20世紀最後の甲子園ボウルはご存知のとおりの結果に終わった。信じられない甲子園ボウルだった。試合内容だけでなく、その前後を含めて。
 当日朝、サークルの後輩から連絡が入る。「マネージャーがチケット忘れはったらしいんですわ」「何じゃそりゃ?」というのが最初の感想。
 甲子園ボウルを関東側で見る際のベストポジションはかなり狭い。トマホークスの若手OBが陣取るその後ろ、内野特別席中央をおさえるために毎年トマホークスの主務にチケットを取ってもらう。そのチケットを主務が宿舎に忘れてきた、ということが判明した。
 試合開始は刻々と迫る。主務・副務とも試合前のドタバタでこちらにかまっているひまはない。納得はいかないが内野自由席券を購入、初めての一塁側スタンドからの観戦となった。

 関東でフィールドを縦に見る機会はなかなかない。スタジアムが江戸川陸上や駒沢第2のようにそもそも席がなかったり、あったとしても大井第二や等々力球場のように角度がなく(そもそも等々力で角度のあるところはスポッターのヤグラしかないが)何ヤード進んだかわからないところばかりのためである。スカウティングのビデオ撮影は苦労するだろうな、と常々感じていたが、甲子園のアルプスは内野特別よりも見やすさだけなら上である。周りの関西ファンに気を使いながら、結構楽しめた。

 ただし、何か違和感が残る。慣れない角度からの観戦だから、というわけではない。関学RB三井がファンブル、QB岡村のパスは力なく宙を舞う。そして山路のFGはゴールポストからそれていく。過去の甲子園ボウルでトマホークスがやってきたさまざまなミスを関学が犯し、リズムを失っていく。敵失を素直に喜べない(周りの目が怖い)席だけに信じられない思いが募る。
 前半終了後、後輩から電話が入る。「どう見ますか?」6年も勝てない試合を見せ続けられた身としては前半勝っているくらいでは喜べない。「フィールドの記者さんは『98年の法政−関学みたいな試合』っていってるんですが」後輩が続ける。「っていうか96年の法政−京大みたい」QB田中→TE橋詰のパス、堀口のランで後半じわじわ押し切られた試合を上げておく。2TDとはいえ薄衣の59ヤードランTDなど、関学DFを押し切った得点ではない。『このままだと後半はヤバイ』正直な感想であった。案の定、後半最初のドライブで大谷のロングリターンからあっさり同点に追いつかれる。更に次の法政のドライブは井川がインターセプトを食らう。3Q終了間際には大谷のブラストで14-21とリードを許す。『今年もか…』という思いがわいてきた。

 しかしその後の2シリーズ、法政は2TDを挙げ再逆転、そのまま逃げ切るのだが勝ち越しTDは関学福田がWR山岸の手から掻き出したボールをWR大野がリカバーというもの。1シーズンに一度あるかないかのプレーがこの場で出るというのは信じられなかった。嬉しいことは嬉しいものの『それでいいの?』という思いも残る。そして最後の法政のドライブ、1分以上残して第3ダウンとなる。確実にダウン更新が求められる状況だが、関学がオフサイド。最後まで『関学らしからぬ』プレーだった。関学ファンにとっても信じられない試合だったに違いない。

 フレックスボーンを始めとするマルチプル体型、井川のパスなど法政の取り組みが効を奏した勝利といいたいが、天候や関学のミスもあり素直に喜べる勝利ではない。関東応援席でないからこそ見えたのかもしれないが、ここで感じた違和感を晴らすような試合を関東のチームには望みたい。

'01シーズンの法政はあっさり関学にリベンジを許してしまい、このときの違和感が現実のものであることを思い知らされました

http://www.geocities.co.jp/Athlete-Acropolis/8457/lti/7.html