「アルペンスキー」を考える

湯谷信二がアルペンスキーをいろんな角度から考えてみます。

日本人選手の多くが抱える課題

 今日の動画。オーストリアの女子選手のGSの滑り。

 まず滑りを見てみてください。どう感じますか?

 Vanessa Nussbaumer選手(24歳)。GSのFISポイントは32.97で世界ランクは203位です。

 普通にうまいですが・・・、私の印象は「日本人選手の多くが抱える課題をこの選手も抱えている」というものだった。

 そこから、「24歳でこのポイント、この滑りで、オーストリアのナショナルチームなの?」と。

 その課題とは・・・

 ゲートを通過する時に、内肩・内腰が下がってしまっているのです。簡単に言うと”内倒状態”です
ね。

 それが原因で、ターンがどうしても後半での仕事量が多くなってしまい、なおかつスキーもズレてしまう。

 加えて、内倒状態からスキーの横移動が大きくなってしまい、体も下へ下へと落ちていかず、どうしてもスキーは大回りとなる。

 ターンの始動も遅くなり、どうしても下踏み状態となってしまうという悪循環に陥ってしまっているのです。

 こうなってしまうと、『最速のライン』から外れてしまうため、速いスキーは難しくなってしまいますね。

 日本人選手は、何とこの課題を抱えている選手が多いことか!!

 ここ(ゲートの横で内肩・内腰が下がってしまっている点)が変われば、GSは大きく変わるのです!!

 まずはそのことをしっかりと理解してほしいと思います。


 そして、元の話題に戻りますが、「どうしてこの選手がオーストリアのナショナルチームなのか?」についてです。

 調べてみると、DHのFISポイントランクが43位、SGが49位。そう、スピード系の選手なんです!!(笑)

 WCのDHでの最高位は25位、ECのDHでは昨シーズン優勝しています。DHでは間違いなくオーストリアの有望選手ですね!!

 そんなスピード系の選手のGSの練習の一コマなのでしょう。

 でも、その課題が改善できたなら、GSでも十分通用しそうな選手ですがね。

 そんな選手に、極東の大したこともない一指導者が、こんな解説をしてしまい、Vanessa選手、本当にごめんなさい!!

 日本人選手の、GSのレベルアップに貢献していただけるということでどうかご容赦ください。

 みなさん、何度も見て、ぜひ参考にしてください。

ヨーロッパカップの女子SG

 また良い動画を紹介。

 昨シーズンのヨーロッパカップ、今度は女子SG。(おそらくオリンピックも行なわれたサラエボかと)

 ECの女子SGの滑り、初めて見ました!!
 まあ、経費の関係と思われますが、カメラの台数がきっと少なく、途中15秒くらい選手の滑りが映っていない時間がありますが、勉強になりますよ!!

 .好拭璽箸了妬、こぎ方、スケーティングの仕方。
 ▲薀ぅ鵑匹
 上体とスキーの向き

 私はこんな3つが勉強になりました。

  ΑΑΕ好拭璽箸ら結構な斜度にもかかわらず、速い選手たちのスタートダッシュがすごいです。
 日本人選手もここから学んで、実践することをお勧めします。

 ◆ΑΑΕ好拭璽板掌紂▲粥璽訌阿皀薀ぅ鵑タイトです。
 これがGSと同じ。日本人選手は全体的にゲート前でポールを巻き過ぎ。それによってスキーに働きかけができない、待ってしまう時間ができてしまう。このラインどりをぜひ参考に!!

 ・・・これもGS同様、「外向・外傾」がしっかり取られています。上体の向きは基本フォールラインをキープ(スキーはターンに応じて方向が変わりますが・・・)。

 まあ、ができているがゆえに△離薀ぅ鵑匹蠅皺椎修砲覆襪箸いι分もあるので、△鉢はつながっているところもありますが・・・。

 まずは見てみてください。

 WCの男子の映像を見るよりもわかりやすく、参考にしやすいと思います。SGで速くなりたい選手は必見です!!

 そして、これはECですから、このレースの上位入賞者は数年後にはWCで大活躍する選手が出てくることと思います。

 そんな楽しみ方もできますので、ぜひぜひ見てみてください!!
 

