夏真っ盛り!夏・全・開!すっかり真夏になりました。太陽の陽差しが鋭いこの季節になると、やっぱり涼しげな音楽が聴きたくなりますね。というわけで、久々にシティ・ポップを紹介したいと思います。
実は、6年前の2012年に「真夏のシティ・ポップ名盤 定番10枚」という記事を書いているんですが、いまだに人気記事としてこのブログのアクセス記録を作っているんです。
【参考】
真夏のシティ・ポップ名盤 定番10枚 ...旅とリズム...旅の日記 by 栗本斉...
このときは本当に定番中の定番をセレクトしましたので、今回はほんの少しだけひねりを加えてみました。といっても、シティ・ポップ好きな方にとっては、これまた定番中の定番なので、「定番10枚 PART2」と題しています。
いずれにしても、ここに挙げた10枚は今聴いても新鮮な内容ですし、シティ・ポップのブームに関係なく評価できる作品ばかり。そして、それ以上に、真夏のひとときを素敵に演出してくれるサウンドです。ぜひ、今年の夏のドライブや行楽のお供にいかがでしょうか。

鈴木茂『LAGOON』(1976)
鈴木茂といえば、はっぴいえんどの傑作群だったり、ソロ第1作目の『BAND WAGON』における和製ローウェル・ジョージ的なスライド・ギターのイメージが強いかもしれないですが、その後のソロ作品にも聴きどころは満載です。とくにお気に入りなのが、2作目のソロとなる本作。全編ハワイで録音されているので、リゾートっぽい空気感がたっぷり詰め込まれています。「LADY PINK PANTHER」や「TOKYO・ハーバー・ライン」といったメロウかつレイジーなヴォーカル・ナンバーはもちろんですが、ファンキーな「BRANDY WINE」でさえも、どこかブリージンで心地よさ抜群。

西岡恭蔵『南米旅行』(1977)
なんといってもタイトルがたまりません。実際にメキシコ、バハマ、ニューオーリンズへ旅した時に作られた楽曲が集められています(あれ?南米ではなく中米ですね)。白眉はなんといってもメロウ・ソウルの傑作「GYPSY SONG」。関西ブルース・シーンの名グループ、ソー・バッド・レビューの面々やスティールパンの名手ロバート・グリニッジなどがバッキングしていることもあって、少しアーシーなところも味わい深い。ボサノヴァ風の「KURO'S SAMBA」やカリビアンな「DOMINICA HOLIDAY」などを聴けば、身も心も弛緩します。

大橋純子&美乃家セントラル・ステイション『沙浪夢 SHALOM』(1978)
全体的にファンキーな楽曲が多い大橋純子ですが、このアルバムその中でももっともテンションの高い楽曲が揃ったといえる一枚。パワフルな歌声はもちろんですが、バックを支える美乃家セントラル・ステイションのプログレッシヴな演奏能力の高さを思い知らされる作品でもあります。ラテンとファンクを合体させた「季節風便り」や「SPANISH WIND」などのカッコ良さに悶絶させられつつも、ソフトな「SUMMER DREAMIN'」やニュー・ソウルっぽい「JUST FALLIN' IN LOVE」にもグッときます。

伊勢正三『スモークドガラス越しの景色』(1981)
かぐや姫時代はどうしてもフォーク的なイメージでしたが、ソロになってからの作品はフォークとシティ・ポップが絶妙に融合した独自の世界観を生み出していました。この3作目は、その中でももっともアーバンでメロウな一枚。波の音に溶け込むようなコーラスワークが美しい「Sea Side Story」、スローながらもスタイリッシュに決めた「スモークドガラス越しの景色」、西海岸風のアコースティック・チューン「グラフィティの部屋」など、全体的に漂うけだるさも癖になります。

杏里『Heaven Beach』(1982)
「CAT'S EYE」や「悲しみがとまらない」といった大ヒットを飛ばしまくる前年に発表された隠れた名作。このアルバムで初めて角松敏生をソングライターとして器用。ディスコ風の「二番目のaffair」からメロウな「Last Summer Whisper」へと畳み掛けるような展開で一気に引き込まれます。また、小林武史によるメロウ・ボッサ「Resolusion」、杏里自身によるバラード「Heaven Beach」も聴きどころ。彼女の夏のイメージはここから始まったともいえます。

