2013年08月26日

同居のその後

先日、北沖洲の家2の奥さんが近況の一文を添えて一枚の写真を送ってくれた。

北沖洲の家2

ご主人の 突然の不幸で帰って来られた娘さんと二人のお孫さんとの同居生活が昨春から始まった。
急遽、居間を狭めて孫の部屋をつくり、二人だけの終の住処での暮らしは大きく様変わりした。
嬉しいことがあれば悲しいことがやって来て、また嬉しいがやって来る。
人生って何かその繰り返しのように思う。 

奥さんは僕のこの家の好きなアングルをよく知っているようで、孫さんと新しく家族になった仔犬越しに、庭の緑を届けてくれた。
ほのぼのとした兄弟愛と重なって、心底から癒されました。

(s.tomita)
 


taa2003 at 06:28|PermalinkComments(8)建築 | 北沖洲の家

2013年08月24日

アート工房クアトラ

この建物は今は亡きアークホーム本田耕三社長が最後に頼んでくれた仕事です。それは大学時代の友人だった弟さんのアート工房の設計協力でした。
 
先代が建てた工作所を利用できないかとのことで尾道に出向き確認したところ、鉄骨の骨組はしっかりしていたのでそれだけを残し大改造することになりました。
 
弟さんは高垣秀光さんという方で著名な版画家です。僕の仕事は施工会社決定までだったので、現場の方はポイント毎のアドバイス程度で進んで行きました。
 
7月に完成し施工会社の平川建設からスナップ写真が届いたのでアップします。
 
ちなみにクアトラとはピカソが通い詰めたカフェだそうです。

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(s.tomita)


taa2003 at 06:44|PermalinkComments(0)建築 | 美術・芸術

2013年08月23日

HPにup!「回遊する家」と「路地を愉しむ家」

●お知らせ

ホームページのHOUSE欄に

「回遊する家」と
回遊する家

「路地を愉しむ家」 をアップしました。
路地を愉しむ家
 
趣きが極端に異なる二つの家のプロセスを楽しませてもらいました。

(s.tomita) 
 

金本さんが観た「路地を愉しむ家」

建てようネットの金本さんが「路地を愉しむ家」の引渡しのことを紹介してくれました。

紹介のトピックスは ➡ こちら

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(s.tomita)


taa2003 at 12:04|PermalinkComments(0)

2013年08月20日

今日の佳き日が…

今日は嬉しいことが重なった。

一つは「花と小父さんの家」の上棟式。
花と小父さんの家

もう一つは「路地を愉しむ家」の引渡しだ。
路地を愉しむ家

それぞれが違ったコンセプトに沿って新しい暮らしを求め造られて行く。

体調を崩してしまい、その場に立つことが叶わないのが何とも口惜しいが、今まで思ってもみなかったスタッフのたくましさをやけに感じている。

この佳き日がクライアントにとって、思い出の一頁になりますように!


(S.Tomita)


taa2003 at 04:33|PermalinkComments(2)建築 | 現場

2013年08月04日

挑戦し続けた陶芸家 鈴木治

今朝、TV番組「美の京都遺産」で陶芸作家 鈴木治さんのことが語られていた。
ろくろ職人だった鈴木宇源治を父に持つ環境の下で陶芸に早熟だった彼は、既存の陶芸に飽き足らず新しい世界への表現を試みて行く。それは満足することのない果てしなき美の探求だった。
挑戦し続けることの大切さ。人生はロマンとエネルギーだと教えてくれた喫茶大菩薩峠のオーナー島利喜太さんが頭に浮かんで来る。朝から勇気付けられる番組を観た。

◆「泥象 鈴木治の世界」回顧展


(S.Tomita)
 

