2014年04月21日

1970年代を考える。モーレツからビューティフルへ。

先週は「さよなら、大衆。」(著:藤岡和賀夫)と「柔らかい個人主義の誕生(著:山崎正和)を久しぶりに再読しました。両著とも1980年代に書かれ、'60年代、'70年代、そしてその時点から80年代以降の将来を語った名著です。

1970年。この年は私が生まれた年で、大阪万博があった年。日本の人口は1億人を超え、一億総中流と言われた時代。食べるものに不自由しないのは言うまでもなく、家も車もテレビも、いわゆる生活に必要なものは満たされてきた時代です。

藤岡さんの「モーレツからビューティフルへ」は、その時代の変化を的確に表しています。「ハビング(Having)からビーイング(Bing)へ」。3C耐久消費財を中心とした、人と同じモノを所有して満足する時代から、ビーイング、つまり、自分らしい豊かさを求めなくてはいけない時代への変化、「感性の時代」=「大衆」から「少衆」へと変化していく様がこの時代の特徴です。

このコピーが'70年に書かれたことを考えれば、その時点でビューティフルは予測であったにもかかわらず、的確に言い当てたフレーズでした。

70年から80年にかけて、週休1日制の職場は全体の71.4%であるのに対し、80年には23.7%になり、この間、週休2日をとる企業は3倍に増えています。また、主婦の家事時間も60年代の家庭電気製品の普及に連れ、大幅に削減されている。

つまり、人の時間は、労働、生産だけに目が向くのではなく、自分らしさ、そのための消費に費やされる時代に変化していったということです。企業は大量に同じものをつくればいい時代から、その人のそれぞれの感性に基づいたマーケティングが必要になり、同時に「自分らしさとは何か?」と自問自答が消費に反映されていった時代なのです。

「自分らしさ」を追求すれば、それまで以上に「他人の目」が必要となり、見せびらかしの消費、人間相互のゲームの中で、消費は大きく変化します。それと同時に山崎さんの言葉を借りれば「満足の引きのばし」が消費に生まれます。

それは、空腹を満たすそのための消費ではなく、仲間と談笑しながら時間をかけ、その場を楽しみながら食す。空腹を満たすという目的よりもその過程(プロセス)を満たす、つまり充実した時間の消耗が消費の目的へと変化していったということです。

それに伴い、モノやサービスを提供する企業もシフトする必要がありました。モノそのものより、コト(そのモノを通じた、経験や体験、思い出、人間関係など)に移ってきたのは何も今ではない。この時代からであることを教えてくれています。同時に「ストーリーが大事」ということも、もう30−40年も前からあった話で今に限った話ではないことがわかります。

現代は、空腹を満たす即時欲求も、コトを満たす感性欲求も、多様で多層に消費されています。ソーシャルメディアは、人間相互のゲームを加速化させ、小さな固まりが複数つながりあうことができるようになりました。その結果、企業が想像する「こんな人」の母数はより小さくなり、はたまた気が付くことさえ、できにくくなったのも事実です。

だからインサイトが大事とは常套的な言葉ですが、そのインサイト1つが持つ影響は、昔ほど大きくないと思うのです。マーケティング、コミュニケーションの難しさはここにあり、だからこそ、相手を知る、理解する所がもう一度、はじめないといけないのだと感じています。

個人的には70年生まれの44歳。目的よりもその過程を楽しめる、そんな余裕を持ちたい。それはお金というよりも自分らしさというよりも、人(相手)との関係によってのみ成り立つものだと思うのです。人と関わる場所、言葉、それらに注視しながら、私自身もこの時代を楽しめたらいいなと思う今日このごろです。

自分が生まれた時代を両著で考えながら、今からの時代を考えることができた良い週末でした。


  

2014年04月11日

未来とは?

昨日、電車に乗っていると、
とあるコピーが飛び込んできました。

「夢の先に未来がある」

一見、なんてことはない、
普通のコピーですが、
猛烈な違和感を持ちました。

未来とはそんな遠くにあるものなのかと。

僕は十数年前に

「明日の数だけ未来がある」

というコピーを書きました。
明日を未来と捉えたのです。

とある巨匠コピーライターが
当時、いいコピーだと言ってくれましたが、
これも今の時代には古い言葉に感じます。

SKE48の「未来とは?」で、作詞家の秋元康さんは

”未来とは?1秒後 明日でも 来年でもなく 今から始まる”

と言っています。

流石、凄い、と感じます。
秋元さんが言う「未来とは?」
これが、今の世相を表してると思いませんか?