女子SLのヨーロッパカップの映像

 またまた良い動画を見つけました。 

 先々シーズン、2022年1月19日の女子SLのヨーロッパカップの映像です。

 個人的にも男子のヨーロッパカップは時々目にしてきたのだが、女子のものは初めてかもしれない。

 先日話題に出したLjutic Zrinka選手(CRO)の滑りもありますが、スタート直後にDF。残念ながらちょっとしか見られません。

 しかし、選手たちのレベルはもちろんものすごく高い!!
 勉強になりますよ。

 ヨーロッパカップといえば、ファーイーストカップと同じカテゴリーの「コンチネンタルカップ」。WCの一つ下のカテゴリーだ。

 現在は南半球で、ANC(オーストラリア・ニュージーランドカップ)やSAC(サウスアメリカンカップ)などが開催されている。

 しかし、このコンチネンタルカップで最もレベルの高いのがヨーロッパカップ。WCで活躍するならば、ここで結果を出すことが絶対条件ともいえるレースなのだ。

 この動画の上位選手も、この当時ヨーロッパカップとWCを行ったり来たりしている選手たちも多々。その中にはWCで2本目に残り、しっかりと結果を出している選手も複数いるのだ。

 そして、先シーズンにはWCでしっかり結果を残している選手たちも。

 そんな意味からも、とても学ぶ事の多い動画です。

 1位のスイスの選手は、WCの最高位は7位だったかと。オリンピックでは6位だったかな?

 オーストリアの選手の一人は、WCの3種目(SG、GS、SL)で結果をの残しているようなオールラウンダーも。

 女子選手の滑り、特にヨーロッパカップは日本では特になかなか見られないのが現状。
 ぜひのぞいてみてください。

 ヨーロッパカップのレベルの高さをしっかり認識し、日本人の女子選手もこの同レベルにならなければWCで戦えないということをコーチも、選手も知ってほしいと思います。

 

Leona Popovic選手

 先日話題にあげたLeona Popovic選手(CRO)。FISポイント SLランクは現在8位。
 
 その彼女の、おそらく2年前のSLの滑り(動画のアップが2年前なので、あくまでも推測ですが)。
 
 現在彼女はフォルクルの板を使用しているが、この動画ではフィッシャーの板。
 
 現在の滑りよりも粗削り感はある(エッヂングが現在の方がシャープで、極細ラインで滑っていると思います)が、基本的な部分はしっかりとしている。
 
 特に、参考にしてほしいのが『上体の向き』。
 解説でも、「上体はロックする」というように書かれているが、彼女の上体はきっちりとした”外向・外傾”の姿勢でロックされている。
 
 日本人選手がほとんどこの部分ができていない。
 それがゆえに・・・・
 
 “弔ズレてしまったり、
 ▲拭璽鵑どうしても長くなってしまったり、
 2拿鼎後半になってしまい、下踏みになってしまったり、
 ぞ綢里左右に動いてしまい、クロスオーバーがスムーズに行われないため、どうしても遠回りになってしまったり。
 
 こんなにマイナスが起こってしまうのです。
 
 日本の柔らかい雪だと、「外向・外傾」がきつすぎてしまうと減速要素となってしまうことも確かにあるのだが、硬いバーンや難しいコースなどではこの「上体の安定」、「外向・外傾」がとにかく重要となる。
 
 日本のトップ、そして世界のトップを目指す選手なら、このPopovic選手の滑りをぜひ参考にして、まねてほしいと思う。
 
 彼女の2年前のFISポイントのNo.1リスト(おそらくこの滑りをしているころ)は120位くらい。でも、WCでは既に何レースかで2本目に進出している。
 
 そして、そのシーズンの最終リストでは60位くらいにジャンプアップしている。
 そう、この動画の滑りで大きく成長を遂げたのです。
 
 とにかく上体の向き、安定性、それとスキーの方向性などを何度も、しっかりと見てください。
 
 とても参考になりますよ。
 
 加えて、彼女の先シーズンのWCレースの映像もぜひ見てみてください。さらに進化していますので。
 ベストリザルトは、2位だったでしょうか?表彰台に上がっています。
 
 私はいずれ表彰台のトップに立つ時が来るものと思っています。SLでは一押しの選手の一人です!!
 