東北新幹線『THRU TRAFFIC』(1982)
作編曲家としてよく知られている山川恵津子と、山下達郎バンドにも一時期在籍していたギタリストの鳴海寛によるユニットが、唯一残したアルバムです。いわゆるAOR風のサウンドを取り入れた良質なポップスがてんこ盛りの傑作。山川節炸裂の「Up and Down」のような溌剌としたナンバーもいいのですが、個人的には鳴海寛のセンシティヴな歌声が聴ける「心のままに」や「ストレンジ・ワイン」などがツボにハマりました。コーラス曲やインストも充実していて、夏の海辺でぼんやりとしながら聴きたい一枚です。

村田和人『ひとかけらの夏』(1983)
お気に入りのシティ・ポップを挙げていくとどうしてもメロウなものに偏ってしまうのですが、そうではなく暑い季節にテンションを上げていくのならこの作品に限ります。とくに山下達郎がプロデュースし、マクセルのCMソングとしてヒットした「一本の音楽」は、窓をあけっぱなしにして夏の風を受けながら聴くには最高のドライヴィング・ソング。他にも、「Summer Dream」や「やさしさにGood-bye」、「ニコニコ・ワイン」のようなメロウネスに包まれたキャッチーなナンバーに酔えます。

杉真理『MADE IN HEAVEN』(1991)
『ナイアガラ・トライアングルVol.2』参加以降の80年代のアルバムが評価されることが多いですが、ポップ職人として今も変わらず質の高い傑作を作り続けています。なかでも、もっとも夏らしい作品が本作。アコースティック・ギターがざくざくと刻むリズムときらびやかなアレンジに彩られた「未来世紀の恋人へ」から、早くも楽園の音楽が聞こえてきます。続く「青い楽園」はウォール・オブ・サウンドとエキゾチック・サウンドが混じり合うスウィートなポップス。南佳孝にも通じるの穏やかな雰囲気は、リゾートのひとときにぴったりです。

今井美樹『A PLACE IN THE SUN』(1994)
この人の夏のアルバムといえば、『Be With』や『AQUA』も捨てがたいのですが、1枚選ぶとなるとこのアルバムでしょうか。一般的には布袋寅泰が手がけたバラードの名曲「Miss You」が収められていることで認知されていますが、アルバムのキーマンは坂本龍一。クールなボサノヴァ・ナンバーの「Martiniqueの風」はどことなく大貫妙子にも通じるものがあります。また、上田知華が作曲し、坂本龍一がアレンジしたバラード「海辺にて」もしっとりといい雰囲気。そしてなぜか映画音楽風のインスト「Watermark」で締めるという構成も圧巻です。

畠山美由紀『Wild and Gentle』(2003)
Port of Notesの名盤群も聴き逃がせませんが、ソロとしてシティ・ポップ度が高いのはこの2枚めのオリジナル・アルバム。4組のプロデューサー兼アレンジャーが参加していて佳曲揃いですが、どうしても冨田恵一が手がけた3曲に耳がいってしまいます。特に極上メロウ・グルーヴの「罌粟」は、いつまでも終わってほしくないと思うほど素晴らしい。切なくも爽快なグルーヴィン・ポップを展開する「海が欲しいのに」や、ミドル・オブ・ザ・ロードのバラード「真夏の湿原」も見事で、真夏はもちろん夏の終わりまでリピートし続けたい一枚です。

ナツ・サマー『Natsu Summer & Dub Sensation』(2018)
今回もおまけで、最新シティ・ポップの傑作を追加しておきましょう。シティポップ・レゲエというジャンルを打ち出しているナツ・サマーのセカンド・アルバムです。プロデュースは一十三十一でおなじみクニモンド瀧口(流線形)ということもあり、80sへのオマージュと思えるラヴァーズ・ロックが満載。スティールパンの音色を効果的に使ったバンド・サウンドが特徴で、「ロング・ホット・サマー」や「ジャパニーズ・レゲエ・ウーマン」のような清涼感のある声に似合った名曲が目白押しです。今年の夏はこれ一枚でOKといってもいいくらい聴き続けてしまうかも。