"未来とは?
1秒後 砂時計 次の一粒が
落ちたとか落ちてないとか
そんな隙間が現在

未来とは?
1秒後 明日でも 来年でもなく
"たった今"から始めようぜ
僕らは待ってるだけじゃだめなんだ"




  

2014年04月08日

東京メディウム3

今日も渋谷や恵比寿に仕事でいたのですが、
あの人口密度。ハンパないですね。
帰りも満員電車でパンパンでした。

地方在住の時でも、たまに東京に来ると
あの満員電車が嫌で。

渋谷のスクランブルに立つと
あれだけ人がいるのに
誰も知ってる人がいない不思議さというか、
そういうのが嫌でした。

今も通勤しているわけではないので
毎日、そんな生活ではないですが、
今日は不思議と嫌じゃなかった。

心の持ちようというより、
4年目にして、やっと東京にいるんだという
実感がそこにあった気がしました。
なぜ、そういう気持ちになったのかはわかりません。

あんなに人が多くて、こんなに不快なのに、
その人が多いことが、またその窮屈な満員電車が
その意味合いが、なんとなく、なんとなくだけれど
それでも、ここにいる意味がわかってきたのです。
そういう所です。東京って所は。  

東京メディウム2

ここ数ヶ月、金沢へ行くことが多く。
金沢は4年、住んだ街。大好きな街です。

来年、北陸新幹線ができて。
いつも移動手段は、飛行機しかなく
恐らく誰もが言ってることだけれど、
この新幹線が出来ることで、金沢へ行く人は増える。
観光客も増えることでしょう。

でも長期的に見たらその逆。
つまり金沢から東京に出る人も増える。
観光だけならいいけれど、結果的に
東京へ移り住む人が増える。

金沢は良いところなので、
反論もあるだろうけれど、歴史を振り返れば
全て都市が吸収してしまう。

東京だけが人口が増える。
まるでブラックホールのように。

そのしくみ自体が東京。
東京という巨大なメディウム。  

2014年04月07日

東京メディウム

関東に来て既に3年が過ぎました。
あっという間の出来事です。
でも、未だに慣れないし、巨大です。

電車で20分も行けば渋谷や表参道があり、
表参道から銀座線に乗れば銀座へもスイと行けます。

地方から出てきた僕が感じるのは
東京それ自体が巨大なMediumだということです。

ブラックホールのように吸い込まれるような
都市と都市は近いんだけれど、遠いような、
そんな錯覚を覚えます。

ここは消費世界です。
都市そのものが、お金を落とさずには
居られないしくみ。

お金を吸い込む。吸い込んでも吸い込んでも
足りないくらいの商品やサービスが
立ち並んでいます。

消費はここにあるし、それを楽しめる所であり、
終わりが見えない所でもある。

それが東京メディウム。人と人。人とモノ。
モノとモノ。それをシナプスのように巡らせる。
そんな所だと、ようやく分かってきました。

おもしろい所です。東京。  

2014年01月23日

「アメリカは日本の消費税を許さない」(岩本沙弓著)を読んで




著者の岩本沙弓さんとの出会いは、数年前にとある金融機関の依頼で取材をさせていただいたのがきっかけです。それ以来、講演を聞きにいったり、FBでやりとりをさせていただいています。

岩本さんの本は、ほとんど拝読しています。スタートは「新・マネー敗戦」から。あの本で、僕は衝撃を受け、情報の見方、考え方、物事の捉え方などが再考でき、非常に視野が広がりました。

それ以降の著書においても、常に岩本さんの情報に対しての姿勢・洞察力には目を見張るものがあります。今回の著書では、その洞察力がさらに磨きかかっています。

新著のタイトルは少々過激ですが、「消費税」を軸に多方面へとても示唆に富んだ内容です。

輸出還付金の存在。
アベノミクスの矛盾。
米国の売上税と消費税(付加価値税)は全く違うものであること。
付加価値税はヨーロッパからスタートして、それが何を意味しているのか?
付加価値税を実施、アップしてきた際の、報復手段としての米国の行動。など