まずは一つでも真似をしてトレーニングしてみませんか?

 世界一になるためには、どんな練習を、どれだけ真剣に、どれだけ正確な動作で行なっているのか?
 そんなことがしっかりとみられる動画です。

 やはり世界一になる選手、本当にすごいですね。

 もともと運動能力はとても高いのだと思います。
 彼女が14か15歳の時に、ウィスラーカップでSLの滑りを見たときに、それを感じた私でした。

 しかしその土台はあったにせよ、さらなる努力を積み重ね、きっと今があるのです。

 チームで練習できない選手も、まねができるメニューもたくさん見られます。 

 『まずは一つでも真似をしてトレーニングしてみませんか?』

 勉強になる動画です!!

 

Zrinka Ljutic選手

 とても良い滑りをしていますねー。
 彼女はクロアチアの Zrinka Ljutic選手。

 たしかまだ19歳。SLでは既に結果を出していて、かなり速い。SLのFISポイントランキングも9位です。

 もう一人の同国 Leona Popovic選手もランキング8位。
 この2人の昨季のSLを見ていると、どちらかが近い将来、WCで勝つ時が来るものと思っています。

 と、昨季から注目しているクロアチア女子選手の滑りではあるのですが、GSの滑りはほとんど見たことがありませんでした。

 この動画の滑りを見る限り、Zrinka Ljutic選手はこのシーズンはGSでも上位に来そうですね。

 今のGSのFISポイントランキングは69位。でもこの滑りはそのランクの選手の滑りではありません。もっともっと上位です。間違いなくトップ10には入ってくるものと思います。

 日本人選手の皆さんも、この動画の滑り、特に最初の急斜面の4〜5ターンの体の動きやスキーの動かし方をぜひじっくり見てください。とても参考になりますよ!!

ジェフ・ラキー氏

 先月も見ていたのだが、9月に入ってまた何度も見ている動画。

 7年前の「コーチセミナー」。
 当時のミカエラ・シフリン選手のコーチをしていたジェフ・ラキー氏を招いて行なわれたものだ。

 とにかく勉強になる。これを見ることで、次のシーズンに向けて、やらなければならないことが頭の中で整理できつつある。

 ・アンクルポジション(足首(膝)が入っている状態)が大事⇒それができることによってスキーが身体の後ろにある状態ができる⇒ターン前半にポールを待つことがなくなる。

 ・「ライズライン」から「MAX POWER」のかかる所まででスキーを加速させなくてはいけない。スピードアップはここでしか作ることができない。

 ・上体の向きとスキーの向きはセパレート(日本人の多くは、ゲートを過ぎるとすぐに上体の向きをスキーのトップ方向に向けてしまう。もう少し我慢して上体の向きをセパレートし続けることが大事)

 ・GSでもSLでも「スケーティング」の動きで、外足から外足へと乗り続けなくてはいけない⇒スケーティングをし続けることができる「体の位置」を常にキープする必要がある。

 ・上体を安定させることで、下半身を使いたい時に使いたい動きができる(上体が動いてしまうとそれができない)。

 ・ラインどりが一番大事。

 ・外足から次の外足に乗せるとき、待たないこと。

 ・DH・SGの板(長くてサイドカーブがきつくない板)でも、低速の斜滑降等がしっかりできるようになるべきである。

 ・「アルペンスキーはパワースポーツ」⇒どれだけ自分の力をスキーに伝え続けられるかが勝負。

 ・「ちゃんと力強い外足」になっているかが重要。

 ・ターンのつなぎの部分で、「フラット」の時間はいらない。”外足から外足”、”エッヂからエッヂ”でいかにスムーズに乗り続けるか?!、如何にターンを繋ぐか?!

