February 2008

February 29, 2008

パンズ・ラビリンス













美しくて、残酷で、リアリティー十分で、ワクワクして観る。
1944年スペインの内線時、フランコ派軍隊とゲリラとの激しい
戦いに翻弄される親子。そして、少女オフェリアが経験する
迷宮での出来事。
2つが同時平行に、絶妙に語られる。
その独創性あふれるファンタジーにしばし酔う。
ギレルモ・デル・トロ監督「パンズ・ラビリンス」

世評とおりの出来で、堪能する。

(映画評価表)
☆  映画が好きな方は観てください。
      (目安=450円)
☆☆☆   観てください。料金価値はあります。
      (目安=1800円)
☆☆☆☆☆ 是非観てください。必ず、感動します。
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February 26, 2008

いつか眠りにつく前に












別荘地の美しい風景とゴージャスな女優達の競演を観ている
だけで、少しは感動するが、観終わって、自分自身が人生の最後の
時に、初恋の人のことを考えるものだろうか、と思う。
「違う」
違和感が残る。
また、
「人生に過ちなんてないのよ」
の言葉に象徴されるように、
映画作りの姿勢に「美しく、きれいに」という思いが流れている
ようで、鼻につく。
ラホス・コルタイ監督「いつか眠りにつく前に」

ストーリー展開を美しい風景にマッチさせすぎたようで、残念。
メリル・ストリープとその娘、親子に注目。

(映画評価表)
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February 22, 2008

潜水服は蝶の夢を見る













なんという人生だろうか。
その生き様に心から、尊敬。感動。
また、このようなストーリーをよくも映画化したな、とスタッフに
敬意を表します。
「身体は”潜水服”を着たように重くても、僕の想像力と記憶は
 ”蝶”のように自由に羽ばたくーーー。」
主人公を演じるマチュー・アマルニックの視線で捉えるキャメラの
映像が見事。
ラスト、エンディングテーマが流れても、誰も席を立たない。
深い感動が場内を包む。
ジュリアン・シュナーベル監督「潜水服は蝶の夢を見る」

ワイフと主人公がいる所に、愛人から電話がーーー。
この時、主人公マチュー・アマルニックがまぶたの動きで、意思を
伝えるセリフがつらい。
ラスト、画面が発作発生時の状況を伝え、そして、主人公が
著作完成後、1週間で死亡したことを伝えた時、何とも形容できない
感動が湧き上がる。あの時の肺炎がなければ、もっと寿命が
延びたのではなかったろうか?

(映画評価表)
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February 20, 2008

チーム・バチスタの栄光












妙にカマトトぶった竹内結子と事あるごとに大声で喚き散らす阿部寛。
観終わって、二人の印象のみがギコチナク残る。
原作は「このミステリーがすごい」大賞受賞作との事。
原作を読んでいないので、原作を映画がどのように解釈して映画化
したか、よく分からないなが、映画としてのレベルは良くない。
ストーリー展開に不自然な部分が多すぎるからである。
 ・
 ・
 ・
 ・
ネタばれになるので、具体的には書かないが、最高の技術・最高の
チームワークを必要とする心臓手術と考えると、あってはならない
ことばかりが目につく。
中村義洋監督「チーム・バチスタの栄光」

手術される心臓が何回も画面に映るが、最後にはニワトリのタマゴの
ように見えてきた。

(映画評価表)
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February 19, 2008

団塊ボーイズ












オートバイに乗っているシーンはそれなりに、爽快。
が、ストーリーは陳腐。やってはいけないことをやらせている。
展開にもっともっと工夫がほしい。
ラストに「イージー・ライダー」のピーター・フォンダが登場。
「エッ!」と思っていると、「時計は外して、乗れよ。」とキザで、
味のあるアドヴァイスに、ニヤリとしただけに、残念。
ウオルト・ベッカー監督「団塊ボーイズ」

「団塊ボーイズ」という名前を見て、こんな映画はあったかいな?
と思い、映画館へ。
英語で、「団塊」とはどのように表現するのだろうと、パンフを
見ても載っていない。
週間文春のシネマチャートで、芝山幹朗氏曰く
「だらしなくて観客を見くびっていて、全然笑えない。話も芝居も
 横着すぎる。(団塊)を指す言葉は映画に出てこないぞ。」
氏の評価は☆一つ。
なんだ、「団塊」は日本で命名したのか。興ざめ!! 
ヘンリー・フォンダの息子 ピーター・フォンダが元気な顔を
少し魅せてくれたので、☆一つプラス。甘いかな?

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February 17, 2008

陰日なたに咲く












台風が近づいているある日、一見、無関係な、陰日向に咲く
人々の人生が少しずつ交錯し、不思議な縁に導きられながらーーー。
ストーリーは展開するが、途中で、理解できなくなる。
主人公岡田準一がおれおれ詐欺をする場面と老婆との関係である。
分からないままにラストを迎えた。
陰日向に咲いている9人の人生がモタモタした展開で描かれ、
極上の群像劇とは間違っても言えない。
平川雄一郎監督「陰日向に咲く」

原作は劇団ひとりの「陰日向に咲く」。
原作は読んでいないが、劇団ひとりは週間文春にコラムを毎週連載
しており、時々目を通して、若者の考え方に接している。
劇団ひとりも昔はダメ人間。
原作では、自分自身、かってそうであったというやさしい視点で、
陰日向の人々が咲こうと努力する姿を描いているのだろうが、
映画としてのレベルは低い。共感できるレベルにない。残念。

