世界のひずみにあるしん太の棲み家

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太陽と僕は友達

Date :
2010年08月03日
Category :
小説
今日はやけに陽射しが強い。太陽がぎんぎんと僕を照らしている。僕は汗まみれになって歩いていた。しばらく歩いて僕はやっと気付いた。太陽が僕に話しかけているってことに。
 僕はゆっくり太陽の方に顔を上げた。眩しかった。



「何だい? さっきから僕に話しかけているだろう?」


 キミニキヅイテホシカッタンダ


「何をだい?」


 ボクガヒトリデコドクダッテコトニ


「ふーん、そうなんだ」


 トモダチニナッテホシインダ


「君、僕と友達になりたいの?」


 ウン キミナラボクヲワカッテクレル


「分かった。今から君と僕は友達だ。これでいいんでしょ?」


 ウン ボクハモウヒトリジャナイヨネ?


「一人じゃないよ。安心して」


 ウン アリガトウ


「よろしく」


 ヨロシク イツデモキミヲミテイルヨ



 こうして僕は“太陽”と友達になった。
 しばらく歩くと僕の携帯電話が鳴り出した。
 会社からだ。
 課長は「会社はどうしたんだ?」と言ったが、僕はさっき“太陽”と友達になったことで頭がいっぱいで「太陽が、太陽が」としか言えなかった。課長はあきれて電話を切ってしまった。
 僕は自分の携帯をへし折った後、“太陽”を見上げて、力なく笑ってみせた。
 彼も優しく微笑んでくれた。



 コンビニに入った。“太陽”は僕がコンビニで隠れてしまうのを寂しがったが、仕方なかった。コンビニがガラス張りになっていればよかったのにと思った。
 僕は「チョコレートを借りよう」と思って、3個のチョコレートをポケットに入れて、店を出た。
 “太陽”は勝手にいなくなった僕に怒り、さっきよりもっと強く、僕を照らした。
 僕は「そんなに強く照らしたらチョコレートが溶けちゃうよ」と言ったが、“太陽”はそんなこと、おかまいなしだった。
 


 僕等は海に行くことにした。海なら僕と“太陽”を邪魔する者はいない。
 僕等は電車を乗り継いでビーチへと辿り着いた。電車の中では“太陽”が寂しがるといけないので僕はずっと窓から“太陽”を見つめていた。



 ビーチには誰もいなかった。僕と“太陽”の二人だけだ。
 僕等は一緒に昼寝することにした。



 随分長いこと寝た気がする。起きた時、“太陽”が少し元気のないのに気付いた。
 僕を照らしていた陽射しがとても弱くなっていた。
 僕は慌てたが、“太陽”はどんどん弱弱しくなっていった。
 そして、真っ赤に燃えたかと思うと僕を一人残して、消えてしまった。



 あたりは真っ暗になってしまい、僕は怖くて震えていた。
 そして、消えた“太陽”を求めて、海へと駆け出した。



 FIN

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