まさか、それが金本位制停止や日米構造協議、TPP問題、為替戦略に繋がっているなど、想像もできませんでしたが、それがこの著書を読めば納得ができます。

岩本さんはその事実と関わりを知るために、米国の公文書館へ直接、足を運び、数々の証言を調べてきています。岩本さんを僕が尊敬するのは、まさにこの行動力です。世間の情報や自分の仮説を鵜呑みにせず、1つの事実からスタートし、糸口を発見し、それを確かめ、それを繰り返す。言葉にすれば簡単ですが、実際、行動してみれば、それがどれだけ大変なことか理解できます。

私は自分の仕事、アカウントプランニングを通じて、洞察力とは、一見、異なる事柄を結びつけ、新たな発見を導く力だと思っています。まさに彼女の思考・行動はそのお手本となりうるものです。

ここで本文を一部引用します。

『物事には原因と結果がある。原因は結果にあるわけではないので、結果として発生している経済現象だけを持ちだして是々非々論をしても事態の好転は望めない。斯様な状況に、もう随分と長い間置かれてきたことに我々もそろそろ気が付くべきだろう。国民がすべきことは原因へのアプローチであり、真相の究明である。その上でなければ対処方法は導き出せない。そのためにFACT(事実)に基づいた洞察と多角的な分析や議論が必要となろう』

原因へのアプローチ、これこそが、最も今の日本に求められていることではないかと感じました。誰もが結果に目が行きがち、それを批判しますが、それでは遅いし、何も変化しない。原因に目を向け、その理由を考え、洞察し、議論し、行動することで、はじめて変化やイノベーションは成立するんじゃないでしょうか?

最後に
岩本さんの経済評論家として、また家庭に戻れば、一人の母として。新著の「はじめに」と「おわりに」に託されたその気持ちを胸に、何度も再読したい本です。

ありがとうございました。
  

2014年01月06日

マイナス40度で耐えうるバッテリー




カナダの会社。カナディアンタイヤ。
この企業、初めて知りました。

これ、なんだかど真ん中、直球勝負ですが
いい映像(CM)ですね。

氷でトラックのボディつくって、
ロゴまで。

伝わりますよね。

でも、暖房は効かせると溶けるかな(笑)




  

10年

ここでブログを書き始めて
10年が経ちました。

その間、いろんなことが起こり、
いろんなことを考え、つらつらと
書いてきました。

この10年、
何かが変わったように思えますが、
そんなに変わっていないようにも感じます。

何気ない毎日が風のように過ぎていき、
これからもそういう日が続くことでしょう。

生きていく上で大事なのは平常心。

力を入れず、これからも、気がついたことを
ここに書き残していきたいと思います。

これからもよろしくお願いします。  

2013年12月09日

Dirt is Goodに隠された親子の関係

Dirt is Goodキャンペーンで意外と語られてないのは、
あの企画背景に「親子関係を取り戻す」意味合いが
あったことです。

これはジョン・スティール の著書Perfect Pitch(洋書)にも
少し触れられているのですが、この頃、親は子供との
遊び方を忘れているように見えたそうです。

親は子供がテレビやゲームから離れている間も、
雑用をし、電話で話し、ブラックベリーをチェックしてる。
全くと言っていいほど、子供と一緒の時間を過ごしていない。

ここで優れたインサイトがあるのは、
「子供はもっと親と一緒に時間を過ごしたい」と
思っていたということです。

このキャンペーンを通じて、
親に電話を置いて手やひざをついて、
子どもと一緒に遊ぶ。

そして、子どもたちにも親と会話をする
そのきっかけをDirt is Goodで生み出す。

このインサイトから親子のインタラクションを
つくっていった流れは、とても
アカウントプランニング的であり
素晴らしいと思うのです。
  

2013年12月02日

そのインサイトで対象者の行動を変化させられるのか?

繰り返しになりますが、ビジネスの世界においてのインサイトは、
単なる閃きではなく、そのインサイトにおいて対象者の
行動を変化させられるかどうかが鍵を握っています。

ここに1つ、インサイトを考える上で
参考になるキャンペーンがあります。

Unileverのグローバルキャンペーン
「Dirt is Good」です。

6年前の拙ブログにも書いています。
Dirt is Good

これはUniliverがイギリスで展開している
Persilやその他の国で展開しているOMOの
グローバルキャンペーンです。(2005年ロンチでしたか?)