 今日、自分自身が大切だと思ったのはこんな内容でした。

 この動画、本当に素晴らしいです!!
 本当にありがたいのひと言です。

 ぜひ皆さんも、何度も何度も見てみてくださいね。

対談

 2年ほど前の対談(ラグビーのエディー氏と女子バスケット(当時)のホーバス氏)です。

 内容が素晴らしいです。

 少し長めではありますが、スポーツの指導者はぜひ読んでいただきたいと思います。

 私もずっと、「選手にとって、先が見えない長時間の練習」はしないように心がけてきた。
 それをするならば、どれだけやるかをしっかりと示して、100%の力をその都度発揮させる方が選手のために良い練習になると考えているから。

 それ以外の部分でも、「世界と戦っていくために必要なこと」もたくさん書かれている。

 日本のアルペンスキーでも、こんな風に考え、強化を図っていきたいものだが・・・。

 とにかくためになります。

 やっぱり『number』は素晴らしいですね。

 https://news.yahoo.co.jp/.../cc7f1c0b4e037be37aa330d2f329...

Sam選手とLara Colturi選手

 先日ふれたベルギーのSam選手。

 今日のANC(オーストラリアン・ニュージーランドカップ・・・ファーイーストカップと同じコンチネンタルカップ)のSL第1戦で2位。
 予想通り結果を出してきています。

 それから、先日書いた「WCの最高位は11位」ですが、これはGSのものでした。
 WCでのSLの最高位は18位でした。

 両種目ともWCで結果を残している選手、素晴らしいですね。

 そして、更に調べてみると「世界ジュニア選手権」ではGSもSLも3位に入っているのでした。これは知りませんでした。
 もともとの有望株でしたね(笑)。

 でも滑りがだんだん良くなってきているのは確か。これからが楽しみです。

 今日のそのレース、日本人選手も出場していました。
 小山選手が1本目、トップと僅差の6位につけていましたが、2本目DF。
 相原選手は1本目25位くらいで2本目に期待したのですが、ジャンプアップできず残念。
 明日のSL第2戦に期待しましょう!!


 それから、昨季大活躍だったLara Colturi選手(ALB)の情報。

 FISデビューのシーズンの昨季、WCでも2本目に進出して結果を残し、世界ジュニア選手権では優勝を遂げたシーズンだったが、シーズン終盤で前十字靭帯を断裂。

 手術を経て今はリハビリと体づくりに専念している模様。(FBなどで見ているだけですが)

 だがしかし、それが彼女にとっては素晴らしいことだと私は思っています。

 昨季の彼女はやはり体の線が細かった。
 その体であの素晴らしい滑りをするのだから、どうしても体に大きな負荷がかかってしまうが、その負荷に耐えられるのだろうか・・・。ケガをしなければよいのだが・・・と心配だったのだ。

 今の彼女の体を見ると、昨季よりもかなり大きくなっている。
 上半身などは2回りくらい大きくなった感じがする。

 もちろん下半身も強化しているだろうが、ケガをした足の方はまだまだこれからだろうと推測する。

 ネット上では「GSの開幕戦を目指して・・・」などという情報もあるが、あまり慌てずにしっかりとリハビリをし、鍛えてから戻ってきてほしいと思っている。(そのネットの情報も、どれだけ性格なのかは疑問ですが(笑))

 この2人の選手、決して強豪国とは言えない国の選手。
 日本も負けずにがんばりたいところですね。

日本人選手には、このラインどりを参考に

 先月末、ベルギーのSam選手(25歳)の滑り
 
 彼はそろそろ来そうですね。良い滑りをしています。

 昨シーズンまでのWCでのベストリザルトは11位。
 来季はトップ10に入ってくるのではないでしょうかね。

 『日本人選手には、このラインどりを参考に』してほしいと思う。

 ターンのきっかけがとても早く、ラインが高い。
 急斜面はゲートよりも外側から狙ってくる感じ。

 日本人のほとんどは、ゲートまでを真っすぐ狙い、ゲート下でスキーがズレてしまい、雪煙を上げるというもの。
 これでは絶対的に速くなれない。

 このSam選手の滑り(ラインどり、ターンのタイミング)を何度も見てください。
 速度を0.5倍にしたり、一時停止にしながら。

 ぜひ、何度も何度も。
 
訪問者数
  • 今日:
  • 昨日:
  • 累計:

Recent Comments
Archives
Profile

湯谷信二

滝川工業高校
56歳
北海道歌志内市生まれ 
歌志内中学、砂川北高校、日本体育大学卒業 

  • ライブドアブログ