2019年04月15日

一本の桜

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故郷を離れてもう31年になる。

それまでは、毎年、春になれば、
この実家の庭の桜を見ていた。

「一本の桜」

自然の中にポツンと。

この桜が好きだった。

長い冬を抜けて
春を感じさせてくれる。

凛としていて
どこか誇らしげ。

不安と切なさが
混じったような
故郷の春を象徴していた。

都会の桜は綺麗だ。
これでもかと
横断した何十本、何百本の桜。

そしてその桜を
多くの人が
見て賑わう。

そこに不安や切なさなど
これっぽっちもないような
そんな風景がずっと
馴染めなかった。

桜、一本の存在など
どうでもいいような。
そんな光景に違和感がある。

そして、都会の桜は、
群れなければ
その美しさを
つくれないような
そんな脆さを感じていた。

久しぶりに見た
一本の桜。

ここに自分の原風景があり、
そして勇気づけられるのだ。

群れるな。
潔く前へ。

そう語りかけられている気がして
少しだけ心が落ち着いた。





Posted by t_doumori at 11:25│Comments(0)