ユニリーバ社を知らない人はいないと思いますが、
PersilやOMOは日本では展開されていないブランドで
知らない人も多いと思います。

ゆえに、この「Dirt is good」も一部の人を除いては
あまり知られていないように感じます。

Dirt is Good

「どんな親でも子供にベストな状態で成長して欲しいと思っている」

このHuman Truthともいえる、
これが、ヒューマンインサイトであり、
このキャンペーンのコアになるものです。

「えっ、それがインサイト?当たり前だよね?」

という人もいるかもしれません。
でも、これがまさしくインサイトです。

この親の思いは、全世界共通。
グローバル展開できるインサイトですよね。

そもそもユニリーバ社は世界に通じるブランドな
わけですから、このヒューマンインサイトは
自社のブランドとも文脈が合います。

でも、このインサイトだけでは、
自分たちの商品やサービスと
結びつけることはできません。

そこで彼らは「汚すこと(泥んこになって遊ぶこと)
その行為が子供の成長を促す」というコンテクストを
つくりあげていきます。

自社のプロダクトの特徴として、
どんな汚れも白くする(綺麗にする)というものがあります。

Persilは1907年にできた商品ブランドです。
100年もの間、彼らにはそれを追究してきた誇りがあります。

またDirt is Goodの前、彼らがTVCMにチャレンジした
1950年代から"What a Mom?"キャンペーンで
子供にとっての理想の母親像を描き、
その母親の味方=Persilというブランドを確立してきています。

ヒューマンインサイトとブランド側にある特徴やインサイトが
うまく絡まって、キャンペーンは強いものとなっているのです。

昨今、「生活者中心に考える」と言う方が多いですが、
もちろん、当たり前のことですが、それだけでは
偏ったものなんですよね。

インサイトも同じことが言えます。

コンシュマーやユーザーインサイトだけ捉えてもダメで、
そこに関わる、世間や社会に対して、また人間そのものに対して、
またその企業やその業界に対してなど、様々な角度でインサイトを
捉えることができてこそ、対象者の行動を変化させることが
できるのだと思います。

実は、同じ「母」を捉えても、1950年代の母と2000年代の母は
違うものであり、その家族、子供の環境も違う。そういった
社会や家庭環境の変化に対してのインサイトも
このキャンペーンでは非常に考えられています。

Dirt is Goodは、その点も素晴らしいものです。

でも、そんな短絡的でないのもこのキャンペーンの凄さです。
それについては次回、また書きたいと思います。






  

2013年11月27日

インサイト発見の仕方は「刑事コロンボ」に訊け

今の若い人に「刑事コロンボ」と言っても
「それ、誰?」という話になるでしょうか?

田村正和が演じた「古畑任三郎」も
刑事コロンボそのものでしたね。

古畑任三郎もひょっとしたら
古い話で、知らない人もいるかもしれません。

話を元に戻して。
ピーター・フォーク演じる刑事コロンボ。
僕は幼い頃、NHKで流れていた
このドラマに夢中でした。

様々な人に話を訊き犯人のアリバイを崩してく。
その質問は、一見、事件とは関係のないような内容だったり
するんですが、実は後で違う人から訊いた内容と
結びつけると事件の大きな手がかりになったり・・・

僕はアカウントプランナーという仕事について
インサイトを掘り下げていく過程で、
「あっ、刑事コロンボみたいだ」と思ったことは
何度もあります。

アカウントプランナーは、もちろん、コロンボのように
事件の解決で追い込んだりはしないんですが、
あらゆる人へのデプスインタビューなど、
対話を重ね、様々な話を訊く。

一見、関係なさそうな物事を結びつけて、
課題の発見、問題の解決につなげていく。

その過程で「インサイト」が発見され、
そのインサイトからコアアイデアが生まれ
課題解決の糸口としていく。

よく考えてみると、幼い頃にみていた
コロンボと同じプロセスを踏んでるんですね。

「うちのカミさんがね・・」っていう
コロンボの名台詞は、彼のインサイト発見のための
究極の言葉だったとも思うわけです。

犯人の「なに、関係ない話してんだよ」という苛立ちや
ポロッと顔がやさしくなって、本音が出たり・・

何しろ、刑事コロンボから学ぶことは多いのです。  

2013年11月26日

インサイトの導きに必要な「観察力」

インサイトの導きに必要なものがいくつかありますが、
そのスタート地点として、最も必要なものが何かと
問われたならば、それは「観察力」と言えます。

「観察力とはなにか?」と問われたならば、
「当たり前を当たり前として逃さないこと」です。

ニュートンが、りんごが木から落ちる所を見て、
万有引力の発見をしたことはあまりにも有名ですが、
ここでいう観察力とは、「りんごが木から落ちる所」を
逃さなかった所です。

