箱火鉢駐車場の植栽

2005年12月08日

資格と倫理

今日は二級建築士試験合格発表の日だが、
建築界が引き起こした未曾有の事件の真っ只中では、
話題にすることさえおこがましい雰囲気である。

耐震データ偽造事件は想像以上に根が深い。
いつの時代でもそうだが、金の集まるところには
必ずといっていいほど不正があるものだが、
今回は人の命と引き換えに金儲けをしようと
企んだのだから質が悪すぎる。
怒りを通り越して悲しくなってしまう。

建築士の資格を取って事務所を開くことは若い設計者の夢である。
私もそうだった。だから夜遅くまで頑張れたし仕事が楽しかった。
でも開設してもすぐには仕事は来ない。
兄弟や親類の家をやらせてもらうか、
業者の下請の仕事をさせてもらうぐらいしかない。
向こうの意に添わなかったら
継続して仕事をさせてもらえないから言いなりになる。
そんなことを繰り返しているうちに、
悪いという基準が段々と甘くなり、倫理観が狂ってくる。

姉歯元建築士を弁護する気持ちは毛頭ないが、
弱い立場の設計者が陥る最悪のシナリオである。

建築は大きな金が動くところだから、
事務所を持つと悪の誘惑はあると思っていたほうがいい。
その時に気づき止める力となるのは、
単純なことだが「優しさや思いやりの心」だと思う。
母親の悲しむ姿を思い浮かべたなら、
決して道理を踏みはずすことはできないはずだ。
いい設計ができるより、人間として真っ当に生きることの方が
はるかに大切なのだから。

(S.Tomita)

taa2003 at 23:52│Comments(0) 教育 | 建築

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