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February 16, 2008

エリザベス













10年前の傑作「エリザベス」のシェカール・カプール監督が、
再びケイト・ブランシェットを主演に迎えて製作と聞いて、
かなり期待していたのだがーーー。
エリザベス女王になりきったようなケイト・ブランシェットの
堂々とした演技とその目まぐるしく変わるファッションには
圧倒されるが、陰影あるストーリー展開と面白さの点で、
前作「エリザベス」に及ばない。
シェカール・カプール監督「エリザベス ゴールデン・エイジ」

スペインの無敵艦隊との争いに関し、女王としての苦悩をもう少し
掘り下げて描き、且つ、戦闘場面をよりパワフルに描けば、
映画としての面白さも倍加したのではなかろうか?
ケイト・ブランシェットの存在感ある演技に☆一つプラス。

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February 13, 2008

黄金狂時代













画面は少し古臭さを感じさせるものの、
白黒スタンダード画面に映し出される映像は完全・完璧である。
当時、ジャン・コクトーは「この映画は絶対的な傑作である。」と
語ったと言われているが、納得できる内容である。
・ドタ靴を煮て、食べるシーン
・ダブダブのズボンがずり落ちそうになりながら、ダンスをする
 シーン
・2本のフォークにロールパンを刺し、そのロールパンを人間の足に
 見立ててする見事なダンスシーン
・小屋の中に入った2人が動くたびに、小屋がシーソーのように
 動き、ハラハラするシーン
等、名場面に酔いしれる。
チャーリー・チャップリン監督「チャップリンの黄金狂時代」

やっと、劇場で観る事ができた。待った甲斐があった。

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February 11, 2008

ハガキ道(2月度)















2月度ハガキ道は
・サムウエル・ウルマンの「青春」
・「長寿の心得」
で簡潔にまとめて、関係者に送付する。
姉から、「長寿の心得」は面白いね、とコメントがあった。

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February 10, 2008

ウオーター・ホース













何だ、このストーリー・この展開は!
アニメ映画・ドラえもんの「ピースケ」そっくり。
「一枚の写真に隠された、壮大な感動秘話」
壮大に、壮大に描こうとするが、CGを使いすぎて、ウスッペライ
架空の物語に堕ちている。
「テラビシアのかける橋」のように、CGは寸止めとすれば良かった
のに。
ジェイ・ラッセル監督「ウオーター・ホース」

軍隊も何となく、間抜け。すべて、間抜けに思えてくる。

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February 09, 2008

ラストコーション












タン・ウェイとトニー・レオン。
日本軍占領下の中国を背景に、SEXシーンを含め、体当たりの演技。
見事である。
また、戦時下の緊張感をサスペンスフルに描き、長尺を感じさせない。
傑作『ブロークバック・マウンテン』同様、力量を感じさせる出来栄え。
アン・リー監督「ラスト・コーション」

噂どおり、SEXシーンは目を見張る。
2人が絡み合ったシーン。
どのような体位か?すぐに分からなくて、−−−−。
もう一度、観なくては。
ラスト、タン・ウェイが「逃げて」とトニー・レオンに囁く。
脱兎のごとく、逃げ出すトニー・レオン。
そして、処刑されるタン・ウェイとその仲間。
こんな男に義理をたてたのか?と何かやるせない。

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February 08, 2008

テラビシア












誰もが一度は経験する、夢想する少年少女時代をあざやかに、
掬い取った映画。
観ていて、どうなるんだろうと、ワクワクし、楽しくなる。
そして、エ?と思う、突然の悲劇。
人生とはこのようなものかと、余韻が残る。
ガボア・クスポ監督「テラビシアにかける橋」


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February 03, 2008

母べえー












昭和15年からの風景・ストーリーがキチンとした画面で綴られる。
安心して観ていられる。
恐らく、明治生まれの「母」、そして、当時の日本にはどこにでも
いた強い「母」を吉永小百合が見事に演じ、また坂東三津五郎、
浅野忠信、子役の志田未来、佐藤未来等適役である。
山田洋次監督「母べえー」

昨年、予告編を観てから、あまり観たいと思わなかった映画。
「なぜ、今、この内容の映画?」という思いが強かったからである。
が、原作は野上照代氏「母べえ」。
長年、黒澤明監督のスクリプターを務めた方。
それなら、観なくては、と少し重い腰を上げた。
新藤兼人監督「陸に上がった軍艦」同様、
山田監督にとって、どうしても撮らねばならなかった映画かもしれない。

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February 02, 2008

アメリカンギャングスター2













157分!
実話に基づいた重厚で、骨太な人間ドラマ。見ごたえ十分。
重量級主演2人(デンゼル・ワシントン。ラッセル・クロー。)の
演技を中心に、余分な説明は一切なく、映像でグイグイ魅せる。
ラストが近づくにつれ、結末はどうなるのだろう、と緊迫感が増大。
ワクワクする。
リドリー・スコット監督「アメリカン・ギャングスター」

ベトナム戦争、ニクソン大統領、等 当時の映像を流すことにより、
1960年〜1097年という時代を上手に映像化している。
刑事を演じるラッセル・クローが司法試験にパスし、弁護士になり、
その最初の顧客が自分が逮捕した麻薬王デンゼル・ワシントンとは。
実話だけに面白い。

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