最後にちょいと告知です。金澤寿和さんたちと一緒に作った書籍『Light Mellow 和モノSpecial 〜more 160 items〜』が増刷されています。
この本はもともと『Light Mellow和モノ669―Including city pops,J-AOR,Japanese mellow groove and more…』というタイトルで2004年に出版され、その後増補改訂版として現行のものが2013年に出ました。今回の増刷にあたって、16ページの書き下ろし小冊子も付いており、ここには2014〜2018年の作品を付け加えています。すでにお持ちの方もそうでない方も、ぜひお買い求めよろしくお願いします。
実は、6年前の2012年に「真夏のシティ・ポップ名盤 定番10枚」という記事を書いているんですが、いまだに人気記事としてこのブログのアクセス記録を作っているんです。
【参考】
真夏のシティ・ポップ名盤 定番10枚 ...旅とリズム...旅の日記 by 栗本斉...
このときは本当に定番中の定番をセレクトしましたので、今回はほんの少しだけひねりを加えてみました。といっても、シティ・ポップ好きな方にとっては、これまた定番中の定番なので、「定番10枚 PART2」と題しています。
いずれにしても、ここに挙げた10枚は今聴いても新鮮な内容ですし、シティ・ポップのブームに関係なく評価できる作品ばかり。そして、それ以上に、真夏のひとときを素敵に演出してくれるサウンドです。ぜひ、今年の夏のドライブや行楽のお供にいかがでしょうか。

鈴木茂『LAGOON』(1976)
鈴木茂といえば、はっぴいえんどの傑作群だったり、ソロ第1作目の『BAND WAGON』における和製ローウェル・ジョージ的なスライド・ギターのイメージが強いかもしれないですが、その後のソロ作品にも聴きどころは満載です。とくにお気に入りなのが、2作目のソロとなる本作。全編ハワイで録音されているので、リゾートっぽい空気感がたっぷり詰め込まれています。「LADY PINK PANTHER」や「TOKYO・ハーバー・ライン」といったメロウかつレイジーなヴォーカル・ナンバーはもちろんですが、ファンキーな「BRANDY WINE」でさえも、どこかブリージンで心地よさ抜群。

西岡恭蔵『南米旅行』(1977)
なんといってもタイトルがたまりません。実際にメキシコ、バハマ、ニューオーリンズへ旅した時に作られた楽曲が集められています(あれ?南米ではなく中米ですね)。白眉はなんといってもメロウ・ソウルの傑作「GYPSY SONG」。関西ブルース・シーンの名グループ、ソー・バッド・レビューの面々やスティールパンの名手ロバート・グリニッジなどがバッキングしていることもあって、少しアーシーなところも味わい深い。ボサノヴァ風の「KURO'S SAMBA」やカリビアンな「DOMINICA HOLIDAY」などを聴けば、身も心も弛緩します。

大橋純子&美乃家セントラル・ステイション『沙浪夢 SHALOM』(1978)
全体的にファンキーな楽曲が多い大橋純子ですが、このアルバムその中でももっともテンションの高い楽曲が揃ったといえる一枚。パワフルな歌声はもちろんですが、バックを支える美乃家セントラル・ステイションのプログレッシヴな演奏能力の高さを思い知らされる作品でもあります。ラテンとファンクを合体させた「季節風便り」や「SPANISH WIND」などのカッコ良さに悶絶させられつつも、ソフトな「SUMMER DREAMIN'」やニュー・ソウルっぽい「JUST FALLIN' IN LOVE」にもグッときます。

伊勢正三『スモークドガラス越しの景色』(1981)
かぐや姫時代はどうしてもフォーク的なイメージでしたが、ソロになってからの作品はフォークとシティ・ポップが絶妙に融合した独自の世界観を生み出していました。この3作目は、その中でももっともアーバンでメロウな一枚。波の音に溶け込むようなコーラスワークが美しい「Sea Side Story」、スローながらもスタイリッシュに決めた「スモークドガラス越しの景色」、西海岸風のアコースティック・チューン「グラフィティの部屋」など、全体的に漂うけだるさも癖になります。

杏里『Heaven Beach』(1982)
「CAT'S EYE」や「悲しみがとまらない」といった大ヒットを飛ばしまくる前年に発表された隠れた名作。このアルバムで初めて角松敏生をソングライターとして器用。ディスコ風の「二番目のaffair」からメロウな「Last Summer Whisper」へと畳み掛けるような展開で一気に引き込まれます。また、小林武史によるメロウ・ボッサ「Resolusion」、杏里自身によるバラード「Heaven Beach」も聴きどころ。彼女の夏のイメージはここから始まったともいえます。