2013年08月02日

JIA四国支部のこと

入会して何よりも良かったと思ったのが四国の偉大な先輩たちとお話できることだった。
その頃は松村正恒先生や山本忠司先生もご健在で直に建築話を聴かせていただいた。
その大切なお二人がいなくなり淋しくなったが、高知に素晴らしい先輩が沢山いることに気付いた。
最初は底に穴の空いたおかめひょっとこのオチョコで手荒い歓迎を受けた。中でも亀尾さんの歓迎振りの凄かったことは今も鮮明に思い出される。体調を崩されてからは余り会えなくなってしまったが、会う度に優しい声をかけてくれた。
高知の人は皆気易く設計レベルが高いので出かけるのが楽しみだった。とにかく団結力があり層も厚い。山本長水さんを筆頭に、上田さん、細木さん、前田さん(以下略)へと切れ目のない布陣が揃っている。忠司先生亡き後、今は亡き香川の田島さんが支部長を引継ぎ、その後高知の長水さん、愛媛の賀村さん、高知の上田さん、徳島の野々瀬んと続き、今また高知の細木さんが皆を引っ張ってくれている。
こんな凄い高知のなかで一番会いたい人はと言えばやっぱり長水さんだ。地元では凄い先輩と尊敬されつつもうるさい親父的存在で結構粗末な扱い方をされているように見えるのは僕だけだろうか(笑)
長水さんの建築のすばらしさは勿論だけど、ものの見方考え方に強く惹かれる。自然の摂理に逆らうことなく新しいものを創り出そうとする執念にこころ動かされるのだ。長水さんの建築はおとなしく見えるがいつも何か新しいものに挑戦している。
長水さんにまだまだ色々教わって、少しでも近づきたいと思っている。

追伸/長水編みたいな支部紹介になってしまったけど、入会して26年が経ちました。愛媛の青木さんや香川の豊田さん、そして高知の西森さんと今では逢えなくなった仲間とのいい思い出が 浮かんできます。また、機会があれば書いてみたいと思います。

(S.Tomita)


taa2003 at 05:52|PermalinkComments(0)建築 | 

2013年07月31日

未練残しての断捨離が・・・

昨日、新しい事務所に引っ越したウッチーから、
「ここが富田文庫です」って写真を送ってくれた。

 7/30ウッチーからの写真

本棚の一角にトミヤンコーナーを作ってくれていた。もう見ることはないと言い聞かせ断腸の思いで実施した断捨離。一般の人にはまず喜ばれることのない建築のオタク本ばかり。「よくぞもらってくれました」って思っていたのに、ここまでしてくれて本当にありがたいことです。
これからは捨てる辛さから解放されそうです。

(S.Tomita)



taa2003 at 06:00|PermalinkComments(2)建築 | 

2013年07月26日

今朝見た夢

今朝もまた奇妙な夢を見た。ペコちゃんのおうちでご馳走になっているのだ。建物は二棟に分かれていて四世代が暮らしている。右の一棟にペコちゃん夫婦と子供がいて、二つの棟は二階からの渡り廊下でつながっているという構成です。
昨日、ペコちゃんが四十路になったのを知ったせいかどうかはわからないけど、両足義足の曽祖父がいたりするがお年寄りを大切にする明るい家族だった。お子さんは男の子で小三ぐらい、一緒に連れて行ったうちの長女も小三で意気投合していた。帰り際に改修相談まで頼まれてしまった。ペコちゃんって結婚してたっけ??? 兎に角、支離滅裂で奇想天外な夢だった。
生前の本田さんがこよなく愛したペコちゃん。彼の魂が少し乗り移ってきたのかも知れません。

(S.Tomita)



taa2003 at 07:01|PermalinkComments(2) | 家族

2013年07月25日

夢で逢える

数日前に書いた大ちゃんの親友の死は耐え難いほど辛い出来事だったに違いない。付き合いが深ければ悲しみは倍や三倍にもなって跳ね返って来る。歳を重ねる毎に強くなり乗り越えていかねばならないことだが、なかなかそうはいかない。
2006年7月の龍野文男さん、2011年8月の本田耕三さん、昨年末の関和夫さん、そして今年5月の中井正剛さんと徳島にいる身近な仲間が突然逝ってしまったが、幾ら歳を重ねても何ら強くなれてはいない。

昨夜はその本田さんと関さんの二人が夢の中に現れた。
片山君がfacebookに本田さんの写っている写真を投稿してくれたお陰かも知れない。でも残念ながら、こちらからしゃべりかけるだけで 返事のないまま目が覚めてしまった。

亡くなっても夢で逢える。
やっぱり人間っていいなと思いたい。

(S.Tomita) 


taa2003 at 06:00|PermalinkComments(1)建築 | 

2013年07月23日

JIA徳島地域会のこと

秋の別荘は松田君に頼もう。
彼の建築はいつも理詰めで、ある規則をつくりまとめ上げていく。それを読み解き、何をしたかったのかを探り当てる楽しみがある。読書の秋、紅葉の中で知的に過ごせそうだ。

冬の別荘は内野君しかいないだろう。
 何でもこなせる彼だが、依頼の決め手はやっぱりあの人好きな性格。きっと大勢の仲間を呼んで来てくれるに違いない。いつも誰かがそばにいて寒い冬を暖かく乗り越えられそうだ。場所はどこでもいい任せます(笑)