りんごが木から落ちるのはニュートン以外、誰もが見て
いた光景でしょう。まさか、ニュートンしかその光景を
見てなかったということは考えにくい。

その光景を「なぜ?りんごは木から落ちるんだろう」と考えた
所にニュートンの凄さがあります。いや、ニュートン以外にも
「なぜ?」と考えた人は多かったかもしれません。

でも、その「なぜ?」をニュートンは放っておかなかった。
なぜ?を何度も何度も繰り返し、最後には万有引力という
偉大な発見を導いた。

インサイトとは最終的には閃きに近いものかもしれませんが、
観察からスタートし、「なぜ?」を深め、その試行錯誤の
プロセスを踏まずに生まれるものではないと思います。

そのためには、まず「当たり前のこと」に疑問を持つ。
そうやって世の中を眺める、観察することがどれだけ
大切なことなのか、そのことを伝えておきたいのです。

  

2013年11月25日

「インサイト」という言葉の難しさ

アカウントプランニングやアカウントプランナーにとって
「インサイト」は切っても切れないものです。

久々に購入した「ブレーン」の12月号には
「表現の武器『インサイト』を手に入れよう」
という特集が組まれ、先日、一緒にセミナーをした
磯部さんや、数回お会いして直接、話をしたことがある
東急エージェンシーの望月さんなど
錚々たるメンバーがそれぞれの経験を考えや元に
わかりやすく言葉にしてくれています。

彼らの言葉に全く異論はなく、
改めて学ぶことも多いです。

ただ、紙面というのは、ページ数も文字数も限られており、
ましてや「表現の武器」という括りでインサイトを
語れば、非常に狭義のものになります。

現状、インサイトは何も「広告」の表現だけに
求められるものではなく、マーケティング全体に必要なものです。

インサイトは、消費者や生活者側にある、コンシュマーインサイトだけではなく、
世間や家族から生み出されるインサイトや、企業側にあるブランドインサイト、
その業界特有のインサイト、カテゴリーインサイト・・・・など
それぞれの違った背景や、経験や感情、考え方など
観察や人々との直接対話から生まれた気づきや発見から
導かれるものです。

単なるデータから生まれる分析はインサイトではなく、
企業の行動やそれを受ける消費者の行動を変えることができて
初めて真のインサイトと言うことができるでしょう。

インサイトは単なる閃きやアイデアではないですし、
インサイトは単なる情報でもないのです。

その導きは、平坦な道のりではなく、
世間や家族を、そして消費者を
その業界や企業がもつ特徴と照らし合わせ、
時には生の声を、時には複数のデータを
行ったり来たりし、拡散と収束を何度も繰り返し、
「なぜ?」「なぜ?」と掘り下げることで、
やっと生まれてくるものです。

決してブレーンの特集を否定するものではなく、
今回の特集は、広告の特に表現にフォーカスを当てた
内容であり、いま、考えないといけないのは、
もっと広義な意味で「インサイト」が重要であることを
書きたかったのです。

一気に書いているので、言葉が曖昧ですが、
しばらく、インサイトについて、改めて
書いていきたいと思います。

次回がいつになるか、それが申し訳なくありますが、
よろしくお願いします。









  

2013年10月16日

サイバーエージェント西日本(大阪)さんでセミナー

アカウントプラナーの磯部光毅さん
サイバーエージェント西日本(大阪)さんでセミナーをします。

ネット広告で新規顧客を最大化するためには
マスプランナーから見た、ネット広告活用の意外な盲点とは


磯部さんは、誰もが知る飲料ブランドのプランニングをしたり、
最近では、木村健太郎さんと共著
「ブレイクスルーひらめきはロジックから生まれる」を出されたり、
まあ、アカウントプランナー(彼はアカウントプラナー)を名乗っている人で
彼の名を知らない人はいないでしょう。

僕もいくつかの仕事をご一緒させてもらい、
彼の長けたインサイト発見力、プランニング力には大いに刺激を受けています。

そんな磯部さんと、10年来お世話になっている
サイバーエージェント社、西日本(大阪)さんでセミナーが出来るのは
大変、嬉しい気持ちです。

僕はずっとネット側にいて、ネットオリエンテッドでTVCMなども手がけて
いますが、昔から、もっとマス側にネットの理解者がいたらいいなと
感じていました。

磯部さんは、数あるプランナーの中で、その理解者の1人で、
マスプランニング中心にいながらも、ネット広告の良さを導きだせる
数少ない人です。

認知・理解はマスで、刈り取りはネット。

その言葉やその概念に嫌気をさせてましたし、
ネット側にいるメンバーは、全くマスの知識、その観点から見る
マーケティング全体の視点に乏しく、なんだか単なるポジショントークで
マス側の予算をネットにみたいな、ちっぽけな話が多い。