東北新幹線『THRU TRAFFIC』(1982)
作編曲家としてよく知られている山川恵津子と、山下達郎バンドにも一時期在籍していたギタリストの鳴海寛によるユニットが、唯一残したアルバムです。いわゆるAOR風のサウンドを取り入れた良質なポップスがてんこ盛りの傑作。山川節炸裂の「Up and Down」のような溌剌としたナンバーもいいのですが、個人的には鳴海寛のセンシティヴな歌声が聴ける「心のままに」や「ストレンジ・ワイン」などがツボにハマりました。コーラス曲やインストも充実していて、夏の海辺でぼんやりとしながら聴きたい一枚です。

村田和人『ひとかけらの夏』(1983)
お気に入りのシティ・ポップを挙げていくとどうしてもメロウなものに偏ってしまうのですが、そうではなく暑い季節にテンションを上げていくのならこの作品に限ります。とくに山下達郎がプロデュースし、マクセルのCMソングとしてヒットした「一本の音楽」は、窓をあけっぱなしにして夏の風を受けながら聴くには最高のドライヴィング・ソング。他にも、「Summer Dream」や「やさしさにGood-bye」、「ニコニコ・ワイン」のようなメロウネスに包まれたキャッチーなナンバーに酔えます。

杉真理『MADE IN HEAVEN』(1991)
『ナイアガラ・トライアングルVol.2』参加以降の80年代のアルバムが評価されることが多いですが、ポップ職人として今も変わらず質の高い傑作を作り続けています。なかでも、もっとも夏らしい作品が本作。アコースティック・ギターがざくざくと刻むリズムときらびやかなアレンジに彩られた「未来世紀の恋人へ」から、早くも楽園の音楽が聞こえてきます。続く「青い楽園」はウォール・オブ・サウンドとエキゾチック・サウンドが混じり合うスウィートなポップス。南佳孝にも通じるの穏やかな雰囲気は、リゾートのひとときにぴったりです。

今井美樹『A PLACE IN THE SUN』(1994)
この人の夏のアルバムといえば、『Be With』や『AQUA』も捨てがたいのですが、1枚選ぶとなるとこのアルバムでしょうか。一般的には布袋寅泰が手がけたバラードの名曲「Miss You」が収められていることで認知されていますが、アルバムのキーマンは坂本龍一。クールなボサノヴァ・ナンバーの「Martiniqueの風」はどことなく大貫妙子にも通じるものがあります。また、上田知華が作曲し、坂本龍一がアレンジしたバラード「海辺にて」もしっとりといい雰囲気。そしてなぜか映画音楽風のインスト「Watermark」で締めるという構成も圧巻です。

畠山美由紀『Wild and Gentle』(2003)
Port of Notesの名盤群も聴き逃がせませんが、ソロとしてシティ・ポップ度が高いのはこの2枚めのオリジナル・アルバム。4組のプロデューサー兼アレンジャーが参加していて佳曲揃いですが、どうしても冨田恵一が手がけた3曲に耳がいってしまいます。特に極上メロウ・グルーヴの「罌粟」は、いつまでも終わってほしくないと思うほど素晴らしい。切なくも爽快なグルーヴィン・ポップを展開する「海が欲しいのに」や、ミドル・オブ・ザ・ロードのバラード「真夏の湿原」も見事で、真夏はもちろん夏の終わりまでリピートし続けたい一枚です。

ナツ・サマー『Natsu Summer & Dub Sensation』(2018)
今回もおまけで、最新シティ・ポップの傑作を追加しておきましょう。シティポップ・レゲエというジャンルを打ち出しているナツ・サマーのセカンド・アルバムです。プロデュースは一十三十一でおなじみクニモンド瀧口(流線形)ということもあり、80sへのオマージュと思えるラヴァーズ・ロックが満載。スティールパンの音色を効果的に使ったバンド・サウンドが特徴で、「ロング・ホット・サマー」や「ジャパニーズ・レゲエ・ウーマン」のような清涼感のある声に似合った名曲が目白押しです。今年の夏はこれ一枚でOKといってもいいくらい聴き続けてしまうかも。

最後にちょいと告知です。金澤寿和さんたちと一緒に作った書籍『Light Mellow 和モノSpecial 〜more 160 items〜』が増刷されています。
この本はもともと『Light Mellow和モノ669―Including city pops,J-AOR,Japanese mellow groove and more…』というタイトルで2004年に出版され、その後増補改訂版として現行のものが2013年に出ました。今回の増刷にあたって、16ページの書き下ろし小冊子も付いており、ここには2014〜2018年の作品を付け加えています。すでにお持ちの方もそうでない方も、ぜひお買い求めよろしくお願いします。
金澤寿和 + Light Mellow Attendants
ラトルズ
2018-06-20
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