念のために言っておきますが実力があるから選んだ訳では有りません(笑) 
選んだ規準はひらめきと情だけです(笑)
ただ自分より一回り以上離れていることだけは条件に入れました。頼みたい時にいないと困るので(笑)

この四人以外にも魅力的な人は大勢いますので気楽に遊びに来て下さい。

これで「徳島地域会のこと」はおしまいです。

こうして地域会のことを書いていると、やはり四国支部のことも書きたくなってきます。ノリのいい日にまた書きます。


(S.Tomita)



taa2003 at 13:38|PermalinkComments(2)建築 | 

JIA徳島地域会のこと

ちょっと贅沢だけど、別荘は春夏秋冬の季節に合わせて行けるよう四つつくりたい。ただ中身の贅沢はいらない。庵のような小さな小屋がいい。

春の別荘は鳥羽君に頼もう。
入会当時30代だった彼の第一印象はレンゲ畑が似合う人だった。入会後はいろんな建築のできる器用な一面を知ったが、僕にとっての彼はやっぱり清く可憐なレンゲソウなんです。春に紫色の花びらが一面に拡がるところに建ててもらおうと思う。

夏の別荘は文句なしで夏男の伊月君に頼もう。
今回頼む4人の中では一番付き合いが長い。彼の魅力は大胆さと思い切りの良さである。大らかな建築の中に彼の良さがにじみ出る。それを期待したい。きっと潮騒の聞こえるところにつくるんだろうな。
(つづく)


(S.Tomita)


taa2003 at 07:00|PermalinkComments(0)建築 | 

2013年07月22日

JIA徳島地域会のこと

伊月君も早2年目に入ったが「地位が人をつくり、環境が人を育てる」は彼のためにある言葉と思うほど、頼もしい存在になってきた。
それを肌で感じたのが、地域会発足以来、初めて開いた今年5月の総会。それと引き続き行った県住宅課長を始めとする他会の会長たちや協力会員が参加してくれた交流会の場だった。
あの日は余り体調が優れなかったが、ただただ嬉しくて、いつもよりは随分とはしゃいだ。

これから先は余談になるが、僕が年老いて設計できなくなりお金があったら(生まれ変わってもあり得ない話だけど)、地域会の中の4人に一つずつ別荘を頼みたい。これは何度か口にしてきたので知ってる人も多いと思うけど、知らない人のために書いておこうと思う。
(つづく)


(S.Tomita)


taa2003 at 07:30|PermalinkComments(0)建築 | 

2013年07月21日

JIA徳島地域会のこと

手前味噌になって申し訳ないが、今日は日本建築家協会(JIA)徳島地域会のことを無性に書きたくなった。
最近、四国支部の集まりで挨拶が回って来たら「内野輝明君を入会させた富田です」といっていることが多い(笑)
 彼が入り減少一途だった会員が逆に増え出し、今では当時の2倍にまで増加した。
実際の業務をしながら建築を学ぶにはJIAが最も向いていることを誰よりも分かりやすく伝えてくれる。建築レベルが上がるとより良い建築になって社会やクライアントに貢献できることになる。
また人好きな彼の性格は他会の人からも受け入れられ、同じ徳島にいながら、まだ一度もなし得なかった建築士会、設計事務所協会、学会との協同活動をいとも簡単にやってのけた。

いま徳島地域会の会長が内野君から伊月君に替わり、イツキスタイルが加わっていい展開を見せている。(つづく)


(S.Tomita)


taa2003 at 17:44|PermalinkComments(0)建築 | 

2013年07月20日

村上涼という若者

大空と暮らす家の大ちゃんからメールが届いた。僕はいままで村上涼という映像ディレクターの存在を知らなかった。才能ある若者が夢なかばに逝ってしまうのは赤の他人でさえ辛いものだが、大ちゃんは中学からの親友だったという。以下は彼のメールです。

 久しぶりです。時間があれば見て欲しいサイトが、あります。先月末に亡くなった親友の追悼サイトです。彼の名前は、村上涼といいます。僕と彼とは、中学校からの付き合いでした。ニューヨークを拠点にして、撮影監督の仕事をしていましたが、アフリカからnyに帰ってきた後、マラリアで亡くなりました。奥さんから連絡をもらった直後に、ニューヨークに飛んで、最後の別れをしました。
人一倍強い情熱を持ち、現実を鋭く捉える力のある人間でした。色んな人に、彼の事を知ってもらいたくて、連絡しました。