そんな中、磯部さんと話す会話は、マスとかネットとか
そんな小さな領域ではなく、ユーザーのこと消費者のこと、
いつもそこにはインサイトの話が前提にありました。

彼と私が共通するのは、アカウントプランニング思考であり、
その根源には、生活者、消費者、そしてクライアント理解、
その上で成り立つ、コミュニケーションプランニングです。

磯部さんと私は出自は違っても、大前提でつながっている仲であり、
その彼の視点でネット広告を語ってもらうというのは、
本当に興味深いセミナーだと思います。

内容については「知ってるよ」「前からやってる」そう言われる方も
いらっしゃるかもしれませんが、もう一度、整理する意味でも、
また頭で理解していも「実践」できていない⇒実践できるようにと
考えたならば、有意義なセミナーとなるはずです。

関西を始め、ご興味のある企業様がございましたら、
是非、お申込みください。

定員を超える場合は、抽選となるようなので
ご了承ください。

このような機会をいただいた、
サイバーエージェント社、小池支社長
やりとりをしてくださっている、中斎さん 安藤さん
ありがとうございます。当日、よろしくお願いします。



  

2013年09月23日

インバウンドマーケティングを読んで




高広伯彦さんの著書「インバウンドマーケティング」。
Amazonで予約を入れていたけど、一部書店で先行発売と聞いて
恵比寿の有隣堂で購入。ここ数日で一気に読みました。

インバウンドマーケティングについての本は既に他著にて
何冊か出版されています。ただ、著書は題目こそ同じであれど、
全くそれらの本とは一線を画するものだと感じました。

また「インバウンド」の響きから「何を今さら」と言う人もいるでしょうし、
「一時の流行もの」と捉える人もいるでしょう。でも、まずはそのバイアスを
取り去って、この本を読むといいと思います。読んだ後、自分たちが考えている
「インバウンドマーケティング」とは違ったものが見えてくるはずです。

なぜ、それが見えてくるのか?それは、著者自身が長く広告の世界、
インタラクションの世界、コミュニケーションの世界に携わり、
その上にこの著書が出来上がっているからです。

また著者自身、インバウンドマーケティングの普及のために立ち上げた
マーケティングエンジン社(※2)での活動、実績を踏まえて書かれた本だからです。

これは単なる手法の本(※1)ではありません。インバウンドマーケティングは、
マーケティングを行うときのマインドセット、すなわち「態度・姿勢・考え方」
だということを教えてくれます。

それは情報の非対称性が成立した時代(=広告が効く)の消費者から、
学習する消費者・購買者が増えた現在のマーケティングの考え方であり、
人々の行動や環境の変化に合せて、マーケティングのやり方を
変えていかないといけないのだということを強く教えてくれているのです。

著書の言葉を借りるならば、インバウンドマーケティングは、
インターネットが普及した時代における消費者・購買者の情報行動を
真摯にとらえることによって、広告を中心とした企業マーケティングが
長らく持っていた課題を解決しようとする試みです。

人々をコントロールしようとするのではなく、人々のコントロールする
情報取得タイミングに合わせよう。企業側のスケジュールではなく、
人々のスケジュールに合わせたマーケティングをしよう。
それがインバウンドマーケティングの背景なのです。

思えば、私自身、アカウントプランナーとして1997年から
消費者・企業側とのデプスインタビューを中心に双方のインサイトを探り、
コミュニケーション施策を提案、実施してきました。

それは、企業側中心の「広告」「マーケティング」の中に、
消費者、生活する人々を取り入れてしいくことで、双方が握手する状態、
つまり愛されるマーケティングを実現したかったのです。

また、インタラクションの世界でも、インターネット広告やコンテンツ制作、
メールマーケティング、SEO,SEMなどそれぞれの施策についても同様、
20世紀より全てのことを実践し、ここまでやってきました。

