平村自動車の整備日誌

長崎県五島列島の福江島にある自動車整備工場です。

所在地 ; 〒853-0031長崎県五島市吉久木町467
℡:0959-72-3383 FAX:0959-72-5678

営業内容; 車検・点検、一般整備、修理、鈑金・塗装
新車・中古車販売、自動車保険他損害保険

営業時間; 8:30~17:30
日曜・祝日休み(土曜は営業しております)

ジムニー エアコン修理

エアコンが効かなくなったスズキジムニー JA11
コンプレッサーは回ってますが冷媒ガス圧が低く、全然冷えません
高圧ホースジョイント(黄〇のところ)からガス漏れしています。
ACコンプレッサ

肉眼では漏れ跡が判りにくいのですが、この車には以前ガス漏れ探査蛍光剤を入れてたので、
紫外線ライトを当てて黄色のゴーグルを通して見ると漏れ跡が確認できました。
ACガス漏れ

漏れ箇所修理のため配管を脱着しますが、その前に残っているガスを回収
ガス回収機

外した高圧ホースジョイント、黒色のOリング(ゴム製パッキン)を交換しますが、
金属部品の腐食や傷が無いかも点検します。
ACホースジョイント点検

漏れ箇所修理後、ゲージマニホールドと真空ポンプを繋ぎエアコンシステム配管内の
空気・水分を排出させます。
機密性も確認の後、冷媒ガスを規定量入れます。
ゲージマニホルド

ブザー式のガス漏れテスターも使って再確認。
今回修理したところ以外も全てガス漏れ再点検。
ジョイント以外にもコンデンサーやエバポレータのピンホール、配管の亀裂など
漏れの可能性は色々とあるのです。
ガス漏れ確認

結局、今回の修理は一箇所のみで完了。
エアコンのガス漏れ修理としては最も簡単な部類の作業でした。
修理の部材はOリング1個、ACコンプレッサーオイル20CC補給、HFC‐134aガス400g

修理に必要な機材はガス漏れテスター、フロン回収機、ゲージマニホールド、真空ポンプ、温度計、
その他ハンドツール類などですが、デリケートな取扱いを要する物が多く、
漏れ箇所特定や修理後の機密性見極めに時間も掛かるなど
カーエアコン修理は結構たいへんなのです。

このお客様のジムニーは、1年前に低圧ホースジョイントの漏れ修理をしていました。
今年は高圧側から漏れてしまい、こんな事なら1年前に両方のOリングを変えておけば・・・
とも思いますが、その他に全部で約10箇所ジョイントが有るので簡単な判断は出来ないです。
もちろんお客様の要望が有れば全部品の脱着清掃Oリング交換も行いますが、お値段もそれなり
に高めになってしまいます。

ニッサン LEAF ご来店

日産のEVリーフに乗ったご夫婦がご来店。

「日産のお店は近くにありませんか?」とお尋ねです。
ニッサン リーフ

神奈川県から観光で来島され、レンタカーでリーフを借りたものの
運転操作とナビの操作がいまいち解らないので、偶々通りかかった当社
へ立ち寄りお尋ねされたそうです。

残念ながら五島には日産のディーラー店は無いと伝えると
「ちょっと教えてくれませんか」と言われたので、私も初めて触る車ですが
車載の説明書を見ながらお客様と一緒に操作法の確認をしてみました。

リーフ メーターパネル
アクセルペダルを踏み込むと進み、ブレーキペダルを踏むと止まり、
ハンドル操作で左右に曲がるところは普通の車と同じで違和感は無いですが
シフトレバーとパーキングブレーキの操作がスイッチ感覚(実際にスイッチ)、
昔からの車の、ケーブルで機械的にトランスミッションを操作し N から D に入れると
駆動力が伝わる感覚や、レバー又はペダルでワイヤーを引っ張るパーキングブレーキ
の感覚に慣れてる私には違和感がありました。
お客様もそこに違和感、不安感を感じていたようです。

 ※LEAFにはトルクコンバータもミッションも無く、減速ギアが付いている。
  パーキングブレーキは電動モーターでワイヤーを引っ張る方式らしい。

とりあえず、メーターのシフトポジションとパーキングブレーキ表示を良く確認
しながら操作したらいいですね。と、お客様と確認。

次はナビゲーション。
リーフ ナビ
長崎EV&ITSプロジェクトによる"未来型観光案内ナビゲーション"が付いている
のかと思ってましたが、見た感じ普通の純正ナビでした。
一般車には無い充電ポイント検索メニューが有りましたが、
これはたぶんLEAFの標準仕様ですよね?
み ず の う ら ・・・と普通に入力して水の浦カトリック教会へとお客様は出発されました。