親族が作った追悼サイトです。今後、映像や写真などの作品が載せられる予定です。


taa2003 at 14:36|PermalinkComments(0)メディア・雑誌 | 

2013年07月17日

藍染展回想

藍染作家・梶本登基子さんの暖簾「ほたる」です。

藍染め暖簾:ほたる(梶本登基子作)

昨秋、竣工した「畑と共に暮らす家」に掛けていただいた。

初めてこのほたると出会ったのは2000年に奥村家屋敷で開催された作品展の時のこと。
天井から吊るされた布が幾重にも繋がっていて、障子越しの薄暗い光に照らされて、
まるで小さな命を得たかのように舞っていた。

最近、登基子さんとお会いすることがめっきり少なくなってしまったが、
熱く語り合った工房建築当時のことを藍染工房『一草』のHPに掲載してくれてました。
早いうちに会いたいな〜。
 
  🔵藍染工房『一草』のHP

(S.Tomita)

taa2003 at 12:58|PermalinkComments(0)建築 | 美術・芸術

2013年07月16日

生まれ育った町で

生まれ育った旧相生町で設計コンペがあり、

一等案に選ばれ建築出来ることになった。

敷地は小学生のとき通った旧雄小学校跡地。

完成後、

少ない予算なのにいいものを造ってくれたと

多くの方が声を掛けてくれたくれたのが、

何よりも嬉しかった。




.......夢から目覚めた.。

時計の針はまだ夜中の3時を指していた。


(S.Tomita)

taa2003 at 04:20|PermalinkComments(3)建築 | 家族

2013年06月12日

小屋への回帰

現在の住まいはシックハウス対策としての24時間換気システムの導入、
省エネのための高気密高断熱工法、地質調査の義務付けや過剰なまでの耐震対策など、
防弾服を纏ったように随分と重装備になってしまった。
そんな法の拘束から逃れて、その人の身の丈に合った家を造りたい衝動に駆られる。

質素でも小さくても豊かな住まいはできないものか?

無類の小屋好きの中村好文さんが愛する七つの小屋たちがいま、
TOTOギャラリー間で展示されている。

  鴨長明の方丈
  デヴィット・ソローの小屋(森の生活)
  猪谷六合雄の小屋
  立原道造のヒアシンスハウス
  高村光太郎の花巻の小屋
  コルビュジエの休憩小屋
  堀江謙一のマーメイド号(洋上に浮かぶ小屋)



塚本由晴さんが中村好文さんの講演会レポートで書かれているように、
いまこそ「家から小屋へ」の回帰が求められているんだと思う。


(S.Tomita)


2013年06月08日

瀝青会の「日本の民家」再訪

本年より新設された日本建築学会著作賞中谷礼仁さんらの瀝青会が纏められた
今和次郎「日本の民家」再訪が選ばれている。

今和次郎「日本の民家」再訪2

今和次郎が採集した90年前の民家を探し訪ねる調査は現存確認に留まらず、
住まいの変容を見定め、現代では忘れ去られた住まいのありようまでをも模索している。

今が描いた集落や民家のスケッチを手に、わが徳島の祖谷にも足を踏み入れている。

今和次郎「見聞野帳」3
▲徳島県三好郡旧三縄村川崎集落のスケッチ(今和次郎「見聞野帳」より)

そして旧一宇村の老人ホームでの古老・沢木稲子さんとの運命的な出会いが
今が採集しスケッチした民家へと導いている。

今和次郎「見聞野帳」1
▲徳島・祖谷の民家(今和次郎「見聞野帳」より)

この書は便利になり過ぎた住まいへの警鐘のようでもあり、
また置き去りにしてきた二十世紀の大切なものを見つめ直させてもくれる。
変わるもの、変わらないもの、変わってはいけないもの、改めて考えさせられる。


(S.Tomita)


2013年05月26日

教え子の設計した住宅

今日は専門学校時代の教え子の島津君が事務所を持って初めて設計した住宅を
見ることができた。

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間口が6mにも満たない南北に細長い土地に添わせて配した矩形の二階建て住宅。
そのほぼ中央に取った三つの天窓が暗くなりがちな1階のリビングに十分な光を届けていた。

