北方領土,竹島,尖閣諸島 と日本を取り巻く領土問題が最近(2012年秋)特に喧しい.日本はどう対処するのが正しい方法なのか.自分(=日本)に都合のいい屁理屈をこねても,相手がいる問題だから,カッカするばかりで,むしろ解決から遠くなる.
以下,歴史的経緯を客観的に見て,どういう解決法があるか探し,妥当な結論を導こう.
ただし,尖閣諸島については中国共産党政府の酷いやり方を見て,考えが変わった: そこで主張することは,著名人が影響の大きさを考慮して言わない本音を,代弁するものであろう.
北方領土
調べてみると,千島列島樺太の領土問題は江戸時代から存在し,1855年の日露和親条約によって,千島列島の択捉島(えとろふとう)と得撫島(うるっぷとう)の間に平和的に(=交渉によって)国境線が引かれた.その後,明治8年(1875年)の樺太・千島交換条約によって平和的にそれらの帰属が決定し,樺太全島をロシア領とし,その代わりに千島列島の全島を日本が領有することになった.よく知られているように,1905年,日露戦争に勝利した日本は,北緯50度以南の樺太島(=南樺太)をロシアから武力で奪い取りポーツマス条約を締結して,‘実効支配’した.第二次世界大戦の末期,連合国の首脳達ヤルタの秘密会談で「樺太南部をソ連に返還すること,千島列島をソ連に引き渡すこと」等を密約した(ヤルタ協定).それに従って,ソ連軍は日本に宣戦布告し,樺太・千島列島を武力制圧して,以後実効支配している.領土に関する条約は未だ締結されていない.外務省のHP日本の立場を見ると,日露和親条約の境界線までの4島領有を条約締結の条件としている.

今回調べてみて分かったことは,日本が南樺太を戦争で武力奪取したことを政府が正当化するならば,現在,ロシアが千島列島全島を(殆どだまし討ちとはいえ)武力で実効支配していることも認めざるをえないことだ.千島の4島を日本固有の領土だから返還せよという主張は,実効支配の前に,影が薄い.日本政府が,都合の悪いことは覆い隠し,都合のいい理由だけを述べ立てて主張を通そうとするのでは,(後述する)中国の傲慢不遜な主張を退けるのにはかえって障害になる.

というわけで,国後・択捉が帰ってくる可能性は限りなくゼロだ.歯舞・色丹だけでも返してもらえれば御の字で,元島民には相当する補償金を支払い,早急にロシアと平和条約を結んで中国に対処する力を養うのが最善の策である.

竹島:
明治以前に朝鮮が日本海に領有した島々に関する詳細な議論が 藪太郎氏 によってなされている(より詳細な歴史資料もある).厳然たる歴史的事実は,明治以前に朝鮮の王朝が竹島を島と認めて領有したことは無いということ.したがって,外務省の見解は竹島に関してはほぼ的をえている1905年(明治38年),日本政府は閣議で竹島と命名し、島根県隠岐島司の所管とした。これに対し,当時の韓国政府は何らの異議も申し立てていない(日本に支配されていたため,異議申し立てができなかった). 太平洋戦争で日本が敗戦すると,状況は変わった.1952年(昭和27年),韓国は李承晩ラインを強行設定し(1965年に廃止),竹島を自国領土と宣言した.

1905年(明治38年)の日本政府による竹島領有宣言に関する時代背景を述べておく:
19世紀,中国や朝鮮などの東アジア世界では国家権力は中心から外へ離れるほど弱くなっていき,国境線は明確でなかった.当時,竹島近海では日本や朝鮮の漁師が自由に入り乱れて魚を捕っていたと思われる.一方,西洋の主権国家は国際社会の中で独立した主権をもち,排他的な自分の領地を明確にしていた.日本は明治初期にこの西洋的近代主権国家体制にいち早く適応し,竹島(ならびに尖閣諸島)を含む国境線を画定した.たとえ話でいうと,商標登録先に行った方が権利を持つのと同じこと.日本はその意味で上手くやったのだ.

ここで,韓国民の主張を代表して クォン・ヨンソク氏 に見てみる(まとめ):
1. 朝鮮半島は昔から侵略を受け続け,抵抗を繰り返す中で,「自分たちの領土」の意識が(近代に入る遥か以前から)強くなっていた.
2. したがって,韓国人の領土を守る意識は,日本人の意識を遥かに超えるほど強烈で,その象徴が独島(トクト)=竹島である.
古地図や歴史的記述から見て,彼らがいう「独島」が竹島に当たるのかは,はなはだ疑わしい.しかしながら,竹島近海への立ち入りを禁止され,漁ができないとなれば,彼らは自分の領土が侵されたと感じたことは間違いない.同様に,日本人も,竹島近海で漁ができなければ,領地が犯されたと判断する.

