箱は鳴かしたほうが良いと言う人がいますが、私はそうは思いません。
箱鳴きはウーファーの駆動に共鳴、共振して副次的に発生するもので音楽信号を忠実に再生するものではありません。
箱鳴きは音楽信号でない副次音を加える以外のなにものでもないと考えます。
ではまったく鳴かない箱を作ったらいいと言う人がいるかもしれませんが、地球上にそんな箱は存在しません。
耳に聴こえるか聴こえないかを別として必ず箱鳴きは存在します。
それが個々のSPシステムの個性を作り上げるのです。
そうであるならば、わずかに残る箱鳴きが人ににやさしい音色を持つ素材を選ぶのが良いと考えるのです。
具体的に言えば、楽器に使用されている素材がいいと考えます。
楽器は人が長い時間をかけ、素材を選び、加工を加え、磨き上げ、人にやさしい音を作り上げてきたのです。
これを利用しない手はありません。
ダクトの材質、つくりによってシステム全体の表現がまったく違った物になることをご存知でしょうか?
ウーファーの振動にダクトが共振し、ダクト自身が固有の音色を発するからです。
ダクトの共振が甚大であればあるほど低音はぼけ、音楽全体が輪郭の曖昧な音になってしまいます。
キャビネットの素材と極端に異なる素材をダクトに使用した場合も、音楽に違和感を感じます。
これは、共振モードの違う物質を使用することで、ダクトの振動がキャビネットの振動に干渉し、人がそれを耳にしたとき違和感と捉えるためだと考えています。
ダクトの開口径や長さに気を配るのと同じくらい、いやそれ以上に材質や、固定に気を配ることをお勧めします。
ちなみに、タテマツ音工では、キャビネットと同じ素材でダクトを製作し、バッフル板とダクトが一体の存在となるよう製作しています。