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道路側のファサードは片流れ屋根の見えるフラットな壁面に、
ただ庇だけを取り付けて玄関ポーチとした至ってシンプルなもの。
設計者として変な色気を出さず、コストダウンにつながる片流れ屋根と
総二階建ての形状を守り通した素直さがとても心地よく感じた。

専門学校の学生たちに出していた当時の設計課題「母の家」で
彼から出てきた母思いのユニークなプランはいまも鮮明に覚えている。
これからの成長を楽しみにしたい。


(S.Tomita)

2013年05月20日

住宅ってなんだろう

新浜本町にある埴淵さんの事務所に引っ越して来て、今秋でちょうど十年になる。
事務所はいまも別々でやっているが、同じ屋根の下、家賃を始めコピーやFAX、
インターネットなど、共有できるものが多く、経営的には随分と助けられてきた。

引っ越して来た時、一番多かったのが建築関係の本だった。
建物に入らないものは、近くに倉庫を借りてもらい保管していたが、
それも今月末で解約することになった。

本には格別愛着がある。表紙を見ただけでも当時のことが思い出され、
捨てる決断がなかなか付かない。

とは言うものの、設計中はクライアントに断捨離を勧めている手前、
捨てる勇気が必要と、スタッフに好きなようにしてと任せていたが、
偶然目に飛び込んできた一冊が、

芸術新潮2000年9月号 住宅ってなんだろう

9芸術新潮

久し振りに目を通しても、即座に中村好文さんの世界に引き込まれてゆく。
設計者にとって住宅は永遠のテーマである。
中村さんの一字一句を噛み締めながら、取り組んで行こうと改めて思う。
やっぱりこの本は残しておかなくちゃ(苦笑


(S.Tomita)

2013年05月13日

中村好文氏の講演会

佐藤博さんがFaceBookで教えてくれた中村好文氏の講演会
途中一人で何度も頷きながらまた懐かしく聴かせてもらった。

中村好文展、小屋においでよ!

中村さんは昭和23年生まれ。戦後モノの豊かさを求めてガムシャラに
働いてきた親に育てられた団塊の世代、私も同い年である。

十代の頃に、三種の神器(白黒テレビ、洗濯機、冷蔵庫)の生活が始まり、
その後、新三種の神器(カラーテレビ、クーラー、自動車)へと変わり、
文明の利器によって、より便利で快適な暮らしを勝ち取った。
そこでの暮らしは快適そのものだったが、家族との繋がりは随分と希薄になり、
モノではなく心の大切さに気付かされたのが二十代後半の頃だったのだろうか。

彼のいう小屋は私にとっては幼い頃に家族で暮らしたワンルームに近い教員住宅である。
おふくろが使うミシンや編機の音を聞きながら寝ていた小さな畳の間を思い出す。

中村さんとは十数年前に一度だけ、杯を交わしたことがあるが、
作品や書かれている文章とまったく同じ中身の方でユーモア溢れるやさしい人だった。

その時に教えていただいた替え唄は格別で、笑い崩れるほど面白かった。

それは「♪ 新しい施主が来た、希望の施主 ♪」で始まるラジオ体操の替え唄だったが、
ユーモアの中に住宅作家の生活苦がにじみ出てて共感したものだ(苦笑)

講演の最後に話されている三つの言葉に彼の住宅観が集約されているので、
ここに書き記しておきます。

  1.気持を和やかにする住宅
  2.気持を豊かにする住宅
  3.人の暮らしに役立つ住宅

くうねるところにすむところ。必要最小限に絞った小屋から住まいの原型が見えてくる。


(S.Tomita)

2013年05月05日

酒蔵に囲われた中庭

造り酒屋を廃業した後も多くの創作作家に愛された割石家の酒蔵群、
なくなる前にその中庭に立つことができた。

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三方を蔵で囲まれている中庭が心地良いのは当然だろうが、
その効果をより高める工夫がここにはある。

二間余りもある深い下屋を南北に対峙させ、

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陰翳のある豊かな軒下空間を創り出している。

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また庭の中ほどに立つと重厚な本瓦葺きの屋根が三方から迫り、
甍のラインが額縁となって天空を切り取っている。

錣(しころ)葺きを想わせる二段の屋根は下屋部分も急勾配にしているため、
間近からでも美しい瓦の面が大きく視界に飛び込んで来る。
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1999年6月に開催された藍染二人展(玉木万立子さんと梶本登基子さん)
藍の色1999』の時に初めて味わったあの感動を再びいただいてきた。

ありがとう割石家のご家族の方々、さようなら酒蔵たち!


