時代。僕はグランジはどうも受け付けなかったので明るいポップパンクのバンドが好きになっていった頃だった。今思えばパンキッシュな暴走R&Rバンド、Almightyの『Crank』の影響が大きいかな。兎に角一瞬にして気になる存在になった。

BURRN!では当初メタルとポップパンクをごった煮にしたバンドであまりクローズアップされることなく、初来日公演は白黒で取り上げられていた。しかしニュースになるのはゴシップばかり。KERRANGの編集部に解散騒動がでっちあげであると、バンドで殴り込んだことなどなど。
初来日は『P.H.U.Q.』のプロモーションツアーであったが、対マスコミ、対音楽シーン、対レコード会社とWildhearts(というよりバンドの頭脳であるジンジャー)を取り巻く環境にうんざりしており、新たなレコード会社と契約できないのであれば解散しかないと、解散を意識した来日公演だったこと。しかしその来日公演は大変盛り上がり日本のファンのお陰で、解散を思い直しさせたことで有名である。

イーストウェスト時代のWildheartsは型破りであった。シングルのカップリング(B面)は全て新曲(アルバム未収録曲)であり、そのクオリティが表題曲を上回ることも多々あった。マルチフォーマットが当たり前の時代に1種類のシングルしか出さない。アルバムは1年に数枚をリリースしたいがレコード会社に拒否され、シングルのカップリングとして新曲を発表し始めた。

この『P.H.U.Q.』という痛快なタイトルのアルバム(h とuの間にaを入れて発音して欲しい)は、名盤1st『Earth vs.The Wildhearts』の成功の余波から作られたので、勢いがあるのは当然である。そもそも最初から最後まで繋がっているアルバムになる予定であったが、レコード会社は長い曲を拒否したため、(あくまでもレコード会社の物差しで)コマーシャル性の無い曲はファンクラブ用の『Fishing For Luckies』へと回された。

クレジットを見るとプロデューサーは2人いるので、今思えば『Fishing For Luckies』とレコーディングはダブっているのは当然と言えば当然である。レコーディング途中でCJが脱退したので、後半はギターはジンジャーが一人だけのはず。このアルバムのリフの鋭さ(キャッチーさ)に欠けるのはそういうところかなと思ったりもする。『I Wanna Go Where The People Go』『Just In Lust』『Be My Drug』『Getting It』といったパワーポップ、インダストリアルな『Woah Shit,You Got Through』、小組曲というか『Baby Strange』〜『Nita Nitro』、『Cold Patootie Tango』〜『Caprice』といった2曲はメドレーとなっており、兎に角ハードでヘヴィな『Naivety Play』、バラードというかミディアムテンポの『Jonesing For Jones 』『In Lilly's Garden』、最後の最後にシークレットトラックで、ファンにはおなじみの『Don't Worry Bout Me』まで。改めて聴くと、キャッチーさと聴けば聴く程良さが分かる取っ付きにくさを兼ね揃えつつ、バラエティに富んでいるが実に手が込んでいるまとまったアルバムだと思う。ジンジャーは間違いなく90年代を代表するソングライターであると再認識させてもらった。

この完全再現ライブは来日ツアーもあったが、残念ながら観に行けず。このCDを運よく入手することができ、彼等の良さはライブだとより映えるのだと魅力を再確認!こんな良いバンド、なぜ売れなかったのか、ホント口惜しい限り。基本、Wildheartsとジンジャー関連のアルバムを取り扱う彼等の自主レーベル、Round RecordsのOnline shopで。一部Amazonなのでも入手可能。

Disc 1
01 – I Wanna Go Where the People Go (Live)
02 – V Day (Live)
03 – Just in Lust (Live)
04 – Baby Strange (Live)
05 – Nita Nitro (Live)
06 – Jonesing for Jones (Live)
07 – Up Your Arse You Fucking C**t (Live)
08 – Woah Shit, You Got Through (Live)
09 – Cold Patootie Tango (Live)
10 – Caprice (Live)
11 – Be My Drug (Live)
12 – Naivety Play (Live)
13 – In Lilly’s Garden (Live)
14 – Getting It (Live)

Disc 2
01 – Don’t Worry ‘Bout Me (Live)
02 – Weekend (Live)
03 – Stormy in the North, Karma in the South (Live)
04 – Red Light – Green Light (Live)
05 – White Lies (Live)
06 – 29 X the Pain (Live)