竹島自身は人の住めない「ただの岩」であり,それ自身の価値は殆ど無い.問題はそれに付随する漁業権や海底資源の価値である.それらも,日本と韓国が友好に貿易を拡大していく利益と比べたら,たいしたものではない.だいたい,韓国が実行支配している現在,戦争をしないで,日本領になる確率は皆無である.したがって,漁業権や海底資源の権利を分配したのち,「どうでもよい岩」は“呉れてやる”(=譲渡する)のが日本にとって最も利益が多い.日本は,西洋列強の帝国主義の真似をして,植民地を持とうととしたが,無様に大失敗した愚を思い起こし,それを完全に清算するには,良い機会である.

尖閣諸島:
歴史的には,中国の朝廷から見て,遥かな辺境の無人島であった尖閣諸島を自国の領土という認識はなく,漁民が近海で漁をしていた程度であろう.琉球の王朝から見ても全く同じ扱いであったことは疑いない.双方の漁民は,お互いに,“あいつらまた来てる”などと言い合っていたに違いない.
日本領に編入されたのは日清戦争中であった1895年である.竹島の場合と同様,日本政府が上手くやったことは間違いない.1945年(昭和20年)のアメリカ軍による沖縄占領から,1972年(昭和47年)の沖縄本土復帰に至るまで,アメリカ合衆国による沖縄統治時代が続き,尖閣諸島はアメリカの統治下に置かれた.この時期の中華人民共和国で編纂された地図(←リンク先)および中華民国で編纂された地図では尖閣諸島を日本領として明記している.1968年の海底調査の結果,東シナ海の大陸棚に石油資源が埋蔵されている可能性があることが指摘され,1971年に中国・台湾が領有権を主張しはじめた.この時初めて,尖閣問題が勃発したのである.以後,両国は執拗に尖閣領有を主張している.

石原都知事の軽率な尖閣購入・開発発言に端を発する,尖閣諸島国有化宣言に対して,中国政府は,国有化の話題が上っているときは大して強硬姿勢を見せずにいた.がしかし,首相が宣言を伝えた瞬間から,それを待ってましたとばかりに超強硬姿勢に転じた.
日系企業に放火,破壊,略奪 中国各地で反日デモ暴徒化が起こるまで,自分のスタンスはかなり寛大で,日本は上手くやったとはいえ,尖閣は中国漁民も認識していたのだから,漁業権や海底資源の権利を上手く分配すれば,無人の島自体は大きな問題ではない,というものだった.
だが,今回の中国(中華人民共和国)政府=中国共産党のやり方を見て,彼らに対する見方を完全に変更すべきであるとの認識に変わった.なぜならば,奴らは,“全部よこせ.そのためには何でもするぞ”といっているのだ.もし,尖閣を譲ったら,次は,“琉球は昔中国の属国だった.明治になって日本に併合されたのだから,中国に返せ”と脅してくる可能性さえある.現在,中国共産党は南沙・西沙・中沙諸島を強奪して,100年遅れの帝国主義ごっこに燥(はしゃ)いでいる.嗤(わら)ってやろうではないか.

中国共産党への総括:
野放しにしておけば,‘中華’はマジで世界を平伏(ひれふ)させたい欲望を隠さない.

方針は決まった.以下の分析と対処方針を提示したい(著名人が,影響の大きさを考えて,本当は言いたくてもいえない本音であろう).
1)中国共産党は真実を隠蔽して人民を洗脳している:
①共産党政府は,1971年までは尖閣は日本領土であることを認めていた(←リンク)こと,を隠している.
②日本政府は(中国人民に深いお詫びの意味を込めて)開発途上国であった中国に政府開発援助(ODA)を総額約3兆円以上も行ってきたが,共産党政府はそのことを全く公表せず,日本は極悪非道とのみ喧伝している.
③1978年,鄧小平が日本を訪問した際,松下幸之助が中国を全力で支援するという所謂「君子の約束」によって建てられた中国の工場が焼き討ちにあった.共産党政府は恩人の工場であることを隠し,それを守る意識が無いのだ.
2)諸悪の根源は中国共産党である.この見苦しい強欲・支配欲をみよ.周辺の弱い国は自国に併合し,少しでも拡張できる土地は武力で奪い取っている:
悪1.中国共産党は強欲の塊である:尖閣,南沙・西沙・中沙諸島.もっと古くはインドまで中ソ国境も
悪2.中国共産党は支配欲の塊である:ウイグルチベット内モンゴル
したがって,このまま,手を拱(こまね)いていると,
3)中国共産党・軍はいくらでも増長し,つけ上がっていく.