ナビとは完全に別にITS車載機と言うのが付いてるのか?
走行中に特別なインフォメーションがカットインしてくるものなのか?
ITSとはまだ開発途中で、実証実験まで進んで無いのか?
このLEAFにはまだ装備されて無かっただけなのか?
私の想像とは全く違うモノなのか?

電気自動車の実配備と観光ITS(高度道路交通システム)の開発と言う
先進的試みが五島で行われるのは良い事だと思いますが。
スパークプラグ、ファンベルト、エアクリーナ、O2センサー等が付いて無い
電気自動車が普及すると我々自動車整備事業者の仕事は減りそうですし
仕事内容も変わっていくでしょうね。

スズキ ワゴンR エンジンハンチング

MH21直噴ターボのワゴンR

エンジン始動直後から酷いハンチング状態です。
下は1000rpm上は4000rpmくらいヴォンヴォン〃〃〃〃〃〃〃〃〃〃
とうるさいし、これではまともに運転出来ません。

誰の目にも異常は判る状態ですがダイアグノシストラブルコードは『異常無し』を表示。
DTC無し

データストリームを表示させます。気になった数値は
 空燃費フィードバック制御  オープン2
 O2センサー          0Vのままほぼ変化しない
 ISCバルブ開度        30%くらい
 目標アイドル回転数     900rpmくらい
 燃料噴射時間         0 msec
 フューエルカット        ONのまま

上記は記録(プリント、写真)を取ってなかったので記憶によるものです
その他、エンジン水温、スロットル開度の数値は妥当な値でした。

圧力センサー、ISCVのコネクターを外しても変化なし。
スロットルポジションセンサーのコネクターを外すとエンジン高回転(4000rpm以上だったか)
に上がりハンチングは無くなる。

原因はISCVの開固着でした。

ISCV開きっぱなしのため吸入空気量が増え、
増えた空気量相応にエンジン回転数は上がろうとしますが、スロットルポジションセンサー
からはアイドル接点ONの情報がきているためフューエルカットが働く、その繰り返しで
ハンチング状態になったものでした。

スズキに限らずISCVの故障はありますが、軽自動車では比較的スズキは多い気がします。

また、数年前の整備振興会技術情報誌の記事によると、スズキ車のスロットルボアに
スプレー式のクリーナを直接吹きつけてはいけません。ISCVのコイル絶縁エナメルを
溶かしてショートを起こし、エンジンECUも道連れに壊してしまう事があるそうです。

ちなみに、この頃のスズキ車(現行車もか?)はスロットルボディ廻りの上記センサー類の
コネクターを外してもダイアグノシストラブルコードは拾いません。
データの読み取り、センサー・アクチュエータ類の単体テスト等の故障診断が必要です。

コロナプレミオ アイドリング不調

時々、アイドリング不調になりエンストしそうになると言うST210コロナプレミオ
ただし、お客様の都合により午後には納車の為、短時間での診断と修理をしないといけない。

この3S-FSEエンジンは直噴であるため燃焼過程で黒煙が発生しやすく、
それがブローバイガスと共に吸気系部品やスロットルバルブにこびり付き
アイドリング不調を招く事例が多発したらしく、リコールが出ていました。
お客さまの車も過去にディーラー店で実施済みのようです。

今現在は見た感じとしては、アイドリング正常でまあまあ好調のエンジン
メーター内のエンジン警告灯も点いてない。

排気ガス値を測定  CO 0.06%     HC 130ppm  特に異常は無いと思う。

スキャンツールでDTCを確認  P0110 吸気温度回路 が記録されていた(消去できない)。

データストリームを見ると   吸気温度 -40℃ で固定  これは異常。

吸気温センサー確認すると、吸気温度センサー配線がソケット部で断線していた。

とりあえず、中古のコネクター配線をジョイントして修理
再度スキャンツールで確認するとDTC消去でき、吸気温度も妥当な値になった。

修理前後で体感できるエンジン調子の変化は無く、
結局、お預かりの間アイドリング不調が出る事もなかったが
修理後、気になる点として空燃比学習値が -48.46%  と異常と
思える数値を示した。
(修理前は 約  -26% だった。これもやや大きめの値と思う )
3S-FSE データ
原因として、O2センサー、負圧センサー、燃圧などの不良も考えられるがスキャンツールの
データ(燃圧は表示されず)の感じでは悪いとは思えず、細かく調べるには時間が無い。

