■1と0の間なNotebook■

ゲーム制作者・中澤工の勝手気ままな雑記帳。更新頻度はランダムな系。

並行作業中。

・女性向けゲーム(乙女ゲー)移植のディレクション。
・『星降る夜のファルネーゼ』のプロデュース。
・未発表オリジナル作品の脚本執筆。
・新企画(企画・原案まで、以降の制作は委任)。

このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr Clip to Evernote

ごく最近、記憶違いによる会話のすれ違いを体験した。
個人的には鮮明なエピソードとして覚えているのに、どうも実際はそうじゃなかったらしい。

まあ、そんなのよくあることだし、たぶん僕の覚え間違いなんだと思う。
別の似た記憶と混同しているのかもしれない。夢を見たのかもしれない。
マンデラ・エフェクトって言葉もあるし、知らないうちに別の並行世界にシフトしたのかもしれないし、タイムトラベラーが過去を書き換えたのかもしれない。誰かに記憶を書き換えられたのかもしれない。

原因はいい。多分、僕が並行世界に迷い込んだだけだから。
 

そんなことよりも、これがきっかけになって、あることを思い出してしまった。

僕が小学生の時のことだ。多分8〜10歳くらいだと思う。今から、30年くらい前。
その時に観た映像が、今も僕の心にトラウマとなって残っている。
 

<ここから先は、僕の記憶に頼った『主観的な情報』を含む>

夜、親がTVで『金曜ロードショー』的な番組を観ていた。僕はなんとなく一緒に観ていた。
放映されていたのは、あの『そして誰もいなくなった』の(多分)映画版だった。
画面はカラーだったかもしれないし、白黒だったかもしれないし、その辺は記憶が曖昧。

 ※『そして誰もいなくなった』とは、ご存知の通り、説明不要なほど有名なミステリー小説。
 最近になって日本でも映像化されたけど、海外では過去に何度も映画やTVドラマになっている。

舞台はどこかの大きな建物(館みたいな)。
複数の登場人物が、何かの事情でそこに留め置かれていて、共同生活を送っている。
やがて、そこで連続殺人事件が起きる。
当時の僕には、ややこしい人間模様とか全然理解できないから、話の筋もわからずぼーっと観ていたんだけど、なんとなくヤバイ事態に巻き込まれ、緊迫した状況だってことは伝わってきた。
まもなく、一人また一人と登場人物が何者かに殺されていく。
次々と訪れる不可解な死。
むちゃくちゃ怖かった。幼い僕には、ミステリーの演出手法が理解できていないから、『得体の知れない何かが、人を呪い殺してまわっている』ようにも見えてしまった。
「いいから、早くそんな怖い場所から逃げろよ!」
幼い僕はそう心の中で叫んだが、登場人物たちにはそれができない。
当時はわからなかったけど、クローズドサークルだったんだと思う。

そして、ついに、そのシーンが訪れる。

登場人物たちが、テーブルを囲って食事をしている。
何を食べていたのか覚えていないけど、魚の料理があったのは間違いない。
突然! 一人の男が喉を抑え、うめき声をあげる。
両手で喉をかきむしりながら苦しみ悶え、後ろに倒れる。
なおも喉を抑えて、のたうちまわる男。 
慌てた他の人物たちは男を助けようとするが、どうにもならない。どうやら、喉に魚の骨が深く刺さって傷つけたかして、呼吸ができなくなっているらしい。
やがて、一人の人物が食事用のナイフを手に取り、男の喉を切り裂いた! 外科手術的に、魚の骨を取り出そうとしたのだ(医者だったのかも)。
だが、それも無駄なあがき。男は、まもなく息をひきとる。

カメラは天井付近からの見下ろしに切り替わる。
そこには、カメラ?スピーカー?みたいな機械が設置してあり、まるで登場人物たちをあざ笑うかのように「ブーンブーン」という不気味なモーター音を響かせている……。

——こ、怖いっ!!!!

この後のシーンは覚えていない。もう怖すぎて、観るのをやめてしまったかもしれない。

それ以来、僕は魚を食べるとき、いつもこのシーンを思い出してしまう。トラウマだ。

ひょっとしたら、今度は僕の喉に骨が刺さるのかも。
息苦しくなって、他の誰かが僕の喉をナイフで切り裂こうとするかも。
天井にはカメラかスピーカーみたいな機械がブーンブーンしちゃうかも。
そんな怖い予感が、頭をよぎるのだ。

何十年も経った今でも、時々思い出して背筋が寒くなる。
少なくとも、僕の心には骨が刺さっていて、精神的に僕を何度も殺そうとしている。

<僕の記憶による主観情報ここまで>


それから大人になって、僕は信じられない事実を知らされることになる。

某大学のミステリー研究会に所属していた知人がいて、彼にこの話をしたことがある。
彼は興味を持ったようで、『そして誰もいなくなった』の何年製作の映画なのか(※)、調べてくれたらしい。

 ※映画版だけでも、45年版、65年版、74年版、87年版、89年版、2014年版と6種類ある。


やがて後日、彼から連絡があって、その内容に僕は心底驚く。

  、、、、、、、、、、、、、、
——どの年代版にも存在しませんよ。

【魚の骨が喉に刺さって、喉をナイフで切り裂かれるシーン】なんて。


『そして誰もいなくなった』の映画作品を全て調べてみたそうだ。ミス研の仲間にも聞いて回ったとのこと。

だが、そんなシーンは誰も知らないとのこと。

僕は耳を疑ったが、そもそも幼少の頃の記憶だ。
別の映像作品を、あとになって読んだ似たシチュエーションの『そして誰もいなくなった』と混同してしまったのだろう。

記憶違いなんて、よくあること。
たぶん覚え間違いなんだと思う。
マンデラ・エフェクトって言葉もあるし、知らないうちに別の並行世界にシフトしたのかもしれないし、タイムトラベラーが……(略)……原因はいい。多分、僕が並行世界に迷い込んだだけだから。


でも、僕は気になって仕方なくなった。

僕のトラウマになっているあの映像は、本当は、なんて作品だったのか?

誰か、このうろ覚えの情報から、作品名がわからないだろうか?

もう一度観たいのだ。
観て、「なーんだ、今見れば、言うほど怖くないなー」って、このトラウマと折り合いをつけたいのだ。
喉に刺さった骨を抜きたいのだ。

お願いします。誰か教えてください。


……いや、もしかしたら、
 
、、、、、、、、、、、、、、、、
そんな作品なんて、存在しないのか?


本当に、僕が並行世界に迷い込んでいるのだとしたら……。


このエントリーをはてなブックマークに追加 Share on Tumblr Clip to Evernote

↑このページのトップヘ