(S.Tomita)

2013年05月02日

ポーチの天井高

住宅のポーチの天井や軒高は手が届くぐらいの方がちょうどよい。

高ければ高いほど威厳が出て来て豪壮な雰囲気になるが、
逆に人を招くにはふさわしくない威圧のようなものが生まれてくる。

崇拝心を高めさせる宗教建築や威厳を誇る国会議事堂や裁判所などは
高くなければならないだろうが、住宅にはそんなものは必要ない。

かつての街道沿いの町並みの軒の低かったこと。
あのヒューマンスケールが気易さを生み出し、心地よかったのだ。

『路地を愉しむ家』もそれにあやかっている。
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(S.Tomita)

2013年04月29日

阿波町の酒蔵群

割石家の酒蔵群が老朽化のため連休明けに取り壊すとの知らせが届いた。

もう15年ほど前のことになるのだろうか、阿波町に入ってすぐに見えてきた幾重にも
重なり合った甍の美しさに惹かれて厚かましくも飛び込んだのが出会いの始まりだった。

010314-10中庭

酒造りはすでに廃業されていたが、蔵は創作作家のためにギャラリーとして開放されていた。
太い梁が交差する薄暗い蔵の内部は得も言われぬ緊張感が走り、
杜氏の息遣いが聞こえてきそうだった。
また蔵と蔵とに挟まれた中庭がとても心地よかったのをいまも鮮明に覚えている。

傍らに建つ割石家住宅と共に、この建物から建築の見方や空間のあり方など、
大切なことをたくさん教わった。お別れに行って来ようと思う。

(S.Tomita)

2013年04月28日

問診に似ている

建築相談や住宅設計の時に行なうクライアントとの会話のやりとりが、
病院での問診に似ているなと思うことがある。

医師は患者から症状や病歴などを訊きながら、
病名を的確に割り出し最善の治療を施す訳だが、
これを我々設計者に当て嵌めると、
症状や病歴のところが住まいに対する思いや要望や好み、
そして生まれ育った環境ということになるのだろう。

その会話の中から予算と立地条件などを頭に入れて最善の提案を導き出す。
だから出来上がるものは当然だけど一軒一軒みんな違う。
その人にフィットする家ができるかどうかは問診に掛かっているのだ。

クライアントとの対話を大切にしたいと改めて思う。


(S.Tomita)



taa2003 at 10:41|PermalinkComments(2)建築 

2013年03月15日

花と小父さん

いま進行中のプロジェクトのご夫妻に逢うたびに脳裏をよぎる歌がある。

♪  小さい花に口づけをしたら ♪ 小さい声で僕に言ったよ

で始まる伊東きよ子の『花と小父さん』の歌である。

この詩のように草花とお話ができるのではと思わせるほどナイーブな二人だ。

住まいは植物に威圧感を与えるような大きなボリュームを避け、
大小四つのブロックに分けて草木の間に散りばめることにした。

ブロック同志がつくり出す中庭や路地が草花との語らいの場になってくれるといいな。


これが45年前の歌 『花と小父さん』です。よろしかったらどうぞ(笑) ↓



(S.Tomita)

2013年03月08日

あえて断つことで

昨日は「路地を愉しむ家」の建前だった。
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眺望のきくロケーションの中で選んだ答えは中庭と路地を愉しむプラン。
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恵まれた条件をあえて断つことで違った何かが生まれてくる。
こころに語りかけてくれる空間づくりに挑戦です。

(S.Tomita)

2013年02月16日

棟上げに向けて

青空の下、明日の棟上げに向けて『回遊する家』の宵建てが始まった。
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木造は骨組だけの時が最も美しく、何度見ても見飽きることはない。
今回の屋根のカタチは最もシンプルな切妻を選んだ。
棟の上がる明日の夕刻が楽しみです。


(S.Tomita)



taa2003 at 16:57|PermalinkComments(0)現場 | 回遊する家

2013年02月04日

あわわの取材

住まわれて半年の「キッチンを囲う家」で、あわわの取材に立ち会った。

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設計者はどんな住まわれ方をしているのかが一番気になるところである。

建物の真ん中に置いたステンレス製のこの大きなキッチンで、
一日のほとんどを過ごしていると聞くとやっぱり嬉しさがこみ上げてくる。

掲載号は少し先の4月25日発売とのことだが、
その時には家族が一人増えて4人になっている。
新しい生命と共に、建物もいい年輪を刻んで行って欲しいです。

(S.Tomita)