2009年11月25日
国家戦略なき政権は国益を損する。
今朝の文部科学部会で「国家戦略としての科学技術の重要性について」独立行政法人理化学研究所の野依良治理事長と北海道大学の鈴木一人准教授の話を聞きました。野依良治先生の講演「科学技術は我が国の生命線」の要点は以下の通りです。
「日本の国民一人当たりの国内総生産は2000年にはOECD諸国で第3位だったが2007年には19位に急落している。我が国が科学技術創造立国として生き残るためには世界水準を凌ぐ技術が不可欠である。特に基礎技術の分野は国のマネージメントなしには発展しえないし、小手先の技術では国は存続できない。オバマ大統領は『百年に一度の経済危機に対応して科学技術により経済を改革する』と発言している。また主要国の科学技術予算の推移を観ると中国が日本の約4倍、韓国が約3倍の予算を投じている一方で我が国は平成22年度の科学技術予算が大幅削減される見込みである。科学技術は国力の源泉であり、政府投資の拡充が不可欠。そもそも未来への投資である科学技術は事業仕分けにはなじまない、『コスト』と『投資』を同一に仕分けることは大きな間違いである。次世代スーパーコンピューターは科学技術の頭脳であり常に(一位を目指して)勝ち続けなければならない。外国から買えばいいとの発想は不見識極まりない。(予算を削減するという人には)歴史の法廷に立つ覚悟があるのか?と問いたい。。。」
ノーベル化学賞受賞者である野依先生の話は実に説得力があります。科学技術はいったん投資をやめれば取り返しがつきません。特に最先端技術分野では、1.2年の遅れが致命的となります。海外主要国が科学技術関連予算を増額するなか、熾烈な国際競争や国際市場への参入は一度降りたら復帰は不可能です。科学技術の分野に限らず世界一を目指さないものに次の順位もあり得ないことは言うまでもありません。予算の削減のパフォーマンスに終始し、国家戦略を持たない政権は国益を損すると考えます。