以上のことから,
4)中国共産党支配が崩壊し,中国人民が正しい情報を受け取れるようになって,初めて,互いの利益に叶う話し合いが可能になる

5)中国共産党の終焉は,今となっては,革命による内部崩壊しか無い
そんなことが可能か? その唯一の可能性は:
6)中国共産党の下で,無能な共産党幹部・軍幹部が不当に富を吸い上げる,世界一 不平等・不公平な社会を中国は晒(さら)している.したがって,
7)経済の成長率が著しく鈍化し,しかしながら,才能ある多くの若者達が報われないままでいるならば,不満は中国全土に充ち満ち,その不満が軍隊にまで及んだとき,革命は成就する

したがって,
8)我々の目標は 中国共産党の瓦解および中国軍の混乱・無秩序である
そのために,
9)日本がなすべきことは以下の通りである:
① 尖閣諸島では,こちらからは決して先制攻撃せず,また屈服すること無く,尖閣諸島の領有権を死守する(上陸だけは絶対阻止).これは十年以上続くことを覚悟する.
②アメリカとの集団的自衛権行使を認め,尖閣諸島近海で,アメリカ軍空母出動のうえ,日米軍事訓練を行う.この時点で,もし中国軍が対峙すれば,中国に進出した欧米企業は逃げ出す.日本からも逃げ出すが,それが収まったとき,日本には戻ってくるが,中国には戻らない.つまり,中国経済は崩壊する.この時点で,独裁政権とは対峙するが,民主政権とは尖閣問題を解決する用意があると日本政府は表明する.これで一気に共産党政権はお陀仏だ.(週刊現代 10/6号 ◆第2部 実は人民解放軍より自衛隊の方が強い、だが… 最悪の場合,中国共産党政権が倒れ・・・極端な反日政権が新たに誕生することも・・・とある.私の分析はここが違う.中国共産党政権が倒れれば,それが吹聴してきた全ての価値観が吟味され,100年遅れの帝国主義≒領土拡張主義も反省の対象になる).
③もし,中国軍が攻撃してきたら,それは殲滅できる.日本の自衛隊の実力は,実際は装備や訓練が行き届いていて,中国軍よりかなり上である.全面戦争になる可能性は,日米安保条約の適用によって(中国軍は絶対敵わないアメリカ軍と直接戦闘することになるから),皆無である.
④中国進出企業には順次撤退または進出先の変更を促し,中国に進出した中小企業のために必要な資金を援助する.中国に技術指導に行った技術者・職人にも帰国を促す.
⑤尖閣諸島が日本の領土である証拠を示すために,中国が尖閣諸島を日本の領土と認めた人民日報(1953-03-18)報道それを示す地図を全世界に向けて,また中国人が入国する空港・港で看板を作って貼り出す.
⑥中国は如何に不平等社会であるかを,多くの実例を付けて,中国語で発信する.中国共産党・軍のより大幹部の実例であればあるほど効果がある(例えば,共産党・軍幹部家族の海外移住を徹底的に調べ上げる).
⑦反日デモが起こったら,いやそれが起こるように,尖閣諸島の実効支配を顕示する.反日デモはすぐさま反共産党デモに転化する.
我々の目的は,100年遅れの帝国主義をやりたがっている共産党政権を崩壊させ,自由にものがいえる民主国家が中国に確立されることである.そうなってこそ,初めて領土問題に話し合いによる解決が可能になる.武力をちらつかせていうことを聞かせようなどという独裁国家と仲良く交易したいなどとは微塵も思わない.

それにしても,都知事が「追っ払えばいい」などと,発言の影響を全く考えない幼稚で無責任な発言を繰り返して,日本を窮地に陥れたことを考えると,真の国賊とはこういう輩のことだと思わざるをえない.事実,新右翼団体「一水会」顧問の 鈴木邦男氏 は朝日新聞 9/19付 13面の‘愛国’についてのオピニオンで,
 日本でも愛国を訴える政治家が多くいます。尖閣列島や竹島の問題では、戦争も辞さない勢いで国民を扇動しています。 愛国を訴えて、立派な政治家と思われたいのでしょう。あまりに不純、卑劣な態度です。
 大局的に国益を考え、中国や韓国をやっつけろと騒ぐ世論を抑えるのが政治家の役割です。国民と一緒になって騒いでどうする んですか。非国民、国賊と呼ばれても、冷静に対処する覚悟がなければ、真の愛国者とは言えません。国民生活を豊かにできない 自らの無能を隠すために愛国を利用する卑怯者です。
と述べている.領土問題では,威勢のいいことをいって,戦争を煽(あお)る幼稚・無責任なリーダーは国を危うくする真の国賊であることを肝に銘じよう.