コレは価値がある本だ!と言える本を、紹介します。
決算書ナゾトキトレーニング(参照)です。
昨年末にツイッターで結論だけ投稿しました。
すぐに購入をお勧めする。
— 橘優 (@tsuguru99) December 27, 2021
入門書以上の分かりやすさで、広く深く実践レベルに活がせる知識、それを超えた「体験」を得られる名著。
投資家はもちろん、業種職種問わずすべての働いている人にお勧めしたい。恐らく、ほとんどの人は著者がいうように「見える世界が一変する」だろう。 https://t.co/ZyLoGQ8IwG
投資家はもちろんですが、ほとんどの方にお勧めしたい本です。
非常に価値ある一冊です。
ぜひご購読をお勧めいたします。
以下、3つのテーマで紹介していきます。
1.本書を読むことで、何が得られるか?
2.関連して読むべき本、
3.本書で具体的に得られる知識・扱うテーマ
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1.本書を読むことで、何が得られるか?
本書を読むことで得られるものを、主に3つに分けて紹介します。
a.決算書、ビジネス、投資の知識が得られる
本書を読むことで、題名にある決算書はもちろん、ビジネスや投資に幅広く通じる知識が得られるでしょう(3.「本書で具体的に得られる知識・扱うテーマ」にある程度詳細を載せておきます)。
それだけで、軽く1,000円程度の価格を超える価値を得られることは保証します。
b.貴重な「体験」による深い理解が得られる
しかし、本書で特筆すべきは、単に「知識」として理解するのではなく、決算書-ビジネス-投資評価等について、有機的な繋がりをそのまま腹落ちする「体験」を得られるところにあります。それこそが、極めて得難い「価値」ではないかと思います。
そうした「体験」を得られる要因は、単に対話形式での読みやすさというような形式的な話ではありません。そうではなくて、著者自身が「銀行の財務諸表を用いた実証分析の研究をしていたにもかかわらず」に、『いざ本物の決算書を前にして、「読もう」としても読めなかった』『数字を見ても「だからなんだろう?」で終わってしまう』という体験をしたうえで、「あらゆる知識を総動員して」「知の総合格闘技」として決算書や、それを読み解くために必要な会計・ファイナンスの知識やビジネスモデルの解読を、知的誠実性を持ちながら続けてきたからでしょう。
文字通り、著者が模索を続けてきた血と汗と涙が、本書に結実したといってよいと思います。
c.知的探求の追体験
さらにいうのであれば、本書は会計・ファイナンスの本というだけではないと考えています。
むしろ「物事の全体像を観て・読み解くための知的探求を、会計・ファイナンスというツールを用いて実践的に行っている本」とも言えると私は考えています。
そうした実践を「追体験」することで、会計・ファイナンスを超えた普遍的な考え方や姿勢を掴むことができるでしょう。そうした「価値」は、価格でいえば10万円にも100万円にも、それ以上にもなるかもしれません。
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2.関連して読むべき本
著者自らが「初学者から中級者までおすすめの会計及びファイナンスの本〜決算書ナゾトキトレーニングの前に読む本、後に読む本〜」(参照)と題して、本を紹介してくれています。全体的に良書が多いと思います。
会計・ファイナンス分野で著者の推薦にないものとしては、山根節さん(参照)や大津広一さん(参照)の本をお勧めします。
また、先述したように、本書は会計・ファイナンスの本というだけでなく、物事の全体像を理解するための知的探求を会計・ファイナンスというツールを用いて実践的に行っている本とも言えると私は考えています。
そうした意味でいえば、細谷功さん(参照)やちきりんさん(参照)、安宅和人さん(参照)などの本にも接続するでしょう。
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3.本書で具体的に得られる知識・扱うテーマ
ここに挙げていないものもたくさんありますが、ざっと思いつく得られる知識・テーマを挙げてみました。用語や質問について、どこかが分からない・ハッキリしないという人は、それだけで読む価値があるでしょう。
また、言葉は分かっていても、その「意味するもの」まで分かりやすく理解したい人も、読む価値があります。そして、何よりこれらが個別にではなく「全体として繋がって理解できる」ように書かれていることが本書の魅力の一つだと思います。
特に投資家について具体的にいえば、例えば「PBR」を深く理解するキッカケになり得ると思います。「PBR1倍以下なら割安とは言われるけれど、ROEが高い企業は大体PBRも高い…結局どうしたらいいんだろう?」「そもそも、PBRが高いということは、何を意味するんだろう?」「PBRが高い企業をどのように分析すればよいのだろう?」と考えているような方は、本書を読むことで「見える世界が一変する」でしょう。
また、言葉は分かっていても、その「意味するもの」まで分かりやすく理解したい人も、読む価値があります。そして、何よりこれらが個別にではなく「全体として繋がって理解できる」ように書かれていることが本書の魅力の一つだと思います。
特に投資家について具体的にいえば、例えば「PBR」を深く理解するキッカケになり得ると思います。「PBR1倍以下なら割安とは言われるけれど、ROEが高い企業は大体PBRも高い…結局どうしたらいいんだろう?」「そもそも、PBRが高いということは、何を意味するんだろう?」「PBRが高い企業をどのように分析すればよいのだろう?」と考えているような方は、本書を読むことで「見える世界が一変する」でしょう。
第一章 メガベンチャー「メルカリ」 228億円の赤字でも絶好調の謎
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・Net Debtとは?
・損益に質ってあるの?
第二章 経済のプロ99人が読み解けなかった「ソフトバンクグループの決算書」
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第三章 3兆円で買収された300億円赤字企業「Slack」のポテンシャル
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・PBR、PER、PSRの違いと使い方
・CAC、MRR、LTV、チャーンレート、NDRの意味するもの
・「攻めの赤字」
第四章 GAFA売上高NO.1のアマゾンは本当に「利益を出さない」のか?
・CCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)
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第五章 お金のプロでも差が出る「決算書の読み方」
・非財務情報
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・有価証券報告書、決算短信、決算説明資料、統合報告書
・決算書を「読み解く視点」を増やす~銀行員、株式投資、転職、会計士~
第六章 世界初の「ESG経営」エーザイは、何がそんなにスゴいのか?
・SDGs、ESG、PRI
・PBR、PERと市場の評価・ESG
・企業価値とESG
・非財務情報の分解と分析
・時価総額と有形資産、無形資産→就職活動の自己分析「見えない価値」
第七章 電通の「本当の値段」はいくら?6000億円が吹っ飛ぶ!?名門企業の大誤算
・のれん、会計基準、IFRS、減損損失
・企業買収の会計的な意味
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