そのオンラインマーケティングの歴史の集大成が
この「インバウンドマーケティング」に含まれています。

さらには、それは著者が遥か数年前に、「牛乳に相談だ」で実践した
CTV( Context / Target /Value)、昨年の著書
「次世代コミュニケーションプランニング」の思考・実践という地層の上に、
この「インバウンドマーケティング」があるのだとも感じました。

この本は、ある意味、デュシャンの「泉」のように
後世になって評価が高まるものかもしれません。

現在のマーケティング課題を捉えた、非常に考えさせられる本でした。
また現状の私自身の仕事のあり方にも刺激を与えてくれました。
本当に良い本をありがとうございました。

文章 NAKED CLUE 堂森知博

※1 単なる実践書ではないのですが、
第4章「実践インバウンドマーケティング」は、著書の半分(100P)を割いています。こちらも読み応えありなことを加筆させてもらいます。

※2 マーケティングエンジン社はHubSpot社の年次アワードにて、
創業1年にも係わらず、「Agency of the year(international)
=米国外約400社のトップ」を含む5部門を受賞するという快挙を遂げています。

参照:高広伯彦氏に聞く「インバウンドマーケティングとは何か」
拡張するその概念と、いま問われるマーケターの思考(Markezin)




  

2013年06月22日

宮藤官九郎に教えられた「いってらっしゃい」の意味

あまちゃん人気は言うまでもなく、
twitterやFB見てても、ああ、みんな、見てるなぁと実感。

あまり朝連ドラにはまらない父までもが
おもしろいと言ってるとか。

家族のことや絶妙な(人との)距離感。

繰り広げられる何気ない会話の中には、
家族のこと、遠く離れた故郷のこと
視聴者一人ひとりが、様々な思いを
馳せることができる、そんな空気が
あのドラマにはあるように感じます。

今朝も琴線に触れたのは
「いってらっしゃい」という言葉。

ああ、いってらっしゃいという言葉には
気をつけてねとか、頑張ってこいよとか
辛くなったらいつでも帰ってきていいよとか、
そんな思いが詰まっているんだなと
改めて知らされました。

子供の頃から、幾度となく言われてきた
「いってらっしゃい」

その言葉の思いを今頃になって身に染みて
宮藤官九郎にありがとうと言いたいです。


  

2013年06月14日

マルチクリエイターのじんさんがいいこと言ってた

昨日、めざましTVを観ていたら、マルチクリエイターのじんさんが
いいこと言ってました。

『ボーカロイド+生音。唄う側の感情を抜いた方がストーリーは伝わる

そうなんです。

僕も仕事柄、相手に伝える、どうやったら伝わるということを
常に考えているのですが、最近、じんさんが言うように
伝える側の感情を抜いた方が、ストーリーが伝わるって
感じていました。

もちろん、じんさんのように明確に言葉にできていたわけでなく、
取材とか日常の対話から薄っすらと感じていたのですが・・・

いやいや、そんなの昔からだろうと突っ込みが入りそうですが、
特に今は、情報が多いですよね。
情報というか、記号というか、信号というか。

そうなってくると、伝える側の過剰な演出とか装飾とか
かえって重たくて、ストーリーに行く前に拒否されているような
気がするのです。

ボーカロイドの場合、確かに唄う側の感情が抜けるから、
聴き手の想像力の余地が残されていて、素直にその言葉に
自分が重ねられて、その結果、ストーリーが残るのだとも思います。

そうは言っても、伝わるのは唄にあの映像があるからでもあるし、
歌詞の見せ方もそうだし、演奏は生音にこだわったりと、
そのコントラストやバランスが絶妙だからまた伝わるのですが。

良いヒントをいただきました。ありがとうございます。

  

2013年05月07日

「消費」を考えたゴールデンウィーク

ゴールデンウィーク。
誰が名付けたのか知りませんが、
なんとも響きがいいですね。

僕はあまり外出もせず、とはいえ気分転換で、
渋谷でボーっと一人で立っていたりもしたのですが(笑)、
心なしか去年より、みんな明るい顔をしているようにも
感じました。

大きな買い物袋を下げている皆さんをみて、
「物欲が無いとか、買い物しないとか嘘だよなあ」
と感じながら、改めて「消費」という言葉の意味を
考えてました。

Consume / Use /Spend

消費の形は様々です。

単なる記号消費論では説明できない
「消費」がそこにはあります。

そんなことを考えている中、一冊の本を思い出しました。
大学生時代に読んだ本です。

「消費再思考」。しばらく続けたいと思います。