私が 「こーだったら良い」 と思うシナリオは

 吸気温度センサー断線により-40℃の間違った情報をエンジンECUに入力、極寒地での
 運転と勘違いしたECUは燃料増量、実際にはオーバーリッチ状態なのでO2センサーの信号
 により-26%燃料減量の空燃比学習値でバランスさせていたが運転状態によっては、増量、
 減量の整合が取れず時々不調が出ていた。
 今回、配線修理により吸気温度センサー情報が正常化したため、間違って増量されていた
 基本噴射量が多すぎたために-48.46%の異常な高数値で燃料減量させていた。

前記仮定が正しかったら走行テストを繰り返すうちに、空燃比学習値 ±10%程度の値に
落ち着くと思われるが時間切れで確認できませんでした。

お客様は「これで良い、調子が悪くなったらまた連絡する」との事なので、またの機会に確認しようと思います。

J-OBDⅡって? スキャンツール・診断機 について

最近の自動車、20世紀の終わり頃から今日の車は高度に電子制御化が進み、点検整備、修理の際にはスキャンツールまたは診断機と呼ばれる機器の使用が不可欠となってきております。

どう言うものか?自動車整備用のハンドヘルドコンピューターと表現したら分かりやすいのでしょうか?
故障診断機
     (イラスト:国土交通省広報資料より)

元々は1990年頃のアメリカで法制化されたOBD規制というのがあって

『新車の時は調子が良い車も、経年等による部品の故障で不調を起こし、
基準値を超える排気ガスを撒き散らしながら走る事態が起こりうる。
そうなった時ドライバーに故障を知らせる警告灯を点灯させると共に
車載エンジン制御コンピュータに故障情報データを記録させなさい。
車には情報端末と接続するコネクタ・カプラを備え故障情報データを
読み出せるようにしなさい。
このシステムをアメリカで販売する全ての車に義務付けます。』

こんな概要だったと記憶しています。

段階を経て、現在の16PINコネクタ・カプラを備えたOBDⅡが1997年頃?アメリカで施行、
                   それに準拠するE-OBDⅡが2000年頃?ヨーロッパで施行、
                   同じく準拠する  J-OBDⅡが2008年頃?日本で施行されました。
                                    (暦年はうろ覚えです)
OBDⅡデータリンクカプラ車側データリンクカプラ ここへ情報端末を接続

上記説明の“情報端末”が“スキャンツール・診断機”になります。

現在日本では整備工場を営業するにあたってスキャンツール・診断機は設置が義務付けらた設備ではない事もあり、正確な実態は判りませんが2010年の時点で全国の整備工場でスキャンツール・診断機の普及率は20%~多くても50%以下ではないかと言われてるようです。

スキャンツールHDM2000HDM2000データストリームHDM2000グラフ表示
当社では2000年にいち早く日立のHDM2000と言う機種を導入しました。
取り扱い元の(社)長崎県自動車整備振興会が言うには当社が県内では一番早くの導入だったそうです。
田舎もんなだけに新しいもの好き、でもありますが、必要性を感じて導入したら偶々そうでした。

スキャンツールX-431
後の2005年にはランチテックX431と言う機種を導入し、診断ソフトのアップデートをしながら現在に至ります。
それから早6年の2011年現在では、よりコンパクトで反応の早いとされる新機種が登場していますが診断ソフトの能力は当社所有のX431も同等のようです。

当社の様な零細企業には機械工具類を新たに入れたり維持管理するのも結構たいへんなんですが、
新型車が出るたびに次々投入される新技術に対し、修理する側も常に努力が必要だと思います。

当社が有る五島市は昭和の車も見かけますが、電気自動車やハイブリッド車もたくさん走ってます。
ローテク(老テクとも言う)も大切にしつつハイテクもにも対応できるよう設備の充実と整備技術の勉強をして、販売から修理までお客様のお役に立ち続けられる様に頑張らないといけませんね
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